ニックネーム:むかご(立派な自然薯になるのはいつ?)
性別:男
年齢:?
都道府県:大阪府
高槻市に住む、人間大好き、自然大好きの気の若い爺です。
2012年02月08日(水)
カケス:懸巣(悪声でも美形)
雪の金剛山ブナ林の遊歩道のすぐ近くで、カケス:懸巣(スズメ科カラス属)を間近に見ました。全体に葡萄色で、翼に白と藍との美しい斑があります。
きれいな姿に似ず、大きい奇声を発するなど鳴き声が悪いので知られていますが、ほかの鳥の鳴き声や物音のまねができる特技も持っています。
写真は、誰かが設けた餌箱に寄ってきたもので、純粋に自然の姿とはいえない不満が残りますが、それをおぎなって余りある美しい姿でした。
2012-02-08 09:37 | 記事へ | コメント(0) |
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2012年02月06日(月)
クマザサ?:隅笹(雪景色の中で)
急に思い立って雪の金剛山に行ってきました。
きっかけは、ネット上の金剛山の山歩き記録にクマザサの茂った道を歩くなどの記事があったのを思い出し、雪をかぶったクマザサの写真を撮れないかという、我ながら気まぐれな思い付きでした。
クマザサは熊笹ではなく、冬季、に葉が乾燥して、縁に白色の隅取りができるのでこの名があります。寒い冬、独特の模様になるクマザサを雪の中で見たらどうなるか勝手にイメージを膨らませての金剛山でした。
クマザサ:隅笹(イネ科ササ属)は、本州中国地方、四国、九州地方に野生または野生化する、あるいは京都府に自生地があるといわれるが庭に栽植され、逸出して野生化しているなど、図鑑の表現はあいまいで生い立ちがはっきりしません。
ハキング道の両側につづく金剛山上のササは確かに白い縁取りがありましたが、庭に植えられているクマザサに比べ葉幅が細身であるなど少し違うような気もします。クマザサほどではなくても、冬になると白く縁どられる笹はほかにもあるようですから、金剛山のササがクマザサかどうかは確かめられないままですが、雪の中のササの姿はまずまずのものでした。
2012-02-06 09:16 | 記事へ | コメント(0) |
2012年01月29日(日)
アオギリ:青桐・梧桐(芽吹きの予感) 
京都御苑閑院宮邸跡の庭アオギリ:青桐・梧桐(アオギリ科アオギリ属)の緑の1年枝の頂に立派な冬芽がふくらんでいました。
太い1年枝につく半球形の頂芽は、大きくて芽鱗は10〜16枚もあり、側芽は小さく半球形で、頂芽とおなじくチョコレート色でビロード状の毛が密生します。この大きい冬芽は枝先に集まってつく大きい葉を予感させます。
沖縄、中国、台湾、インドシナなど暖地に自生する高さ15mにもなる落葉高木で、大きい葉がキリ:桐に似て幹が青いのでアオギリの名がありますが、キリはゴマノハグサ科、アオギリはアオギリ科と両者は全く違う仲間です。
ところが漢字では本来アオギリは1字で「梧」、キリは「桐」ですが、梧桐と書いてもアオギリです。
「一葉落ちて天下の秋を知る」(淮南子・説山訓)は、アオギリのことですが、豊臣家の滅亡前夜を描いた坪内逍遥の戯曲「桐一葉」は、豊臣家の家紋のキリと、淮南子のアオギリを混同しているといえます。
とはいっても、キリとアオギリは姿かたちが似ているだけではなく、材が家具や楽器などに用いられることで共通しているので、同じ仲間と考えられてもおかしくはないといえます。
そういえば、子規門下の高弟であった河東秉五郎の俳号は“碧梧桐”、ここまでくればまぎれもなくアオギリです。
(アオギリの花は2010年7月12日、果実は2007年12月23に取り上げています)
2012-01-29 10:25 | 記事へ | コメント(0) |
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2012年01月25日(水)
パンジー:(昔は三色すみれ) 
今の時期、どこの庭にも色とりどりのパンジー(スミレ科スミレ属)が咲いています。
ヨーロッパ原産のViola Tricolorを原種とし、これにいくつかの近縁種を交雑してできた園芸草花です。初期のころ花は小形で、Tricolorの名のとおり1個の花に紫、黄、白の3色を持っていたので三色菫と呼ばれていました。ゴッホと岡鹿之助の三色菫は有名ですが、いずれも1個で三色ではなく、いろいろな色の三色菫を扱っているようです。
今では大輪の単色が主流になり、サンシキスミレとよぶ人は少なくなり、もっぱらパンジー(ガーデンパンジー)で通っています。
そのパンジーの語源はフランス語のpenser(パンセ)=“考える”とされています。花の咲いている様子とも、蕾の時のややうつむいた形からきているともいわれています。
中央にあるブロッチといわれる黒い色模様が顔に似ていることから人面草といわれることにも通じているかもしれません。
ところで、英語の辞書でpansyを引くと、パンジーの花のほかに、にやけた男、女々しい男、ホモなど妙な意味があります。英米の園芸愛好家が、何か別の名前で呼んでいるかどうかまではわかりません。
2012-01-25 10:24 | 記事へ | コメント(0) |
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2012年01月20日(金)
ヤブコウジ:藪柑子(光る果実) 
寒い日が続き野に出ることも少なくなって、この日記もすっかりご無沙汰となっていました。
やっと出かけた野山も冬枯れで目立つものも少ない中で、木陰に赤い実が光って見えました。
ヤブコウジ:藪柑子(ヤブコウジ科ヤブコウジ属)の果実です。
やや乾いた林下にふつうにある常緑小低木で、冬に赤熟する石果は長く木に残ります。赤い実が美しいので、正月の鉢物として寄せ植えなどに用いられ、千両、万両などとともに十両と呼ば縁起物になっています。
ヤブコウジの呼名は山橘(やまたちばな)となっています。
大伴家持は “この雪の 消(け)残る時に いざ行かな 山橘の 実の照るも見む”(万葉集巻19−4226)と詠っています。
雪こそ積んでいませんでしたが、赤い実は確かに照り輝いていました。
2012-01-20 08:57 | 記事へ | コメント(0) |
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2012年01月10日(火)
ウスタビガ(薄手火蛾)の繭(繭はきれいだが) 

