ニックネーム:ひつじ先生
アートは「メディウム」です。メディウム(媒介)とは、簡単にいうと「のり」です。いろいろなものを接着し関係づけます。アートを媒介としたさまざまな関係の中にいろいろな出来事が生まれ、生成しています。ここでは、子どもやARTや文化をめぐって、日々の生活の中で気づいたことをお話できればと思います。◆コンタクト 辻 政博 masatsuji@jcom.home.ne.jp

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バイオグラフィー
2011年05月07日(土)
老人と描画2回目の3枚のうちの「2枚目と3枚目」
○お絵かき第2回目(3枚描いたうちの2枚目と3枚目)
・対象:リンゴと夏ミカン
・固形水彩
・油絵の具の筆
・A4上質紙
・1回目は、形の単純な要素のものをこちらで提示して、描いた。2回目は、実物を目の前にして描いた。「丸」(夏ミカン)という単純な形のものを提示した。
さらに、2枚目は、ふたつのもの(リンゴと夏ミカン)を並べて描いてみた。3枚目は、ちがう色でリンゴを描いた。
・描画時間:2枚目7分程度。3枚目3分程度。
・夕食後に活動。(3枚描いて20分程度で終了)





@リンゴと夏ミカンを並べて描くことにした。二つのものをどのような関係でとらえて描くか考えた。
絵の具は、使いたい色を自分で混ぜている。




A薄黄緑色で、時計まわりで、円を描いている。筆の速度は、ゆっくり。1枚目は、左右対称に半円づつ描いていたが、ここでは、ひと筆で完結するように描いている。



B真ん中に「点」を打っている。



C真ん中に書かれた点。何であるかは、活動を遮断しそうなので、聞いていない。



D中心の「点」から、周囲に何か、描きはじめた。色は黒を選んで描いている。対象のリンゴは、ほとんど見てない。



E放射状に線を描いている。



F何度もなぞるように丹念に描いている。線がつぶれて、色面状になっている。



F名前を書いて仕上げたようだ…



G…が、「ミカンは、描かないの?」と聞くと、ミカンも描くのか、といった様子で、さらに、左側にミカンを描きはじめた。
こちらの思惑と異なって、当人には、並んだ二つのものを描くという意識はない。




H左側に、さらっと、ミカンを描いた後で、描いたものをじっと見つめている。



I見つめた後、おもむろに、先ほどサインをして仕上がったはずの、右側のリンゴに手を加え始めた、輪郭と放射状の隙間に、黄色を塗り始めた。塗って完成となった。



J2枚描いたものを見る。が、何を描いたか、よく覚えてない。認知症の傾向が少し入ってきている。
私:「どう、何描いたの?」
当人:「……何だったかな」
私:「リンゴでしょ」
当人:「そうそう」
私:「リンゴの真ん中の広がっている線は何?」
当人:「リンゴは、まん中から、包丁でこういう風に切るとうまく切れる」
私:「リンゴに赤色は使ってないが?」
当人:「赤を使わなくても、リンゴに見えるでしょ」








K3枚目は色を変えて、リンゴを描くことにした。
ここでは、手順の反復がみられる。一度経験したことを再構成して描いているので、先ほどより、すばやく描いている。みて描いてはいない。また、3枚目なので、集中が途切れてきている。
A丸を描く。
B基準となるものを描く。
C色を変えて、放射状の線を描く。
D「リンゴ」と記入する。
Eサインをする。
※Dは、忘れないように入れたらしい。





L2回目の3枚の作品。左上が一枚目「夏ミカン」。その右が2枚目「リンゴと夏ミカン」。下が3枚目「リンゴ」。




○メモ
・2枚目は2つのものを並べて描かせたが、描き手は、2つの並んだものを描くという意識はなく、対象を単体としてとらえていた。
・描くプロセスは、輪郭を描いてから、基準となるものを描き、それをもとに次の描画をおこなっている様子がみられた。
・写真HとIは注目すべき点がある。描かれたものをじっと見つめてから、一度完成したはずのリンゴに手を加えていることである。
ミカンを描いたことで、画面の中で、ミカンとリンゴを比較することになり、その比較から、描いたものをつくり変えていることである。対象物を二つ並べた時点では、比較の視点はなかったが、描く活動によって、比較の観点が生じたと言えるであろう。
・視覚的に対象物であるリンゴを再現してるのではなく、リンゴに対する経験(ここでは、リンゴは、包丁で放射状に切るとうまく切れるというこれまでの経験。主婦としてリンゴを何千回切ったのでしょう)を描画として再構成していることが判明した。
・同様の活動の「反復」によって描画活動がスムーズになる傾向がみられた。


























