2012年3月24日にアニメ「バクマン2」の最終回を見ました。「マンガにおいて、主人公の名前は大切だ。たとえば、キャプテン翼の大空翼」という解説のある回でした。その後9時から「故郷(ふるさと)か 移住か 〜原発避難者たちの決断〜」という、福島県浪江町の人々の今を追う番組を見ました。
その夜寝る前に、ふと思い出しました。
「そういえば「原子力(はらこつとむ)」ってマンガキャラいたよな」
原子力は、90年代前半を代表するジャンプ作品「まじかる タルるートくん」(江川達也・作)に登場するキャラクターです。「巨人の星」の花形満のような、大金持ちの電力会社社長の息子で、主人公、江戸城本丸のライバルです。初登場で「みんな電気をじゃんじゃん使ってくれよな!」と言う、子供心に「こいつ間違ってる」と思わせるキャラでした。これは全共闘ネタの多い「BE FREE」の作者でもある江川達也先生の、左翼的教養からくるブラックジョークに違いないでしょう。
福島第一原発事故以降、たくさんの漫画作品が話題になりました。ちょうど連載中でアニメ化の予定だった井上智徳氏のSFマンガ「COPPELION(コッペリオン)」、『週刊漫画ゴラク』に連載中だった「白竜〜LEGEND〜」(原作・天王寺大/劇画・渡辺みちお) [原子力マフィア編]。地球が核の炎に包まれる「北斗の拳」、「サルでも描けるまんが教室」のプルトニウムふりかけネタ、あさりよしとおの「ラヂオマン」とゴルゴ13の「2万5千年の荒野」と山岸涼子の「パエトーン」、「鉄腕アトム」の原子炉等々。
でも、原子力(はらこつとむ)は名前がそのものずばりなのに、ネタとしてみかけた覚えがありません。
私もバクマン見るまで、一年間思い出さなかった。
誰かネタにしてないかしらと、ネットで検索しました。
原子力(はらこつとむ)が「みんな90パーセント節電してくれよな!」と言うような、皮肉のひとつもあるかと。
そうしたら、福島の事故後、江川達也先生本人が「チェルノブイリの事故を受けて、原子力はああいうキャラにした」という発言をテレビでなさったらしいです。参考サイト漫画家本人が自分のギャグの解説をするまで、ほとんど思い出してもらえなかったのね……。
ちなみに、単行本の紹介によると原子力(はらこつとむ)は、「原子力推進委員会・児童向け広報企画室長」の肩書きを持つそうです。リンク
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2012-03-25
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漫画考 |
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日本の防衛省と在日米軍は、それぞれ漫画で日本国民に自らをアピールしている。
日本の防衛省の作成した一般向けパンフレット。
平成21年版 まんがで読む防衛白書
〜ソマリア沖・アデン湾における海賊対処〜
http://www.mod.go.jp/j/publication/kohoshiryo/comic/index.html
沈黙の艦隊風の絵柄。画力は微妙で物語は説明的だけど、まんがでほぼ全て説明している。
在日米軍の作成した一般向けパンフレット
わたしたちの同盟 -永続的パートナーシップ-
Our Alliance - A Lasting Partnership
http://www.usfj.mil/Manga/Index.html
まんが家さんは日本人で、「魔法の海兵隊員ぴくせる☆まりたん」という漫画を発表している。こっちの方がプロっぽい。まんがの間に挿絵付きの長文で、情報がつまっている。
これは、アメリカ側の日本という、異文化に対する理解度に感動するべきなのか?
KawaiiとMoeは日本の正義!
もうこれ、小学校で配っちゃえよ。社会科の資料としてさあ。
このまんがの第一部が発行された時は、普天間でもめている時期で、ネットではこんなものを発行するなんて、在日米軍も反米感情に困っているんだな、という反応や、「おまえらがゴキブリを退治した事があるのか?」という反応があったんだよね。
第二部が公開された今は尖閣諸島事件後なので、「このままでは無用と思われてしまう」という米軍の危機感は「今こそ必要性をアピールするチャンス」に転化したんじゃなかろうか。
ともあれ、第三部を楽しみに待ちたいね。ところで、英語版は出さないの?