生駒山系高安山を歩いていて、きれいな緑色の繭が枯れ枝についているのに出会いました。
昆虫綱鱗翅目ヤママユガ科に属するガの繭とのことで、いわくありげな名前ですので調べてみると、ウスタビの手火とは提灯のことで、この木にぶら下がる薄緑色の繭の姿からきたとありました。別に足袋からとったという説もあるそうです。
あまりきれいな繭なので成虫の姿を期待して図鑑をあたりましたが、ユニークではあっても茶色の毛むくじゃらで、少しがっかりでした。
2012-01-10 17:05 | 記事へ | コメント(1) |
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2012年01月07日(土)
コオニタビラコ:小鬼田平子(混乱する名前)
今日は七草粥の日です。
秋の七草は、秋の野に咲く七種の花と山上憶良が詠ったそのままの名で現代も通っていますが、春の七草の方は、その起源も諸説があり、また一般にいわれている、せり、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、すずな、すずしろの中で、現代でもそのままの名で呼ばれるのはセリ、ナズナだけとなります。
なかでも混乱しているのが“ほとけのざ”です。古い文献では七草の中にホトケノザとタビラコが両名並ぶのもあるそうで両者は別種とされることもあったようですが、七草のホトケノザを牧野富太郎がコオニタビラコと同定してからは、いまではこれが広く受け入れられています。
コオニタビラコ:小鬼田平子(キク科ヤブタビラコ属)となった旧ホトケノザは、水田に多い2年草で、田起し前の水田に放射状に平たく葉を広げる様子から田平子と名がつきましたが、ムラサキ科のキュウリグサも別名タビラコと呼ばれることからこれと区別するため、よく似たオニタビラコの小形ということでコオニタビラコが正式の名になったといわれています。くわえて、昔はサンガイクサ(三階草)といわれたシソ科の植物がホトケノザという名を得て、道端に多量に繁殖するようになってからは、七草のホトケノザは名前としては全く忘れられることになりました。
せっかく立派な名を持ちながら、他人に名を盗られただけではなく、オニの名までつくという悲しい運命をたどることになった仏の座は、いまではその数も少なくなって何やら寂しげです。
2012-01-07 10:19 | 記事へ | コメント(0) |
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2012年01月05日(木)
シロヤマブキ:白山吹(バラ科で4数性) 
なかなか適当なブログ材も見つからない冬枯れの戸外で見つかったのがシロヤマブキ:白山吹(バラ科シロヤマブキ属)の黒い実でした。
白い花が咲く山吹という意味ですが、ヤマブキとは同じバラ科でも属が異なります。花や葉の感じは似てなくはありませんが、葉が対生、花弁や萼片が4個で、ヤマブキの互生、各5個とは容易に区別できます。バラ科の基本数は5なので、バラ科の中では少し異端です。秋に熟す果実(そう果)も一つの花に4個ずつ集まってつきます。
この黒く光る果実はいつまでも枝に残るので、初夏白い花と黒い実が同時見られて、よく生け花の花材になります。(05年4月25日記事)
石灰岩地に限定されるので自生のシロヤマブキを目にすることは珍しいようですが、庭ではこぼれ種で自然に増えることがあります。

2012-01-05 10:16 | 記事へ | コメント(0) |
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2012年01月03日(火)
スイタクワイ:吹田慈姑(禁裏献上の味) 
いつもお米を届けてくれる摂津の農家の方から正月用にとスイタクワイ:吹田慈姑(オモダカ科オモダカ属)をいただきました。
塊茎に角のような芽が出るので“お芽出たい”とおせち料理に欠かせない野菜ですが、なかでも吹田クワイは一般のものに比べると味がほっくりとして濃く、独特のほろ苦さの中にうまみがあり珍重され、
貝原益軒の「大和本草」にも取り上げられ、食通としても知られる大田蜀山人も美味なるものとして狂歌で歌っています。
江戸時代には、吹田が仙洞御所の御料地であったこともあり、菊の御紋のついた竹製の大名駕籠を模した献上駕籠に吹田クワイを乗せて本御所・仙洞御所、女御御所、大宮御所の四つの禁裏に献上したといわれます。
この貴重な野菜も、昭和30年代、吹田市内の水田の急速な宅地開発化と除草剤の多用化に伴い次第に姿を消してゆきます。
そこで昭和60年頃から「吹田くわい保存会」などの努力によって「なにわの伝統野菜」として保存・育成がはかられています。
頂いた吹田クワイ、普通のクワイに比べて姿は小ぶりですが、栗のような食感で結構なお味でした。
2012-01-03 14:59 | 記事へ | コメント(0) |
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2012年01月01日(日)
謹賀新年
明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

(写真の紅白カタクリは昨年4月3日愛知県豊田市足助町で撮影しました)
2012-01-01 11:32 | 記事へ | コメント(0) |
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2011年12月29日(木)
今年1年有難うございました 
大震災、原発、大水害など不幸な事が多かった2011年も暮れようとしています。
その間、”むかごの日記“は、何とか7年目も続けることができました。
ひとえに皆様のご支援のたまものと感謝しております。
今年はこれで終わりますが、引き続き来年もよろしくお願いします。
皆様方におかれましては、めでたくご越年あそばされますよう、心よりお祈り申し上げます。

見事に晴れあがった今朝、霜が降り道端の草は、また違った美しさ見せていました。
2011-12-29 09:57 | 記事へ | コメント(0) |
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2011年12月27日(火)
ヌルデ:白膠木(山で塩を摂る?) 

美しく紅葉して山野を彩っていたヌルデ:白膠木(ウルシ科ウルシ属)も落葉して、あとに房状の干からびたような果実が残っています。
よく見ると果実に白い粉状のものがにじみ出ています。
この白粉をかぶった核果を舐めると酸味のある塩味がします。その成分はリンゴ酸カルシウムとのことで、吸収されやすいカルシウムとして、食品添加物などとして利用されているものと同じだそうです。
シオノキの別名のように、昔の人や戦時中など物資不足のおりには塩の代用に使ったというのですが、塩分が含まれていないので代用になったのかどうか疑問です。
もともと幹を傷つけて出る白色の樹液を器具に塗ったことからヌルデの名がついたとされ、ヌルデシロアブラムシが寄生してできる虫こぶの五倍子(フシ)はタンニンの含有率が高く薬用や染料に用いられかつては鉄漿にも使われ、また吸水しにくい材は器具や護摩木に、樹皮は染料に、果実は蝋の原料にと今では忘れられていますが昔は結構有用な木だったようです。
2011-12-27 16:58 | 記事へ | コメント(0) |
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2011年12月25日(日)
マメガキ:豆柿(木の上で黒く熟す)
冬空に小さい実を鈴なりにつけた木が立っていました。
少し遠いので定かではありませんが、マメガキ:豆柿(カキノキ科カキノキ属)のようです。
東南アジア原産で、径1.5pほどの液果は霜が降るころに黒褐色に熟し、甘くて餅に搗かれるなど一部食用にもされますが、若い果実を潰して柿渋を採るのが普通の用途とされます。


