ニックネーム:キノヤン
年齢:50さい
都道府県:大阪府
千里ニュータウンで42年!親子二代で針灸院を営む、ちょっとお茶目な二代目です。
2012年05月18日(金)
顔面神経麻痺
顔麻痺は末梢性の顔面神経麻痺により起こる場合と中枢性の影響による顔面神経の麻痺(脳血管障害、小脳橋角腫瘍など)があり、この中枢性を見逃してしまうと大変なことになります。
この見分け方は顔面上半分が動くかどうかが重要なポイントになります
上顔面筋(額の部分)は大脳皮質の両側性支配、下顔面筋は大脳皮質の対側性片側支配を受けます。したがって中枢性疾患による顔面神経の場合、上顔面筋を動かすことができるのですが、下顔面筋は動かせなくなるため、額にしわだけ寄せることができます。
これに対して末梢神経麻痺は顔半分の全体が動かせなくなるため額にしわを寄せることができません。
中枢性の場合は重篤な疾患が隠れている場合があり、MRIなどの精査が必要となります。

 実際の症例では
63歳の男性で、会社役員をされストレスと多忙で睡眠不足の状態です。朝起きて鏡を見ると唇が右に引きつり左目が閉じられなくなっていました。西医で顔面神経麻痺の診断を受け、ステロイドの点滴治療を受けていましたが、回復が思わしくなく来院されました。
43歳男性は顔面筋の痙攣のため、後頭部の手術を受けた際に、顔面神経を切断して左顔麻痺を発症してしまいました。1年間のリハビリを続けましたが、さらなる改善を求めて来院されました。
60歳女性は夏に一晩中扇風機をつけっぱなしで顔に風を当てていたため、右顔半分が麻痺して、左に引きつってしまいました。知人の紹介ですぐに来院されました。

それぞれ原因と発症後の経過が違うために、治療期間は異なりますが、麻痺した部位の気血の循環を良くするために、麻痺側と顔面部を通る経絡の手足や後頸部に鍼灸をして全快されました。
タレントのビートたけしさんや松居和代さんが鍼治療で顔麻痺が治癒したことは知られています。
2012-05-18 22:22 | 記事へ | コメント(0) |
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2012年04月16日(月)
吹田市高齢者鍼灸助成制度
4月4日に父が旅立ちました、生前には地域医療に貢献するために尽力して、全国に先駆けて、公費助成による高齢者鍼灸助成制度を作り上げました。
井上市長の方針で今年から大幅な削減の上廃止となりました。素晴らしい制度も父とともに消えようとしています。

 YNSA(山元式新頭鍼療法)
このYNSAは医師である山元敏勝先生が1968年頃より行い、1973年に確立した頭鍼治療法です。主な疾患として、すべての痛み、神経症状(めまい、耳鳴り、不眠、更年期障害)、精神疾患などにおいて、即効性のある治療効果をあげています。

中でもYNSAが特に優れているのは、現在リハビリしか治療法のない脳卒中による半身不随、麻痺、言語障害、めまいなどの治療です。
日本ではほとんど知られていませんが、欧米やブラジル、オーストラリア、イスラエルではYNSA=YAMAMOTOと言われるほど有名です。

 世界では
山元先生は世界の多くの大学から招かれて、講演、実技指導を行っておられます。各地で研究会が発足し、多くの医師が山元先生の病院を訪れて研修されています。
YNSAの優れたところは
1少ないつぼで効果を表す。
2再現性があり誰が行っても効果がある。
3道具が簡便で費用が安価である。
4副作用がなく、他のあらゆる治療と併用できる。
5何といっても患者が治る。
 ことが特徴です。

ブラジルやドイツでは医師による保険診療が認められ、ブラジルでは12%の医療費の抑制効果が報告され、全国でYNSAを普及させる努力がなされています。補完代替医療が盛んなアメリカでも、山元先生はハーバード大学から招請され指導されています。

一方日本の医学界では明治時代の「西洋に追いつけ、追い越せ」を旗印に日本古来のものを徹底的に排除し、さらに第2次大戦の敗戦から「アメリカ式西洋医学追従志向」となっていったのです。

世界ではクールジャパンと言って日本の文化や技術に注目しています。一方吹田市では無知、不見識から伝統技術に目をそむけ、予算の帳尻合わせの政策を行っているように思われ、残念でなりません。
2012-04-16 22:58 | 記事へ | コメント(0) |
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2012年03月06日(火)
いらないものを出す健康法V
 ☆サトイモ
サトイモの特徴はなんといってもそのネバネバです。このネバネバは痴呆症予防、免疫力増加、消化促進、便秘解消、肝機能強化に力を発揮します。
現在、がんのワクチン開発が進められていますが、肺がんの抗体を作る原料としてサトイモが注目されています。
民間療法に、ハチ刺されにサトイモの根、葉、茎をすりつぶして塗るという処方があります。隋、唐代の中国ではサトイモの葉を生のまますりつぶして、毒矢の矢傷や腫物、蛇のかみ傷や虫さされに塗布しました。

 ☆サトイモの優れた解毒力
サトイモの煮汁には食欲を増進し、肌理(きめ)を細かくし、結石など体内で凝結したものを排泄する働きがあります。サトイモの煮汁を飲むのに一番簡単な方法はみそ汁です。軟らかく煮えたサトイモに豆腐やネギを加えれば、おいしさはもとより解毒作用も一段と高まります。
鱈とサトイモを煮た京料理・芋棒のようにサトイモを魚と一緒に煮て食べると、滞留している気を下げ、虚を補い、体調を整えます。

正倉院文書に芋茎(うけい)という記述があるようにサトイモの茎(ズイキ)も古くから食用にされてきました。皮をむいて、ゆでて水にさらし、灰汁をぬいてから使います。ズイキにはカリウム、カルシウム、マンガン、亜鉛などのミネラルが豊富に含まれています。乾燥させたものはイモガラといい、甘辛く煮たり、ごま油で炒めたり、みそ汁に入れてもおいしいです。
葉や花は乾燥させてお茶にすると風邪やのどの痛みに良いです。とても高価な漢方で、肝機能を改善し、利尿効果があります。

私自身も適度な運動と鍼灸治療で新陳代謝を高め、安易に薬やサプリメントに頼らず、自然な食べ物を食べて健康を保つことを実践していきたいと考えています。


2012-03-06 22:43 | 記事へ | コメント(0) |
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2012年02月16日(木)
いらないものを出す健康法U
世はサプリメントや加工食品、外食産業が大盛況。しかし、過剰摂取や合成物質をとることが健康につながるのか少し疑問ですね。
前回に続いて老化や生活習慣病の予防に効果があると注目の「いらないものを出す健康法」についてのお話です。

☆レンコン
レンコンには体内にある老廃物や毒素を排出する働きがあります。江戸時代に書かれた「本朝食鑑」には「イライラや熱による渇きをとり、胃をすっきりさせ、食べ過ぎや飲みすぎによる胸のつかえをとり、酒毒や蟹毒を解毒し、産後の古血を散らす」とあります。

レンコンの主成分は炭水化物ですが、ビタミンCを多く含み、肌の新陳代謝を高めてしみ、ソバカスを防ぎます。また、粘膜を丈夫にする働きがあるので、風邪の予防に効果があります。

豊富に含まれる食物繊維が腸内細菌を整えて便通を良くします。また、腸内でコレステロールを吸着して排出する働きもあります。レンコンに含まれるムチンは胃粘膜を保護する働きがあり、さらに、タンニンには消炎作用があり、胃の負担を軽くして疲れた胃を守ります。

また、レンコンは体に元気と抵抗力を与えます。レンコンのかゆを食べると体が温まり、老化防止になります。病弱者もきんぴらや煮物にして常食するとよいです。レンコンは節が利くので、捨てないで上手に利用しましょう。
咳止めや痰切りには、生のまますりおろしたレンコンの汁とショウガのすりおろし汁と黒砂糖を入れ、お湯で割って飲みます。レンコンにはタンニン、鉄が多いので、優れた止血作用もあります。

 
2012-02-16 22:37 | 記事へ | コメント(0) |
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2012年01月17日(火)
いらないものを出す健康法
世はサプリメントや加工食品、外食産業が大盛況。しかし、過剰摂取や合成物質を摂る事が健康につながるか少し疑問ですね。今回は老化や生活習慣病の予防に効果があると注目の「いらないものを出す健康法」についてのお話です。

 ☆ごぼう
日本ではおなじみの野菜ですが、根を食用しているのは世界で日本だけです。ヨーロッパでは新葉をサラダに用います。漢方では乳腺炎や扁桃腺炎の治療にごぼうの種を使います。一年中出回っていますが、晩秋から冬が旬で、この時期の旨味は一段と濃いです。

食卓でおなじみのきんぴらごぼうの「きんぴら」は江戸時代の浄瑠璃に登場する坂田金平に由来します。金太郎の名で知られる坂田金時の息子で世にもまれな怪力の持ち主。それにちなんで当時、力の強いものや丈夫なものに「金平」の名を付けるのが流行ったそうです。ごぼうに含まれるアルギニンは性ホルモンの分泌を助け、強壮効果があり、力を増し、脳育を助けます。きんぴらごぼうも精がつくことから、この名がつきました。

 ☆ごぼうの優れた解毒力
腸の汚れは万病の元。ごぼうの食物繊維には腸を刺激して老廃物を流すという働きがあり、腸内の有用細菌も働きやすくするので、消化や整腸にも良いです。便秘がちの人には、玄米にすりゴマをかけ、ごぼうを食べると効果覿面です。また、ごぼうに含まれるイヌリンは腎臓の働きを助けるので、古くから利尿剤としても使われます。

マウスの実験でもごぼうの食物繊維が、発がん物質を吸収して、排泄してしまうことが実証されています。

老人の動脈硬化や脳卒中の予防には、ごぼうの煮物を食べると良いです。脳卒中後の半身不随にも良いです。ごぼうには鉄分も多いので造血力もあり、貧血予防や美容にも大切な食べ物です。
2012-01-17 22:57 | 記事へ | コメント(0) |
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2011年12月02日(金)
中医学的風邪、インフルエンザ予防
日本では風邪を「かぜ」と読みますが、中医学では「ふうじゃ」と読みます。風という邪気が外から体の中に入った状態で、身体を防衛している「気」が弱ると外邪に簡単に侵入されてしまいます。六種類ある外邪にはそれぞれ特徴があり、風邪は「風邪に乗っていろいろな物が運ばれる」で、単独で身体を侵すことはなく、他の邪気と結びついて発病させます。
「風」と「湿」が結びついて侵入すると節々が痛くなり、「風」と「寒」が結びついて侵入するとゾクゾクとした悪寒を伴います。

 ☆大椎を温めて予防
風邪は「風門」というつぼから、寒邪は「大椎」というつぼから入ってきます。いずれも背中の真ん中で首の付け根にあるつぼです。マフラーやカイロでしっかりガードしましょう。風邪の引きはじめには大椎の温灸がお勧めです。高い熱が出てきたときには大椎を中心に、背中を上から下に冷水で絞ったタオルで赤くなるまでこすります。

 ☆医食同源
きちんとした食事は風邪やインフルエンザの予防に大変効果があります。ウイルスから身体を守る最大の砦は皮膚と粘膜です。粘膜を強くするビタミンAは、サンマ、うなぎ、ニンジン、ネギ、ゴマに多く含まれています。身体に侵入した病気を撃退するには抗体が必要で、ビタミンB群によって作られます。にんにく、豚肉、かぼちゃ、オクラ、みかん、にら、ほうれん草を食べましょう。侵入した細菌やウイルスを排除する白血球を元気にするのはビタミンCです。なし、りんご、レモン、ゆず、柿、大根、もやしがお勧めです。抗ウイルス作用のある食べ物は大根、ごぼう、ねぎがあります。大根は皮が良いので捨てないで下さい。この中で一番のお勧めはごぼうです。日本では食材ですが、中国では漢方薬として使います。

尚、23日(金)は祝日ですが午前中診療します。年末は30日(金)午前中診療します。年始は4日(水)から通常どうり診療します。
2011-12-02 21:37 | 記事へ | コメント(0) |
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2011年11月10日(木)
糖尿病の鍼灸治療
11月14日は「世界糖尿病予防ディ」糖尿病に対して団結しようと言うキャッチフレーズのもと、世界各地で糖尿病抑制に向けたキャンペーンが行われます。糖尿病はいまや世界の成人人口の5〜6%にあたる二億四千六百万人が抱える病気であり、日本でも40歳以上の三人に一人が糖尿病または予備軍であると推定されています。

