ニックネーム:太田たこす
いわゆる一つの同人オタク。現在の活動ジャンルはアニメ・ゲーム・マンガ(「ぱにぽに」など)のパロディ中心。元コミケスタッフ(館内担当)

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2009年09月12日(土)
そうでもなかったよ?
「ラブプラス」が話題を呼び始めた昨今、
同人的にも盛り上がるかもしれないと予想されますが、
もし「ラブプラス本出すんだ!」という人がいたら、
一応知っておいた方がいいお話を取り上げてた所があったのでご紹介。

「ラブプラス」のコナミが訴えた二次創作の「著作権侵害」事例
【esu-kei_text】様

そして先方にコメント欄がなかったのでこっちに書きますが、
二箇所ほどツッコミどころがあったので指摘させていただきます。
(以下「続きを読む」)
※9月14日一部表現修正

※上記リンク先より引用開始
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今回のアニメーションは藤崎詩織(ときメモのヒロイン)の清純なイメージを台無しにする悪質極まりない内容であり、断固たる法的な措置をとることに致しました。

引用:「煮豆売り」無断複製事件--98年6月25日訴え提起の訴状
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笑ってしまうような文面だが、それは「著作人格権」をゲームのキャラクターに適用するという内容であった。
※引用終了

まず上の訴状の文章ですが、
これはコナミが訴えに踏み切った動機の一部を書いただけの物です。
だから「著作者人格権をキャラに適用した」のではなくて、
著作権者のコナミが法人として「著作者人格権」(同一性保持権)を行使したというだけです。
訴状の内容を読んでも「キャラクターの人格権侵害」については触れられていません。
キャラクターの清純なイメージが著しく傷つけられた事に対し、
著作者のコナミが怒ったという事が書かれているだけです。
キャラクターの持つイメージは、企業にとって商品価値に直結しますから、
それを傷つけられたので許せんという事でしょう。
(一部「ファンの夢をも陵辱する」なんて勝手にファンの心を代弁しちゃってる部分はありますが)
訴状以外のところでキャラの人格についての発言がありましたけど(娘みたいな物とか)、
この訴状自体ではそれについては触れられていませんよ、と。

※細かい事ですが「著作人格権」という言葉は不正確で、「著作者人格権」が正しいです。
「者」が抜けると意味が変わっちゃいます。
人格権を持っているのはあくまで著作者で、著作物が人格を有する訳ではないので。


そして次、当時現場にいた人間としては見過ごせない記述が。

※上記リンク先より引用開始

 この判決により、「ときめきメモリアル」の同人誌はまたたく間に姿を消した。

※引用終了

え〜これはいくらなんでも言いすぎです(汗)
私は当時ときメモの同人誌を発行する立場でコミケに参加していましたが、
そのような事実はありませんでした。
姿を消したどころか未だに残っていますし、
私の記憶が確かならば事件発覚後の99年以降も、
かなりのときメモ同人がコミケに参加していたのですから。

確認の為に当時のコミケカタログを取り出して、
ときメモジャンルで参加していたサークルをざっと数えてみました。
(煩雑になるので壁大手や偽壁はカウントせず、
 ギャルゲーCSで申し込まれた島中のサークルのみカウント。
 なお数え間違いがあったらご指摘ください)

訴えが起こる前の98年2月に申し込みが終わっていた、
98年夏コミ(コミケット54)は136
訴状が出された1年後の99年夏コミ(コミケット56)は94
一審判決が出たあと最初のサークル申し込みとなった、
2000年夏コミ(コミケット58)では44
あれ?やっぱ激減してる!?
・・・と思いきや、
実はこの間にときメモ2が発売されたので、
そちらのサークルもカウントすれば168で、むしろ増えているのです。

つまり、
この裁判の影響が全くなかったとまでは言いませんが、
それが原因でときメモ同人が激減したとまでは言えないと思うのです。
(ときメモのエロ同人の減少に一役買った可能性はあると思いますが)

そもそも、
この事件が報じられる以前の段階からときメモ同人は減少傾向にありました。
98年というと、
すでにギャルゲー人気の主流はLeaf(葉)の「ToHeart」に移っていましたし、
99年にはKey(鍵)から「KANON」が発売され、これまた爆発的な人気を博しました。
またLeafからは同人誌即売会を舞台にしたゲーム、
「こみっくパーティー」も発売され、これもまた同人的に大ヒット。
ときメモからそれらへ流れたサークルも多かったのです。
つまり98年以降にときメモ同人が減少したのは、
例の裁判のせいよりも、
いわゆる“葉鍵系の台頭”のほうがより強く影響していたというのが、
当時ときメモ同人の中にいた私の印象なのです。

葉鍵のせいかどうかはおくとしても、
97年夏コミ(コミケット52)でのときメモサークル数は320で、
98年夏と比較すると倍以上もあったのですから、
事件以前から減少傾向にあった事は間違いありません。

今現在ときメモ同人が少ない理由は、単純に飽きられた(泣)のと、
続編の失敗が大きな原因になっていると思います。
同人的に人気になった他の作品に比して、
対抗するだけの力を持ちえなかっただけでしょう。
鳴り物入りで登場したオンラインも大コケしちゃいましたしね…
※GS(ガールズサイド)シリーズを入れると結構サークル残っていますが、
一応別物という事で。

色々書いてきましたが、リンク先の結論である
「パロディ全盛の同人文化の今後を考える上で、コナミの動きには注視すべきであろう。」
と言う部分には賛成です。
と言いますか、私はずっと注視し続けていますしね(笑)
ただ昨今「ときメモGS」シリーズが同人的に人気になっても、
コナミは何も言ってきてはいませんが。
でも「ラブプラス」でエロ動画作ってニコ動辺りに流す輩が現れたら、
さすがに黙ってないかも知れませんね。

