ニックネーム:Acleris
年齢:おぢさん
都道府県:兵庫県
春の林で耳をすますと、パラパラと雨のようなかすかな音が聞こえませんか?それはいもむしのうんちだったりするんですが、ココではそういうチッコイ自然を紹介しようと思います。

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2016年02月05日(金)
キアシマメヒラタアブとか
今シーズンいまだフユシャク亜科の蛾を見れていない。。。
昼間の散歩しかしない、とかを差し引いても見なさすぎ。
数年前のマイマイガ大発生期に餌資源競争に負けて弱体化したところに
暖冬傾向が続いたのがトドメになったとか?
またそのうち復活するだろうけどね。

閑話休題。
昆虫文献六本脚で買った双翅目談話会の「はなあぶ」と言う雑誌を
読んでいたら、マメヒラタアブ属の話が載っていた。
そう言えば標本にしていたなぁと見たら、紹介されていない方の種類だった。

お散歩コースで採ったハナアブはこちら。

キアシマメヒラタアブ Paragus haemorrhous だとおもう。
昨年の7月12日に採集。

本種はキアシマメヒラタアブ亜属 (Pandasyophthalmus) に属す。
小さなハナアブである。

交尾器部分


キアシマメヒラタアブの顔。

複眼に微毛が生えているが、模様はない。


報文で書かれていたのは、複眼に生えた微毛がシマ模様になる
シママメヒラタアブ亜属 (Paragus) 3種についてだった。

こちらの亜属はご近所では採ってないが、1種だけ標本箱にあったので
ついでに紹介。(ついでというかメインかも)
ムチンシママメヒラタアブ Paragus clausseni Mutin 1999
2009年8月8日、三重県伊賀市産

ムチンて何?と思ったら命名者でした。
ムチンシママメヒラタアブの横顔。
複眼に微毛のシマシマがあるのがこの亜属の特徴。
本種には中胸背板にも一対の微毛域があり、亜中条と呼ぶ。

ムチンシママメヒラタアブの正面顔。
かわいい。

ムチンシママメヒラタアブの♂交尾器

ムチンシママメヒラタアブの腹面
矢印部の第4腹板後縁のカーブも分類の参考になるそうだ。

報文によると、従来ノヒラマメヒラタアブP.quadrifasciatus とされていた種は日本に分布しない種であることが判明し、和名をタイリクシママメヒラタアブに改称、
で、日本のノヒラとされていた種はP.clausseni であることが判ったので
和名をムチンシママメヒラタアブ(新称)とした。とある。

著者の方のサイト「ハナアブの世界」では、既に変更がなされている。

詳しくは「はなあぶ」の40号にあるから買って見てね。

ではまた。



2016年2月5日 | 記事へ | コメント(0) |
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2016年01月30日(土)
冬芽に潜むいもむし。
冬空に鮮やかな赤いネジキの枝と芽。
その冬芽の付け根に細かい粒が固まっていることがある。
何年か前、一度分解してみたら
小さな4o程のいもむしが潜んでいるのを確認した。

その時は飼育しようもなく死んでしまった。

で、果報は寝て待て、と言うことで冬の間に見つけた食痕付きのネジキの枝に
目印のモールを巻いて自然に任せることにした。

普通の昆虫採集ではモールは使いどころの無いアイテムであるが、
毎度毎度同じ所を歩いている私には役立つアイテムなのである。

いつ頃孵化するのかは判らないが、冬の間も少しずつ成長するようで
間をおいて見ると糞が増えている。

拡大して見るとうんちの大きさに2種類あるので
脱皮して成長しているようだ。

3年ほど前にそうして目印をつけた枝を、
3月頃の新芽が伸び始めた頃に集めて湿らせた砂に刺して様子を見た。
このときの幼虫は以前より少し成長した状態。

ところが、忙しさにかまけて観察を忘れてしまい、
気が付いたときには羽化した形跡はあったが全体にカビてしまいアウト。
枯れないようにビニール袋を被せていたのがいけなかった。。

菌糸にまみれた死骸にアルコールを垂らしてシルエットを見るにどうもハマキガっぽいことまでは判った。

で昨年3度目の正直、懲りずに目印をつけた。
今度は目印をつけたことを忘れかけたが、
4月上旬、思い出して見て回ると
目印のつけた枝先の新芽だけ綴られている。

移動している現場を確認していないので何とも言えないが、
冬芽に潜っていたいもむしが新芽に移ったと考えていいと思う。

さてさてその枝を持ち帰って水入り小瓶に刺して
立てたプラケースに入れておいた。

3度目の正直で5月下旬に羽化確認。
白っぽいヒメハマキが羽化した。

図鑑の絵合わせでは ニセシロヒメシンクイ Spilonota albicana

展翅した状態。
ニセシロヒメシンクイ Spilonota albicana 前翅長は約6o。

図鑑を見ると、バラ科やネジキの記録があるので間違いないだろう。

学研の日本産蛾類標準図鑑の解説によると、
講談社の日本産蛾類大図鑑でシロヒメシンクイとして
図示(Plate26、fig16,17)されている種類は別々の種類で、
fig16がニセシロヒメシンクイ、fig17はハシバミシロヒメハマキS.prognathana (カバノキ科の新葉を綴る)とのこと。
さらに、従来シロヒメシンクイ(別名リンゴシロシンクイ)S.albicana とされていた種は
リンゴを加害せずサクラやネジキに付くことが判り、
リンゴの害虫として知られる和名「シロヒメシンクイ」はリンゴにつく種類にあてられ(ただし学名は未決定)、
S.albicana には新たにニセシロヒメシンクイの和名が与えられた。とのこと。

ややこしすぎる!