 ☆中国伝統医学では
糖尿病は消渇という。飲食の不摂生、精神的ストレス、過重労働、肥満、先天的体質などが発生原因であり、陰が虚損して体内の水分が奪われ、乾燥して体内に乾いた熱を生じる。
中医学では胴体を上焦、中焦、下焦の三つに分け、合わせて三焦と呼びます。中国の古典によると糖尿病になると上焦に肺の熱がこもり喉が渇く、中焦には胃の熱がこもるためいくら食べてもおなかが減る、下焦には腎の熱がこもり多尿となるため、腎臓の負担が大きくなる。

少陽三焦経という経絡には毛細血管を開き、かつ利尿する働きがあるので、体の中にある湿熱をとることができます。重症化を避けるためには、三焦に湿熱としてある間に対処すると良いです。
というのは三焦に溜まった湿熱はやがて三焦経と表裏している心包経に入ってお血を作ります。
これが問題で、心包には二つの働きがあって、一つは精神をつかさどる。これが病むとうつ病になります。もう一つは血脈をつかさどる。これは血管のことで、病むと狭心症や心筋梗塞、脳梗塞になる。眼の毛細血管が壊れると網膜症に、腎臓の血管が壊れると腎透析になる。
これは糖尿病患者がうつになりやすいことや、血管がぼろぼろになり血栓が出来て全身で詰まる西洋医学の知見と合致します。この場合も全身の毛細血管を開いて尿を出す。という治療が有効です。
また古典には消渇には八味地黄丸が効くとある。八味地黄丸は補腎の薬であるが、これは糖尿病になると全身的な新陳代謝の異常により身体の機能が低下して、中医学でいう腎虚の状態になるからで、病状が進行して透析に移行した場合は補腎の治療が必要になります。

 ☆生活習慣が重要
糖尿病は自覚症状がないまま進行するので、健康診断で注意を促されても生活習慣を改善させることが出来ず、悪化させてしまうことが少なくない。
ゆっくり食べて、ゆったりとした気持ちで、ゆとりの時間を過ごすことが重要です。
2011-11-10 14:13 | 記事へ | コメント(0) |
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2011年10月11日(火)
疲れ目の鍼灸治療
最近は老眼の影響で細かい文字が見えなくて困っています。めがねをはずして顔を近づけ、凝視してみるせいか、首が凝ったり、目が乾いて仕方ありません。そこで目の病気の予防のお話です。

 ☆目は血管のかたまり血流改善が要です
「老眼が進んでめがねが合いづらい」という方がおられます。「老人性の〜」といわれる時、何歳以上と決まっているわけではなく、原因がはっきりしなくて「ああ年だね」という時に言われるようです。年を重ねてくると、単純に何歳かではなく、どれだけ普段から身体を気遣っているかに身体の状態は左右されます。
目は血管のかたまり、目が疲れやすい方やドライアイの方は眼の血流が良くなく、栄養分や老廃物の排泄が滞りがちで、後々目の病気になりやすいです。白内障や加齢黄斑変性も全身の血流改善で症状の進行を抑えることができます。

 ☆外転神経麻痺
66歳の男性患者さんで、慣れないパソコン業務で目の疲労を感じていました。いつの頃からか物が二つに見えるようになり、右目がかすみ、視力が低下しています。大学病院で検査を受けた結果、眼球を動かす外転神経麻痺の診断。治療法がなく、目薬を差していても改善しないので来院されました。
3年前に顔麻痺、2年前に下肢静脈瘤の治療をしています。舌を診ると暗紅色で、所々に黒点があり、淡黄じ苔。脈は重按で渋脈です。糖尿病性の血行障害があり、目の酷使と重なって、循環障害から神経麻痺を起こした状態です。
眼の周辺の血流改善の為に、後頚部の風池、完骨に電気針。眼の周囲のさん竹、太陽、四白、手の合谷に針。全身の血流改善のために三陰交に灸頭針を行い、計9回の治療で完治しました。

 ☆中国伝統医学では
秋は来るべき冬に備えて体が収斂していくと考えています。その過程で肝血虚や腎陰虚の方は目が乾いたり、眠りにくくなったりします。普段からパソコン業務や細かい作業で眼を酷使している方は、いつも以上に眼の不調を感じる季節です。自宅では蒸しタオルやホットパックで眼の周囲を温めて、血流改善して目の疲労を取って下さい。それでもだめなら早めの鍼灸治療で目の疲労回復と病気予防をお勧めしています。
2011-10-11 21:54 | 記事へ | コメント(0) |
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2011年09月15日(木)
東日本大震災から半年
東日本大震災から半年も経つのに、遅々として進まない復興と政局に明け暮れる政治に怒りを感じています。今回は大津波に対してどう対応し、生死を分けたかを探る検証番組を見て感じたことを書いてみます。

東北地方の方言で「てんでんこ」という言葉を知りました。「てんでんばらばらに」という意味で、大きな地震が来たら自分の責任で高台に逃げるという考え方が、今は「自分の命は自分で守れ」という教訓として使われています。
釜石市内の小中学校では、誰かに言われなくても自分の判断で出来るだけ早く、高い所に逃げろと教えられています。揺れが一段落した後、釜石東中学校の生徒たちは教師の指示を待たずに、隣の小学校の児童を引率して、普段の防災訓練で使っている高台に走り出しました。「ここはまだ危ない」との判断でさらに高い所まで移動して、教師が登校児童全員の無事を確認した5分後に、巨大津波が校舎を飲み込んでいきました。

ギネスブックにも載った、最新技術で建設された巨大な堤防でさえ軽々と乗り越え、町を破壊されてしまいました。巨大な堤防に安心して非難を怠ったり、逆に大きな堤防が視覚をさえぎり、押し寄せる津波に気づかず逃げ遅れた人がどれほどいたことか。

どれほど完璧と思われるハードを作っても、防災教育というソフトがなければ想定外の事態に対応できない。政府や東電の会見を見ていて何度となく繰り返された「想定外」という言葉。津波に限らず、自分の命や健康を自分の責任で守れるかどうかは普段の準備と心がけにかかっている。

過去の大津波を伝える石碑のように中国伝統医学には先人の経験が凝縮されています。自分の体質を知り、養生法を学び、現代生活に置き換えて健康を守るのにこの上ない優れたソフトと言えます。
2011-09-15 21:42 | 記事へ | コメント(0) |
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2011年08月18日(木)
夏バテ
 ☆おなかは冷えている
おなかの真ん中に手を当ててみてください。おへそと胸骨の間ぐらいがちょうど胃の付近です。ひんやりした感じはありませんか?ひんやり感じた人は胃が冷えています。夏によくある症状で、冷たいものの摂りすぎです。食欲不振になる人もあれば、肩や首が凝ったり、腰が痛くなったり、身体が重くなる人もあります。夏バテで食べられなくなって、そうめんや冷奴ばかりではますます胃が冷えてしまいます。

こんにゃくや温パックをレンジで温めて、おなかに当ててみてください。10分程度で効果はあります。熱すぎる時はタオルを巻いて加減してください。治療院で行う塩灸が一番効きますが、ご家庭ではこんにゃくがお勧めです。また、シャワーばかりではなく、湯船に浸かるようにしてください。

 ☆サングラスはお勧めです
海水浴やプールにお出かけの方も多いですが、1日中海岸にいただけなのに疲れて仕方がない。肩も凝るし頭痛もしてきたという患者さんがありました。
中国伝統医学では強い光を見続けると疲れると考えています。肝血虚(かんけっきょ)の状態のときに顕著に現れます。体質的に肝血虚の方は手足がしびれたり、つりやすくなります。爪がもろくて変形しやすいです。目が乾燥したり、かすんだり、しょぼしょぼしたりします。光がまぶしく感じます。めまいや耳鳴りが起こることもあります。
日頃のパソコン作業で目が疲れている、プチ肝血虚状態のような女性に多く診られます。夏のお出かけの際はサングラスの着用で疲労防止に役立ちます。

夏の疲れも体質によって起こる症状はさまざま。体質と症状に合わせて治療すればすぐに治ってしまいます。健やかに夏をお過ごしください。
2011-08-18 22:33 | 記事へ | コメント(0) |
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2011年06月16日(木)
冷えは万病の元
手足の冷えは病気ではありませんが、放っておくと思わぬところに病気として出てきます。たとえば脳や目、子宮に影響しますが、これらは声を上げてくれませんので、症状が出るまで気づきません。
身体が冷えるのは血液循環が十分でないから、血液は栄養だけでなく、体温も運んでいます。血流をいかに良くするかが冷え対策のポイントです。
冷たい物を摂らないこと、そして温灸で身体を温めることをお勧めしています。

 冷たいものを摂らない
冷たい物を摂らないことから始めてみましょう。冷たい水を飲んでも、尿は暖かいですよね。冷たい水を温めているのは身体のエネルギーです。
本来ならホルモンを出したり、解毒したり、代謝に使われるエネルギーが余計に使われるため、エネルギー不足から身体が十分に機能しなくなってしまいます。

ビールを飲むときはごくごく飲まずに、口の中で温めて飲みます。そんな飲み方はおいしくないという方は、一緒に熱いお茶を飲んだり、熱い食べ物をあてにして飲んでください。冷たい食べ物も口の中でよく噛めば暖かくなります。
絶対だめ!では続きませんが、食べ方や飲み方を工夫すればずいぶん違います。

 温灸の勧め
温灸に使われるモグサの原料のヨモギには、身体を温めて冷えを取ったり、どろどろの血液(お血)を取る薬効があります。
温灸はポイントを押さえて身体を温めますので、効率よく冷えを取ることができます。
背骨に沿って流れる督脈には身体の陽気をコントロールする働きがあります。特に首の後ろにある大椎穴にはストレス、風邪、生理痛、五十肩など応用範囲の広い穴(つぼ)です。自宅でも是非温灸で温めてください。たとえ温灸がなくても、首の後ろを冷やさないことが大切です。
2011-06-16 21:29 | 記事へ | コメント(0) |
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2011年05月17日(火)
気象と医学
天気は人間の体調に大きな影響を及ぼします。今後は環境破壊によるグローバル規模の健康被害の増加が予想されています。

東洋医学では人間は自然の一部だと考えおり、天気は人間の体調に大きな影響を及ぼします。異常気象では野菜や果物の出来が悪くなるように、人間の体調も悪くなります。今年は芸能人の体調不良による休業がやたらと目立ちました。

最近では西洋医学においても気象と人間の体調の関係に注目が集まり、日本気象協会は愛知県で実験的に「医学気象予報」を始めています。気象を予測して、喘息や熱中症のハイリスク患者に情報をメール送信するサービスは、インターネット上で民間の気象予報会社が始めています。

このような試みは1950年代のドイツで始まりました。ドイツではフェーン現象による熱風が吹く際に、頭痛や夫婦ケンカ、交通事故などのイライラからくるトラブルが増えることから、フェーン現象が起こりそうなときには、本来、速度無制限のアウトバーンでも速度制限を取り入れるなどの社会的取り組みを早くから行っています。

気象と病気の関係において衝撃的なのは「嵐の後は感染症が増える」ということです。ウイルスや細菌が撒き散らされるからで、典型的なのはコクシジオイデス症です。米国南西部の砂漠地帯に生息する真菌が、砂嵐の発生後に近辺の町で大量発生することが知られています。

韓国などの研究では、黄砂が飛来する季節になると、喘息や花粉症などの呼吸器疾患が増えるようです。当院でも黄砂による呼吸器疾患の患者さんが年々増えているように思われます。

砂漠化が進む地球では、このようなグローバル規模での健康被害が増えていくと予想されています。また、気象と健康の関係で興味深いのは、精神病や自殺と気象の関係です。北半球では精神病院の入院患者と自殺者が最も増えるのは5月から7月です。北半球にある先進国のほとんどにおいて、6月が精神病と自殺のピークなのです。日本だけが6月に落ち込みます。これは梅雨で日照時間が減るためだそうです。

気象予測技術や西洋医学の発展により、今後、気象と健康の関係はさらに知識が増えると考えられています。
2011-05-17 22:21 | 記事へ | コメント(0) |
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2011年04月04日(月)
めまい ふらつき
東日本大震災の影響で、実際に地震ではないのに揺れやめまいを感じる「地震酔い」を訴える患者さんが増えています。阪神大震災の後にも身体が揺れているようなめまいを感じる方が多く診られました。今回も同じような現象が起こっています。