2011-12-25 08:38 | 記事へ | コメント(0) |
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2011年12月22日(木)
ヒサカキ:記紀にも出現する實 

神武天皇東征のおり、熊野から吉野に近い宇陀に到ります。
陣を張った“莵田の高城“(むかごの高槻11年12月22日記事)で歌われたという久米歌の一節に”…後妻が菜を乞わば、柃(いちさかき)實の大けくを こきだひゑね…“とあり、この”いちさかき”は)今のヒサカキ:ツバキ科ヒサカキ属)であるとされています。
歌は、古い妻が食べ物を乞うたらそばのき(今のカナメモチ)の實のように少しだけ削ってやれ、新しい妻が食べ物を乞うたらヒサカキの實のようにたくさん削ってやれ、と続くのですが、カナメモチの實も結構たくさんつくので、この例えの意味はよく分からないところですが、カナメモチの實には種子4個入るのに対しヒサカキの實には多数の種子が入ることをいっているのかもしれません。
本州の北端を除くいたるところの山地で見られるツバキ科ヒサカキ属のこの木の名は、榊より小さい葉なので“姫榊”がなまったものとか、榊でないので“非榊”から来ているなどの説があるともに、ヒサキ、ビシャ、ビシャギなど地方によって60種ともいわれるさまざまな呼び名があることでも知られています。関西ではビシャコとよばれることが多いようです。
関西以西では主に仏花となりますが、サカキの自生が少ない関東地方以北では神様にも供えられるといいます。

