ニックネーム:Acleris
年齢:おぢさん
都道府県:兵庫県
春の林で耳をすますと、パラパラと雨のようなかすかな音が聞こえませんか?それはいもむしのうんちだったりするんですが、ココではそういうチッコイ自然を紹介しようと思います。

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2014年10月31日(金)
オニドコロの実に潜む者。
秋深しの日曜日、
オニドコロの実がたくさん下がっていた。

オニドコロの実は上向きにつくのが他のヤマノイモ科から区別する点のひとつ。らしい。

さて、そのオニドコロの実に食害が見られたので持ち帰ってみた。

まずはこんな幼虫。

ヒメハマキの1種。
種類は親になってみないと判らない。
この子は想定外。

実を透かして見る。

これは普通に種子が入ってる。

こちらは、、、

いもむし入り。
トコロミコガ Acrolepiopsis issikiella の幼虫
アトヒゲコガ科Acrolepiidae に属す。

実をバラして中身を示す。



古い図鑑では本種は年一回の発生で、幼虫はヤマノイモ科の実に潜り、秋に羽化した蛾は成虫で越冬する、と書かれていたが、
実際には、越冬した成虫は春に産卵し、幼虫はヤマノイモ科の新鞘や茎に潜って成長し年数回発生する事が判っている。
文献はコチラ(リンク先はpdf注意)
トコロミコガ(鱗翅目:アトヒゲコガ科)の多化性の確認と幼虫の寄主摂食部位

その文献によると、トコロミコガの幼虫は刺毛ソケットの周囲が黒く着色することで他のアトヒゲコガ科の近縁種から区別可能とある。

今回の幼虫の背面拡大

確かに黒い。

あと、アトヒゲコガ科の特徴として、腹脚の鈎爪が環状でその内側に数本の鈎爪列を有する、というのがある。
腹脚の拡大。
こういうこと。

おまけ
以前飼育で得た成虫。
トコロミコガ Acrolepiopsis issikiella 2009年11月

他の近縁種と比べて白斑は丸みがあり大きめ。

その時の羽化後の繭

編みカゴ状のスケスケ繭。
編みカゴ状の繭はアトヒゲコガ科の特徴でもある。

ネギにこんな繭がついていたら、たぶんそれはネギコガの繭である。
ネギコガもアトヒゲコガ科。

でもキャベツ系の野菜に似たような繭がついていることがあるが、そちらはコナガと言うナガ科の繭である。

ではまた
2014年10月31日 | 記事へ | コメント(0) |
| 昆虫-チョウ・ガ |
2014年10月24日(金)
腹黒いことの意味
哺乳類なんかは腹側が大概白いが、
一部のいもむしでは腹面の方が黒っぽいものを時折見掛ける。

これは、そのいもむしが腹黒い性格な訳では決してない。

例えば、この日曜日に見掛けたオオミズアオ終齢幼虫。

背中の方が白っぽく、腹側が黒っぽい。

なぜこの配色かと言うと、普段の状態にすると解る。


大型のいもむしは重たいので枝などに止まるときは、
ぶら下がる様になり腹側が上になる。

すると黒っぽい腹側には光が当たり、白っぽい背中は影になることで、
色彩が均一になることで立体感が無くなり隠蔽効果が高まる。

と言う寸法。

最初に見つけた状態はこちら

大きな幼虫なのに全然目立ってない。

この色彩パターンはエゾヨツメやウスタビガでも見られる。

この事は何かで読んだ筈なのだが出典が思い出せない。

ではまた
2014年10月24日 | 記事へ | コメント(0) |
| 昆虫-チョウ・ガ |
2014年10月17日(金)
和名はついたけど、学名未決定種・・・・・ズグロコブカザリバ
近所の山に知らない爺さんが植えたバナナ。

毎年、秋口に花は咲くがすぐに寒くなるので
実が大きくなったためしがない。

その垂れ下がったバナナの枯葉をシバいて落ちてきた蛾。
ズグロコブカザリバ Ascalenia sp.
全長5mmのチッコイ蛾。
普通種だけど、学名未決定種である。

展翅標本

こちらは2008年8月に三田市の中央公園で採ったもの。
仕事の途中休憩に寄って、剪定した枯れ枝を積んであるところを
シバいたらいっぱい落ちてきた。
体の油が浸みて黒ずんでしまった残念標本。
ネットを見ると、もっと黒っぽい個体もいる。

本種は古い図鑑には載っていない。

私の知る限り、初出は以下のサイト。

みんなで作る日本産蛾類図鑑

このサイトでは、カザリバガ科 Cosmopterigidae 亜科和名なしのChrysopeleiinae
として画像があり、
東南アジアのAscalenia thoracista (Meyrick, 1915)に酷似するが、
日本で採集されたものだけで交尾器の違う複数種が認められるため、
属不明種とされている。

図鑑類で初めて名前を見たのはこれ。
「日本の鱗翅類(東海大学出版会、2011)」。
カザリバガ科Cosmopterigidae コブカザリバガ亜科 Chrysopeleiinaeとされ、
世界に22属270種が知られる、とある。
日本からはAscalenia sp.が2008年に記録、と書かれている。
ただし図はない。

画像がある図鑑はこちら。
「日本産蛾類標準図鑑III(学研、2013)」
この図鑑では亜科から科に昇格し、コブカザリバガ科 Chrysopeleiidae とされている。
学名はAscalenia sp.のままであるが、和名は新称され、ズグロコブカザリバとある。