 ☆地震酔い
被災地から遠く離れた大阪でも埋立地の高層ビルにいて揺れを感じたり、テレビの映像で地震の様子を見ていて体の揺れを感じ、気分が悪くなった患者さんがおられます。日頃から緊張や不安を抱え、ストレスによる首肩の凝りを訴える患者さんに多く発生しています。
首が凝ると血液やリンパの流れが悪くなり、三半規管のある内耳に影響して、平衡感覚の異常を起こしていると考えられています。

 ☆中医学では
耳の周囲には少陽経という経絡(気血の通り道)が通っていて、ストレスなどで緊張すると気血の流れが悪くなり、内耳にある三半規管の機能低下を招くと考えられています。
日頃から首肩が凝っていて、地震の揺れによる緊張、不安があるとさらに少陽経の気の流れが悪くなり、めまいや身体の揺れを感じるようになります。

鍼灸では耳の周囲と手足の少陽経のつぼに針をして気の流れを整え、直接耳に温灸をかけて気血を補います。不安感の強い人には寧心安神(心を落ち着かせて、精神の安定を図る)作用のある手首や顔のつぼに針をして不安感を抑えます。


 ☆たかが肩こりされど・・・
今年の春は特に寒暖の差が激しく、自律神経に影響を与え少陽経の気の流れが悪くなっています。普段から肩こりがあり、マッサージの治療を受けていた患者さんで急なめまいで入院された方が数人治療に来られています。
肩が凝る原因は姿勢や過労など人によりさまざまですが、原因にあわせて治療し、肩こりによる気血の循環障害を改善しておくと、めまいや地震酔いなどを未然に防げると考えています。
2011-04-04 14:05 | 記事へ | コメント(0) |
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2011年03月06日(日)
舌痛症
舌がぴりぴり痛むのに、炎症も腫れもない。一見して異常が見当たらず、医師にも「気のせい」と言われ、どこで診てもらえばいいのか?そんな不快感を伴う『舌痛症』が増えています。

 ☆患者の8割が女性
舌痛症とは舌の先や縁などがぴりぴり痛んだり、やけどしたような感覚が慢性的に続いたりする病気です。
最初は内科や歯科で診てもらうが、舌のただれや傷など見た目の異常はなく、そのため「気のせい」「性格の問題」と取り合ってもらえないことがあります。
患者の8割は女性で、特に40代以上の中後年の、まじめで几帳面な人に多いと東京医科歯科大学の豊福 明教授(歯科心神医学)は言う。
今のところ原因不明で、脳内の神経伝達回路に電話の混線に似た”誤作動”が生じて、刺激がないのに痛みを感知するのでは、との説がある。

治療には鎮痛効果がある抗うつ薬を使うのが一般的で、1ヶ月も服用すれば7割ほど柔らぐとのこと。ただ、口の渇きや眠気、便秘などの副作用が出やすく、投薬は慎重に行う必要があるそうです。

 ☆中医学からみた舌痛症
中国伝統医学では舌診と言って、舌で身体全体の状態を診ています。舌の先は「心」縁は「肝」の状態を表していて、「心」や「肝」は精神状態をつかさどっています。
不安や緊張など精神ストレスが長く続くと、「心」「肝」の気の流れが悪くなり、結果として舌の先や縁に痛みが表れます。

手首にある「内関」や「通里」というつぼには「心」「肝」の気の流れを整える働きがあり、、鍼や灸の刺激は神経を介して脳内の神経伝達回路の誤作動を正しく整えると考えられています。

春は変化の多い季節、転勤に伴う引越しや子どもの受験が終わりほっとしたとたんに舌の痛みを感じたりします。早めの鍼灸治療でストレスを和らげて下さい。
2011-03-06 09:08 | 記事へ | コメント(0) |
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2011年02月07日(月)
春の不調
節分を境に暖かくなってきました。健康な人にとっては気持ちの良い日々が続いていますが、自律神経の調整がうまくいかない人にとっては不都合が起こりやすいころです。先週末からそんな患者さんをちらほら診かけます。

 ☆春に起こりやすい不調
春に向けて木の芽が芽吹く準備をするように、人の身体の気も動き始めます。人も植物も季節に合わせて変化していきます。急に暖かくなると人の気も頭に上がりすぎて、めまいを起こしたりします。『なんとなくふわふわして、気分が悪い』というめまいの一歩手前の人もいます。吐き気や息苦しさ、頭痛が出てくる人もいます。早朝の3時、4時に目が覚めて寝不足になる方や、まだ残る寒さのために気のめぐりが悪くなり、首を寝違えたり、腰が痛くなったりする人が多いです。

 ☆自宅でできる対処法
足を触ってみて冷たくなっている人や足に冷えを感じる人は足湯をしてください。首や肩がこって気分が悪いからと、そこだけを揉んでいるとそこに気が集まり、余計に気分が悪くなります。
休みの日に夜更かしをしがちですが、いつもと同じ時間に眠ってください。寝るタイミングを逃すと寝つきが悪くなりやすい季節です。早朝に目が覚めてしまっても『天候が悪かった、季節のせいだ』と楽観的に考えてください。

気が動き始めてスムーズに動けばいいのですが、まだ残る寒さのために滞る場合もあります。たとえば五十肩の痛みがきつくなったり、首が痛くなったりします。人によっては腰が痛くなることもあります。こういう時はゆっくり風呂に浸かって、暖めて気の巡りを良くして下さい。

体調を崩された方は早めの鍼灸治療で、軽いうちに治してください。私の長年の経験では体調を崩しやすい波が1〜3月にかけて数回やってきます。今回が第1波です。
2011-02-07 22:22 | 記事へ | コメント(0) |
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2011年01月10日(月)
お酒は実は身体を冷やす
お酒を飲みすぎた翌日に、肩がこったり、首や腰が痛くなったり、風邪をひいてしまった経験はありませんか?お酒を飲むと暑くなりますが、暑く感じるだけで体温は上がっていません。
脳にある体温調節中枢にアルコールが作用して誤作動させているのです。顔がほてり、手足が温まってきますが、そうして放熱しているのです。放熱することで体温は下がります、実際の体温は下がっているのに薄着になったり、寒い戸外に出るとたちまち身体は冷えてしまい、寒さによって気の流れが滞り、肩がこったり、ぎっくり腰、寝違いを起こしやすくなります。また、体温低下から免疫が低下して、風邪をひいてしまいます。

お酒を飲んで暑くなるのは、脳がお酒にだまされて暑く感じているだけと言うことをしっかり認識して、しっかり防寒対策を行ってください。冷たいお酒ばかり飲んでいると余計に身体を冷やします。冬でも凍ったジョッキに冷えたビールばかりという飲み方はお勧めできません。鍋などの暖かい食べ物をとりながら、楽しくお酒を飲みましょう。

 ☆アルコールの種類が多いと悪酔いする
以前からお酒をちゃんぽんで飲むと悪酔いすると言われています。ビールで乾杯して、焼酎、二次会でワインやカクテルといった具合に、たくさんの雑多な種類のアルコールを摂取すると、肝臓がアルコールを分解する際に、それぞれ個別に対応しなければならず、それだけ負担が多くなります。
適量を越さないのはもちろんですが、お酒の種類を減らすのもおいしくいただくための秘訣です。

 ☆アルコール性疲労
アルコール性疲労とは飲酒した翌日に、二日酔いと言うほどではないけれど、だるかったり、眠かったりすること。
飲みすぎて頭が痛いとか、胃腸の調子が悪いといった、いわゆる二日酔いとは別の症状で、過度な飲酒によって血糖が下がったことで、脳の働きが悪くなる状態と考えられています。

鍼灸治療で新陳代謝を高めれば、これらの症状もすぐに改善できますが、『まずは飲みすぎない!』ことが肝心ですね。漢方では飲酒の前に黄連解毒湯と五苓散をあわせて飲んでおくと、二日酔いしにくいと言われています。お酒に強くないのに、どうしても付き合いで飲酒しなければならない時に試してみてください。
2011-01-10 18:02 | 記事へ | コメント(0) |
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2010年12月03日(金)
中医学的風邪の治し方
風邪の患者さんが増えてきました。今年はノロウイルスが蔓延し、おなかをこわして免疫力が低下して風邪をひくといったパターンの患者さんが多いですね。呼吸器症状がなくても、脈を診ていると風寒の影響で肩や腰がこるという症状も多いです。中医学では衛気の働き(免疫力)を重視しています。衛気の旺盛な方はそもそも風邪をひきませんし、引いてもいつの間にか治ってしまいます。衛気の不足気味の方はすぐに引き込み、いつまでも咳や痰が続き、倦怠感が取れないといった症状が続きます。

 風邪のひき始めに
寒い夜に帰宅して背筋がぞくぞくして寒気がしたら、温めることが肝心です。葛根湯を飲むか、なければ熱い生姜湯を飲んで、熱めの風呂に浸かってじっくり汗をかくまで温まります。くしゃみや鼻水も冷えの症状ですから、背中の大椎穴を温灸で暖め、頭の上星穴と手の外関穴に針をして衛気の巡りを良くすればすぐに治ってしまいます。

 高い熱が出たらどうする
親指の少商穴を寫血して熱を取る治療もありますが、まずはゆっくり休んで寝ることです。熱があるからといってすぐに解熱してはいけません。西洋医学でも最近では解熱剤が問題視されています。発熱はウイルスに対する正常な免疫反応であり、解熱剤で無理に押さえ込むことは、免疫の働きを邪魔しているという考え方です。
高い熱が続く場合、冷水につけて固く絞ったタオルで背中を上から下に強くこすってください。背中が赤くなるまで続けてください。

 いつまでも咳が続くとき
咳は気管支にある異物を排除する為の防衛反応であり、痰などの異物がなくならなければ咳は出続けます。鍼灸治療で痰の排出機能を高めれば、一時的に咳は出ますが痰が早く排出され、結果的に早く咳が止まります。一方咳止め薬は脳にある咳中枢に作用して神経的に咳を止めているだけですので、薬を止めればまた咳がぶり返してしまうのです。
喉にある天突穴に下向きに針をして、肘にある尺沢穴に寫法の針をすると喉のイガイガが取れ、気管が広がり痰を早く排出します。

鍼灸治療は風邪のひきはじめと、こじれてなかなか治りきらない時には大変良く効きます。また、定期的に治療にこられる患者さんは滅多に風邪をひきませんし、ひいてもすぐに治ってしまいます。
2010-12-03 22:40 | 記事へ | コメント(0) |
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2010年11月26日(金)
アンチエイジング
生物の授業で習うミトコンドリア。主に「エネルギーの生産工場」としての役割を担うが、その他の多様な働きが注目されています。「ミトコンドリア学」の専門家によって認知症やアンチエイジング、若返りと深くかかわることが分かってきました。

 ☆ミトコンドリアに脚光
ミトコンドリアは細胞全体の10〜20%を占め、約一万分の一ミリの大きさ、人体に必要なエネルギーを生み出し、病気や新陳代謝、老化、若返りとの因果関係が指摘されています。
「認知症の人の脳を調べてみると健康な人と比べてミトコンドリアの量が少ない」「糖尿病はミトコンドリアの不調から始まり、パーキンソン病は機能が失われたことが原因」と日本医科大学の太田成男教授は30年以上もミトコンドリアと対話を重ね、近著『身体が若くなる技術』(サンマーク出版)で紹介している。

 ☆生活習慣が重要
ミトコンドリアに働きかけ、いかに仕事をさせるかが若さを保つ第一歩。その極意は
@ウォーキングや自転車こぎなどの持久力系の運動
A背筋を伸ばし、良い姿勢を保つ。
B一日中暖房の効いた部屋で過ごすのではなく、寒い処で寒さを感じる。
C間食を止めて、空腹を感じてエネルギーの枯渇状態をつくる。
これらの実践を勧める。
いずれも習慣として取り入れることが重要で、たとえば、急に運動を続けると最初は息が切れるが、続けるうちに息切れの頻度が減少してくる。「強めの負荷に身体がなれ、細胞が若返っていく」と太田教授は話しています。

 ☆年齢を問わず増加
細胞の一つ一つに存在して、生きていくためのエネルギーを産生しているミトコンドリア。全身の臓器に供給するエネルギーが豊富であればあるほど健康で長生きできると言われています。
太田教授は「好奇心を忘れずに、人生を前向きに捉える心が質の高いミトコンドリアを生み出す。ミトコンドリアは年齢を問わず増加していきます」と強調されている。
2010-11-26 22:13 | 記事へ | コメント(0) |
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2010年10月13日(水)
爪もみ健康法
長い猛暑が終わり、秋の深まりとともに明け方はぐっと冷え込むようになりました。日中との寒暖の差から風邪をひいたり、体調を崩される方が増えています。いつでも簡単にできる健康法の紹介です。

