トスカーナ大公フェルディナンド1世と呼ばれる人です。
彼は、コジモ1世の五番目の息子なので、俗界の一族を、聖界からバックアップするため僧籍に入り、15歳で枢機卿となったのは、名門貴族の予定の行動であったのでしょう。
しかし、他の兄弟がなくなり、父の後を継いだ大公のフランチェスコ1世が、問題の大公妃ビアンカ・カペッロとともに急死したので、彼が大公位を継ぐことになったのです。
しかし、たまたま、兄夫婦が急死した時に、同じ別荘に滞在していたために、毒殺犯人説までささやかれました。
事情はともあれ、大公になるとなれば、枢機卿をやめて還俗し、翌年には、家柄のよいフランス貴族のお姫様(母がフランス王女で、祖母がカトリーヌ・ド・メディチ!)をお嫁にもらいます。結婚のお祝いに、フィレンツェで池に水をためて古代ローマ風の模擬海戦までやるというゴージャスぶりだったそうです。
花婿は40歳で、枢機卿といえば、海千山千ですから、ゴージャス嗜好は、彼自身の趣味だったんでしょうね。
まあ・・勿論政略結婚ですし、祖母のカトリーヌ・ド・メディチの意思が働いたそうですが、フェルディナンド自身も、後に、姪にあたるマリ−・ド・メディシスを政略でフランス王妃にしています。このマリーさんが、仰々しい一代記をルーベンスに描かせた女性です。
お家のためなら、緋の衣も脱ぎましょう。カボチャパンツも、タイツもはきますとも。実は、けっこう美脚なんです・・・というフェルディナンドさんです。
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2010-08-04 14:50
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ついに8月になってしまいました。今週も暑いそうですね〜・・。
本町をぶらりぶらりと蛍かな
小林一茶50歳のころの句です。
3歳の時に実母をなくし、8歳の頃にやってきた継母と折り合いが悪く、15歳で江戸に奉公に出されて、以後職場を転々とし、また、家族との確執が続き、父の死後、遺産相続をめぐっても争いは続き、ようよう落ち着いて、気持ちの上にも平安がおとづれるのが50歳の頃です。その後、初めて妻を迎え、生活もようよう安定します。
江戸の本町あたりにも沢山蛍がいたのでしょうね。ホタルとともに描かれるのは、50男のはずですが、まあ、「涼しい女シリーズ3」ということで、彼が迎える28歳の妻女の雰囲気で(もっとも彼女は江戸には来ていませんが)。
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2010-08-01 15:02
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ローマ帝国で有名な異国女性は、なんといってもエジプトのクレオパトラですが、このベレニケも有名です。
彼女は、ユダヤの王女で、ヘロデ・アグリッパの娘です。
彼女自身が何かをしたわけではないのですが、男運が悪いのか、最初、ローマ人に嫁ぎ、未亡人になって再婚後、二度目の未亡人となります。次にキリキア人と結婚をしますが、別れて、兄であるアグリッパ2世のもとに戻ります。この不幸な妹を、兄は気遣ってか常に一緒に行動していたようで、このへんで、近親相姦などという噂がたつのかもしれませんが、ユダヤ王家は、実質的には王権はなく、ローマ帝国の政争などにからんで、難しい世渡りをしていたのかもしれません。
この彼女が次に選んだ男は大物で、ユリウス・クラウディウス家の後、新たにローマ皇帝となったヴェスパシアヌスの長男ティトゥスでした。
ティトゥスは、ユダヤ戦線の総司令官でしたし、父親の立場からしても、次代の皇帝になる可能性は大なので、将来性がよいと判断したのでしょうか? 彼女はすでに37歳でしたが、11歳も年下の若いローマ軍人と恋仲になったのです。ローマにも、一緒に帰り、二人は夫婦としてふるまっていたようですが、ローマ市民の反応は最悪で、彼女をクレオパトラの再来と見て、ローマ帝国を分裂させる禍を生むと思っていました。
ティトゥス自身は、本気で彼女と結婚したいと思っていたようですが、皇帝ヴェスパシアヌスは、市民の反感を恐れて彼女をユダヤに帰してしまいます。ヴェスパシアヌス帝の死後、密かに彼女はローマに戻っていたということですが、ティトゥスといっしょに暮らすことはなかったようです。
ティトゥスは、皇帝になっても独身で通し、愛人もおかなかったのは、やはり彼女のためだったのでしょうか。その頃は、もう若くもない二人でしたが、誠実な恋人であったのかもしれません。
クレオパトラのように山っ気のある強烈な女性ではなく、もしかしたら、落ち目の兄を助けるけなげな女性だったかもしれないでしょう・・・? ちなみに彼女と兄のアグリッパは、パウロと出会って話を聞いているそうです。