多くのアメリカ国民も、日米安保について詳しく知らないような気がするんだけど、この絵だとまずいのかな?
ここに中国側の反応があるけど、尖閣諸島問題が起きる前だから、のどかな感じだ。
中国オタク「日本の萌えが米軍を侵食している……!」
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2010-12-29
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政治 /
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三話全部見た感想ですが、まあ、あれでよかったと思います。
NHKお得意のドギュメンタリー番組ではなく、ドラマ化するということは、より多くの人に「うつ」についての理解を深めて欲しいという意図なのでしょう。
だから、登場人物が脚本の都合で増えていても、医者さんが人情家になっていても、仕方がないのです、うん。
主演の藤原紀香さんについては、わたしは彼女が「夫に浮気されて思い悩む妻」をドラマで演じたとしても「こんなに堂々とした肉体と顔立ちと表情と物腰の人がなんでそんな役を」とか思うでしょうから、これもありということに。
昔「下品な人物も上品に演じるのが役者」という話を聞きました。
酒飲みや殺人犯や精神を病んでいる人や、生活に疲れている人をリアルに演じすぎると、ドラマではチャンネルを変えられてしまいます。
わたしはドギュメンタリーやニュース等で見る事のできる、素人の生々しさというのが、好きです。
ですが、悲しい歌を美しく歌うのがプロってことも、少しは理解したいですね。
やはり、ドラマになったら漫画版よりも夫婦喧嘩などの場面が生々しくなっていましたし。
ところで、最後のスタッフロールで、原作は「ツレがうつになりまして。」「その後のツレがうつになりまして。」とだけ記されていましたが、「イグアナの嫁」からもエピソードとって来ていますよね。これも原作として記した方が良かったんじゃないでしょうか。
それから、ドラマ版のうつ病の描写に関して監修が「野村総一郎」となっていました。こんなところでも啓蒙のために活躍なさっていたのですね。
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2009-06-25
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漫画考 |
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「ツレがうつになりまして。」が、藤原紀香主演でドラマ化されるって聞いたときは、「設定だけ借りて、原作とは全然違う話なんだろう」と思ってました。
ショムニも八神君の家庭の事情も、私を抱いてそしてキスしても、原作とは全然違いましたよね。問題作に近い感じの話題作って、設定が面白いが、物語は映画やドラマに向かないものが多いんです。
だってツレがうつになりましての漫画版の主人公って、このおだんごあたまの二頭身ですよ。
なので、年の割に世間知らずで夢見がちで、内気で可愛らしい雰囲気の人のイメージでした。
(漫画家さん本人は違うかもしれませんが)
でも、NHKの番組宣伝を見たら、漫画にあった場面ばっかりで、どうやら「原作通り」を突き進むつもりらしい。
ツレさんがゴミ捨て場にたたずむ場面、主人公の貂々さんをツレさんが励ます場面、ツレさんの会社のリストラの時の「勝ち組」という表現。辞表がうまく書けない。貂々さんの仕事探しの時の「老妓抄」からの台詞。二人のケンカ。
実写になると、ゴミ捨て場の場面って、鬼気迫ってるんですね。原作だと、うつの人でも読めそうなくらい、ほのぼのとした絵で描いてあったので。
ちなみに、ツレさんのつとめ先が、ハードウェアメーカーから外資系IT企業になっていたが、今なら原作通りだった方が、リストラ話がリアルでは。ドラマだから格好よくしたのでしょうか。
わたしは「ツレがうつになりまして。」「イグアナの嫁」「その後のツレがうつになりまして。」の三作を読みました。ドラマはどこまでをやるんでしょうか。やっぱその後の終わりあたりまで? さらにその先の、子供が生まれるところまで?