 ☆『爪もみ健康法』
「免疫を高めると病気は治る」と言う著作でベストセラーを連発している安保 徹新潟大学教授は「爪もみ健康法」を提唱されています。手足の爪をもむことによって自律神経を整え、免疫力を高め病気を治そうという理論です。通勤電車やテレビを見ながら一日2分間爪をもむことにより交感神経の緊張をほぐし、免疫力を高めてアトピーや喘息などアレルギー疾患、パーキンソン病などの難病まで治してしまいます。

 ☆東洋医学では
爪の付け根は井穴(せいけつ)といって経絡の気が出入りする重要なつぼです。経絡は川にたとえられます。流れがせき止められてよどんだ川は悪臭を放ち、周囲を汚染します。また、干上がってしまうと土地はやせ細ります。身体も同じで経絡の流れが悪くなると病気になってしまいます。

 ☆小さな刺激で大きな効果
経絡の気は井穴からスタートします。ここの気は少なく、小さな流れですが、やがて経絡は太くなり大きな流れとなって体の中に入っていきます。水源から小川になり、大きな川の流れとなって海に至るというイメージです。ですから海にあたる体幹部の治療に、井穴に小さな刺激を加えても、やがて増幅され、大きな刺激となって身体に伝わります。
また、井穴は気が入ってくるところであると同時に、身体から出てきた邪気が体外に出て行くところでもあります。陰陽が交わり、邪気はここを経由するので邪気を取り除くには取って置きのつぼなのです。

 ☆爪もみで健康状態のチェックができます。
親指は「肺、脳」示指は「胃、大腸」中指は「心、精神」薬指は「免疫系」小指は「腎」と密接な関係にあります。爪をおさえて痛いときはこれらの臓器が弱っていると考えられます。全体に白い半月が出ていない場合は体力が落ちている兆候。疲れがたまり免疫力が落ちています。黒い縦線が入っているとがんの可能性があります。専門の病院で検査を受けてください。
2010-10-13 14:43 | 記事へ | コメント(0) |
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2010年09月16日(木)
認知症の鍼灸治療
高齢化社会に伴い認知症が増えています。厚生労働省の統計によれば70歳で100人に一人、80歳で10人に一人が何らかの認知症状を有しています。患者さんからも「ぼけたら困るわ」「子どもに迷惑をかけたくない」と言う言葉を聞きます。

 認知症の症状
アルツハイマー病では脳が広範囲に障害されるので知能全般に障害され、記憶障害、見当識(時間、人、場所を正しく理解)障害が中核症状となり、失語、思考・判断力の低下、徘徊、異常行動が周辺症状として見られます。
アリセプトと言うお薬が用いられますが、症状の進行を緩やかにするだけで、進行をとめることはできません。

 脳と関係の深い腎
中医学でいう腎は精の貯蔵を行っています。腎は「先天の精」と「後天の精」からなるを貯蔵し、精は生命体の基本物質となって成長、発育、老化、死亡の全経過にかかわってきます。
精は集まって髄を生じ、脊髄に集まって脳になり頭目を聡明にします。加齢に伴い腎精は徐々に減少していきますが、過労やストレスや不摂生によって腎精が過度に不足し、髄が減り脳を十分に栄養できなくなると、健忘や痴呆が表れると考えています。

 認知症の鍼灸治療
補腎治療として、腰の腎ユと頭頂部の百会に針をして、背骨(督脈)の命門と大椎に温灸を加え陽気をめぐらせます。督脈は陽気をコントロールしていて、脳と大変関係の深い経絡です。腎陰虚(夜間徘徊、多動)の治療は、落ち着かせるために、陰を補うつぼに鍼をし、虚熱を取るために後頚部の風池に針をします。

鳥取大学の研究グループによると認知症の患者さんは、認知症状が現れる前に嗅覚の低下が見られることがわかってきました。早期に発見し、脳内血流の改善を図ると、進行を抑制、遅延できることがわかってきました。
2010-09-16 23:16 | 記事へ | コメント(0) |
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2010年08月10日(火)
夏バテ
立秋を過ぎても連日の猛暑にぐったり、やる気が起こらず、家事や仕事がはかどらない日が続いています。早くも夏バテ気味ですが、皆さんはいかがお過ごしでしょうか?

 夏バテの中医学的考え方
外の暑さをうまくさばけず、体内の熱バランスが崩れること。発汗過多による気の消耗。夏に多い湿気が体内の水分バランスを崩すことが原因です。
”気”の産生と水分代謝にかかわるのは『脾』なのですが、湿気と冷えを大変嫌うのです。外界の湿気と、暑さでついつい飲んでしまう冷たい飲み物が『脾』の働きを弱めてしまい、余分な水分が身体にたまって、むくみや重だるさが出てきます。消化にもかかわるので、食欲不振、下痢などとともに倦怠感が現れます。

また、のどが渇くので冷たい物をがぶ飲みしがちですが、冷たいものは『脾』の働きを悪くして、身体に余った水分は熱を吸収しやすく、ますます身体に熱がこもっていきます。暑いのでまた冷たい物を飲むといった悪循環に陥ります。
さらに、身体の重だるさは水の停滞が原因ですが、これを栄養不足だと思って、焼肉やスタミナ料理を食べると、さらに『脾』の働きを弱めてしまいます。

 スイカの効能
スイカやきゅうりなどうり科の野菜には身体にこもった熱を冷まし、のどの渇きを癒し、小水をたくさん出す薬効があります。
夏の食べ物には夏に効果があるようにできています。旬の食べ物は積極的に頂いたほうが良いですね!ただ、冷えすぎたスイカには注意してください。冷蔵庫では冷えすぎてしまい、、冷たいスイカジュースをがぶ飲みしているのと同じことになってしまいます。

汗をかくのは体の熱を冷ます大切な働きですが、汗ばかりかいていると”気”を消耗して疲れてしまいます。足の灸頭針やおへその塩灸など夏の鍼灸治療はスイカの薬効の何倍も効果がありますし、暑さに強い身体を作ります。
健やかに夏をお過ごしください。
2010-08-10 21:41 | 記事へ | コメント(0) |
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2010年07月24日(土)
梅雨の季節は『重い、だるい』がキーワード

梅雨の季節は『重い、だるい』がキーワードです。足が重い、身体がだるい、何をするにもやる気が起こらず、用事がはかどりません。無気力、倦怠感です。
雨が多くて湿度が高いと、身体の中の代謝し切れない水分『湿邪』(しつじゃ)も増えます。外湿が多いと内湿(身体の中の余分な水分)も増えると中国伝統医学では考えてます。湿邪は水で下に下がりますから、足が冷えたり、むくんだりします。

 冷たいものはほどほどに
暑いからといって冷たいものばかり飲んだり、食べたりしていると、身体を動かす陽気を損ない、湿邪を溜め込んでしまいます。身体後重くだるくなり、肩こり、腰痛が起こりやすくなります。体温が低下すると免疫力も低下します。
中国や台湾の人は伝統医学の知恵が食生活の中に生きていて、夏でも冷たいものは摂らないそうです。
冷房の冷やしすぎは良くないと言うのは世の中に浸透してきましたが、食べ物の冷やしすぎはまだまだ考慮されてないようです。

 弱った胃腸には生姜が一番!
湿邪や冷たいものの飲みすぎで弱った胃腸を整えるには生姜が一番生姜には暖める作用と、胃腸の働きを良くする作用があります。
生姜の辛み成分のショウガオールには唾液に含まれるジアスターゼの作用を促して消化を助け、細菌の繁殖を抑えます。また、血行を良くする働きがあるので、発汗を促し代謝を良くします。そうめんや冷奴の薬味には生姜が添えられていますが、身体が冷えすぎないようにするためです。

夏の肩こりや腰痛には経絡を詰まらせた湿邪を取り除くためにお灸を多用します。灸頭針(針に艾を着けて燃やしたり)や、温灸を背中に並べて代謝をよくして湿邪を身体から追い出します。原因から治療すれば痛みも取れて身体も軽くなり、効果が長持ちします。
2010-07-24 21:48 | 記事へ | コメント(0) |
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2010年06月20日(日)
がんと鍼灸
先日グランキューブ大阪で、全日本鍼灸学会主催の”がんと鍼灸”の講演がありました。国民の三人に一人ががんで亡くなる時代ですが、各種化学療法の発達で以前より生存期間が長くなってきました。
ただ、抗がん剤は免疫力の低下を招いたり、悪心嘔吐の副作用が強く、鍼灸にはこれらの副作用を和らげる効果や疼痛緩和が期待されています。
そこで実際の症例を紹介しましょう。

在宅でターミナルケアを受けている80代の女性患者さんです。モルヒネの副作用で悪心嘔吐があるのに、さらに口内炎ができて食事が摂れず、ますます痩せていくという症状です。
歯科で入れ歯を削ってもらったりステロイドの軟膏を塗っても治らず薬局で相談してもこれ以上きつい薬はないと言われ、娘さんが困り果てて相談にこられました。

『口内炎なら簡単に治りますよ』と安請け合いしましたが、内心どれぐらい体力が残っているのだろうと不安を覚えました。
脈は微脈で細く沈んで弱々しい脈です。舌を診ると痩舌(やせている)、苔がなく、暗紅色です。気陰両虚といって体力が低下して、免疫力が極端に低下した状態です。

弱っている状態では強い刺激ができず、まず体力を補うために背骨に沿って温灸を並べ、督脈の陽気を補います。さらに気を補う合谷穴と陰を補う三陰交穴に鍼をして、虚熱を取るために患部に向けて頬から直接鍼をしました。

1回の治療で口内炎の腫れが減少して、三日目には普通に食事が摂れるようになりました。鍼灸がこんなに良く効くなら、下肢のむくみも改善できますか?との依頼をうけ、続けて往診して督脈に温灸して、健脾利湿(脾の運化作用を高めて利尿する)のために足三里穴と陰稜泉穴に灸頭針をしました。

翌日には下肢のむくみが減少し、食欲が出てきておいしく食べられるとのこと。顔色も良くなり、さらにがんによる痛みも軽減されました。
体力維持と疼痛緩和のため週1回の往診を続けましたが、その後病状の進行に伴い入院となり、鍼灸治療は中止となりました。

鍼灸でがんを治すことはできませんが、免疫力を高めてがんの進行を遅らせたり、ターミナルケアにおいてもQOL(生活の質)を高めてより良い状態を保つことができると考えています。
がんの発症のメカニズムは解明されていませんが、乳がんの患者さんを診ているとストレスを上手に発散できず、溜め込むタイプに多いと感じています。
2010-06-20 18:27 | 記事へ | コメント(0) |
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2010年05月17日(月)
美容鍼灸
先月の研究会に麻布十番YOJO SUPAのオーナーで鍼灸と中医美容を実践する傍ら鍼灸、美容、スパに関する教育、講演、研究まで幅広く活躍されている北川毅先生をお招きして講演して頂きました。

 美容鍼灸

アメリカや日本でも「美容鍼灸」という分野が注目を集めています。鍼灸の治療によって目尻や口元のリフトアップ効果、血流が良くなりしみが薄くなる。顔が引き締まり小顔になる。しわが伸びて浅くなる。といった効果が認められています。
元来、鍼灸は疾病の治療や健康維持を目的として東洋の伝統医学の中で発展した治療法であり養生法でした。
しかし、鍼灸の発祥の地である中国には、古来より「健やかな体は美しい」「人間の美は健康を基礎として成り立つものである」と言う思想が存在し、美容は伝統医学の中で実践され発展してきました。

 健美とは

エステの業界でも「インナービューティー」と言う表現を用いますが、中国には古来より、健康と美は表裏一体の関係にあり、相互に依存しあっているものであると言う思想が存在します。健美とはこのような認識に基づいた人間の美しさを表した言葉であり、中医美容学が目標とする美の姿であるとされています。
「美容」は「健康」と「治療」と一体であり、根底が同じであると認識されています。
人が美しくあるためには健康であることが求められ、健康であれば美しいということです。

