斉藤光政 著『偽書「東日流外三郡誌」事件』文庫版読了。
東北地方の隠された歴史を記したとされる「東日流外三郡誌」。
しかしこれはすでに、
数多くの歴史や文献学の専門家、その他関係者たちの手によって、
“現代人の手による偽の歴史書”であることが明らかにされている。
(一部頑強に本物だと主張している学者とその一派はある)
しかしこの書が社会に与えた影響は大きく、
単純に誰かが個人でだまされたと言うレベルの詐欺事件では収まらなかった。
青森県市浦村(当時・現在は五所川原市)の公的資料として、
「村史資料編」に一部が収録されてしまった事を筆頭に、
幾つかの自治体レベルでの被害にまで及んでいる。
また権威ある歴史学者の一人である古田武彦氏が、
「真の歴史書であって現代人の捏造ではない」とする立場に立ち、
もはや偽作の証拠が大量に出て大勢が決した今になっても、
その態度を崩していないと言う状況をも作り出している。
その偽書はどのように登場し、どのような展開を見せ、
どのように収束したのか。
10年以上にわたって同書がらみの事件を追い続けた新聞記者の手により、
その詳細が語られる。
偽書を作りだし、
大勢の人間をペテンにかけた和田喜八郎なる男はいかなる人物だったのか?
またその手口はいかなる物だったのか?
どうして多くの人々がコロコロだまされてしまったのか?
読み進める内にそういった興味が次々にわいてきて、
またその答えが提示されていくため、
ぐいぐいと引き込まれて一気に読み終えてしまった。
ドキュメントなのに、
下手なエンタテインメント作品よりもよほどエキサイティングで面白い。
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2010-03-14 01:47
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