2011-12-22 11:22 | 記事へ | コメント(0) |
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2011年12月19日(月)
ムカゴイラクサ:珠芽刺草(むかごは刺さない)
道端に、冬になったというのにみずみずしい緑の葉をつけたムカゴイラクサ:珠芽刺草(イラクサ科ムカゴイラクサ属)がありました。
山地の陰湿地に生える多年草で、葉の脇にむかご(珠芽)ができるのが特徴です。
刺毛があり、蟻酸を含むので刺されるとひどく痛みます。
雌雄同株で茎の頂部に雌花穂がつきやや下部に雄花序がつきます。
茎に立派なムカゴがついていたのでおそるおそるとって口にしましたところ、口を刺されることもなくなく、少し甘みがあって、炒るなり煮るなりすれば食べられそうな気もしました。
2011-12-19 10:50 | 記事へ | コメント(0) |
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2011年12月17日(土)
クサギ:臭木(赤い衣のテルテル坊主)
夏、名に似合わぬ香りのよい花をつけていたクサギ:臭木(クマツヅラ科、クサギ属)が(05年7月31日記事)、冬というのにまだ実をつけています。
果実は核果で、直径6~7oの球形、熟すと光沢のある深い藍色になります。5個の萼片は実が熟すにつれて濃紅色になり、深く裂けて星状に開きます。
枝先に一つだけ残った果実は、まるで濃紅色の衣を着たテルテル坊主のようでした。
2011-12-17 16:42 | 記事へ | コメント(0) |
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2011年12月15日(木)
<イヌドクサ:犬木賊(当たったあてずっぽう) 
観察仲間とJR武田尾から温泉へ向かって武庫川沿いに歩いていた時のことです。
道端にスギナより大きく、トクサにしては少し小さい植物を見かけました。
私は初見でしたが、植物に詳しい同行の人が、名前を知っているのだが度忘れして思い出せないといいます。そこでスギナにイヌスギナがあって、トクサに似ているので、もしかしたらイヌドクサという名かもしれないな、といったら、件の人が思いだしたそれだといいます。全くの当てずっぽうが当たったというわけですが、念のために帰って図鑑をあたると確かにありました。
イヌドクサ:犬木賊(トクサ科トクサ属)は、日本各地の河原の砂礫地や、海辺の砂地に生える多年草で、茎は高さ30〜100p、径3~5o、生時は表面がざらざらして、8~15本の縦溝が走ります。
和名はトクサに似ているが真物でないという意味で、生育地からカワラドクサの別名があります。
2011-12-15 17:01 | 記事へ | コメント(0) |
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2011年12月13日(火)
ヨコグラノキ:横倉の木(あちこちにあった)
観察の仲間でヨコグラノキ:横倉の木(クロウメモドキ科ヨコグラノキ属)というと、よく“ああ武田尾にあるあの木でしょう”という反応が返ってきます。
確かにJR武田尾駅の周辺の道端に4本ほどあって、なぜかそれぞれにプラスチックの名札がかかっています。木そのものは何の変哲もない落葉小高木で、花も小さく地味で目立ちません。あえていうとクロウメモドキ科の特徴である葉が2枚ずつ互生するコクサギ型葉序であるということくらいです。
この木が話題になる理由として考えられるは、山地の林内や砂礫地にまれに生える珍しい木であることと、ヨコグラノキという、聞いただけでは意味が分からない変な響きの名前のせいのようです。
その和名は、高知県横倉山で最初に採集され、この山の特産と思われて牧野富太郎博士によってつけられたそうですが、そののちこの木は各地で見つかりました。宮城県白石市には天然記念物に指定されている「ヨコグラノキ北限地帯」があります。
2011-12-13 16:39 | 記事へ | コメント(0) |
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2011年12月11日(日)
ショウジョウボク:猩猩木(ポインセチア)目立たぬが面白い花 
クリスマスが近づくと花屋の店頭を鮮やかな赤色(白、桃色も)で彩るのがショウジョウボク:猩猩木(ポインセチア)(トウダイグサ科トウダイグサ属)です。
枝の頂端に壺状をした黄緑色で目立たない花を10個前後総状につけますが、これには観賞価値はなく、その下の苞葉が鮮やかな紅色に着色し、濃い緑色した下方の葉との対比が非常に美しいので愛好されています。この赤い小総苞を顔の赤い猩猩に見立て猩猩木の名がありますが、最近はもっぱらポインセチアで通っています。メキシコ原産の落葉低木で、観賞用に温室で栽培され、多くはクリスマスに合わせるために短日処理されます。
観賞価値のないという花ですが、よく見ると面白い形をしています。
壺形の先につき出ているのは雌蕊と雄蕊で、その1本ずつがポインセチアの花にあたり、となりにあるカエルの口のようなものは腺体で蜜を分泌します。雄蕊、雌蕊が一つの蜜腺を共有するという特殊な構造になっているというのです。
蜜で光っている腺体をとって吸ってみると、甘い蜜が思いがけないほどたっぷり出てきました。
2011-12-11 09:13 | 記事へ | コメント(0) |
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2011年12月09日(金)
ロベリアソウ(ロベリアの仲間)  
薬草園にロベリアソウ(ロベリア草)キキョウ科ミゾカクシ属が咲いていました。
北アメリカ原産で、別名はセイヨウミゾカクシ、ニコチンに似た効果を持つ物質を含むとされとされ、英名がIndian tobaccoで、禁煙サプリメントとして利用されているといいます。
ロベリアソウと聞いて思い出したのが、園芸のハンギングなどでおなじみのロベリアでした。調べてみるとロベリアソウの学名はLobelia inflata、園芸品種のロベリアはLobelia erinus.Lで、両者は近い仲間でした。
ちなみに後者は、南アフリカ原産で、瑠璃蝶蝶、瑠璃溝隠、酸梗菜(漢名)の別名があり、匍匐性、矮性、高性などに分けられ、よく分枝してこんもりと半球状の草姿になります。
まとめてロベリアといわれるミゾカクシ属は世界に300~400種ほどあるといわれ、日本ではミゾカクシ(アゼムシロ)やサワギキョウが知られています。この仲間の花は5弁の唇形で左右対称、下方の3弁は大きく張り出すのが特徴です。
2011-12-09 19:15 | 記事へ | コメント(0) |
2011年12月07日(水)
ツタウルシ:蔦漆(空中にのびる付着根)
12月に入ったというのにまだ青々したツタウルシ:蔦漆(ウルシ科ウルシ属)が目につきました。
触れるとかぶれが強いツタウルシも秋にはそれほどでもないというので、近づいて見ると若い枝に気根が伸び出ていました。
この気根でほかの樹木の幹などをはい登るわけで、一般に付着根といわれていますが、空中に垂れたままの状態ですでに気根が出ているのは、まつわりつく以外に何かの役目をしているのでしょうか。
2011-12-07 11:36 | 記事へ | コメント(0) |
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2011年12月03日(土)
ガガイモ:蘿藦・鏡芋(スクナヒコが乗って来た)
古事記によると、大国主の神が出雲にいるとき「波の穂より、天乃蘿
藦(かがみ)の船に乗りて、ひむし(蛾)の皮を打ち剥ぎに剥ぎて衣服にし、帰(より)り来る神あり」と少名毘古那の神の登場を記述しています。
蘿藦(かがみ)は今でいうガガイモ:蘿藦・鏡芋(ガガイモ科ガガイモ属)のことで、神様がガガイモの果皮を船にして、海の彼方より渡ってきたというのです。
その神は名前を聞いても答えず、誰も知らないという中で、ヒキガエルがクエ彦が知っているはずというので聞いてみると、少名彦那命と知れます。このクエ彦というのが今でいう山田の案山子ということになっており、少名彦那は稲作文化の伝来者であることを示唆しているのではないかという説があります。
ガガイモの果実は長さ10pほどもあり、熟すと割れて、中から長い絹のような毛のある種子が風に乗って飛び散る仕掛けになっています。
ガガイモの種子に生える毛は、種子の先端から出ていて、珠孔(花粉管が入るところ)付近の種皮が変化してできたことが分かります。種髪といわれるこの長い毛とともに種子の形も扁平で風散布に適したものになっています。
少名彦那が載ってきたというガガイモの船とはどんなものかと、夏に見つけておいた果実を見にゆきましたが、まだ未熟でしたので、失礼して少し割ってみました。どうやら、少名彦那命が渡来した時期は冬だったようです。
2011-12-03 07:56 | 記事へ | コメント(1) |
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2011年12月01日(木)
オオミムラサキコケモモ:大実紫苔桃(食べられないコケモモ) 
高槻北部の神峰山自然園の入り口に、オオミムラサキコケモモ:大実紫苔桃(キキョウ科プラティア属)が名前の通りの紫色の果実をつけていました。
熱帯アジアの原産で、常緑の匍匐性多年草で7〜10月淡紫色のミゾカクシに似た花をつけます。
パープルクランベリーの別名がありますが、クランベリーは果実が菓子やジャム、クランベリージュースなどの原料となるツツジ科スノキ属ツルコケモモ亜属に属する常緑低木のことで、本種とは全く異なります。名前にコケモモやベリーの名がついていても、形だけのことでオオミムラサキコケモモの果実は食べられません。
園芸用の外来種であるオオミムラサキコケモモが、何年も前から自然園に生えているのは少し不思議です。
2011-12-01 15:31 | 記事へ | コメント(0) |
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2011年11月29日(火)
品種名総索引をアップロードしました
いつもご愛読有難うございます。
2005年〜2010年掲載の「品種名総索引」をアップロードしました。

