ニックネーム:Acleris
年齢:おぢさん
都道府県:兵庫県
春の林で耳をすますと、パラパラと雨のようなかすかな音が聞こえませんか?それはいもむしのうんちだったりするんですが、ココではそういうチッコイ自然を紹介しようと思います。

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2014年07月18日(金)
マツカレハの交尾器
ネタがないので普通種の交尾器を貼って今週は凌ぐ。
先週の通勤時、最寄り駅の地下に迷い込んで弱っていたのを拉致。
マツカレハ Dendrolimus spectabilis

頭部正面


顔面

口吻は見あたらない。

念のために下唇鬚を広げて見る。

痕跡的な口吻らしきものがある。

少なくとも♂は飲まず喰わずで♀を探して飛び回るようだ。
男はツライよ?

マツカレハ♂交尾器
側面


後方観


バルバが小さい。
ファルスも小さいが骨化の程度は進んでいる。

ファルスの内袋を反転した状態。

コルヌティを備えた突起が2個あり、さらに細く伸びている。
バルバがショボイ代わりにこの突起がストッパーになっている?

ファルスを除いた交尾器


ではまた
2014年7月18日 | 記事へ | コメント(0) |
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2014年07月11日(金)
ねらねら系いもむし・・・ハチ編
ハチと言っても刺さない方のハチ。
葉っぱを食べるハバチの仲間。

日曜日、コナラの葉っぱが表皮だけ残して食べられた跡を見つけた。


食痕の新しいものを裏返して見ると、、、、

ナメクジみたいな幼虫。


横から

太い方が頭部。

ねらねらの粘液をまとっているのは背面だけのようだ。
葉っぱにナメクジみたいな粘液の這い跡も無いし。
皮膚の表面構造が背面と腹面で異なるのだろうか?

胸脚3対と腹脚がいくつか見える。

この時点で双翅目と鞘翅目は除外できる。

恥ずかしそうにうつむいている所を
ムリヤリ葉っぱを曲げて顔を見る。


黒く縁取られた個眼が1対だけ認められる。

個眼が6対の鱗翅目幼虫は除外できるので
残るのは膜翅目、つまりハチの幼虫と予想される。

学研の「日本産幼虫図鑑」を見ると、
こんな粘液をまとう幼虫として、
コナラナメクジハバチ Caliroa oishii が紹介されていた。
クヌギ、コナラ、ミズナラなどが食樹で分布は本州、ロシア極東域。
年2化するそう。

ナメクジハバチとは見たまんまの名前である。覚えやすい。

学名の種小名がoishii なんだけど、
「美味しい」である可能性は限りなく低そうなので
たぶん人名から命名されたものだと思う。

それはさておき、ナメクジハバチ属 Caliroaは、日本産は9種で他に
オウトウナメクジハバチ Celiroa cerasi (サクラ、ナシなどの害虫)の他、モモ、ケヤキ、ミツバウツギ、ナツハゼを食べる種がそれぞれ知られている。
そうだ。

ネットの「日本産ハバチ・キバチ類WEB図鑑」を見てみる。
このサイトは移転中で図版のページは準備中のものが多いが、
目録のページは一通り完成している。
これによるとナメクジハバチ属は11種に増えていた。

食樹にコナラが含まれるものはコナラナメクジハバチの他に
ナラムレナメクジハバチ Caliroa nara (北海道、本州、朝鮮半島)

ハグロナメクジハバチ Caliroa annulipes (本州、シベリア、ロシア、ヨーロッパ、カナダ)
がいるようだ。

このうちナラムレナメクジハバチは幼虫が群れを形成するので、写真の種では無さそう。

あとのハグロナメクジハバチは多食性のようで、ツツジ科スノキ属、カバノキ科カバノキ属、ブナ科ブナ属コナラ属、バラ科、ヤナギ科、シナノキ科などが記録されているようだ。

今回見かけた幼虫は、コナラナメクジハバチかハグロナメクジハバチのどちらかだろうと思う。

たぶんコナラナメクジハバチだろうと思います。

成虫がいたら判るかもだけど、せいぜい5・6mmほどの小さなハバチで発生期も短そうなので、今後会える事があっても先の事になりそう。


ではまた
2014年7月11日 | 記事へ | コメント(0) |
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2014年07月04日(金)
キオビベニヒメシャク
日曜日に見た蛾。
キオビベニヒメシャク Idaea impexa

拡げた翅の幅が12mmほどのチッコイ蛾である。

ビミョーにもやもやする和名である。
ベニオビじゃないの?

