ニックネーム:Acleris
年齢:おぢさん
都道府県:兵庫県
春の林で耳をすますと、パラパラと雨のようなかすかな音が聞こえませんか?それはいもむしのうんちだったりするんですが、ココではそういうチッコイ自然を紹介しようと思います。

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2015年02月28日(土)
シロフフユエダシャクの♂交尾器
この間、シロフフユエダシャクを
「ヒロバフユエダシャク初見」
とかつぶやいてしまって、早速指摘されてしまった。

ハ、ハズカチィ。。。


だからと言うわけではないのだが、
以前「ヒロバフユエダシャクの♂交尾器」を貼ったので、
シロフフユエダシャクの交尾器を貼っておきます。
(ネタもないので、、、)

シロフフユエダシャク Agriopis dira ♂交尾器 側面

シロフフユエダシャク Agriopis dira ♂交尾器
ファルスを除いて腹面から。
バルバの形とかユクスタの形が結構違う。さすが別属?

シロフフユエダシャク Agriopis dira ♂交尾器 ファルス(エデアグス)の拡大
コルヌツスの形状が違います。

ではまた
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2015年02月21日(土)
ブドウトリバ
寒いながらも陽射しがあればほんのり暖かい今日この頃。
ウメも香る程度に咲いている。

日曜日のお散歩では成虫越冬していたと思われる、
ちっちゃな蛾を見つけた。

ブドウトリバ Nippoptilia vitis


採集して1mmスケールを入れて撮影

冬を耐え抜いて翅はボロボロ、、、なのではなく、
もともと羽状に枝分かれした翅をもつ種類である。
後翅後縁に幅の広い鱗粉が5・6個並んでいる。

さて、画像の種はブトウトリバとしたが、
本種には見た目でほとんど区別できない
イッシキブドウトリバという近縁種がいる。

以下、図鑑からの抜粋。
******************************************************
ブドウトリバ Nippoptilia vitis
後翅の第3羽状翅の後縁には基部近くから5〜6個の黒褐色特殊鱗が並び、
翅端に逆三角状の塊がある。
全体暗褐色で後胸の背面は黄白色鱗を密生する。
腹節の中央の白横帯が目立つ。
エデアグスは基部の直前が膨らみ、先端は2叉し、
基部から1/4くらいでユクスタにつながる。
ブドウ科につき、早春から晩秋まで数回発生する。

イッシキブドウトリバ Nippoptilia regulus
前種より色調はより淡い傾向がある。
ユクスタには小さく平行な2本の細い突起を持つ。
エデアグスは基部の直前が膨らみ、先端はわずかな切れ込みとなる。
基部から1/3くらいでユクスタにつながる。
幼虫はブドウの果実につく。
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ということで交尾器を出してみた。
全景
ブドウトリバ Nippoptilia vitis ♂交尾器

横から


ユクスタ部付近の拡大


挿入器(aedeagus=phallus)先端部拡大
先端部が2叉するはずなのに??と思ってよく見たら、
内側に引き込まれてしまっているようだ。
それを含めて考えると挿入器のユクスタの付着部は
1/4付近と考えてイイと思う。

おまけ
昨年秋に採ったコブドウトリバ
コブドウトリバ Nippotilia minor
前2種より小型で赤みが強い。後翅の第3羽状翅の末端に黒色の特殊鱗がみられる。
ヤブカラシにつく。7〜10月。オーストラリアでは通年発生。


ではまた
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2015年02月14日(土)
脚が1本、唐傘お化け?
ここで言う脚は前脚のことで足のことではない。

祭日のお散歩コース。

寒さが緩んだものの風が強いので、風裏の谷筋を歩いた。
写真でみると何だかイイ感じに見えますが、200メートルも下ると涸れ沢になってしまうショボイ流れである。
水が流れている長さは、せいぜい4〜500メートルだろうか。

ちょっと覗き込んでみた。

なんかくっついている。
流れは右から左へ流れている。

ブユの幼虫だ。

成虫は、以前紹介している。(同定は怪しいので注意、信用しないでね)
-->「血は吸わずに舐める・・・・・・・・・・ブユ

だいたいの水生昆虫は流れに逆らうように
頭を上流に向けてしがみついていますが、ブユは逆。

おしりにある鈎爪のついた吸盤で岩に張り付き、
流れに身を任せている。
何だかユルい生き方だ。

うんちしたら顔に流れてくるではないか。

じっくり見たことがなかったので、少し持ち帰る。
腹面
体長は約6mm。左が頭部。
お腹がぽてっとしている。

背面
胸部と腹部の境目がちょっと?