お利用の際は、ダウンロード、プリントの上、当該日付の記事をブログ「新・むかごの日記」画面上の「カレンダー」で開いてください。
2011-11-29 18:05 | 記事へ | コメント(0) |
| 品種名総索引 |
サラシナショウマ:晒菜升麻(秋にはこんな姿)
晩夏、少し高い山で白い小さな花がびっしりついた長さ20~30pの穂を出していたサラシナショウマ:晒菜升麻(キンポウゲ科サラシナショウマ属)(07年9月10日記事)が薬草園で穂状にまま果実をつけていました。果実は長さ約1pの袋果で、先端に花柱が残存します。中に入っている種子には薄い翼状の鱗片があり、風に乗って散布されます。
面白くもない果実ですが、夏の花しか見ることがないだけに珍しくて取り上げてみました。
2011-11-29 07:41 | 記事へ | コメント(0) |
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2011年11月27日(日)
モッコク:木斛(庭木の王者というが) 
モッコク:木斛(ツバキ科モッコク属)は、昔から葉や樹形を楽しむ庭木として、松に次いで庭園には欠かせない樹木とされ、モッコクのない庭は庭ではないなどとまでいわれています。
もともとは暖地の海岸に近いところなどに生える常緑の高木で、高さは10~15m、葉は枝先に放射状に集まってつき、長さ3~7pの細長い倒卵形で厚くて光沢があります。枝は密生して楕円形のまとまった樹形を作るところが庭木に好まれるところかもしれませんが、初夏に葉の付け根に下向きに咲く花白い花は小さくてあまり目立たちません。
10~11月に熟す果実は刮ハで、直径1~1.5pの球形、果皮は肉質で不規則に裂開し、中から長さ約7oの橙赤色の種子が顔を出しますが、この実も観賞の対象になるほどのものではありません。
芯材、辺財ともに赤く緻密で堅いところから建築材や器具材のほか寄せ木細工などにも用いられ、別名にアカミノキがあります。
2011-11-27 07:15 | 記事へ | コメント(0) |
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2011年11月25日(金)
シオデ:牛尾草(果実も球状になるはず)
夏、小さい花を球状につけていたシオデ:牛尾草(ユリ科シオデ属)が黒い実をつけています。 (雄花は07年8月31日記事)
山野に生えるつる性の多年草で、托葉が変化した巻きひげで他物にからみついてのびます。
雌雄別株で、果実は液果で直径約1pの球形、秋に黒く熟します。写真のは栄養の関係かきれいな球状にはなっていません。
よく似た仲間にタチシオデがありますが(10年9月30日記事)、こちらは葉の裏面が白っぽく、果実も白い粉をかぶるといいます。望遠での撮影なのでよくは確かめられませんが、果実の色からこれは写真のはシオデとみました。
2011-11-25 09:07 | 記事へ | コメント(2) |
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2011年11月22日(火)
ヒシ:菱(葉も実もひしげた形)
池面一面に広がったヒシ:菱(ヒシ科ヒシ属)が紅葉して、きれいな模様を織りなしています。
三菱などで知られる二方向の平行線が交差して出来た形「菱形」は、もともと縄文土器にも描かれた形を、後の時代に菱の実(葉とする説もある)にその形が似ている事から「菱文」と呼ばれるようになったといいます。そしてそのヒシの名は果実(または葉)が押しつぶされたように拉(ひし)げていることからきているといわれています。
池や沼などに生える1年草で、長い茎を水底からのばし、水面に放射状に葉を広げます。
葉柄の一部がふくらんで浮き袋の役目をしています。この部分や葉が緑色なのがヒシ、浮き袋の部分や葉の裏面が赤いのがメビシ、また果実にある鋭い刺が2個あるのがヒシ、4個あるのがメビシと区別されますが、写真の葉や浮き袋の赤いのは秋になって紅葉したとも考えられるので、果実の刺の数からここではヒシと見立てました。
ヒシの実の棘は萼片が変化したもので、忍者の小道具にも使われたことで知られています。
ヒシの仲間の果実は昔から食用にされ、ゆでた果実は栗のような味がするそうです。
2011-11-22 07:21 | 記事へ | コメント(0) |
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2011年11月20日(日)
ツヅラフジ:葛藤(変化に富む葉の形)
葉に変化がある草木はときどきありますが、概してつる植物には葉の形に変化があるものが多いようです。
なかでもツヅラフジ:葛藤(ヅラフジ科ツツヅラフジ属)は、全く切れ込みのないものからカエデ切れ込むものまで、同じ木とは思えないほど葉に変化があることで知られています。
オオツヅラフジの別名があるのは、よくみられるアオツヅラフジより大形ということと思われますが、同じツヅラフジ科でもツヅラフジ属はツヅラフジ1種のみで、アオツヅラフジは別属のアオツヅラフジ属になります。
2011-11-20 09:08 | 記事へ | コメント(0) |
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2011年11月17日(木)
ヨメナ:嫁菜(婿菜に勝る) 
あまりにも身近にあるのでとっくに取り上げていると思っていたのに、まだだったのがヨメナ:嫁菜(キク科ヨメナ属)です。
田んぼの畔や土手などやや湿ったところにふつうにみられる多年草で、秋に咲く薄紫色の清楚な花が好まれて、一般には野菊の名で親しまれています。
ヨメナは万葉集では“うはぎ”として詠まれていて、「春日野に 煙立つ見ゆ 娘子らし 春野のうはぎ 摘みて煮らしも」(巻10−1879)とあるように、昔から早春にその若芽を摘んで食用していたことがわかります。
ヨメナの若芽を食べる山野草のなかでも芳香があり最も美味で、若芽をお浸し、油いため、汁の実や和え物、さらにはヨメナ飯などにします。
このように、食べてよし、姿も優しく美くしいところから嫁菜と名づけられたという説があります。
ヨメナは東海地方以西に分布するもので、関東や東北にあるものは、花の径がひとまわり小さいカントウヨメナといわれるもので、山菜として香りもヨメナに劣るといわれています。
ヨメナによく似たノコンギクとは、湿ったところに多い、葉はざらつかない、そう果に冠毛がほとんどないことなどで区別されます。
ヨメナに対してムコナとよばれるシラヤマギク(07年10月30日記事)の若芽も食用にされますが味は劣り、花も優美さに欠けます。
2011-11-17 13:31 | 記事へ | コメント(0) |
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2011年11月16日(水)
ヨモギハベリマキフシ:蓬葉縁巻五倍子(花かと見まがう虫こぶ)
ヨモギの花穂とみられる部分が赤く色づいて何かの花のように見えていました。
どうやらヨモギハベリマキフシ:蓬葉縁巻五倍子という虫こぶのようです。形成者はヨモギクダナシアブラムシで、葉のふちが、葉裏を内側にして折れ、表面がふくれて葉肉が少し厚くなる虫こぶで、桃赤色、紫褐色、緑黄色などを呈します。
ヨモギの仲間は虫こぶができやすいようで、手元の小さい本でも6種類載っていました。
2011-11-16 09:30 | 記事へ | コメント(0) |
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2011年11月15日(火)
イヌヨモギ:犬蓬(役に立たないヨモギ)