ではまた
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| 昆虫-チョウ・ガ |
2016年01月22日(金)
マダラオオフンコバエ
昨年の秋、人の通らないコースを歩いた時、
ジョロウグモのジャマな巣を棒でくるくる巻き取りながら歩いたら、
握りこぶし二つ分くらいの塊になった。

クモの糸って確かアミノ酸かタンパク質が主成分だったよな?
虫の死骸や枯れ葉も巻き込まれているし、案外栄養価の高い塊かも?

と言うことでコンビニ袋に入れて口を縛らずに浅い窪みに置いて
枯れ葉で覆っておいた。

世界初?のクモの巣をベイトとしたトラップである。
この間、様子を見てみた。

開けるとハエが20匹くらい飛び出した。

マダラオオフンコバエ Crumomyia annulus

フンコバエ科の中では大型の種類である。
フンコバエ科は昔の図鑑ではハヤトビバエ科と呼ばれていた。
本科の特徴は後脚の第1付節が太短い事である。
あと、触角刺毛が長い種類が多い。

マダラオオフンコバエ Crumomyia annulus の蛹
ハエの蛹は幼虫(ウジ)の皮を脱がずにそのまま内部で蛹化する。
この状態の蛹を「囲蛹(いよう)」と呼ぶ。
よく見かける?キンバエやニクバエの囲蛹と違って
マダラオオフンコバエの囲蛹は透けている。
幼虫は動物質、植物質の腐植に発生するそうなので
クモの巣限定ということではない。  残念。。

真冬をいうこともあるのか、
本種以外はこれといったものがいなかったので元に戻しておいた。
また暖かくなったら覗いてみよう。

少し採集して室内撮影。

マダラオオフンコバエ Crumomyia annulus 背面
矢印部がフンコバエ科の特徴の太短い後脚第1付節。

マダラオオフンコバエ Crumomyia annulus 側面

体長は約4mm。脚はまだら、と言うかシマシマ。

脚がまだらにならず黒色の種類にヤマトオオフンコバエがいるが、マダラオオフンコバエにはかなり黒っぽい個体が出るそうなので同定には注意が必要とか。



ではまた
2016年1月22日 | 記事へ | コメント(0) |
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2016年01月15日(金)
お散歩コースのハラブトハナアブ
日本昆虫分類学会会報Vol.21,N0.2 に日本産ハラブトハナアブ属の総説「Revision of the Flower Fly Genus Mallota Meigen, 1822 (Diptera:Syrphidae) from Japan」が出たので手持ちの標本を見てみた。

この属は近縁種がそっくりなのが多くて素人が近づいてはいけないグループであった。

アシボソハラブトハナアブ Mallota munda
2011年6月5日
アシボソハラブトハナアブ Mallota munda ♂交尾器


マツムラハラブトハナアブ Mallota rubripes 2005年5月29日

マツムラハラブトハナアブ Mallota rubripes ♂交尾器

本種のシノニムリストは長かった。。

おまけ

生態写真のみ

たぶんハラブトハナアブ属。 2008年8月24日
写真だけなので闇の中。。。。

ではまた
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2016年01月06日(水)
垣根付きの繭
元旦早々に飼育ケースの蛾が羽化した。
スカシコケガ Nudaria ranruna

幼虫は昨年の暮れ、金網の枠に止まっていた。
スカシコケガ Nudaria ranruna の終齢幼虫。2015.XII.20
体長は13mm前後だったと思う。薄緑色のきれいな幼虫。

採集時点では、毛虫、背腺がない、腹脚の鉤爪が異規的縦帯であることから、
ヒトリガ科の何かだろう、までは予想した。
ちょっと写りが悪いけれど、スカシコケガ Nudaria ranruna の終齢幼虫の腹脚。
縦に鉤爪が並ぶのだけれど、中程の爪と端の爪の大きさが極端に違う。

何を食べるのか分からないので、周辺にあったササ、アラカシ、ヤブニッケイ、地衣類を少量ずつフィルムケースに入れて様子見。
結果、何も食べずに4日後に蛹化した。
スカシコケガ Nudaria ranruna の蛹。約6mm。

後で図鑑を確認すると、食樹はアラカシ、ミミズバイ、ヒサカキ、サカキの生葉、と書いてあった。
コケガ亜科はコケや地衣類を食べるものとばかり思っていたけど、例外的にこんな種類がいるようだ。

オモシロいのは幼虫時の毛を繭に利用すること。
柵を立てるように周囲に並べている。

幼虫時の毛を繭に利用するのは、同じコケガ亜科のアカスジシロコケガにも見られる習性である。

ケースの底に落ちていた脱皮殻。
繭の糸が非常に粗いので蛹化したときに落ちてしまうようだ。

大晦日に見ると発生が進んでいた。
口髭蓄えた細長いおじさんの顔、みたいな?

で、冒頭の元旦に戻る。

ところで、スカシコケガによく似たウスバフタホシコケガ Schistophleps bipuncta は食草不明だそうだが、本種も生葉喰いなのだろうか?

ではまた。
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