「密偵ファルコ」に出てくる彼女は、ケバい化粧をして、派手派手なエキゾチックな装いの年増(40を過ぎていますから)ですが、フラヴィウス時代のローマ人の流行の髪形をしていたのではないかと思いますが、やや装身具を派手目に。
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2010-07-18 14:53
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アグリッパ1世として知られる、ユダヤの王族です。
ヘロディアの夫(つまりサロメの継父)であるヘロデ・アンティパスの、次の名目上のユダヤの支配者ということになります。
系譜から言うと、ヘロデ・アンティパスの異母兄弟アリストブラス(彼は、母が先代のハスモン王家の出身だったので、実父のヘロデ大王によって殺された)の息子です。
名目上というのは、実質、ユダヤの支配者はローマ帝国だったからです。
若い頃、ヘロデ・アグリッパはローマで暮らしていて、彼と似た境遇の、同じく「父親が殺された(と信じている)不幸で高貴な少年」カリギュラと親友になったのですね。彼のローマ名マルクス・ユリウス・アグリッパというのは、カリギュラがらみで得た名前なのでしょうか。
その親友がローマ皇帝になったことで、ユダヤでの地位を獲得して、叔父と叔母(ヘロデ・アンティパスとヘロディアです。勿論)を追放し、ヘロデ大王時代の所領を統括する立場となりました。クラウディウスの時代になっても、ローマの後ろ盾は続いていたのですが、支配者となって3年目に急死します。
ある書物によると、キリスト教を弾圧し、大ヤコブを処刑し、ペテロを獄につなぎます。そして、ヘロデ・アグリッパ自身は、銀色に輝く衣裳を着けて、民衆の前で演説すると、人々は「神の声のようだ」と称えたので、神の怒りに触れ、虫に食われて死んだ・・ということになっています。何の書物かというと、勿論聖書ですね。使徒を処刑したり、投獄したりしたので、天使が現れて打ち据え、生きながら蛆虫に食われて無残な死をとげた・・とかいう記述もあるそうです。
叔父さんと従姉妹は洗礼者ヨハネの首で有名になり、彼は、ヤコブを殺し、ペテロを捕らえた(天使が迎えに来て脱獄しますが)ことで名を残しています。
衣裳は、勿論ローマ風です。ユダヤの風俗は、古来偶像を描かなかったために、絵画資料がなく不明なのですが、もともとギリシャ風だったようで、紀元以降は一般的にはローマ風になったようです。
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2010-07-16 15:18
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ヘロデアは、ユダヤ王家の王女。
かの建築マニアでもあったヘロデ大王の孫娘にあたります。彼女が何故有名かというと、かの預言者ヨハネの首を切らせたからですね。
そうです、サロメの母です。サロメばかりが有名な気がしますが、あのおぞましい「お盆の首」を、そもそも発案したのは母のヘロデア。ヨハネは彼女の私生活を非難したからです。
家系図からいうと、ヘロデアは、ヘロデ大王の2番目の妃の産んだ王子の娘。彼女の最初の夫ヘロデ・ピリポ(サロメの父親)は、ヘロデ大王の3番目の妃の王子。で、サロメが踊ったのは、ヘロデ・アンティパス王で、この人はヘロデ大王の4番目の妃の王子です。
ヘロデアは、父親の異母兄弟(つまり叔父さん)の間を渡り歩いた・・ということですね。ヨハネが批判したのも、彼女の結婚が叔父との近親婚ではなく、夫を捨てて夫の兄弟のところに走った・・つまりはヘロデ王側からすると、兄弟の妻を奪ったことなのです。
まあ、分かりやすく言えば、額田王のことで天智天皇を批判したみたいなものですね(いや・・ちょっと違うかな)。
で、王妃という地位に満足しているヘロディアとしては、ややこしいことを言い出す預言者に腹が立ったので、「娘のご褒美」にかこつけて首を切ったということになっているのですが、これが画家の絵心を刺激し、幾たびも描かれる絵は、皆サロメが盆を捧げている・・ということなのですが、中にはヘロディアが満足げに盆の首を見ている絵もあるのですね。十代の年端も行かぬ美少女と首もなかなかですが、海千山千の年増美人も、画家の好みにあったということでしょうか。
盆の首は省きました。
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2010-07-13 14:34
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