以上、この冬ときメモの同人誌(詩織本)を出す予定の男の見解でした。
2009-09-12 00:00 | 記事へ | コメント(6) | トラックバック(0) |
| コミケ・同人誌関連 / ゲーム / 著作権 |
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個人のファン活動に関してはある程度の範囲までは黙認。
大規模商業活動となった時点で内容を確認の上対応。
と言うのが、当時の方針でした。

>でも「ラブプラス」でエロ動画作ってニコ動辺りに流す輩が現れたら、
>さすがに黙ってないかも知れませんね。
と言う部分にのみ言うのなら、ほぼ間違いなく対応する事になるでしょうね。
削除依頼で済ませるだけか、UP(製作者)先に対して著作権侵害で訴えるかは内容次第だとは思いますけど(^^;
☆須佐 陵さん
コメントありがとうございます。
当時の内部事情に通じた人のご意見はありがたい限りです。

ニコ動へのアップを「個人のファン活動」の範囲と認めるかどうかにもかかってきますよね。
アップした人間がお金取ってる訳じゃなくても、
影響力が大きすぎるとどうなるか…

ツッコミありがとうございます。
リンクしておきました。
 
著作者人格権についての説明は言葉足らずでしたね。
判例でも、こんな感じになってました。

>登場人物である藤崎詩織は、優等生的で、清純な、さわやかな
>印象を与える性格付けがされている。
>(中略)
>藤崎詩織が性的行為を行うような場面は存在しない
>(中略)
> 以上によると、被告は、本件ビデオにおいて、
>本件藤崎の図柄を、性行為を行う姿に改変していると
>いうべきであり、原告の有する、本件藤崎の図柄に係る
>同一性保持権を侵害している。
> なお、被告は、同人文化の一環としての創作活動であり、
>著作権法違反は成立しないと主張するが、採用の限りでない。

ときメモのジャンルについての具体的なデータはありがたいです。
参考になりました。

決して、この事件を契機に同人誌がなくなったわけではないのですね
ただ、ときメモ同人に関しては
今でもみんな警戒感を抱いているような感じを受けています

最後に太田さんが書いているように
むしろ、ニコニコ動画などで、問題が起こるかもしれません
若い人たちには、このような判例を知ったうえで
二次創作を発表してほしいですね
別にコナミ作品にかぎった話ではなく
☆esu-keiさん
リンクありがとうございます。
またツッコミ失礼しました。

私も当時判決文を目にしまして、
結局判決でもキャラクターの人格権には触れられておらず、
あくまで「作品の一部としてのキャラ」が改変されたので、
「“著作者が保持する”同一性保持権に抵触すると判断された」
と読み取った記憶があったのです。
(「キャラクターが有する著作者人格権が」ではなく)
なのであのように書かせていただきました。

警戒感に関しては、現状他の企業(著作権者)と大差ないかなと思っています。
本家ときメモに関して言えばサークル数が非常に少ない状態ですが、
他のコナミ作品(ときメモGS、QMAなど)の同人誌は結構普通に出ていますし、
サークルが特に警戒している様子はあまり感じられません。
そもそも新参の人はこの事件を知らない事が多いので警戒する理由がありませんし、
知っている人間は古参の同人者なので、
「お痛が過ぎなければ大丈夫だろう」と判断している場合が多いかと。
esu-keiさんが「今でもみんな警戒感を抱いているような感じ」
をどうして受けているのか、
私にはちょっと不思議に思えるのです。
私の印象だと「みんなもうちょっと興味持ったほうがいいんじゃね?」
と感じていたくらいでしたので(汗)

事件が報道された当時、
パロディ(当時二次創作という言葉はなかった)同人誌と著作権について、
軽く解説したビラを作って自サークルで頒布したのですが、
興味を示してくれる人は極わずかだったのです。

最後のご意見には私も賛成です。
事が起きてから「知らなかった」は言い訳になりませんし。
やるんなら「覚悟の上」でやっていただきたいなと。
向こうの都合かこっちの勇み足か
いずれにせよ叩かれる事例が出るのは二次創作である以上避け難く、常に心が舞えておきたいところ。

こー言ってはなんですが、ときメモって旬が短かったっていう気が・・・(^^;
一つのネタとしては今にまで続く物があるんですけど、二次創作元としてはバっと花咲いて一気に種撒いてそれが現在までって感。
ときメモ葉鍵TYPE-MOONと何というか綺麗に世代交代していった感があります、ゲームについては。単なる買い専の印象論でしかないですけども。
しかし続編コケたのは返す返すも痛かったです・・・2はそれなりに良かったとは思うのですがどーにも地味でしたし、3のトドメ感が(;´Д`)

ちなみにラブプラスのエロMADがニコニコに上がってそれが権利者削除となったとしても、まぁそうよねそれが普通よねとは思います。
☆ariさん
そうですね、ときメモの旬は短かったと思います。
私がときメモの同人誌を発行し始めたのは97年なのですが、
その時点ですでに「もう旬はすぎてるよ?」
と忠告されたくらいですから(^^;
裁判の件が旬の更なる短縮に一役買った可能性までは否定できませんけども、
止めになったとまでの印象は受けなかったんですよね。

そして続編の失敗は確かに痛恨事でした。
別に同人誌云々に関係なく、
純粋にメモラーとして悲しかったですよ。
GSがそこそこ好調ってのがせめてもの救いになってるくらい。
てか、ちょっと羨ましいです(笑)

「ラブプラス」でちゃんと成功してる所を見ると、
単にときメモ続編(オンライン含む)は開発チームに恵まれなかったのかなあ…?
それとも「ときメモ」の名前が重すぎたのか・・・
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