ニックネーム:ルビー奥村
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2012年11月11日(日)
連続ラジオ小説「黄金仮面」

テレビの土曜ワイド劇場で、天知茂の明智小五郎、美女シリーズが始まったころ、わたしは夢中になってテープレコーダーで録音していました。

テープレコーダー? 録音?

だって、ビデオデッキなんてまだ一般中流家庭に普及してなかった頃ですから。ww
あとで音だけを聴きながら、その時に見ていたテレビの画面を思い浮かべることができるわけです。
当時は、録音用のコードもつなげずに、そのままテレビに近づけて録音してましたから、色々な雑音が入ってしまうんですよねえ。
それでも、充分満足できていた頃でした。ww

江戸川乱歩、美女シリーズの次回放送日が分かる情報は、唯一、土曜ワイド劇場の最後に放送される3週分先くらいの予告編でした。
いつになったら、乱歩のドラマが放送されるんだろう、次は、何が放送されるんだろうと、そればかりが気になって、予告編をチェックしていました。^^

予告編で乱歩ドラマの予告が流れると、さあ、胸が騒ぎます。
もしその原作を読んでいなかったら、放送予定日までに読んでおかなければいけません。


ところが、全くの不意打ちをくらったのが、NHKの連続ラジオ小説、江戸川乱歩シリーズでした。
あの時、自分でもよく気がついたものだと思います。^^
新聞のラジオ欄の「黄金仮面」という文字に、目が引っ掛かったのです。

資料によれば、放送されたのは、
昭和53年12月11日〜29日。毎回15分、全部で15回の放送でした。

あまり原作通り忠実に描かれることのないテレビのドラマ化に対して、ラジオドラマは、ほぼ原作通りでした。
それどころか、ほとんど乱歩の文章、そのままだったのです。

テレビドラマでは、制作費用が掛かってしまうことでも、ラジオドラマでは、無理がききます。
映像ではなく、耳から聴いた視聴者の想像に任せれば良いのですから、幅も広がります。
「黄金仮面」が雑誌「キング」に連載されていた、昭和5〜6年当時の風俗・世相が、ナレーションや音響効果、当時の流行歌などを織り交ぜて再現されていたのが何よりも嬉しいことでした。ww

♪ 恋の丸ビル あの窓あたり 泣いて文(ふみ)書く人もある
「東京行進曲」
http://www.youtube.com/watch?v=gY9u5FPyAis

ここで今、かかっております歌は… 
という具合に、話の合間に当時の「流行歌」が流れ、普段は活動弁士ばりの硬派なナレーションを繰り広げる中西龍(りょう)さんが、茶目っ気たっぷりに昭和初期の風俗や世相を解説してくれるのです。

♪ 磯の鵜の鳥ゃ、日暮れにゃかえる。
「波浮の港」
http://www.youtube.com/watch?v=n5PKKuSfjFY&feature=related

♪ 砂漠に日が落ちて、夜となるころ
「アラビアの唄」(二村定一版)
http://www.youtube.com/watch?v=FvM4nq9JDvc&feature=related


黄金仮面が、産業塔に逃げ延びて姿を消してしまい、「号外、号外!」と事件の号外が配られる場面で、この「アラビアの唄」が流れたことが、印象に残っています。
お蔭で、ずいぶんと昭和初期の懐メロを覚えてしまいました。ww

また、この江戸川乱歩ラジオ小説シリーズには、オリジナルのテーマソングがありました。
「吸血鬼」のときに、明智小五郎役の広川太一郎さんが歌った、「撫流西州」(ブルース)は、ほんとに甘くて渋いお声で、シビれました。ww

 ♪ワイングラスの 甘い ささやき 
  ♪ついだ私の 恋の 想い出

強く印象に残ったのは、やはり、シリーズ第一回目の「黄金仮面」のテーマソングでした。歌ったのは、ギャル。ちゃんとレコードにもなっています。

連続ラジオ小説「黄金仮面」のテーマソング

B面の「悪魔のように」は、威勢の良いハイテンポなテーマソング「黄金仮面」に対して、不二子が黄金仮面を慕う心情を表した抒情的な歌でした。

------------------

さて、以上のように、阿片の妖気につつまれた異常なるまでの興奮のなかで、連続ラジオ小説「黄金仮面」の放送が大団円を迎えた昭和53年12月29日の翌日のことです。

折も折。
12月30日のその日は、土曜ワイド劇場 江戸川乱歩・美女シリーズで「黄金仮面」が放送された日だったのです!

黄金仮面の上に、黄金仮面が重なった、
まさに、昭和53年の年末は、黄金仮面な日々になったわけです。ww



ラジオ小説ドラマの話は、これからもお話します。
では、まったでーーす。


参考文献:
 「推理SFドラマの六〇年 ―ラジオ・テレビディレクターの現場から」
 著・上野友夫 昭和61年 六興出版
 江戸川乱歩推理文庫65「乱歩年譜著作目録集成」平成元年 講談社



2012-11-11 23:19 | 記事へ | コメント(2) | トラックバック(0) |
| 江戸川乱歩 |
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2012年11月13日(火) 05:40 by かしこん
ルビー奥村さま

おはようございます。
土曜ワイド劇場の『黄金仮面』、多分私は見てるんだと思うのですが、そのころはラジオの方にまったく目がいかず(昭和53年だと・・・幼稚園かもしれません)、それでも土ワイは親が好きで見ていたので私も見ていたのでしょう。毎週じゃないですよ、やはり明智小五郎ものを選んで見ていた気がします。
後年、CATVで再放送されている『黄金仮面』を見たら、黄金仮面役が『水戸黄門』の“格さん”で仰天した思い出が・・・。
もっとシュッとしたイメージだったのに・・・
ビジュアルで再現されると悲しい、のは、「人気小説の映像化」に必ず伴う悲劇ですけど・・・。
数年前、田村正和とビートたけしで明智小五郎と二十面相をやってましたけど、もはや昭和ロマンは映像にするとギャグになってしまうのでしょうか。そういう意味でも、ラジオドラマ復興はありだと思います。
かしこん様

おはようございます。^^
黄金仮面を演じた、格さん≠ヘ、とても有名な良い役者さんなんですけど、
わたしは外国人が演じるのだとばっかり思ってて、ええっ?と思いました。
お銀さん≠ヘ大鳥不二子でしたし、黄門さま≠ヘ、魔術師の奥村源造でしたし、
別の格さん≠ヘ「幽霊塔」に出てましたし、また別の格さん≠フ弟は小林くんで、映画「陰獣」の寒川は助さん≠ナした。
誰が誰なのか、わからなくなってしまいましたね。ww

田村正和とビートたけしの明智小五郎と怪人二十面相、ありましたねえ。
古畑任三郎のイメージが強すぎて、どうしてもそういう目で見てしまいました。
昭和初期のロマンでは、陣内孝則の明智小五郎シリーズがとても良かったです。ww

映像技術が発達しつくされたこの時代に、ラジオドラマの見直しは充分アリだと思います!
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