ニックネーム:Acleris
年齢:おぢさん
都道府県:兵庫県
春の林で耳をすますと、パラパラと雨のようなかすかな音が聞こえませんか?それはいもむしのうんちだったりするんですが、ココではそういうチッコイ自然を紹介しようと思います。

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2011年02月16日(水)
ツキノワダニ
冬の間、ネタが無くなると土の中の生き物の出番である。
持ち帰った腐葉土から見つけたダニさん。

巷ではほ乳類で似た名前なのが話題になってましたが、
それはさておきまして、、、、、


先に動画から、

ツキノワダニ Nanhermannia nana
ツキノワダニ科Nanhermannidaeに属する。

ササラダニの仲間なので、落ち葉を食べる平和主義者。
腐葉土の中にいる限り、周り中「餌」状態なので、
あわてる風もなく、のったらのたらと歩きます。


以下、日本産土壌動物やダニ学会誌からの抜き書き。
***********************************************
ツキノワダニ科は、生殖門の後側方にある三日月形の溝が本科の特徴。
腹面から見た画像。

名前の付け方は、クマと同じノリでしょうね。

日本産ツキノワダニ科は、以下の4属。
コノハツキノワダニ属 Cosmohermannia 胴背毛は扁平で木の葉形
オバケツキノワダニ属 Masthermannia 胴背毛は基部から二股に分かれる
ホソツキノワダニ属 Nippohermannia 胴背毛は単純で短め
ツキノワダニ属 Nanhermannia 胴背毛は単純で長い。

ツキノワダニ属は日本産4種
ツキノワダニ Nanhermannia nana 北海道〜沖縄、普通
エイツキノワダニ Nanhermannia bifurcata 北海道
トカラツキノワダニ Nanhermannia tokara トカラ列島
トガリツキノワダニ Nanhermannia triangula 北海道
***********************************************************

普通種であることや、分布から言って、
画像の種は、ほぼツキノワダニと言って良いと思う。

ではまた。
2011年2月16日 | 記事へ | コメント(0) |
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2010年12月25日(土)
冬の赤いダニ・・・・・・ナミケダニ
初冬や春先、日当たりの良い地面を良く歩いているダニ。


ナミケダニ属の一種Trombidium sp.
ビロウド様の質感のあるダニで、体長は3mmとダニにしては巨大なサイズ。
赤い色で、いかにも血を吸いそうだが、吸血性はない。

ナミケダニ属の中で、全国的に普通種なのはアカケダニTrombidium holosericeumだそうだ。
画像の種もおそらくそうだと思うが、近縁種もいるだろうからナミケダニの1種としておく。

赤いダニと言えば、梅雨前に家屋の周りで走り回っているのを見かけるが、あれはまた別の種類で、アナタカラダニの仲間。


ナミケダニを透化処理してみると、
体表に毛が一面に生えているのが判る。
3mm程ある袋状の部分が後体部で、これが中央で8の字状にくびれていたらツツガムシ科になる。


後体部の体毛
体毛が分岐しているのがナミケダニ科の特徴(分岐しないのはジョンストンダニ科)。先端がデコボコの肉質状なのはナミケダニ属の特徴(細く終わると他属になる)。


脚の先端
爪間体を欠き、2本の爪のみ(刷毛状の爪間体を持つものはドクロケダニ属になる)。


触肢の拡大
脛節の爪が長く、ふ節が途中から出てカニのはさみのようになる状態を、触肢は親指状と表現する。


眼は前体部にあり、可動する柄の先に付く。
カニさんみたい〜。しかしカニは複眼、このケダニは柄の先に個眼が2個ずつ付いている。
冒頭の写真でも、よく見ると眼が写っている。

あと、分類には前体部にある感覚溝の形とか感覚毛の位置などが重要であるが、写真に写りがたい部分なので、はしょります。
キョーミがある方は「日本産土壌動物」とかを見てね。

ではまた。

2010年12月25日 | 記事へ | コメント(2) |
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2010年08月06日(金)
斑入りのササ
六甲山系にはササが多い。

そのササの葉っぱに、白い斑が入っているのを見つけた。

1×10mm程の白い斑が繊維に沿って散らばっている。


裏返してよく見ると、白い膜を張ったように見える。
拡大すると、

たくさんの糸を幾重にも張り巡らしてできた膜であることが判る。

実はこれ、ハダニのマイホームである。
葉脈の間に膜を張り、間に潜んで、葉から吸汁する。
吸汁されたところは白くなり、
斑入りのササができあがる。

上の画像の矢印部は、実際に確認したわけでは無いが、
ハダニのうんちである。

言わば、ハダニのトイレと言ったところ。
巣の中では排泄せずに、外の決まった場所にする。
なかなかキレイ好きなダニである。

膜の向こうで、ダニが動いてる。
大きいのや小さいの、トコトコ・テクテク。。。。


巣の一つを暴いてみた。

まん丸の卵や、孵化後の殻、幼虫、若虫、脱皮殻などが見える。
なかなか大家族の生活ぶりだ。

このハダニ、スゴモリハダニ属Stigmaoepsisの仲間なのだが、日本産は5種類いるようだ。
種の決定には、プレパラート標本にして、光学顕微鏡で背中の毛の長さや位置関係で区別する必要がある。
で、詳細は省く。
詳しく知りたい人は「原色植物ダニ検索図鑑(全国農村教育協会)」を見てね。
で、このハダニを検索すると、