ドラマ化は、NHKのうつ特集の一環なんだろうな、と思いつつ、ちょっと楽しみです。
ちなみに、わたしが原作で一番怖かったのは、回復した後のツレさんが、支えてきた妻の辛さに気づいた時のことを書いた文章です。
ツレさんのような人でさえ、うつの最中は「支えている妻の方も辛い」ということに気づけなかったということです。
多くのうつの夫を持つ妻が、必死に支えている夫に「うつでないおまえには、俺のこの辛さがわからない」というようなことを言われて、「自分の辛さはどうなるの」と更に辛くなると聞きましたが、本当にそういう病なのだと、ツレうつを読んで思いました。
「自分の辛さを、自分でなんとかしたい」という人には、「いやな気分よ さようなら」という、野村総一郎先生翻訳の認知療法の本が、個人的におすすめです。
明るい気分になれるというより、あきらめの気分になれて落ち着けます。
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2009-05-25
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今夜は、「猫娘」の歴史について考えてみたいと思います。
水木しげる先生の「墓場鬼太郎」に登場する「寝子」ちゃんの実家は元三味線屋です。ですから、「ねこや」なんです。おそらく「寝子」ちゃんは、ご先祖が、たくさん猫を殺して皮を剥いだたたりで、猫娘になってしまったのでしょう。お気の毒に。
それで、寝子ちゃんの猫化後や、猫娘の顔を見ていて「この顔どっかで見たな……」と思いました。
そうです。
「幽」の猫特集号 の猫三味線の記事です。
「猫三味線」は、猫が主人を殺し、自分を殺して三味線にした浪人に復讐するため、その男の娘として、生まれかわり、復讐するという物語です。
下の画像を見て「そんなに似ていないんじゃ?」とか「偶然だろう」と思った方もいらっしゃるでしょう。これは普段の顔で、猫化して、魚にかぶりつくと、もうちょっと水木先生の猫娘に似るんですよ。
「猫三味線」の猫娘と水木先生の猫娘には、共通する特徴があります。
眉毛がないのです。時代が変わって、猫娘にも眉毛がつきましたが、ケイ・タジミさんの猫娘と水木先生の初期の猫娘には、眉毛がありません。猫には眉毛がないので、猫らしくするために、「猫三味線」の作画者はあえて描かなかったのです。たぶん、水木先生もそのつもりで、眉毛を省いたのでしょう。
いまでこそ、ドラゴンボールのピッコロさんとか、キン肉マンの超人とか、「人間に似ているが、人間でないもの」を表現する手段として、眉毛を描かないのは、当然の手法ですが、「猫三味線」の戦前には珍しかったでしょう。
最初はわたしも似ているのは、気のせいかと思ったのですが、この「猫三味線」という紙芝居の作者こそが、戦前の「ハカバキタロー」という紙芝居の作画者なんですよ。
ケイ・タジミという方です。
水木しげる先生は紙芝居作家だったある日、阪神画劇者の鈴木勝丸さんと売れっ子紙芝居作家の加太こうじさんから、戦前の紙芝居の話を聞きました。そして鈴木勝丸さんが、水木先生に「ハカバキタローを元に描いちゃえば」と勧め、紙芝居として「空手鬼太郎」が誕生します。やがて鬼太郎は「墓場鬼太郎」「ゲゲゲの鬼太郎」と名前を変えてゆくのです。参考「水木サンの幸福論」
つまり、鬼太郎だけでなく、猫娘も、ケイ・タジミさんの紙芝居が遠いルーツなのではないでしょうか。
なお、「幽」の猫特集号 の猫三味線の記事での、紙芝居師である、梅田佳声さんの話によると、先の水木先生の話に登場した加太こうじさんも、化け猫紙芝居を描いていたそうです。ただ、その絵は未見なので、加太こうじ版猫娘が、いたのかどうかは謎です。

水木作品における「猫娘」の歴史については、すでに考察してらっしゃるサイトさんがいくつかありますので、そちらをご参照ください。
保存版・猫娘大図鑑
幻想住人録・猫娘
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2008-02-23
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