ロゼット状の葉

人里ではだれにもおなじみのヨモギですが、一昨日、昨日ととり上げたように仲人間にはいろいろ変わり種があるようです。
役に立たないということでこの名がついているイヌヨモギ:犬蓬(キク科ヨモギ属)は、やや乾いた丘陵地などに生える多年草で、高さ30〜80pになりますが、花をつけない茎は低く、先端にロゼット状に葉をつけるのが特徴です。ロゼット状の葉は長さ3~10p幅1.5~4pの広いさじ形で、ふちには大きい鋸歯があります。
花茎の葉は花期には枯れますが、長さ4.5~8.5pの倒卵形〜さじ形で、ふちには大きい鋸歯があります。
頭花は直径約3oの球形で下向きに咲きます。
2011-11-15 13:10 | 記事へ | コメント(0) |
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2011年11月14日(月)
イワヨモギ:岩蓬(山奥にも広がる)
10年10月23日宝塚市郊外の西谷の森公園で見かけたイワヨモギ:岩蓬(キク科ヨモギ属)をとり上げました。
我が国における本来の分布は北海道の海岸や岩場などとされていますが、法面の崩れ防止のために吹き付けた種子にまじってか、長野県の道路脇で発見され、その後西日本から九州まで広がっているといわれます。
そのイワヨモギが、あまり人も通らない滋賀県甲賀市の山奥に花をつけていました。
高さは80pほどで、葉は長さ10p位、2回羽状に深裂するので、ほかのヨモギと区別が容易です。
前回とり上げた時は、北海道という限定された地域に生える植物が、人為的とはいえ、南下して暖かい地域に広がっているのは珍しい例といると書きましたが、どうやら各地の山奥まで広がってもはや珍しい植物ではなくなっているようです。
2011-11-14 10:29 | 記事へ | コメント(0) |
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2011年11月13日(日)
カワラヨモギ:河原蓬(蓬に見えない葉)
カワラヨモギ:河原蓬(キク科ヨモギ属)の花が咲いています。
河原の名がついていますが、海岸の砂地にもよく見られる多年草で、茎の下部は木質化します。河原では直立しますが海岸では倒れることが多くなります。
根生葉を束生し、花がつく茎と花のつかない茎とがあり、どちらも葉は糸状に細かく切れ込みますが、花がつかない茎は白い毛でおおわれていて、花のつく茎の葉とは別種のように見えるといます。
いま足元に見える緑色の茎葉は(枠内写真)来年に向けての新芽のようですが、花がつく茎になるかどうかはわかりません。
2011-11-13 08:28 | 記事へ | コメント(0) |
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2011年11月12日(土)
カナビキソウ:鉄引草(居候の遠慮?)
道端に黄色いひじきのような草が見えました。
黄葉したカナビキソウ:鉄引草(ビャクダン科カナビキソウ属)です。
山野の日当たりのよい草地に生える半寄生の多年草で根はほかの草の根に寄生します。
高さは10~25pになり、互生する葉は長さ2~4pの線形で先がとがります。4~6月葉脇に外側が淡緑色で内側が白色の小さな花を1個ずつつけます。花弁はありません。(08年5月29日記事)
果実は長さ約2oの楕円状壺形で中には種子が1個入っています。熟すと脈と脈との間に網状の模様が目立つというのですが、写真では、未熟なのか、撮影が下手なのかはっきりしません。
葉も花も果実も小さく控えめで、何やら寄生生活で遠慮しているように見えます。
2011-11-12 10:07 | 記事へ | コメント(0) |
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2011年11月10日(木)
ウツクシマツ:美し松(昔も今も旅の疲れを癒やす)
休憩に入った名神高速道菩提寺PAに見事な形のウツクシマツ:美し松(マツ科マツ属)が植わっていました。
アカマツの変種で主幹が真っ直ぐには伸びず、株元から多くの幹に枝分かれして独特の美しい樹形となります。
園芸品種の多行松に似ていますが、ウツクシマツは自然性で、高さは10mを超え、滋賀県湖南市美松山だけに、それも群生することで知られ、大正13年に国の天然記念物に指定されている珍しいものです。
なぜこのような樹形になるのか、またなぜこの地方だけに生育するのか確かなことはわかっていませんが、この地一帯は岩土で表土が非常に薄いため根の発生が妨げられ、幹の成長に変化が生じたのではないかなどといわれています。
広重の「東海道五三次 水口」に描かれているというウツクシマツ、現代の東海道ともいえる名神高速の休憩所にあって旅行く人の疲れを癒してくれています。

後日談:菩提寺PAで美し松を見てまもなく、天然記念物に指定されている滋賀県湖南市平松の自生地へ行ってきました。
昭和56年10月昭和天皇の行幸を仰いだという自生地には、いろいろな樹形の美し松が山腹に群生していました。現地の説明版によると、この樹形は特殊な土質の影響とされてきましたが、最近の研究の成果では劣性遺伝によるものと解明されたということです。



(対照的な一本立ちの“ローマの松”は11年4月3日に取り上げています)
2011-11-10 18:09 | 記事へ | コメント(0) |
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2011年11月09日(水)
バジル:メボウキ:目箒(種で目の掃除)

シソ科の植物には茎や葉に強い香気があるものが多く、ちょっと触れただけでも、植物組織に含まれている揮発性の精油成分が発散されてよい香りが漂います。
なかでも、バジル(シソ科メボウキ属)は香りが高く、イタリア名のバジリコの名でも知られる代表的なハーブで、イタリア料理に限らず西洋料理全般に用いられます。
バジルはインドを中心とする熱帯アジアが原産で、葉は長さ5~6pほどの光沢ある緑色の卵状披針形で対生します。
夏から秋にかけてシソによく似た白色または淡紫色の花を咲かせます。
茎、葉に強壮・殺菌作用があるので昔から薬用としても利用されてきました。
種子はグルコマンナンを多く含むため、水分を含むと乾燥状態の約30倍に膨張し、ゼリー状の物質で覆われます。食物繊維を豊富に含むことからダイエット補助食品としても利用されているそうです。またゼリー状の物質で目の汚れを取る目薬とされ、和名のメボウキ(目箒)の名はそこから来たといいます。
2011-11-09 21:18 | 記事へ | コメント(0) |
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2011年11月07日(月)
イワダレソウ:岩垂草(岩場より砂地に多い) 