2011年5月7日 03時34分 | 記事へ |
| 老人と描画 |
2011年05月06日(金)
老人と描画2回目の3枚のうちの1枚目
○お絵かき第2回目(3枚描いたうちの1枚目)
・対象:夏ミカン
・固形水彩
・油絵の具の筆
・A4上質紙
・1回目は、形の単純な要素のものをこちらで提示して、描いた。2回目は、実物を目の前にして描いた。「丸」という単純な形のものを提示した。
・描画時間:5分程度。
・夕食後に活動。(3枚描いて20分程度で終了)



@まず、点を画面の上部に描いた。ぽんと打つ感じではなく、筆を置いて、何回かなぞる感じで描いた。

この「点」は、ミカンの「へそ」の部分かと推察するが、本人に確かめていないので、はっきりしない。

固形水彩は、自分で水で溶けないので、こちらで、どの色を使うか聞き、溶いて筆につけて渡した。



A次に、点から左側の半円を描いた後、右側の半円を描いた。最初に打った「点」を基点に、左側、次に右側と全体の輪郭を描いた。

筆の持ち方は、安定した持ち方で、「書道の持ち方」にみえる。また、油彩の豚毛なので、絵具を含み過ぎず、筆の「腰」の具合も、線をゆっくり描くには調節しやすいようだ。

手はむくんでおり、腕もそれほど、よく動く状態ではない。特に左手は動かないようだ。また、ゆっくり描くのは、体の状態というよりも、本人の気質のようだ。



B形の輪郭ができると、次に、内側に縦線を引きはじめた。ゆっくりした速度で描いてる。


C何度も、なぞりながら、丹念に描いている。一番時間をかけた部分だ。
「何を描いている」と聞くと、「ぶつぶつ」と返事が返ってきた。ミカンの皮の質感にこだわって、描いていたと推察できる。何度も上からなぞることで質感を表そうとしていたと考えられる。

けれども、対象物であるミカンを見ながら描く姿はみられず、G・H・リュケが児童画の考察で指摘したような「知っているものを描く」という姿に近いと考えられる。



D名前をサインして終了。

○メモ
・描かせようとする者(私)との関係のなかで、活動が成立している。この場合、一対一の関係で、学校での一対多数の関係ではない。
・描くにあたって、どこからはじめ、どのような手順で描いていくかという、プロセスがある。
・ここでは、輪郭を描いてから、内側を描く活動がみられたが、児童画などでは、形態をひとまとまりの色のマッス(塊)で描出する姿もある。
・対象物が、眼前にありながらも、それを見ながら描くという姿はみられない。これは、どのような内的な構造であるか。
・対象物の質感を工夫してとらえようとする姿が見られた。












2011年5月6日 03時34分 | 記事へ |
| 老人と描画 |
2011年04月18日(月)
老人と描画1

        食後、10分間、無理やりお絵かきしました。


                A「鏡餅」  @「大福」  B「雨と風」
                C「小豆」  D「胡麻」  E「ミミズ」


○骨折で、1か月以上、入院していたオババが、昨日から一泊、自宅に「外泊」しました。病院では、食事から、排便まで、すべてやってくれるのでした。この間、ずっと寝たきりでしたので、ずいぶん体力・気力が落ちてしまいました。椅子に座っているのもやっとです。
(病院という囲われた世界では、外界と接触しないため、意識が停滞してしまう感じです)。

今朝は、車椅子に座らせて、食事した後に、10分間ぐらい、ちょっと絵を描いてもらいました。本人全然やる気がないので、ぼくのほうからお題を出して、6枚描きました。下の写真の@〜Eの順です。

「丸、点、線」など、単純な形の要素で描けるものを選んで、出題しました。

手で描いていると、意識が、働くらしく、描かれる線とそこに現れるイメージに集中していました。本人は、書道を習っていたので、「字」の方が筆さばきが軽快でした。

描く行為そのもののなかに、意識や感情を活性化することが、含まれているように思えました。




○仕事さがし.アイスクリーム.鎮静剤.そして渡さんのプカプカ

http://www.youtube.com/watch?v=nZ9Zm_V2jdo&feature=related










2011年4月18日 13時55分 | 記事へ |
| 老人と描画 |