うえお久光:著 「紫色のクオリア」 電撃文庫 読了。
買ったのは随分前だけど、積読になってたのをやっと消化。
買った動機は、ネットでちら見したこの作品の設定が、
昔書いた話に似てたから。
と言っても、読んでみたら全く方向性が違うというか、
似ている設定の部分はこの作品の凄さのごく一部でしかなかった。
自分以外の人間がロボットにしか見えない目を持つ少女。
その目はただそれだけではなく、
人間の体をロボットを直すように“修理”することも出来る。
ただ“視える”だけじゃなく、追加で超常的な事が出来る特殊な目。
“壊す”と“治す”の差はあれど、
「月姫」や「空の境界」の直死の魔眼を彷彿とさせます。
ではその特殊な目を持って生まれた少女の、
活躍や苦悩を描いた作品かと言うとさにあらず。
その少女によって命を救われ、
結果として超常的な能力を手に入れた少女が、
とある目的の為にいくつもの時空をまたにかけて奮闘するお話。
読者の印象に強烈に残る特殊な目の女の子を登場させておいて、
その子が主人公ではないと言う点でも驚いたが、
読み進めるとそれ所の話ではなかった。
次から次へとこちらの予想を裏切る展開の連続。
量子論だの平行世界だのコペンハーゲン解釈だの、
様々な科学・SF的ギミックを存分に使って、
物語があっちへこっちへ飛びまくる。
それでいて軸はぶれていない為、
どんどん続きが気になって“読まされて”しまう。
細かい事を言えば「何でそうなる!?」と思える部分もあるけど、
時空をまたにかける壮大な話の展開に引き込まれて気にならなくなった。
いえ、けして頻出する科学用語に煙に巻かれたわけではなく(ぉ
ともあれ、ちょっとSFを楽しみたいと言う人にはすこぶるお薦め。
(以下ネタバレ含む部分は「続きを読む」内で)
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2010-02-09 18:38
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