いろいろ拡大してみよう。

腹端部側面
ユスリカの幼虫と同じで鰓があり、ボウフラ(カの幼虫)のように空気呼吸を必要としない。
左上は背面から見たところ。
基本が3本でさらに枝分かれしている。

頭胸部側面
「日本産水生昆虫」には前脚と書いてあったが、
中央に1本生えているだけなので本来の前脚ではないと思う。
同様な一本脚を持つものにユスリカの幼虫がいる。
「図説 日本のユスリカ」には「前擬脚」と書いてある。
こちらの方が適しているように思う。

頭部背面
触角は細い。
触角と大顎の間に「口刷毛」と呼ぶ特殊な毛束がある。
扇状に開いて流水中から餌を漉し取って食べるようだ。
間延びしたハムスターのような額板は最大幅が中央にあるか後端にあるかが分類に使われる。

頭部の各部名称

口刷毛の付け根に小型の亜口刷毛がある。
亜下唇基節先端の棘の形状も分類に使われる。
頭部腹面の切れ込みを「クレフト(cleft)」と言い、
切れ込み具合と形状も分類に使われる。

プレパラート画像いろいろ

前脚(前擬脚)末端節
ズラリと並ぶ鈎爪。
薄い硬化部を側板と言い、この形も分類に使われる。

腹部末端背面
後吸盤にも逆棘がズラリ。
これなら急流に逆らってくっついておれるだろう。
肛門と尾鰓は透明になりすぎてわかんなくなっちゃった。

口刷毛拡大
1本1本を肋と言い、肋にもそれぞれ細かい毛が生えている。
これで漉し取る訳ね。

大顎先端部


亜下唇基節
棘にもそれぞれ名称がある。
側縁歯にはピントが合ってないので写ってません。
スマヌ。

これらの特徴を元に検索表をたどってみたら、
アシマダラブユ Simulium japonicum に行き着いた。

・・・・あれ?
以前の成虫、ひょっとしてオオイタツメトゲブユ(アオキツメトゲブユ)でない?

3月になったら成虫追加して確認せねば。。。。。



おまけ
腸管内容物
なんだかよく判らない細かいものがいっぱい。

ではまた
2015年2月14日 | 記事へ | コメント(0) |
| 昆虫-その他 |
2015年02月07日(土)
消去法でいくと・・・
昔々、拙ブログで紹介した虫で、
シコクチビマルトゲムシとした画像があるが、
(該当記事-->「冬越し虫 2題」)本州産のはどうも別種のよう。

と言うのは最近なにげなく眺めていた「日本昆虫分類学会誌」に
本州産のチビマルトゲムシについての新種記載が
いくつか載っているのを見つけてしまったから。

その論文は以下の3編。
A New Species of the Genus Horiella TAKIZAWA (Coleoptera,Byrrhidae) from Honshu,Japan (Jpn.J.syst.Ent.,13(2):253-256)

A New Species of the Genus Horiella TAKIZAWA (Coleoptera,Byrrhidae) from Kii Peninsula,Japan (Jpn.J.syst.Ent.,14(1):49-51)

Four New Species of the Genus Horiella TAKIZAWA from Shikoku and Honshu (Coleoptera,Byrrhidae) (Jpn.J.syst.Ent.,15(1):237-243)

※「Jpn.J.syst.Ent.」というのは日本昆虫分類学会誌を英語に訳した「Japanese Journal of Systematic Entomology」のことで、論文を引用するときになんの書物のどのページに載っていたかを示すのが約束事でこのように省略して書く事が多い。

以前の記事ではチビマルトゲムシの属は保育社の図鑑に従って Simplocaria属としていたが、今は Horiella属に移動されているようだ。

タイトルを見て判るように英文誌である。
日本を出る気がないので英語なんかどうでもいいや、
とか言ってると困る事になる。
(困ってます。。。)

でもそれぞれ♂の交尾器の図が載っているので何とかなりそう。

以前のは♀だったので、先々週同じ場所で2個体採ってきた。
左:♂、右:♀

展脚
神戸産チビマルトゲムシの1種、♂背面

神戸産チビマルトゲムシの1種、♂腹面

♂の交尾器のプレパラート
神戸産チビマルトゲムシの1種、♂交尾器

論文図と比べてみると、、、ウーンどれも一致しない感じ。
上記3論文で記載された新種は

トウカイヒメマルトゲムシ Horiella bicornis 静岡県
アイコヒメマルトゲムシ Horiella aikoae 紀伊半島、三重県
ヒサマツヒメマルトゲムシ Horiella hisamatsui 愛媛県
コボケヒメマルトゲムシ Horiella matsunoi 徳島県、愛媛県
ツルギヒメマルトゲムシ Horiella yoshidai 徳島県、高知県、香川県
イセヒメマルトゲムシ Horiella kannoi 三重県

