2010年02月18日(木)
女帝ゾエとテオドラ
 

 モザイクといえば、ビザンチン! というのが自然な流れなのですが、ビザンツ帝国(東ローマ)はなかなかに複雑な継承をしています。
 11世紀初頭、マケドニア朝コンスタンティノス8世は、病に倒れて後継者選びが切迫し、重臣を娘のゾエと強引に結婚させることで帝位を安泰にしようとしました。60歳をすぎた花婿に(当然妻がいましたが、策略を用いて離婚させ)、50歳の皇女が花嫁です!この人がロマノス3世として即位しました。
 この皇帝は、風呂で急死するという事態になり、皇后ゾエは、皇位安泰のために、またしても再婚することになります。名門のお姫様は大変だなあ・・と思うのは早計で、今度の花婿は、ゾエより30歳以上も年下の24歳の美貌の若者。即位してミカエル4世と呼ばれますが、実は、ロマノス3世時代にすでに皇后ゾエの愛人だったとか。
 しかし、彼は顔だけの男ではなくて、野心に燃えて皇女に近づいて、目的を果たしたのですから、不要になった妻を幽閉するという暴挙に出たのは若さのせいでしょうか。皇帝としては有能だったそうですが、32歳で、病気のために、自分の従兄弟(甥?)を後継者指名をして修道院に入り、その日に死んだとは・・なんだかできすぎな気もします・・。その新帝がヨハネス5世。背後に二人の伯父にあたる宦官がいるのが陰謀くさい・・?
 ヨハネス5世は、皇室と何の血縁も姻戚もないので、幽閉されていたゾエ(すでに皇太后ですね)を始末しようとするのですが、ゾエは民衆の支持を得ていたので、反乱が起こり、逆に彼が捕らえられて目を潰されて追放されたとか・・。
 かくして、皇女ゾエ復活! 彼女は再々婚をせずに、自ら国を治める決意をします。そして血の絆を固めるためか、17歳年下の妹テオドラと共同統治します。ここに2人の女帝が並んだのですね。
 ゾエは、もはや64歳という年齢でしたが、彼女はとてもその年齢には見えず美しかったそうです。しかし、美人姉妹?女帝の時代は、二人の不仲で、たった2ケ月しかもたなかったとか。やれやれ。結局、ゾエはまたしても「いい男」を物色することになり、42歳の元老院議員と結婚し、コンスタンティノス9世として即位させます。このカップルがアヤ・ソフィア大聖堂に肖像画が残るのですが、皇后ゾエはとても60代半ばには見えずかわいらしい姿に描かれています。13年後にあいついでこの夫婦が亡くなった後は、再びテオドラが女帝となりますが、彼女には夫も子供もいなかったため、マケドニア朝最後の皇帝となりました。
 姉妹女帝を若作りで描いてみました。向かって左がゾエ。肖像画では眉毛がつながっているように見えます。

2010-02-18 10:58 | 記事へ | コメント(8) | トラックバック(0) |
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毎回、華麗なイラスト楽しませていただいています。

ビザンチンの歴史は日本にはあまり馴染みがありませんが、面白そうな人たちですね>ゾエとテオドラ
女性二人、それも姉妹の共同皇帝というのも他に例がないと思いますし。

経歴だけ見ると夫を何度もすげ替えて権勢を欲しいままにした悪女のようですが、一方では男達の野心やエゴに翻弄されながらも必死に己の幸福を求め感情を貫こうとした健気な女性たち、という見方も出来そう。

しかし、歴とした皇女が何故二人も50近くまで結婚させられずに放置されていたのでしょうか? 男子がいないというならなおさら、娘を見込みの有りそうな親族なり貴族なりとくっつかせておいてその相手を後継者(候補)にしておく……というのが常道なのでは。それとも、例えば英国のメアリー一世&エリザベス一世のような微妙な出生の事情でもあったのでしょうか。
amanoiwato さま
いらっしゃいませ〜♪ 御訪問、コメント有り難うございます。
 この皇女たち・・どうして、ずっと独身だったのでしょうねえ。父親の皇帝は、娘の婿という存在が権力を持つのがいやだったのか、最後まで、まだ息子が生まれると信じていたのか? それとも、娘たちに感心がなかったのか? 何故でしょう? かなり放埓な快楽皇帝だったようですが・・。ビザンチン版チューダーズだったら面白すぎるんですけどね♪
乱読おばさんさま、

こんにちは。
ビザンチンの歴史って本当に悲しいくらいに疎いです。
こんな晩婚でもいじけないで、それどころかわが道を堂々と行った皇女たち、頼もしいですね!こういう話、もっと詳しく読んでみたいです。
豪奢な衣装と髪型、素敵です!
cucciolaさま
こんばんわ〜♪ 私もビザンチンは、よく知らないんですが、あのモザイクが好きですし、なかなか面白い人物もいるようで、ちょっと最近、興味を持っています・・(って本を読んだからですが)。テオドラといえば元踊り子の皇后ばかりが、イメージされますが、この名前もけっこうあるみたいです。ロシア帝国は、ビザンチンの系譜(を称している?)なので、女帝もありなんでしょうねえ。
2010年02月21日(日) 16:53 by もっちゃん
きらびやかな、女帝!
しかし、ビザンチンモザイクつながりで、「キンキラキンの死後硬直」を連想して、、思いっきり笑えてしまいました。
この絵が、壁にかけてあったら、ジェイムズ君が喜んで盗って逃げそう。
カルタゴ幻想も、最初に読んだときは「ふ〜ん」だったけど、
あちこち青池ワールドをめぐってから読んだら、面白いの何のって!
モザイクの靴職人に、ジェイムズ君が靴を注文したら(まずありえないだろうな)、思いっきり変な靴を散々待たせながら作って、そのヘンテコな靴がジェイムズ君のツボに入りそうですね。
 もっちゃんさま
こんばんわ〜♪ キンキラキンの死後硬直♪ 面妖なひもの♪ わははは♪
 昨日、「エロイカ」の最新刊を読んだところで、またまたモザイクネタで嬉しかったです♪ しかもローマが舞台だし〜♪ ジェームズ君の尼僧と、ボーナムさんの神父のペアルック♪ ジェイムズ君と靴屋と対決させたくなりますねえ♪
美しい衣装の美人が二人!と想いながら読ませていただいたらなかなかすごいご姉妹なのですね!
とくにお姉さまは五十歳をすぎてからのドラマの数々。物語のような史実です。30歳年下の美貌の若者との恋…に終わらず結婚してしまうなんて、なんかそんな歴史物映画見たくなります。
しかしお衣装が二人とも素敵です。ビザンチンの衣装は豪華ですばらしいですね。
 伊緒奈 さま
ビザンチン・・なかなか面白いです。正規のローマ帝国には、軍司令官という立場上からか、女帝はいませんが、東ローマ・・つまりビザンチンの伝統が、後継者を自任するロシア帝国にも女帝が出る結果になたのかも・・などと想像するのですが、どうなんでしょうかね。
 それにしてもゾエ女帝は、夫婦並んだコインの肖像でも、自分だけが王冠を被っているので、彼女こそが正統な後継者だったのですね。
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