近頃公園の広場などの草地を覆うように広がって小さい花をつけているヒメイワダレソウをよく見かけますが、グランドカバーとして移入された外来種が広がったものです。(07年6月29日記事)
薬草園で本当のイワダレソウ:岩垂草(クマツヅラ科イワダレソウ属)が花をつけていました。
海岸の砂地や礫地に多く生える多年草で、茎は地面をはい、節から根を出して広がります。葉は対生し長さ1~4pの倒卵形でやや厚く、上半分には粗い鋸歯があります。
花は直径2oほどと小さく、苞の間からわずかに顔を出します。円柱状の花穂は咲きすすむにしたがって長くのび、果実はコルク質になった萼に包まれます。
長く伸びる花穂の形を岩場から垂れると見ての名前と思われますが、実際は岩場より砂場に多く生えます。
花をよく見るとランタナ(七変化)に似ています。それも道理、おなじクマツヅラ属でした。
2011-11-07 06:49 | 記事へ | コメント(0) |
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2011年11月06日(日)
ヤマジノギク:山路野菊(属はハマベノギクだが)
大阪教育大学柏原キャンパスの裏山を上って、大阪方面の展望が開ける岩の多い山腹に咲いていたのがヤマジノギク:山路野菊(キク科ハマベノギク属)でした。
日当たりのよい乾燥した草地などの生える2年草で、根元からよく分枝して高さ30〜100cmになります。茎や葉には粗い毛が多く、根生葉は花のころには枯れてしまいます。茎につく葉は長さ5~7pの倒披針形で、茎の上部の葉は線形になります。
花期は9~10月、直径3~4pと野菊の仲間としては大きい頭花を散房状につけます。舌状花は淡青紫色、総苞片の先が鋭くとがるのが特徴です。
アレノノギク(荒野野菊)の別名がありますが、生えていたところは確かに荒野ふうでしたが、花の様子はヤマジノギクの方が似合っていました。
2011-11-06 07:54 | 記事へ | コメント(0) |
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2011年11月04日(金)
キダチチョウセンアサガオ:木立朝鮮朝顔(毒を持つエンゼル)
エンゼルトランペットとも呼ばれるキダチチョウセンアサガオ:木立朝鮮朝顔(ナス科ブルグマンシア属)が、夕日に照らされて、大きい筒状の花を下向きに垂れ下げています。
ブラジル原産の常緑低木で、ダツラとよばれるこの仲間では最も大きく高さは2m以上にもなります。
秋に長さ15pほどの花が下向きに咲き、花は夕方開き翌朝しぼみます。
かつてはチョウセンアサガオ属に含まれていましたが、チョウセンアサガオ属は一年草または多年草で、上向きの花をつけるのに対し、キダチチョウセンアサガオは高木または低木で、下向きの花をつけるなどの違いがあり、いまは別属のブルグマンシア属とすることが多いようです。
エンゼルトランペットとして園芸で親しまれているキダチチョウセンアサガオですが、チョウセンアサガオの仲間であり、同様に有毒植物なので、取り扱いには十分注意が必要です。
2011-11-04 16:49 | 記事へ | コメント(0) |
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2011年11月03日(木)
チョウセンアサガオ:朝鮮朝顔(本邦最初の麻酔薬に)