ササスゴモリハダニStigmaeopsis takahashii

になりました。



♂のササスゴモリハダニ


こちらは♀のササスゴモリハダニ
1目盛りはいずれも0.025mm。


♀の前体部拡大(1目盛りは0.005mm)

ハダニの仲間は、触肢の先端に出糸突起があり、そこから糸を吐くそうだ。
で、口針(ピンぼけ)を植物に刺して、チューチューする。

ササラダニのような囓る口ではなく、刺す口になっている。



おまけ
巣から出したハダニは、一目散に駆け出します。
ガラス面を、テテテテテテテテテテテテテテテテ。。。
2010年8月6日 | 記事へ | コメント(0) |
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2010年06月10日(木)
クモとその獲物
忙しくって、週一更新もままならない。
有難いんだかなんだか。
今週は簡単に済ませます。


大きめのクモが、お食事中。

イオウイロハシリグモ Dolomedes sulfureus
(近縁種がいるので、)だと思う。

食べられているカワイソウなのは、
翅脈と触角、脚の色、過去の採集品を勘案すると、
ミツボシキアブモドキ Xylomya moiwana
のようだ。
キアブモドキ科 Xylomyidaeに属す。


以前撮影したもの
ミツボシキアブモドキ Xylomya moiwana
2007年5月撮影

ではまた。
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2010年04月30日(金)
ツツハナバチの便乗ダニ
ゴールデンウィークの初日は、パソコンのセットアップと死にかけのパソコンからのデータのサルベージで、1日潰れてしまった。


なので、日曜日の虫から。

ムラサキハナナやムラサキケマンの花に留まっていたハチ。


なんだか元気がないので、手をそおぉっと近づけると、指に乗ってきた。
天気の良い春だと言うのに、覇気のないヤツ。とよく見ると、なんかブツブツに取り付かれていた。

持ち帰って拡大してみた。
顔面を下から見ると、頭盾に角が生えている。


リンゴ農家に必需品のマメコバチ(コツノツツハナバチ)によく似ている。
が、マメコバチの角の間隔は広いそうだ。

受粉用の重要昆虫としてメジャーになったマメコバチはネットに画像がたくさんある。
それらと比較すると、こちらの子は角の間隔が狭いので、

ツツハナバチOsmia taurus で良いようだ。


翅にペタペタ貼り付いていたのは、ダニ。
胸にも10数個体くっついていた。

へたっぴプレパラート

一目盛りが0.025mmなので、体長は約0.4mm。
ダニは便乗世代の第2若虫。ツツハナコナダニの仲間だ。
ミツバチ大量死の原因のひとつとされるアカリンダニとはまた別種。

第4脚は小さいが、足先に毛が3本、1本は非常に長い。(上司によると、ケモノなどの毛の生えた生き物に便乗するダニによく見られる特徴とのこと。ツツハナバチも毛深いな。たしかに。)

サイニィで検索すると、「Two New Chaetodactylus(Acari,Chaetodactylidae)Associated with Osmia(Hymenoptera,Megachilidae)in Japan(日本産ツツハナコナダニの2新種)」が拾えた。

それをツラツラと眺めると(英文なので読めない。眺めるだけ。)、
どうやら学名はChaetodactylus nipponicusで良いようだ。
この論文では和名は提唱されておらず、ちゃんとした和名はまだ無さそうだ。


肛吸盤の拡大

ブタ鼻のヨザル??
というのは冗談で、肛門の周囲にある吸盤。
肛吸盤という。

体の掃除が好きなハチに付くためか、肛吸盤がよく発達している。
吸盤で取り付くため、翅のような平滑なところを選んでいるようだ。
ハチにしてみれば、こんなところにくっつかれたら、
飛びにくくってしょうがないだろう。

人家に住むチリダニ類の♂成虫にも、この肛吸盤が発達しているが、
コチラは交尾の際に♀をくっつけて離さないようにするためで、
目的が全く違う。
カビを食べるナミホコリダニの♂では、第4脚が発達しており、
最終脱皮前の動かなくなった♀の若虫を見つけると、
背中に担いで、おんぶしたまま動き回っている。


さて、このツツハナコナダニは、
有用昆虫のマメコバチにもつくため、
生活史もよく調べられている。

便乗型の第2若虫はこのまましばらく過ごし、
ハチが巣を造り出すと巣に移り、
ハチが我が子のために作った花粉団子を食べて増えていく。
やがて花粉団子はうごめく粉だまりと化すそうだ。

その後、別の部屋で無事に成長したハチに取り付き、
移動を繰り返すそうだ。

ただ、あまりたくさん取り付くと、
ハチが飛べなくなって共倒れになるそうだ。

寄生生活もほどほどが大事である。
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