また、何らかの疾患によって健康と美が損なわれてしまった場合には、その疾患を治療することで、健康と美を回復することができます。そのため、尋常性挫傷や円形性脱毛症など「損容性疾患」と呼ばれる疾患の治療は、中医美容における重要な要素となっています。また、中医美容では「鍼灸」「生薬の内服、外用」「推拿」「食養」「気功」などの中医学の治療法や養生法と同様の手法が、「健美」と達成する方法として用いられています。

アメリカでもボトックスによる副作用が懸念され、「美容鍼灸」が注目されています。ハリウッド女優が日本のスパで鍼灸治療を受けたり、日本の化粧品会社のサロンでも「美容鍼灸」が採用されています。
2010-05-17 21:33 | 記事へ | コメント(0) |
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2010年04月08日(木)
体温を上げると健康になる3
鍼やお灸の刺激が交感神経の緊張をほぐし、血流を改善したり、陽気を補い体温を上昇させることは言うまでもありませんが、セルフケアできることについてお話しておきましょう。

 ☆入浴の勧め
体温を上げるいちばん簡単な方法は、シャワーではなくお風呂に入ることです。朝に体調が優れず、午前中は仕事がはかどらないという方は朝の入浴をお勧めしています。また風邪をひくと入浴を控える方が多いですが、白血球の活性をあげたり、体内酵素を活性化させるのは37度台です。「風邪をひいたかな?」と感じたら、お風呂に浸かりいつもよりしっかり温まるようにして下さい。

 ☆筋肉を鍛える
体温を恒常的に上げるには基礎代謝を上げることです。基礎代謝とはじっとしていても身体が消費するエネルギーのことです。筋肉量と基礎代謝の関係は、基礎代謝と体温の関係と同じで正比例の関係にあり、筋肉量を増やすと基礎代謝が上がり、基礎代謝が上がれば自然と体温が上がるというわけです。 

筋肉は加齢に伴って年に1%ずつ減少するといわれており、使わないとどんどん減っていきます。筋肉を鍛えるといっても闇雲にジムでダンベルを振り回すのではなく、姿勢を正すだけでも効果があります。顎を引き、胸を張って背筋を伸ばし、おなかを引っ込めるだけで体幹を支える筋肉が鍛えられます。姿勢を正すそれだけで基礎代謝が20%も向上するといわれています。

 ☆ユーストレス
ストレスが低体温を招き、万病の素だと書いてきましたが、実はストレスには嫌だ、不愉快だというネガティブなストレスと、プレッシャーはあるけれど同時にワクワクするような思いを伴う『ユーストレス』の二種類があるのです。
ストレスとユーストレス、はたから見るとその人が置かれている厳しい状況は同じでも、そこに何を見出すかで、人はその状況をストレスにもユーストレスにもすることが出来るのです。
2010-04-08 22:09 | 記事へ | コメント(0) |
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2010年03月04日(木)
体温を上げると健康になる2
 ☆ストレスが低体温の元凶
病気の発生学の進歩によって、病気の原因の多くがストレスであることが分かってきました。一口に「ストレス」といっても、その実態はさまざまです。対人関係や仕事のプレッシャーといった「精神的ストレス」もあれば、過労や睡眠不足、痛みなどの「身体的ストレス」もあります。私たちの身体で最初にストレスを感じるのは「脳」です。その視床下部の働きはストレスを認識するほかに、体温調整や下垂体ホルモンの調節、さらには摂食行動や性行動、睡眠といった本能行動、怒りや不安などの情動行動も司っています。
ストレス状態が長期間続くと、身体はストレスに対応しきれなくなり、「自律神経のバランス」と「ホルモンのバランス」を崩して、病気が発生してしまうのです。

 ☆自律神経のバランスが崩れると低体温になる
自律神経にはもともと「日内リズム」と言うものがあります。簡単に言えば朝おきてから夕方までは交感神経が優位に働き、夜に身体を休めたり寝ていると副交感神経が優位に働くというリズムです。
たとえ夜でも仕事をすれば交感神経優位に働き、日中でもごろごろしていれば副交感神経が優位に働きます。そして実はこうした日内リズムに反した生活をすることがストレスとなり、自律神経のバランスを崩し、病気を作り出してしまうのです。
交感神経が過剰に働くと活性酸素を大量に放出し、血液を酸化させ血流を悪くし、副交感神経が過剰に働くと血管が拡張するので最初は血行が良くなりますが、長期にわたるとかえって血液が滞ります。
このようにどちらの神経が過剰に働いても血流障害がおき、低体温になるのです。

 ☆薬剤性ストレス
聞きなれないと言葉だと思いますが、多くの薬の作用として交感神経を刺激して身体にはストレスとなります。抗生物質は感染症の治療に用いますが、その他に農薬や食品保存剤として使われ、薬を飲まない人でも知らず知らずのうちに摂っています。
肩こりや腰痛に使う「湿布」には鎮痛解熱剤の成分が含まれており、低体温を招きます。
間質性肺炎という病気がありますが、薬の濫用でも発症することは医学会では有名で「薬剤性間質性肺炎」と呼ばれており、日本では世界から批判を浴びるほど、この薬剤性肺炎の多い国なのです。
2010-03-04 14:14 | 記事へ | コメント(0) |
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2010年02月07日(日)
体温を上げると健康になる
立春を過ぎてもまだまだ寒い日が続いています、冷え性の患者さんにとってはつらい季節。先日本屋で気なる本を見つけたので紹介しておきましょう。
 
☆体温を上げると健康になる
ベストセラー作家の斉藤真嗣医師の著作を読んでいると、私の考えている事と似ているので驚きました。体温を上げると健康になるという考え方です。温灸を多用して免疫力を上げようという私の考え方と通じています。日本人の平均体温は36,5℃と言われていますが、最近は低体温の人が増えています。

低体温を放って置くと、さまざまな病気を招くとても危険な状態です。斉藤真嗣医師によると「体温が1度下がると免疫力は30%低下し、1度上がると5〜6倍に強化される」「体温が1度下がると代謝は12%も落ちる」とのこと。体温を上げると健康になると言うことです。

中医学的に表現すると「陽の気がめぐればたいていの不調は良くなり、疲れにくくなる」ということです。皆さん体温は36℃を超えていますか?

 ☆温熱療法というがんの治療
がんの治療法に温熱療法というやり方があります。国立がんセンターのHPには以下のように書かれています。
温熱療法はがん細胞が通常の細胞より熱に弱いという性質を利用したがんの治療法です。顔に発生した肉腫が丹毒(たんどく)による発熱で消失したことや、自然治癒したがんのおおよそ1/3は発熱していたという報告等、がんが治ることと発熱の間には何らかの関連があると昔から言われていました。本格的な研究が始まったのは1960年代からです。

現時点では研究段階の治療で、まだ標準的な治療とはいえません。この治療法の対象となるのは、通常の治療法では治療の難しい局所進行がんや再発がんです。がんに対する効果は41℃以上で得られますが、42,5℃以上で特に強くなることが知られています。

温熱治療はまだ標準治療になっていませんが、がん細胞が正常細胞と比較して熱に弱いという事実は興味深いものです。
がん細胞は35℃で一番増殖するとのこと、低体温を直すことはがん予防につながりそうです。
2010-02-07 17:58 | 記事へ | コメント(0) |
2010年01月07日(木)
慢性疲労症候群
今年のお正月は年末からの寒波の影響で厳しい冷え込みでしたが、寒さに負けず元日から初日の出を見に登山に出かけました。今年も元気に頑張りますのでよろしくお願いいたします。

☆疲れをためない
朝、体がぐったり重い。風邪がなかなか抜けず、力が入らない。仕事はたまる、あせりは募る。こんな疲れた患者さんが増えています。そもそも疲れとは?「痛みや発熱と同様、体の異常を知らせる信号のひとつ。休めというサインなのです」と倉恒弘彦関西福祉科学大教授は言う。疲労の研究に携わって20年。「疲れの原因やメカニズムはかなりわかってきたのですよ」とのこと。

疲れに陥る最初のきっかけは
@人間関係や仕事上の精神的ストレス
A過重労働などの身体的ストレス
B紫外線や騒音
C化学物質や残留農薬
Dウイルスや細菌感染 という身の回りの五つのストレスです。

これらが絡み合い、体内の神経系、免疫系、ホルモンなど内分泌系のバランスを崩します。中でもストレスの影響を受けやすいのは免疫系。
免疫力が下がるとウイルスが元気になる。口唇ヘルペスは一例で「問題はウイルスの増殖を抑えようと作られた物質が脳に悪影響を与えること」疲れると思考力が低下したり、抑うつ症状が出たりするのもそのためです。

2004年に文部科学省が大阪で実施した調査では、住民の56%が疲労を自覚し、39%は半年以上続く慢性的な疲労を感じていた。学校や仕事、家事を休むなど日常生活に支障をきたす慢性疲労症候群も0.3%認められた。大学病院の疲労外来では、会社や学校だけでなく、時には家族にも症状を理解してもらえなかった人が受診しているそうです。

☆中医学では
疲労倦怠の原因を
@虚証:消耗により身体に不可欠な”正気”の不足した状態。
A気滞:正気は足りているけれど、一時的に気の流れが悪くなり機能低下を起こす自律神経失調状態。
B湿阻:代謝機能の低下から水分代謝が悪くなり、身体に余計な重みを抱えた状態。
と考えています。

ストレスによる気の滞りから始まり、慢性化に伴って正気が不足し、代謝機能が低下してさらに疲れが取れない。といった具合に、複雑に原因が絡み合った患者さんを多く見かけます。
慢性疲労症候群やうつ病の患者さんも正気を補いながら、気の巡りをよくしていくと徐々に回復していきます。
2010-01-07 14:05 | 記事へ | コメント(0) |
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2009年12月16日(水)
寒いと血圧が上がる
今年は何かと忙しい一年でしたが残りわずかとなりました。あれもこれもしておかなくちゃと気ばかりあせる日々です。寒さに負けずがんばりましょう!

 ☆寒いと血圧が上がる
朝晩の冷え込みとともに「朝の血圧が上がってきた」と心配する患者さんが増えています。高血圧症や心臓病のある患者さんにとって血圧の上昇は脳卒中のリスクが大きいです。寒波が来てから血圧が上がっているようです。
高齢の方は暑いとか寒いとかを感じる感覚はだいぶ鈍ってこられるので、寝室の暖房を一定温度でつけっぱなしにしておくことをお勧めしています。
オイルヒーターは部屋全体を暖め、火事の心配もなく、空気も汚さないので高齢者に安全な暖房器具です。

 ☆しゃきっとは曲者(くせもの)
冷たい空気だけでなく、寒冷刺激が血圧を上げると言われています。たとえば朝、冷たい水で顔や手を洗っても血圧が上がります。興奮すると血圧が上がるのと同じような仕組みです。高血圧の方は「冷たい水でシャキッ!」が曲者となります。お気をつけてください。

 ☆暖めるとかゆくなる
ところが暖めると、ご高齢の方や一部の方には困ったことが起こります。”かゆみ”です。暖房することによって体がかゆくなるのです。痒いのがいやで暖房を控える方がまれにいらっしゃいます。年をとると皮膚の水分や皮脂の分泌が少なくなるため、特に皮膚が乾燥して”かゆみ”が起こりやすくなります。
鍼灸治療はかゆみにも有効で、アトピー性皮膚炎や老人のかゆみにも効くのですが、皮膚の水分を保湿剤で補うことも大切です。保湿成分のある化粧水やジェルをこまめにつけてください。
加湿器で部屋の乾燥を防ぐこともかゆみに効きます。
2009-12-16 22:09 | 記事へ | コメント(0) |
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2009年11月09日(月)
中医学的インフルエンザ対策
 ☆子供が発熱したとき、高熱を下げるやり方
インフルエンザによる発熱は正常な免疫反応の結果であり、無理に解熱剤で熱を下げることは良くないと言われています。高熱でぐったりしているわが子を目の前にして、ただ座して見ているだけなのも辛いもの。中国伝統医学では冷水につけて硬く絞ったタオルで、背中の背骨の両脇を上から下に摩擦します。乾布摩擦の要領ですが、上から下に一方通行で行います。きつい目に力を入れて何回か行います。背中が赤くなるまで行います。

 ☆家族内感染を防ぎます
インフルエンザにかかった家族は隔離します。患者さんの咳やくしゃみでウイルスは飛散しますから患者さんにはマスクをしてもらいます。息苦しい時には出来なくても仕方ありませんが、看病する家族もマスクをします。ウイルスは小さいのでマスクの隙間を通り抜けてしまいますが、総量を減らすことは期待できます。
酢の蒸気はウイルスの活性を低下させ、感染力を低下させると考えられています。手洗いの徹底と手拭タオルは家族と分けて使いましょう。出来れば使い捨てのキッチンペーパーを利用して経口感染を防ぎます。ウイルスが出来るだけ入ってこないようにすることが大切です。
少しのウイルスなら身体の免疫で防御できるからです。