神戸で採れたのはこれらでは無さそう。

嫌々英文を斜め読みしてみると、上記含めて
日本産は以下の12種が記録されているよう。
( HoriellaH. に省略)

H. japonica PUTZ,2002 山梨
H. loebli PUTZ,2002 奈良、和歌山
H. franzi PUTZ,2003 長野
H. aikoae KITANO et SAKAI,2008 三重
H. hisamatsui KITANO et SAKAI,2009 愛媛
H. kannoi KITANO et SAKAI,2009 三重
H. yoshidai KITANO et SAKAI,2009 四国
H. shikokensis (TAKIZAWA,1983) 四国北西部
H. shodoshimaensis PUTZ,2002 小豆島
H. matsunoi KITANO et SAKAI,2009 徳島、愛媛
H. maruyamai PUTZ,2003 兵庫、大阪、京都、福井
H. bicornis KITANO et SAKAI,2007 静岡

むむむ、
神戸の種はどうもPUTZ氏が2002〜2003年にかけて記載された
どれかにあたりそうだ。
分布からいくと、Horiella maruyamai にあたりそう。
ネットで検索したら、該当文献は有料だった。。。orz

結論、シコクチビマルトゲムシじゃなかった。




ではまた
2015年2月7日 | 記事へ | コメント(0) |
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2015年01月31日(土)
タデハバチの♂
ちまたの生き物ブログ同様、この季節はネタ不足である。
ということで過去写真から。

昨年の9月に見つけたハバチ。
調べて見たら、珍しく種まで同定できた。
生態写真は撮らず。
標本写真(ずぼらして片展翅)
タデハバチ Allantus nigrocaeruleus

ハグロハバチ亜科のハグロハバチ属の1種である。
検索は
「大阪府のハバチ・キバチ類」と
「環境アセスメント動物調査手法16」のハバチ・キバチの絵解き検索を併用してみた。

まずは検索表からハグロハバチ亜科 Allantinae の特徴を列記。
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前翅の基脈と肘脈は亜前縁脈上のほぼ一点で接する

前翅径室に径横脈を持つ

前翅の第1・2反上脈はそれぞれ別の肘室につながる

触角は9節以上
前翅基脈は直線的で第1反上脈とほぼ平行(上図)
前翅肛室は完全で横脈を持つ

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と言う事でハグロハバチ亜科。
で次にハグロハバチ属に行き着くまでの検索。
******************************************************
触角は9節

(10〜11節なのは Athalia 属)

大顎は左右の形が異なる

(同形かほぼ同形なのは、Eriocampa Eriocampopsis Megabeleses Beleses Nesotaxonus Empria Empronus Ametastegia Hemibeleses の9属)

前翅の閉じた肘室は2室
(3室あれば Takeuchiella 属か Taxonus 属)

後翅中室に閉じた翅室がない
(あれば Asiemphytus 属)
この部分は最初意味がわからなかったが、中室の外側にもう1本横脈で仕切られた翅室があるかどうかと言う意味のようだ。(下図の点線)


触角は腹部より短い・・・・・・・ハグロハバチ属 Allantus
(長いと Apethymus 属)
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で、
ハグロハバチ属の中からタデハバチを区別するポイントは以下
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翅は暗色紋を持たず全体が透明
腹部背面中央に縦に長く伸びる黄白色帯はない
上唇は全体白色
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タデハバチの解説から♂に関するものを抜き書き。
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頭部は黒色、頭盾は白色で上縁のみ黒色、上唇は白色、
触角は全体黒色。
胸部は黒色、前胸背上縁・下縁・後角、中胸前側板、
中胸背後縁中央の小紋は白色。
腹部は黒色、第9背板中央は白色、第3・4背板中央部に
黄白色部がある。
脚は前・中脚は広く黄白色で、腿節・脛節・付節の背面は黒色、
後脚は黒色で、基節先端・転節・腿節基部、脛節下面は白色。
翅は透明で縁紋より外側はわずかに暗色、翅脈は黒色で、
縁紋基部はわずかに淡色。
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おまけ、腹面側



ではまた
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