「おたふく会」20周年記念事業連続講座第3回 報告
発達障がいのある人たちの生涯にわたる一貫した支援体制の構築に向けての課題
〜アクトおおさかの相談支援事業をとおしてみえてきたこと〜
講師 新澤 伸子氏(大阪府発達障がい者支援センター「アクトおおさか」センター長)
2010年9月12日(日)13:30〜16:30 ドーンセンター 4階 特別会議室
第3回講座は、発達障がい者の相談・コンサルテーション・就労支援・啓発研究等の事業を行っておられる、大阪府発達障がい者支援センター「アクトおおさか」のセンター長である新澤伸子先生のお話を聞かせていただきました。
平成14年6月にアクトおおさかを開設してから8年。臨床心理士、社会福祉士等5名の職員が「点の支援から線の支援へ そして 面の広がりをもつ 生涯にわたる支援をめざして」をモットーにして、相談支援、機関コンサルテーション、就労支援、普及啓発等の事業に取り組んできた経緯を写真つきスライドで分かりやすく説明していただきました。
就学前療育機関、学校、成人期の支援機関で直接支援にあたる人たちへの研修を通じて、一貫した継続的な支援がなされることをめざした取り組みについて紹介されました。私事ですが、わが子は、小学校の担任の先生からも指摘を受け、幼少時から沢山のサインはありながらも保健所では「お母さんの気にしすぎ」某センターでは、心理検査を受けるも「言葉も話せるし、学力面も問題なし。大丈夫ですよ。」との納得いかない判定。「でも、お母さん、この子は他の子と何か違うねぇ。」という担任の先生の疑問を肩に乗せたまま、子どもは大きくなりました。支援体制がほとんどなかった時代に育ち、悩みながら過ごしてきた私たち親子ですが、もしあの時にこのような一貫した支援体制があれば、子どもの障がいを見逃されることなく親子であんなに路頭に迷うことはなかったかもしれないと、支援体制の大切さを改めて痛感しました。
わが子は一貫した支援を受けることなく青年期に突入。現在もいろいろな困難を抱えており今後の進路等、先が見えず不安ばかりが募りますが、平成20年度より支援を受けられなかった発達障がい者のために、「成人期発達障がい者日中活動・就労準備支援モデル事業」を開始したとのこと。2年間のモデル事業で終了したが、将来的には大阪府内の既存の障がい者福祉サービス等でのプログラムの実施を広めていく計画だそうです。ぜひとも、このプログラム事業を継続していただき、わが子も支援を受けることができたなら将来の不安を取り除くことができるかもと期待感でいっぱいになりました。
その他、質疑応答では「大学の支援はどのようになっているか」「就労への動機付け」などの質問が出されました。「大学はまだまだ支援が足りていない。大学内の学生支援室等とセンターが連携して、本人の支援を進めたり、大学関係者への研修を行ったりしている。就労への動機付けについては、体力がない、生活リズムの狂い等働く準備が整っていないので、引きこもり支援や就労支援等を活用していく。自分に自信を持ち得意なことからはじめる。障がい者雇用も選択肢。本人の受容に時間がかかるが親はあせらない。あせってやってもうまくいかない。親が支えてあげてください。」ということでした。
「発達障がいは外から見えにくい障がい。関わる人たちが障がい特性への共通理解をもち、一貫した継続的な支援体制を構築することが重要。当事者は小さな失敗から大きな挫折を味わいやすい。小さな成功体験の積み重ねで自己肯定感の育成を。」と語っておられたのがとても印象的でした。
(報告:青年保護者 G)
(2010年10月会報より)
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