 ☆我が家では
小学6年の息子が日曜日の午後から37,5度の発熱と倦怠を訴えました。風邪の兆候はなかったのですが、免疫を高めるため、背中(大椎穴)と手(合谷穴)にピリッと熱いお灸をすえて就寝させました。月曜の朝には39,2度の発熱と咳が出始めたので、かかりつけの医院でリレンザを処方してもらい、自宅で安静を保ち、夜に背中をタオルでこすっておきました。火曜の朝には36,8度まで熱が下がり、食欲もあり、テレビを見てすごしていました。学校での感染拡大を防止するため、さらに二日自宅で安静を保ち咳が出なくなってから元気に登校しました。

同級生の中には1週間経っても熱が出たり引いたりして、すっきり回復しないといった子供もあります。我が家では日頃から家族が風邪かなっと思ったらまずお灸をします。子供には時々小児針をして、日頃から抵抗力を高めて、自分の免疫で治るように仕向けています。新型インフルエンザにはリレンザやタミフルが良く効きます。西洋医学と中医学を組み合わせれば、脳症などの重症化を防ぎ、早く治せると考えています。
2009-11-09 22:41 | 記事へ | コメント(0) |
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2009年10月02日(金)
薬味U
以前に刺身に添えられたシソやワサビは単なる飾りではなく、からだを守る『薬味』なのだというお話をしました。今回は栄養補給に役立つ『薬味』のお話です。

 ☆ゴマ
エジプトが原産のゴマは、種子の色で白ゴマ、金ゴマ、黒ゴマに分けられます。白ゴマは油の含有量が最も多く、江戸時代からごま油には白ゴマが使われてきました。金ゴマは最も香りが良くゴマだれ等に使われます。黒ゴマは特有の香りが強く、主に料理に使われます。
中国では「食べる丸薬」と呼ばれるほど栄養価が高い食品で、たんぱく質、脂質、カルシウム、食物繊維が豊富に含まれています。ゴマに含まれる脂質にはリノール酸やオレイン酸といった血中コレステロールを下げる働きのある不飽和脂肪酸が含まれています。
ゴマは昔から薬代わりに使われ、『本草食鑑』には五臓を潤し、血流を良くし、大腸、小腸を整えると記されています。また、高血圧、貧血、便秘、冷え性、夏バテなどの症状を緩和し、老化を防止する働きもあります。
ただし、ゴマはカロリーが高いため取り過ぎには気をつけてください。また、ゴマは硬いからで覆われているので、そのままではせっかくの栄養成分が吸収されずに排泄されてしまいます。すりつぶして食べるのが効果的です。

 ☆のり(海苔)
紙のように漉いて乾燥させたり、佃煮にして食べるのが一般的です。海苔を食べるのは日本と韓国だけで、海藻を食べる習慣のない国では、このような食べ物はほとんど見当たりません。海藻を原料にしているので、食物繊維やカルシウム、ミネラルが豊富です。それ以外にもビタミンA,ビタミンB,ビタミンCやたんぱく質が多く含まれています。栄養成分が非常にバランスよく含まれており、疲労を回復し、貧血予防し、骨を丈夫にします。一日に2枚食べれば必要な栄養が十分に補える優れた健康食品です。
さらに、中性脂肪を減らすので、生活習慣病や糖尿病の予防に良いです。海苔の食物繊維は整腸作用があり、大腸ガンの予防に効果的です。

巷にあふれるサプリメントで栄養素を補うよりも、自然の薬味を活用して、スローフード中心の食生活が健康を維持していく、一番の健康法ではないでしょうか。我が家では胡麻和えの料理やゴマだれのドレッシングを多用し、和風パスタには刻み海苔をかけ、ご飯には海苔の佃煮を乗せて食べています。
2009-10-02 22:31 | 記事へ | コメント(0) |
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2009年09月03日(木)
くじ引き理論
9月に入って朝晩はしのぎやすくなりましたが、日中は蒸し暑い日が続いています。この夏はビールを飲まなかった男性患者さんや、毎朝紅茶に生姜を入れて飲まれている女性患者さんがおられます。自分の舌を診ながらビールを控えようと反省しているこのごろです。

 ☆財布の中のたりくじ

陸上競技で個人種目で7年間に13回も日本一を育てたカリスマ教師、原田隆史氏の『くじ引き理論』は示唆に富んでいます。「普通の中学生」を何度も日本一にしたということで注目を集めた原田氏。以来、「陸上のノウハウを教えてほしい」と全国から教師が次々と訪れるようになりました。
氏は練習風景を見せ、ノウハウもすべて伝えています。しかし、必ずこう尋ねる人がいるのです。「本当に、これで全部ですか?」その後の調査で、こう聞く人に限って伝えたことを何も行っていないことがわかったそうです。そこで「当りくじを買っているのに、財布の中で眠らせているのと一緒だ」という意味で、原田氏は『くじ引き理論』と名づけました。

この話を聞いて、私は「その通りだ」と思いました。私は鍼灸師ですが、鍼灸師で名人と言われる人には共通点があります。それは、セミナーや研究会で学んだ知識や技術をすぐに使うということです。学んだ次の日に使えば、いいイメージが残っているのですぐに使えますし、効かなければどうすれば効くのか試行錯誤されておられます。それでも効かない場合には「これは私には合わない」と判断されます。一方、ほとんどの出席者は学んだことを実行しないし、復習すらしません。これでは当りくじを財布の中で眠らせているのと変わりありません。

 ☆健康法にも同じことが言えます

巷にあふれるほどの健康法がありますが、自分の健康を守る方法は「自分が」まず使ってみて、あう、あわないを試してみないと分かりません。要は「やるか、やらないか」なのです。
当りくじを持っているのに、それが当たっている事を確認し、換金場所に持って行かないとお金が手に入らないのと同じ、なのです。
2009-09-03 22:40 | 記事へ | コメント(0) |
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2009年08月06日(木)
寝違い、首の痛み
 ☆寝違い、首の痛み
朝起きて首の痛みで頭が動かせない、寝返りが打てないといった方が増えています。あまりの痛みに鎮痛剤を服用されたり、湿布を貼って様子を見ますが多くの場合無効で、頭を傾けて来院されます。そこまで辛くなくても首を動かすと突っ張って痛い、曲がり難いといった方は多いですね。寝違いは中国では落枕(らくちん)と呼ばれています。睡眠中の不適切な姿勢、または頚項部の冷えの侵入が原因とされ、現代ではクーラーが原因と考えています。

 ☆自宅での対処法
鍼灸治療が一番ですが、どうしても会社が休めない、時間が取れない方はシャワーやドライヤー、蒸しタオルで患部を温めてください。そして手の甲の2,3中手骨の間と4,5中手骨の間に落枕(らくちん)というつぼがあります。たいてい強く押さえると痛みがありますのですぐに分かります。そこを指圧しながら首を動かしてみてください。湿布より効果があると思います。

 ☆鍼灸治療では
まず患部の冷えにより滞った経絡の気の流れを整えます。針をして艾をつけて灸頭針をします。髪の毛が邪魔して灸頭針が出来ないところは、針の上から生姜灸を置いたり、背骨に沿って温灸を並べ、頭のてっぺんの百会に針をします。それでも痛みが取れない場合、落枕や足のつぼに針をして首を動かしてもらいます。

オフィスではクーラーの風向きも気をつけてください。日ごろの疲れがたまり弱っていると冷えの影響を強く受けます。
2009-08-06 22:20 | 記事へ | コメント(0) |
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2009年07月09日(木)
薬味
刺身に添えられたシソやダイコン、キク、ワサビは単なる飾りではありません。おいしくいただく刺身が私たちに害を及ぼさないようにする『薬味』なのです。シソは魚毒を消し、ダイコンは消化を促進し、キクは肝臓の熱を除きます。ワサビには防腐の作用があります。全部いただくことがからだにとって大切です。

 ☆生姜(ショウガ)
生姜の辛み成分のショウガオールには、健胃、発汗、解熱、保温作用があります。唾液に含まれるジアスターゼの作用を促して消化を助け、細菌の活動を抑えます。また、血行を良くする働きがあるので、発汗を促し代謝を良くします。

ショウガは風邪のひきはじめや消化器疾患、呼吸器疾患に有効です。西欧でもショウガの薬効は広く知られており、ジンジャーエールやショウガの絞り汁に熱湯と砂糖を加えた飲み物は「赤毛のアン」など外国の小説にも病気のときの飲みものとしてしばしば登場します。

ショウガは肉や魚の臭みを消しますが、さらに、魚肉の毒を消す働きがあります。焼きナスに生姜おろしが添えられるのは、からだを冷やすナスと温めるショウガを一緒に食べることで、からだが冷えすぎないようにするためです。一見脇役のように見える生姜ですが、じつはとても大切な働きがあるのです。

 ☆山椒(サンショウ)
サンショウは七味唐辛子の一味で、胃液の分泌を盛んにします。春の新芽は木の芽和えや吸い物に利用され、山椒昆布や木の芽和えを食べていると、回虫予防になるといわれています。

 ☆紫蘇(シソ)
シソにはからだの中のエネルギーをめぐりやすくして、血液の流れを良くして整える働きがあります。また、刺身と一緒に食べると、魚毒を消す働きもあります。中国の本草書には「からだの中の冷えを温めて気を発散し、心身ともによみがえらせる作用があり、ゆえに蘇と称する」とあります。「蘇生」という言葉からもわかるように「蘇」には「よみがえる、生き返る」という意味があります。

 ☆山葵(ワサビ)
ワサビは香りが高く、辛みも強く、優れた消臭、殺菌、魚毒を消す働きもあります。生魚を使う刺身やすしにワサビを使うのは大変理にかなっています。ワサビの香味成分は食欲を高め、消化液の分泌を促して消化を助けます。

食中毒の多発する季節です。防腐剤に頼るより、天然の『薬味』を上手に利用して、夏を乗り切りましょう。
2009-07-09 22:23 | 記事へ | コメント(0) |
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2009年06月12日(金)
むくみ
うっとうし梅雨の季節になりました。クーラーの影響で下肢は冷え、夕方には足が重くてパンパンに張るといった方も多いですね。梅雨の季節は『重い、だるい』がキーワードです。
そこで下肢のだるさやむくみのお話です。

中医学ではからだの中で水分代謝にかかわるのは、肺と脾と腎と肝と水液の通路である三焦の状態が密接に関係していると考えます。飲食から水分を吸収してからだに有用な水分に変え、肺に運び上げたり全身に輸送する機能が、脾の『運輸』です。体内の水液を温め蒸気のように上へ動かしたり、肺から降りてきた水分のうち、有用なものを再吸収し、不要なものを尿に変え、膀胱から排出する機能が、腎の『蒸騰気化』です。全身の気の流れを調整する機能が、肝の『疏泄』であり、水液の流れに対しても調整します。
以上のどの部分に障害が起こっても水液が体内に停滞して「内湿」が生じ、外表に向かってあふれると浮腫が現れます。

 ☆湿滞
湿度の高い梅雨時には湿気により、水分の発散が妨げられて体内に水分が停滞し、慢性あるいは反復的にむくみが生じます。水分は下にたまりやすいので下肢のむくみが現れやすく、また湿気は胃腸を傷害しやすく、脾の運輸機能が阻害されさらに悪化します。

 ☆陽虚湿盛
クーラーの効いたオフィスで長時間過ごしたり、冷飲冷食はからだの諸機能が衰弱し、熱量の産生が不足すると同時に、水分の代謝も悪くなりむくみを生じます。
脾腎の陽気が不足するとむくみと共に尿量減少、排尿困難があり、冷え、食欲不振、腹痛、下痢、からだが重だるい、元気がないなどの症状を伴います。

 ☆少陽気滞
ストレスなどで水液の通路である三焦が通りにくくなり、軽度の浮腫や機能障害が反復する自律神経失調症のひとつに相当します。軽度の浮腫のほかにいらいら、口が苦い、胸脇部が張って苦しい、疲労感など多彩な全身症状が反復して出現します。