本種を含むIdaea属は多数の種を含み、日本産蛾類標準図鑑によると日本産は29種である。

互いに似通った種も多く、正確な同定には交尾器の観察が必要である、
などと図鑑の解説にある。

ただ、本種に限って言えば特徴のあるベニオビの模様で
他種と間違うことはない。

なので本種の交尾器は図鑑には図示されていない。

と言うことで、捕まえてきたことだし、交尾器を見ておくことにした。

キオビベニヒメシャク Idaea impexa ♂交尾器 側面



キオビベニヒメシャク Idaea impexa ♂交尾器 背面



キオビベニヒメシャク Idaea impexa ファルス
1本の長大なコルヌツスが見える。
内袋は反転しなかった。
時間がなく、慌ててやっても壊しそうなんで。。。

ではまた


2014年7月4日 | 記事へ | コメント(0) |
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2014年06月26日(木)
イケメンニクバエ・・・・ゼニゴギンガクニクバエ
梅雨なので?日曜日の天気が悪い。
でもお散歩には行く。
幸い雨が止んだので、開けた場所でしばし休憩。
ヤブキリやらなんやらが早速草の上に登って、身体を乾かし始めている。

ハエもわらわら。

その中の一匹。

頭が大きめで体が丸っこく、翅や脚が短めでカワイイ。

しかも顔面が真っ白!

腹部の模様が見える角度から。


ニクバエの1種のようだ。
双翅目の掲示板「一寸のハエにも五分の大和魂・改」で
「ニクバエ」でワード検索。
よく似たのが見つかった。
ギンガクヤドリニクバエとかゼニゴギンガクニクバエなど。。。
そこで紹介されていた文献↓

昆蟲(日本昆虫学会)38(2)
STUDIES ON THE CALYPTERATE MUSCOID FLIES FROM JAPAN VII. REVISION OF THE SUBFAMILY MILTOGRAMMINAE (Diptera, Sarcophagidae)

英語だけど、交尾器の図とかあるので何とかなりそう。


持ち帰ったハエを見てみる。幸いにも♂。
背面


腹部。


ここから重要。
腹端部


体が柔らかいうちに微針で交尾器を引っ張り出す。
形はギンガクとゼニゴに似ているが素人目にはどちらも似ている。

そこで第5腹板(下図の黄色矢印)。
ハエの♂の第5腹板は種により特徴が出る事が多いので
結構重要なのである。
文献の図と比較すると、ゼニゴギンガクニクバエ Metopia zenigoi と一致。


おまけ
ゼニゴギンガクニクバエ Metopia zenigoi の顔
なんちゃって深度合成写真

ではまた
2014年6月26日 | 記事へ | コメント(0) |
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2014年06月20日(金)
ヨツボシホソバは2種類いるそうです
日曜日、お散歩コースにいた蛾。
ヨツボシホソバ Lithosia quadra ♀成虫

幼虫は毛虫で、よく雨上がりの木の幹などで薄く生えた地衣類を舐めるようにかじっている。
ヨツボシホソバの幼虫

さて、蛾類通信と言う一般の方には思いもつかない誌名の雑誌があるわけですが。

その261号に気になる記事があった。

「ヨツボシホソバは2種の混合(宮野)」と
「2種に分離された日本のヨツボシホソバ(岸田)」。

上は地元のヨツボシホソバを調査したら交尾器に2型あって実は2種いましたという報告。2種は外見では区別がつかないが交尾器は明確に異なり、記事中では隠蔽種と表現されていた。

下は宮野氏に同定依頼された先生が画像をロシアの専門家に見てもらったら2種の学名が判明したので、片っぽに和名を新たに付けたよ(和名新称)、という報告。

その名前は、
ウンナンヨツボシホソバ Lithosia yuennanensis
中国の雲南省がタイプ産地だそう。

この事は最新の図鑑、「日本産蛾類標準図鑑」にも載っていない。
この雑誌の発行は2011年9月10日、図鑑は2011年4月19日発行なのでタッチの差である。

と言う記事を読んでいたので、近所のはどっちかね?とかねがね思っていたのだ。

で、冒頭の♀はお持ち帰り。


翌日、

産卵してた。

数えたら337個。

ので、

心おきなく犠牲になっていただく。

交尾器を記事の写真と比較してみた。
結果、近所のはヨツボシホソバでした。

ヨツボシホソバ Lithosia quadra♀交尾器、側面


ヨツボシホソバ Lithosia quadra♀交尾器、腹面


ウンナンヨツボシホソバは持ってないので、詳しく知りたい方は該当の蛾類通信の記事を見てね。



おまけ

ヨツボシホソバの卵の拡大。
孵えったらちゃんと放しに行かなくちゃ。

ではまた
2014年6月20日 | 記事へ | コメント(0) |
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