2010.4.5. 産経新聞 産経抄より
ママさん飛行士、山崎直子さん
よーいドン
●「宇宙飛行で一番感動したことって、何だい」。病理学者の向井万起男さんが、日本初の女性宇宙飛行士である、妻の千秋さんに聞いたことがある。1994年7月の宇宙滞在から、一年以上がたっていた。
●「もちろん、地球に帰ってきたときよ」と千秋さんが答える。家族で再開できたからではない。重力を再び体で感じた驚きが、大きかったのだという。そういえば、帰還直後の千秋さんときたら、車のドアを開けて頭から突っ込もうとしたり、何度も手を離してハンドバッグが下に落ちるのを確かめていた。
●万起男さんは、その姿を見て笑ったことを後悔する。次に来たのが、かすかな無力感だ。「女房は宇宙旅行をしたが、オレはしていない」。「宇宙飛行士の亭主」ならではのエピソードから、喜びとほろ苦い思い出が伝わってくる。
●日本時間の今日の夜、日本初ママさん飛行士、山崎直子さん(39)が、スペースシャトル「デスカバリー」で、宇宙に旅立つ、それにあわせて出版された、『宇宙主夫日記』(小学館)のなかで、夫の大地さんは、よりリアルにその実態をさらけ出している。
●長女、優希ちゃんの育児や両親の介護など、仕事を失ってまで家族のために奔走しているのに、理解してもらえない。離婚の危機に追い込まれたことも合ったという。もちろん、夢を追い続けた直子さんにとっても、家族は何より大切だった。
●結婚後も通してきた旧姓の「角野」を夫の姓に変えたのも、「主夫」の大地さんに報いるためだ。そして、万が一の事故が起きた時の事も考えて「家族の『形』を大事にしたいと思った」と、あるインタビューに答えている。延ばしに延ばしてきた結婚式は、帰還後に挙げる予定だ。
ヘッダは、2010.3.27 撮影(F)猪名川町
人間と自然の調和へリンクします。
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