西洋薬の利尿剤は、結果的に現れた浮腫をいったん解消するには有用ですが、原因を取り除くことができないので必ず再発がみられるほか、人体にとって大切な津液を尿として排出して消耗するために、連用するとからだを衰弱させることになります。
鍼灸治療は原因に対して根本的に状態を改善することができ効果も良好です。
2009-06-12 23:16 | 記事へ | コメント(0) |
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2009年05月21日(木)
新型インフルエンザ
神戸や大阪で新型インフルエンザが発見され、さらに東京でも患者が見つかり、マスコミは大騒ぎしています。季節性インフルエンザがまだまだはやっていることは国立感染症研究所 感染症情報センターのホームページを見るとわかります。

おそらく季節性インフルエンザとされている症例のいくつかは新型インフルエンザA(H1N1)でしょうから、精査するようになれば次々に患者は発見?されるでしょう。
このウイルスはすでに、従来の季節性インフルエンザと同様の弱毒性であることが専門家によって示されています。

 いまさらの感染対策

1:手洗い
しっかり頻繁に手洗いしてください。手の皮膚が荒れていないこと、傷がないことが一番大切です。薬用石鹸を使って肌荒れが起こるようでは逆効果、消毒薬を使って肌荒れが起こるようなら使わないで下さい。

2:うがい
効果は手洗いほどには確認されていません。手洗いは各国で推奨され効果が確認されていますが、うがいは日本で好まれるやり方です。うがい薬は必要ありません。うがい薬と水道水(消毒用塩素が微量はいっています)を比較すると、水道水の方に軍配が上がっています。うがい薬がのどの粘膜を傷つけることが関係しているのかも知れません。

3:マスク
普通のマスクではインフルエンザにかかってしまった人が、他人に移さない効果は確認されていますが、感染予防の効果は確認されていません。過信は禁物です。
マスクをするなら一日に何度も取り替えてください。マスク表面にウイルスが付着している可能性が高いので、マスク表面は触らないこと。紐を持ってはずしてください。使用済みのマスクは蓋付きのゴミ箱に捨てるか、ビニール袋に入れて密閉して捨ててください。

4:めがね
普通のめがねでも目の粘膜からウイルスの侵入をある程度防ぐことはできます。仰々しいゴーグルをつけるのははばかられても、伊達めがねならOKでしょう。ウイルスは目と鼻と口から侵入してきます。目をこする癖はやめましょう。

新型インフルエンザA(H1N1)の警戒すべき点はその変異の早さです。今は季節性インフルエンザと同じですが、感染が広まる中で毒性が増すことにならないかと心配されているのです。社会全体の為にはかからないようにすることは大切です。でも、かかってしまっても悲観することはありません。普通の体力の人は家で休んでいれば治ります。

WHOは「今のところ、新しいAウイルスにかかったほとんどの人が、抗ウイルス薬(リレンザ、タミフル)治療なしで回復しました」と表明しています。アメリカの疾病対策センター(CDC)も、たいていの人は自宅で安静にしていればいいとしています。
タミフル発売もとのロッシュ社によると07年までの服用者4500万人のうち3500万人が日本人だとしています。
2009-05-21 22:12 | 記事へ | コメント(0) |
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2009年05月11日(月)
頻尿、尿漏れの鍼灸治療
 頻尿、尿漏れ
通常、日中に5〜8回トイレへ行き、夜間はほとんど行かないといわれています。頻尿とは通常より排尿回数が多くなった状態で、膀胱炎などの感染症、前立腺肥大、加齢、膀胱括約筋の機能低下などが原因です。
一方、尿漏れは、自分の意思とは関係なく尿が漏れてしまう現象で、尿失禁ともいいます。くしゃみやせき、重いものを持ったときなど、おなかに力が入ったときに尿が漏れる腹圧性尿失禁。尿意を催したとたんに漏れてしまう切迫性尿失禁。膀胱内に尿が出きらないで残ってしまい、尿意を感じないにもかかわらず尿が漏れてしまう溢流性尿失禁。女性に多いのは尿道括約筋のゆるみによる腹圧性尿失禁で、男性に多いのは前立腺肥大による溢流性尿失禁です。

 西洋医学では
感染症がある場合には抗菌剤で感染を抑えます。また、自律神経に働きかける抗コリン薬は緑内障の患者さんには用いることができないうえ、ふらつきや便秘などの副作用が多く診られます。腹圧性尿失禁を予防する骨盤底筋体操、手術療法があります。

 中医学では
水の状態を調節している五臓六腑は「腎」です。腎といっても腎臓というひとつの臓器だけを指すのではなく、排尿、排泄、水分代謝、ホルモンバランス、記憶力などを総合した働きを表します。
腎の機能が衰える「腎虚」という状態になると、「水」に関する異常が起こって排尿のトラブルが起こります。また、寒くなるとトイレが近くなるように、こうした排尿のトラブルの根底には「冷え」があると捉えています。
そのほかに精神的ストレス、緊張などによって肝気の流れが悪くなり、尿の貯留が少ないのに頻尿を引き起こす膀胱神経症があります。

下の病は恥ずかしくて、なかなか人に言えず一人で悩んでいる患者さんも多いのですが、原因から治療すれば以外と簡単に治ってしまいますよ。
2009-05-11 13:45 | 記事へ | コメント(0) |
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2009年04月13日(月)
めまいの鍼灸治療
 ☆強いめまい☆
周囲が回転したり揺れ動いたりして、起き上がれない。吐き気や耳鳴り、頭痛を伴うめまいはメニエル病と診断されることが多いです。中国伝統医学では、体質に過労やストレスが加わって形成される「見えない痰」が原因と考えます。この「見えない痰」が頭部に上昇して、内耳の平衡機能や眼球の動き、さらに脳の機能を阻害してめまいを引き起こすと考えられています。

強いめまいにはストレスや怒りから、いわゆる「頭に血が上る」ことで、自律神経の興奮により、代謝の亢進や脳の充血という「火」が生じ、脳の興奮、内耳の平衡失調によるめまい、頭痛という「風」の症状が引き起こされます。

鍼灸治療の場合、「痰」「火」「風」の実邪を取り除き、清気を頭部にめぐらせて治療していきます。

 ☆めまい感、ふらつき☆
動作時にクラッとしたり、頭がボーッとして目がくらみ倒れそうな気がするといった、軽度のめまいで、頭部に栄養や循環が十分でないために生じ、「清陽不昇」といいます。
先天的に虚弱だったり、慢性病、老化や過労などで気が不足し、頭部が空虚になってめまいが生じる病態です。

気力や機能が不足したアトニーの状態に相当し、重力に抵抗して血液を上部に押し上げる推動力が不足しているためにめまい、ふらつきが発生します。
立ちくらみや動作時のふらつきが主体で、疲労時に顕著になり、疲れやすい、元気がない、食欲不振などを伴います。

虚証のめまいの場合は、「気」「血」「精」を温灸を使って補い、頭部を栄養するといった治療になります。

高齢者の場合、加齢に伴い腎精や気血が不足しています。漫然と点滴治療を受けていてもなかなか改善しません。むしろ温灸を使って虚した腎精や気血を補う方が、結果的にめまいが早く治ります。
2009-04-13 13:40 | 記事へ | コメント(0) |
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2009年03月06日(金)
花粉症の鍼灸治療
 ☆花粉症は免疫システムの誤作動☆
花粉症は杉やヒノキなどの花粉によって起きる、目や鼻のアレルギーです。アレルギーは身体の免疫システムが誤作動した状態。花粉の飛散量よりも体調によって症状が悪化しているように思います。花粉の少ない雨の日でも、鼻水や眼のかゆみが出てきます。また、疲労やストレスがたまっていたり、お酒を飲みすぎた翌日に、悪化する患者さんも多いです。
鍼灸治療ではクシャミや鼻水に対する対症療法的なつぼもありますが、真髄は免疫システムの誤作動そのものを正常に戻そうという治療です。

一般にお医者さんで処方される抗アレルギー剤は、免疫システムの働きを弱めてしまおうと言うもの。抗ヒスタミン剤は、免疫システムが働く中で放出されるヒスタミンの働きを抑えようというもので、眠気などの副作用が良く知られています。ひどい症状の場合はステロイド剤が使われるようで、こちらは副作用のため短期間しか使えません。
鍼灸治療と抗アレルギー剤の併用は特に問題ありません。むしろお薬を減らしたりすることができます。

 ☆花粉症の鍼灸治療☆
花粉症はアレルギーですから、喘息やアトピー性皮膚炎と同様、症状の軽重は個人差が多いようです。多くの場合身体の中の過剰な水分(湿邪)が多いと悪化するので、今年のように雨の日が多いと、つらい症状の方も多いですね。治療には湿邪を出すためと、弱った気を補うためにお灸を多用しています。また、気の流れが悪いと目や顔のかゆみがひどくなるので、顔と手足のつぼに針をして気の流れを整えます。
週1回程度針治療をして、後は自宅で毎日お灸をしてもらうようにしています。お灸といっても痕のつかない、痛くないマイルドなタイプのお灸です。

鍼灸といえばやっぱり「痛み」「こり」の治療というイメージが強いので、「痛み」「こり」の治療に来られ、花粉症が楽になったという方も多いです。
2009-03-06 23:24 | 記事へ | コメント(0) |
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2009年02月03日(火)
新型インフルエンザ
「本当に起きるかどうか」ではなく「いつ起きるか」が問題と言うことで専門家の意見は一致している新型インフルエンザ。大きな被害が予想されているにもかかわらず、日本では有効な対策が取られているとは言い難いです。各自が正確な知識と情報を身につけ、そのときに備えることが肝要です。

 パンデミック(感染爆発)
インフルエンザはこれまで数十年に一度の間隔でパンデミックが発生し、人類に多大な被害をもたらしています。歴史上最大の被害は、1918年に発生したスペイン風邪で、日本国内ではわずか3週間で42%が罹患し、45万人が死亡したとされています。これだけの被害をもたらしながら過去のインフルエンザはすべて弱毒性でした。現在もっとも発生が懸念されているH5N1型は強毒性とされています。

 空気感染
インフルエンザは感染者のクシャミや咳でウイルスを含んだつばが飛び散り、その飛沫を吸い込むと感染します。さらに恐ろしいのが空気感染で、乾燥した環境ではウイルスそのものが空気中を漂い、床やドアノブ、食器や食べ物などあらゆるものを介して、直接あるいは間接的に呼吸器に吸い込んで感染するのが空気感染です。

 新型インフルエンザ対策

抗ウイルス剤
インフルエンザ治療薬として有名なタミフルですが、体制ウイルスが多数発見され、新型インフルエンザにはどれだけ効果があるかは未知数です。ただタミフルは発症してから48時間以内に服用しないと効果がなく、新型には通常量の2倍、さらに2倍の期間の服用が必要とされています。現在の日本の備蓄量では到底足りません。入手できれば自宅での備蓄をお勧めしています。漢方薬の銀ギョウ散は、感染初期ならある程度の効果が期待できます。簡単に薬店で入手できますので購入されても良いでしょう。

徹底した感染予防と備蓄
新型インフルエンザは容易に人から人に感染するため、徹底した感染予防が必要です。マスク(N95基準がお勧め)の着用と手洗いはもちろんですが、パンデミックの発生時には外出しないのが一番確実です。そのため食料品や医薬品の備蓄が必要となります。最低1か月分の長期保存のできる食料と医薬品、日用品の備蓄をお勧めしています。
2009-02-03 22:12 | 記事へ | コメント(0) |
2009年01月11日(日)
中医学的風邪の予防法と食養!
☆予防の基本は手洗いとうがい

インフルエンザに感染した人はクシャミ、鼻水や小便など体液でウイルスを排出しています。この人が触ったところはウイルスがあります。流水でうがいしましょう。

イソジンでうがいをなさる方が多いですが、真水でうがいしても効果の差はない。と言う研究報告があります。むしろ抗ウイルス作用のあるお酢やお茶のカテキンの方がウイルスを減らす効果があります。

☆加湿しましょう

空気が乾燥するとのどの粘膜の防御機能が低下し、ウイルスに感染しやすくなります。また湿度が高いとウイルスの活動は鈍くなります。
室内では加湿器を利用したり、夕食には鍋物が良いでしょう。

 食物療法

☆葛湯も良い方法です

葛には抗ウイルス作用がありますし、免疫作用を高めます。生姜と砂糖で味を調えます。さらに桂枝(シナモン)を入れると、これだけで立派な風邪薬になります。

薬味にはねぎと生姜

長ネギの白い茎と生姜は体を温め、肺の働きを良くして、発汗することによって風邪を追い出します。鍋物やうどんの薬味にはたっぷりのねぎと生姜を入れてください。

☆梨のホットジュース

梨には水分を吸収して潤いを与える効果(滋潤作用)があります。のどが乾燥しやすく、すぐに痛みやすい人、声枯れにも良く効きます。梨の種類は問わず、すりおろして暖めて飲みます。

