隣の枇杷のおじさんが、もうひとつ、木を伐った。晴れたら伐ってくれるとのことで、おてんとさまを睨み待っていたのだった。このあいだの木の幹は残されたが、今度のは実をつけないらしく、根っこごと。というわけで、幹をいただき、皮をなんとかうまく剥ぎたいと奮闘した。幹は案外細くて、でも長さはわたしの身長ぐらいはあるのだった。
皮を剥いでいて思いだすのは、チャン・イーモウ監督作品の『紅いコーリャン』に出てくる、人間の皮を剥ぐ場面、それから大岡昇平の『野火』に出てくるサルの肉・人肉。これらはともに学生時分に観た(読んだ)んだった(大岡昇平、当時全集に手を出していったけれど、『レイテ戦記』は読んでいない)。そういえば武田百合子の『富士日記』で、武田家の富士山荘のご近所に大岡夫妻も山荘を建て、日記に度々登場するのだが、大岡昇平の印象が違ったなぁ。ダンディだった。
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