ニックネーム:sizusizu
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コラムより 20
2010年03月12日(金)
2010.3.1 産経新聞より 産経抄

1960年5月の、チリ地震

よーいどん
●週末に南米チリで起きた巨大地震のエネルギーは、阪神大震災に比べて300倍以上に相当するそうだ。1960年5月に起きたチリ地震は、記録の残る中で世界最大といわれる。それに伴う大津波が太平洋を猛スピードで突っ切り、安保闘争で揺れたいた日本列島を襲った。

●全国で住宅3891戸が前半壊し、死者、行方不明者は142人に達した。津波の強さもさることながら、事前の地震を感じずに「音もなくやってきた」ために、被害をより大きくした。津波に詳しい作家の山下文男さんが指摘する(『津軽てんでん』新日本出版社)

●最大の被災地となった三陸海岸では、「つなみがくるぞ!」とのこえに、「地震もないのに」と、気にもとめなかった人が少なくなかった。アメリカかソ連による水爆実験を疑った人もいた。そもそも、気象庁に津波警報が出たのは、海岸に第1波が到着してから2時間もたっていた。

●このチリ地震を境に日本人は、海の向こうから押し寄せる津波にも、備えるようになった。50年後の今、津波の情報を国際間で共有システムが完備されている。危険の度合いに応じて避難勧告や指示が発令され、テレビでは、専門家が注意を呼びかける。

●もっとも津波を監視し、その情報を伝える仕組みがいくら整っても、人々の記憶から津波の恐ろしさが薄れてしまったら、悲劇は必ず繰り返される。明治の三大陸大津波で一族の多くを失い、自らも少年時代に体験した山下さんは、著書で繰り返し訴えてきた。

●きのうの津波襲来を、われわれの「防災力」を確認する機会としたい。もちろん、一つの海でつながっているチリの惨状は人ごとではない。一刻も早く、被災者の救助と復興の手を差し伸べたい。

ヘッダ 2010.3.3 撮影(F) 月ヶ瀬梅林

人間と自然の調和へリンクします。
2010-03-12 11:00 | 記事へ |