この日記も、ふつうなら花や木を野山で見てから、いろいろ調べたりするのですが、何年も続くとさすがにネタ不足になります。最近では何か面白い話題をみつけると、それを野山で探して記事に取り上げるということもしばしばです。
ハンノキ:榛の木(カバノキ科ハンノキ属)もそんな一つでした。
日本各地、朝鮮、台湾、中国の温帯から暖帯に分布し、林野の湿地に好んで生える落葉高木です。
今の時期、梢だけになった落葉樹の中で、ハンノキだけが、薄っすら紫色に染まっています。
風媒花のハンノキは、花粉をよく飛ばすために、葉が出る前に、早いところでは11月ごろから花をつけます。雄花は長さ4〜7cmでひも状に垂れ下がり、下方に小さい雌花が上向きにつきます。
農村では、田んぼの近くで稲架けの木になったりでおなじみですが、都会人にはなじみのうすい木です。
ところが、西洋では、古代ケルトの時代から長く“妖精の木”と呼ばれて特別視されています。
長く穂のように垂れ下がる雄花が、妖精を隠しているというのです。また、ハンノキを切ると切り口が黄褐色に変化するのを、人体からの出血を思わせるので、切ることをひかえたといいます。
さらに、シューベルトの歌曲の"魔王“は、原語でErlkonigといい、「ハンノキErle」と「王Konig」が結びついたもので、その由来には諸説がありますが、北欧の伝説が起源だともいいわれ、なにやら霊力めいたものに関連付けられそうです。
早春、衆木に先駆けて花開くハンノキには、こんな話題も秘められているのです。
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