2014.10.18 追記
コブカザリバガ科と言うのは、より伝統的な体系に従った場合で、
新しい(まだこなれていない)体系では亜科にしているそうです。
昨年、蛾のmothprog先生とツイッターでやりとりしているのを思い出しました。
やりとりはこちら--> https://twitter.com/mothprog/status/298441320475807745


ではまた。

2014年10月17日 | 記事へ | コメント(0) |
| 昆虫-チョウ・ガ |
2014年10月10日(金)
ぽわぽわの虫
しばらく前、アラカシの葉裏にこんなものが。

2014.9.21
最初、アゲハモドキの幼虫か?と思ったが、
ミズキを食べるものがアラカシにいるわけがない。

よく見ると、ヒメカゲロウ類の幼虫に挟み撃ちにされている。
ヒメカゲロウがいるのなら、アブラムシ系?
右下のはヒメカゲロウの脱皮殻?
長らく居着かれているらしい。

そっと撫でてみると、ぽわぽわが取れて本体が見えた。
脚が見えるようだし、カイガラムシでは無さそう。でも、
アブラムシによくある角状管(甘露を出すところ)が見あたらない。


こう言うのは以前にも見た。
2009.9.23 これもアラカシ。
写真には撮っていたが、このときも採集とかはしていないので謎のまま。


似たようなのはないかと、画像フォルダを漁ったら、
ススキに付いていたものがあった。
2008.10.12


拡大

有翅虫が写っている。
よく見るアブラムシの有翅虫は翅を屋根型に畳んでいるが、
このアブラムシは左右の翅を重ねて平らに畳んでいる。
これはヒラタアブラムシ亜科 Hormaphidinae の特徴だそうだ。
また、この亜科は角状管が未発達の種類が多いようだ。

と言う事はアラカシのもヒラタアブラムシ亜科かも。

吸汁して余った糖分は甘露にしないで
みんなワックスに変換しているのだろうか。

よく見るアブラムシは甘露を出してアリを手懐けて
ガードマンにさせている事が多い。
でも、このアブラムシは大量のワックスで
物理的に外敵から身を守っているのかも。

ヒラタアブラムシの仲間は季節によって
寄主転換する種類が多いと聞く。

が、手持ちの図鑑ではアラカシやススキでこんなに
ぽわぽわになる種類は見つけられなかった。

誰か知ってる人いる?チラッチラッ

ではまた
2014年10月10日 | 記事へ | コメント(1) |
| 昆虫-その他 |
2014年10月03日(金)
アライグマの死体
生き物は必ず死ぬ。
でも自然界では大概が食べられてしまって死体を見ることは少ない。

のだけれど、

この間、ケモノの死体を見つけてしまった。

たまに通る沢筋、途中から渇れ沢になるあたりにあった。

すでに腐乱死体。。。

苦手な方は見ないでね。
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腐乱死体貼るよ。
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ほんとに貼るよ。
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2014年9月15日撮影
自粛して小さめ画像。
頭胴長は、5・60センチと言ったところ。

うつ伏せで死んでいることから犬ではなさそう。
犬猫の死体は横に倒れた状態でしか見たことがないし。

うつ伏せで死んでそうなのはアナグマとかハクビシンなんかが浮かぶが、
こんな都会のそばにはいないだろうし、

となると、最近、増加が懸念されているアライグマか!

頭骨を確認したいが、でろんでろんで棒でつつくのもためらわれる状態。

ハエのウジが絶賛分解中。


ウゲゲゲ。
触るのはあきらめて、その場を立ち去った。

それから2週後、どうなったか見に行ってみた。
1回雨が降ったので増水したのだろう、
バラバラに白骨が散らばっていた。

ちょっと探すと頭骨が見つかった。
白骨化しているので、棒でつつく程度なら触れるかな?
と、
棒きれで動かしながら撮影。

2014年9月28日撮影
アライグマ Procyon lotor の頭骨

一応、保育社の原色日本哺乳類図鑑でタヌキやキツネ、アナグマやハクビシンの頭骨を見てみたが、一致するものはなかった。

ネットで検索して出てくるアライグマの頭骨とはよく一致しているので間違いないだろう。

実は当地では、2010年にはアライグマの存在が疑われることが起きている。

2010年の晩秋、オオスズメバチの巣を見つけたので、
冬になったら掘り返して虫捕りしようと思っていた。

それが、12月12日のこと、
前日まで♂のオオスズメバチがブンブン飛んでいたのに
掘り返されてしまって、わずかな巣の欠片しか残されていない、
ということがあった。
こんなところにハチ屋さんがいるのか?!と驚いたが、
巣の下の土までかなり掘り出されており、
なんだかヒトの仕業には見えなかったので、
巣の欠片や周りの土を持って帰ってみた。

そこで見つけた獣毛。


白黒まだらの毛。
たぶんアライグマである。

表面のキューティクル。
ガラス板に透明マニキュアを塗って乾きかけたところに押しつけて型どり。
自己流スンプ法である。
(スンプ法を知らない人はググってね。)
割とヒトの毛と似ている。

透過光で直接撮影。
ヒトと違って髄が太い。

このときは痕跡が毛だけなので、確定を避けたのだが、
死体まで転がっているなら、ほぼ間違いないだろう。

スズメバチの巣まで食べるとは、なんという悪食。

成獣は気が強く凶暴だと言われてますな。

そう言えば、たまに遠くで吠えてくる野良犬がいなくなった気がする。。。
アライグマに駆逐されたのかも?

参考;国立環境研究所「侵入生物データベース」アライグマのページ

あ、骨はどうしようかと思ったけど、置いてきました。
当方、虫屋ですので。

ではまた
2014年10月3日 | 記事へ | コメント(2) |
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