世界最初の全身麻酔による乳癌手術に成功し、漢方から蘭医学への
世過渡期に新時代を開いた紀州の外科医華岡青洲が、麻酔剤にマンダラゲとよばれるチョウセンアサガオ:朝鮮朝顔(ナス科チョウセンアサガオ属)を使ったことは、有吉佐和子の小説「花岡青洲の妻」で有名になりました。そのことから日本麻酔科学会のシンボルマークに本種の花が採用されています。
インド原産の毒草で江戸時代天和、貞享年間に輸入され薬用に栽培された1年草で、庭に植えられたり、野生化したものもありますが数はすくないようです。
茎はよく分枝して横に広がり高さ1m位、花は夏から秋、萼の長さ約5cm、花冠の長さ10~15pで、花は下向きにはなりません。果実はさく果で表面に棘があります。
古くから葉や種子を喘息などの薬に用いましたが、キチガイナスビの名があるくらいで、全草に猛毒があり、現在でも麻酔薬の重要な原料となっています。
2011-11-03 17:19 | 記事へ | コメント(0) |
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2011年11月02日(水)
ネズ:杜松(西洋ではジンの香りづけに)
ネズ:杜松(ヒノキ科ビャクシン属)が、緑の若い実をつけています。
日当たりのよい山地や花崗岩地などに生える常緑低木~高木で、高さはふつう3~12mになります。3輪生する葉は長さ1~2.5pの針状で、先がとがり触ると痛く、ネズミの通り道に置いておくとネズミが痛くて通れないというのでネズミサシという別名があります。
花期は4月、雌雄別株で、球果は直径5~10oの球形で、翌年または翌々年の秋黒く熟します。
果実は漢方で杜松実(としょうじつ)または杜松子(としょうし)といい、利尿、発汗、などにつかわれます。
また、特有の香りを持ちカクテルなどによく使われるジンは、オオムギ、ジャガイモなどを原料とした蒸留酒を仲間のヨーロッパネズミサシの実の上に流すことによって香りづけがされています。
2011-11-02 16:58 | 記事へ | コメント(0) |
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2011年11月01日(火)
イタビカズラ(イタビか板碑か)
高槻摂津峡の魚釣り場の柵にはいのぼっているイタビカズラ(クワ科イチジク属)に、イチジク状の果実が黒紫色に熟していました。
暖地に生える常緑のつる植物で、枝から気根を出して岩や木にはいのぼります。葉は互生し、長さ10p内外の長楕円状の披針形で、先がとがります。
6~7月、葉の付け根にイチジクを小さくしたような緑色の花嚢をつけます。雌雄別株ですが外からは区別できません。
イヌビワやアコウなどと同じイチジク属なので、特定のコバチと複雑な絶対的共生関係を結びます。
黒紫色に熟した果実を口に含むと甘いジャムの味が口の中に広がりました。
イタビはイヌビワの別名で、茎がつる状なのでイタビカズラの名があるとされますが、板碑といわれる石造りの卒塔婆によくまつわりつくからだという人もいます。
2011-11-01 18:41 | 記事へ | コメント(0) |
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2011年10月31日(月)
アメリカネナシカズラ:アメリカ根無葛(獰猛な外来無宿者)日
国産のネナシカズラ(昨日記事)をしのぐ勢いで最近分布を拡大しているのがアメリカネナシカズラ:アメリカ根無葛(ヒルガオ科ネナシカズラ属)です。
北アメリカ原産の1年生草本で、ヨーロッパ、アジアなどに帰化しているつる性の寄生植物です。
昭和40年代後半に初めて発見され、今では全国的に道端や荒れ地などに発生し、他の植物を覆い尽くすようにはびこり、畑や園芸圃場などでは害草として被害をもたらしています
在来のネナシカズラに比べつるが径約1oと細く、花序が穂状にならず固まってつくので区別されます。
見た目にはスリムでもネナシカズラを上回る厄介者になっています。
2011-10-31 15:39 | 記事へ | コメント(0) |
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2011年10月30日(日)
ネナシカズラ:根無葛(究極のパラサイト) 
夏から秋の初めにかけて、総状にのびた花序に穂状に白い鐘形の花を咲かせていたネナシカズラ:根無葛(ヒルガオ科ネナシカズラ属)(10年10月10日記事)が紅色の果実をつけています。根無しといても、芽をだしたばかりのネナシカズラは根を持っていますが、やがて獲物になる生きのよい植物を探り当てると、巻きついて伸びてゆき、もはや必要のなくなった根を捨ててしまって、つるから寄生根を次々に出して獲物の体に食い込ませて栄養分を吸い取ります。
ほかにも寄生木や腐生植物など他人に栄養を依存する植物がありますが、いずれも自分でも光合成したり、根を持つなどが多いなかで、根と葉を捨てて完全に寄生するネナシカズラは究極のパラサイト植物といえます。
獲物が足りないとネナシカズラ同士で共食いをするほど獰猛な植物ですが、アサガオやサツマイモなどと同じヒルガオ科とは意外です。
2011-10-30 07:50 | 記事へ | コメント(0) |
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2011年10月29日(土)
シロバナサクラタデ:白花桜蓼(白くて清純)
タデ科の中で花が最も大きくて美しいとされるのがサクラタデですが、(07年10月10日記事)サクラタデに似て花が白く、少し小さいシロバナサクラタデ:白花桜蓼(タデ科タデ属)も決して見劣りはせず、その清楚さで人気があります。
水辺や湿地に生える多年草で、高さは50~100pになり、雌雄別株、葉は互生し、長さ7~16pの披針形で、脈の上やふちに毛があります。サクラタデに似ていますが、花はやや小さく、サクラタデよりよく枝分かれし、茎の先に花穂が数個ずつつくので、半穂が1~2個のサクラタデとは見分けがつきます。
2011-10-29 08:31 | 記事へ | コメント(0) |
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2011年10月27日(木)
サイヨウシャジン:細葉(?)沙参(壺形の花に長い花柱) 10月27日
滋賀県の田舎の田んぼの縁にツリガネニンジンが咲いていました。
目の鋭い観察仲間が、隣り合って咲いている片方の花の形が違うことに気づきました。図鑑で調べてツリガネニンジンではない方は、サイヨウシャジン:細葉(?)沙参(キキョウ科ツリガネニンジン属)ではないかということになりました。
サイヨウシャジンはツリガネニンジンやソバナの母種とされていて、葉は細いもの、やや広いもの、有毛、無毛など変異が多く、細葉とは限りません。
違うのは花の形で、ツリガネニンジンの花冠は鐘形でふくらみがあり、先が5裂、花柱が花冠よりややつきだしますが、サイヨウシャジンの花冠は中膨れで先がやや狭まる壺形となり、花柱が花冠から長くつきだします。
2011-10-27 11:52 | 記事へ | コメント(0) |
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2011年10月26日(水)
タウコギ:田五加木(今や希少種に近い)
かつては田んぼの強害草であったものが、除草剤などの影響でめっきり減って今や珍しい植物になってしまったものが多くあります。タウコギ:田五加木(キク科センダングサ属)もその一つです。
水田など湿ったところに生える1年草で、高さは20~100p、葉は対生し、長さ5~15pで、茎の下部の葉は3〜5つに深く切れ込みます。
8〜10月、黄色の筒状花だけの頭状花が咲き、はじめ直径7〜8oから次第に大きくなり、直径3pほどになります。
頭花を囲む小形の葉のような総苞片がよく目立ちます。果実はそう果で、先端に2本の逆刺針があり、これで他物に引っ付いて種子散布が行われます。
田に生えて葉の形がウコギに似ているのでこの名があるといいますが、ウコギの葉に似ているかどうかは少々想像力がいるようです。
2011-10-26 17:34 | 記事へ | コメント(0) |
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2011年10月25日(火)
カワラハハコ:河原母子(生きたままドライフラワー)
古琵琶湖の地層の露頭がある野洲川河床への石ころ道に咲いていたのがカワラハハコ:河原母子(キク科ヤマハハコ属)です。
石がごろごろしているような河原に生える多年草で、よく枝分かれして、こんもりした株下をつくり、高さ30~50pになり、地下茎をのばして殖えるのでよく群生します。
全体に白い細かな毛におおわれ、とくに葉の裏に毛が多くなります。葉は長さ3~5pの線形で縁は少し裏へ巻きます。
花期は8~10月、頭花は白いカサカサした花びらのような総苞片に囲まれて、咲いているときからドライフラワーのような感じになります。雌雄別株。写真は雄花で、筒状の両性花が白い花びらのような総苞片に包まれています。
カワラハハコの母種に山地に生えるヤマハハコがあります。そのうち西日本型といわれるホソバヤマハハコは07年11月5日に取り上げています。
2011-10-25 15:04 | 記事へ | コメント(0) |
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2011年10月24日(月)
ウツボグサ:靭草(枯れたら有用植物に)
植物名で武士の時代につけられたものには、その時代に日常使われていた道具や器具に例えたもの多くあります。ウツボグサ:靭草(シソ科ウツボグサ属)の名は、花穂の形)(06年6月22日記事が矢を入れるのに使った靭に似ていることから来ています。
この花穂が夏過ぎに枯れて褐色になり始めたものを採取し、天日乾燥したものを夏枯草(かごそう)といい、漢方で消炎、利尿、浮腫、はれ物、腎臓炎、膀胱炎などの薬になります。そんなことから夏枯草はウツボグサの別名にもなっています。
花が終わると、走出枝(ランナー)をだし、その先に新苗を作ります。丈夫で栽培容易な草花です。
(写真はある薬草園でのもので、白花でした)
2011-10-24 13:56 | 記事へ | コメント(0) |
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