 養生法

☆乾布まさつ

皮膚を鍛えることにより肺の働きが良くなり、免疫がUPします。特に胸と背中を1回5分、毎日朝晩続けることで風邪を引きにくくなります。

☆睡眠不足と寝冷えは大敵

睡眠不足と寝冷えは体力を落とします。またのどの弱い人は寝るときに、首にタオルを二つ折りにして軽く巻いてください。冷えからの頭痛や肩こりにもずいぶん効果があります。

今年は新型インフルエンザの流行が懸念されています。次回はその対処法についてのお話です。
2009-01-11 18:23 | 記事へ | コメント(0) |
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2008年12月07日(日)
冬季うつ病
穏やかな小春日和が続いていると思ったら、突然の寒波の来襲。本格的な冬の到来ですが皆さんいかがお過ごしでしょうか。

 ☆冬季うつ病☆
冬季うつ病(季節うつ)、聞いたことがありますか?日照時間が短くなる秋から冬にかけて現れるうつ状態を「冬季うつ病(季節うつ病)」と呼ばれています。通常のうつ病と区別して語られることが多いようですが、実際に臨床に携わっている立場からすると、通常のうつ病の方でも体調を崩されることが多いようです。

じつは11月に何人かのうつ病やパニック障害の患者さんが、体調を崩されました。日照時間の変化のほかに、特に思い当たる原因はありません。きちんと鍼灸治療をして回復しつつありますが、良くなっていた体調が突然崩れ、わけもわからなく不安感に襲われたり、眠気が強くなったり、気力が低下すると患者さんは心配されます。

「調子良かったのにどうしたのだろう」と不安がる患者さんに「日照時間が減ったからですよ」と答えています。日照時間はだんだんに減ってきているのに、どうもある時点で急に患者さんの体調に影響を与えるようです。何人か同じ時期に体調を崩されています。なぜ数日間に集中するのか、原因ははっきりわかりませんが、治し方はわかっています。
 
 ☆西洋医学では☆
※日照時間が短くなると、光の刺激が減り、それが原因で神経伝達物質のセロトニンが減って脳の活動量が低下する。

※目に入る光の量が少なくなると、体内時計をつかさどる、脳からのメラトニンの分泌量がおかしくなり、体内時計が変調をきたす。
と説明されています。

中国伝統医学では季節の変化を重視しています。農耕が中心だった昔は夏にしっかり働き、冬は体を休める季節と考えられてきました。くらべて現代は成果主義の導入後、労働時間が長くなり、睡眠時間を削って働く人が多くなっています。また、景気の停滞に伴って、不安感の増大など、脳へのストレスは計り知れないものとなり、わずかな日照時間の変化にも、体が変調をきたす時代なのかなっと考えています。
2008-12-07 18:54 | 記事へ | コメント(0) |
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2008年10月31日(金)
睡眠障害
先日「日本人の平均睡眠時間が世界で一番短い」という記事が新聞に載っていました。現代医学でも体内時計の研究が進み、睡眠とがんやうつ病、生活習慣病との関係が指摘されています。

 ☆体内時計☆
京都大学大学院薬学研究科の岡村 均教授は「脳の視交差上核に親時計があり、そこで時計遺伝子が働き一定のリズムを刻んでいます。臓器や末端の細胞にも子時計があり、親時計の指令は神経やホルモンを介して全身に伝わり細胞のリズムを制御している」「哺乳類の細胞にある全遺伝子の5〜10%が時計遺伝子に制御され、細胞自身がリズムを刻んでいます。その中にはエネルギー代謝や骨の形成など生命維持に基本的な遺伝子が多く含まれている。がんや肥満、骨粗しょう症なども細胞のリズムの変調による病気と考えられています」と語っています。

 ☆睡眠リズム障害☆
体内時計の変調は”光”との関係が指摘されています。夜にパソコンを見たり、コンビニの照明など夜も明るい場所で過すなど、現代のライフスタイルは体内時計の変調要因であふれています。寝る時間や起きる時間がばらばらという場合も当然、体内時計が狂いやすくなります。体内時計が寝る時間に来ていないのに、無理やり眠ろうとしてもうまくいきません。逆に眠いときに眠らないで我慢してしまい、眠気がなくなった頃に無理やり眠ろうとして「眠れない、不眠だ」と訴える場合が多いです。

 ☆ぐっすり眠るには☆
睡眠の質やリズムに最も関係の深いのが、「メラトニン」と呼ばれるホルモンで、朝起きて日光を浴びてから14〜16時間後に分泌され、体温を下げ、次第に眠気を誘う作用があります。日中に日光を十分浴びないと、夜にメラトニンは分泌されにくく、眠りづらくなります。
翌朝ゴルフなどで早く起きるために、いきなり早く寝ても思ったようにうまくいきません。メラトニンが分泌される時間は決まっていて、朝起きた時刻で眠りにつく時間が決まるからです。早起きの必要がある日は、前日に早起きすれば早く眠れます。
また、眠れないからといってお酒を飲む人も多いですが、アルコールは早朝に覚醒作用が働いて眠りが浅くなり、頻回にトイレに行きたくなるので睡眠の質は低下します。

百マス計算で飛躍的に子供の成績を上げた立命館大学の陰山英男教授は、読み書き計算の徹底した反復学習とともに、「早寝、早起き、朝ごはん」の生活習慣確立を二つの柱にしてこられました。十分な睡眠は集中力を高め、仕事の能率を上げ、成績の向上、病気の予防、事故の防止に役立ちます。
2008-10-31 22:21 | 記事へ | コメント(0) |
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2008年10月04日(土)
便秘
実りの秋を迎え色とりどりの食材を眺めながら、何を作ろうか考えるこの頃ですが、おいしくいただくためにも、すっきり”出す”ことが肝心です。そこで今回は便秘のお話です。

たかが便秘、されど・・・
排便は一日一回すっきり出るのが普通です。数日でなかったり、毎日出てもスムーズでなく時間がかかる、残便感があってスッキリしないと言ったたさまざまな訴えを「便秘」と呼びます。圧倒的に女性に多いのですが、家事などでタイミングを失ったり、妊娠出産などがきっかけになると考えられています。
便秘も原因によって症状が変わり、対処法も違います。代表的なものを紹介しておきましょう。

☆気秘(きひ)
排便はあっても便が細かったり、切れ切れに出たり、スッキリ出ずに残る。排便があっても不十分で不快感が残り、おなかが張ったり、痛んだりする。ガスやげっぷが多く、女性の場合、月経前に多く見られます。このタイプはストレスや緊張、不安が原因で気の流れが悪くなり、自律神経が緊張して腸管の蠕動(ぜんどう)がスムーズでなくなり、排便がうまくできない状態です。西洋薬の下剤では多くの場合、腹痛などの副作用が強く現れます。

☆虚秘(きょひ)
排便困難で、いきんだりおなかを押さえたりして非常な努力が必要で、便は出始めに硬いだけで後は軟らかく、便秘していてもあまり不快感を伴わないもの、気の不足が原因で、腸管が弛緩して蠕動運動があまり起こらない状態です。西洋薬、漢方薬とも無効な場合が多く、腹痛や下痢などの副作用で、対処できずに困っている人が多く見られます。

排便の習慣
出るとき任せにせず、朝は早めに起きて、朝食後の決まった時間に排便する習慣をつけましょう。また、食物繊維が良いからと言って、そればかり摂りすぎても返って消化が悪いために、虚秘の方は悪化してしまいます。おへそを中心に塩灸をして暖めたり、のの字を書くようにマッサージして排便を促しましょう。気秘のかたはリラックスすることが重要で、気の病には鍼治療が奏功します。

各種食品添加物や有害物質の混入が問題にされている現代では、サプリメントで栄養素を補うよりも、新陳代謝を高め、余分なものをからだから”出す”ことが一番の健康法ではないでしょうか。
2008-10-04 22:57 | 記事へ | コメント(0) |
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2008年09月04日(木)
頭痛の鍼灸治療
9月に入っても日中はまだまだ蒸し暑い日が続いています。先日ライトアップされた箕面の大滝を見に行きました。滝へと続く道はヒグラシの鳴き声と、川面を渡る涼風に秋の訪れを感じました。

 ☆慢性頭痛☆
頭痛というとすぐに片頭痛と緊張型頭痛の2つに分類することが多いようです。片頭痛は頭の血管が腫れて痛む頭痛といわれています。一方、頭や首の周りの筋肉が凝り精神の緊張から起こる頭痛が緊張型頭痛。締め付けられる重苦しい頭痛です。
西医では薬の処方が違うため、2つに分類する必要があるのですが、あるときはがんがん痛み、あるときは肩が凝ってじわっと痛む、両方が混在する方が実は日本では多いのです。

肩が凝って痛むときはマッサージしてもらうと気持ちいいのに、がんがん痛むときはかえって痛みがひどくなるといった経験をお持ちの方も多いはず。
伝統的中医学では片頭痛は肝火上炎(かんかじょうえん)火が燃え上がるような頭痛といいます。緊張型頭痛は肝鬱気滞(かんうつきたい)気の流れが滞って起こる頭痛です。

 ☆火のタイプの頭痛☆
何かの切っかけで、火が燃え上がってがんがん痛む人がいます。こういう人には火を消すつぼに針をしてとりあえず痛みを取ります。その後で、火がすぐに燃え上がってしまうような身体の状態をじっくり治していきます。原因を治し、片頭痛の治癒を目指します。

 ☆気のタイプの頭痛☆
気の流れが滞って起こる頭痛、肝鬱気滞は肩こりもひどく、鍼灸治療でよく見かけるタイプです。頭痛と肩こりはすぐに治ります。頭痛は無くなり、時々肩はこるが以前よりずいぶん楽な状態まで持っていけます。定期的に来院される患者さんも多いですが、「そういえば最近はがんがん痛んで、寝込むことはなくなった」という声をよく聞きます。気の流れを良くすることで、火が燃え上がってがんがん痛む状態が起き難くなっているのです。気の流れが滞ると熱を持って、火が燃え上がる場合があると伝統的中医学では考えています。

 ☆頭痛のお薬☆
がんがん痛む片頭痛には、頭痛の専門医はトリプタンという薬を使います。血管を縮めるお薬で医師の指導の下で慎重に使う必要があるそうです。痛みを和らげる為の対処療法のお薬で、原因治療の薬ではありません。長期的には交感神経が高まるほうに働くとのこと。
頭痛もちの人はたいていがんばりすぎたり、緊張が解けにくい人が多いです。つまり交感神経が高まりやすい人です。こういう人に長期的には交感神経が高まるほうに働くお薬を出すことにちょっと疑問を感じています。
2008-09-04 22:10 | 記事へ | コメント(0) |
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2008年08月05日(火)
スイカの効能
連日の猛暑に身体もぐったり、やる気も食欲も無くなって、夏バテの方も多いのではないでしょうか?

 夏バテの中医学的な考え方
外の暑さをうまくさばけず、体内の熱バランスが崩れること。発汗過多に伴う気の消耗。夏に多い湿気が体内の水分バランスを崩すことが原因です。

”気”の産生と水分代謝にかかわるのは「脾」なのですが、湿気と冷たさを大変嫌う臓器なのです。外界の湿気と、暑さでついつい飲んでしまう冷たい飲み物が「脾」の働きを弱めてしまい、余分な水分が身体に溜まって、むくみや重だるさが出てきます。消化にもかかわるので、食欲不振、下痢などとともに倦怠感が表れます。

また、のどが渇くので冷たいものをがぶ飲みしがちですが、冷たいものは「脾」の働きを悪くして、身体に余った水分は熱を吸収しやすく、ますますからだに熱がこもっていきます。暑いのでまた冷たいものを飲むといった悪循環に陥ります。
さらに身体の重だるさは水の停滞が原因ですが、これを栄養不足だと思って、焼肉やスタミナ料理を食べると、さらに「脾」の働きを弱めてしまいます。

 スイカの効能
スイカには身体にこもった熱を冷まし、のどの渇きを癒し、小水をたくさん出す効果があります。夏の食べ物には夏に効果があるようにできています。旬の食べ物は積極的に頂いたほうがいいですね!
汗をかくのはからだの熱を冷ます大切な働きなのですが、汗ばかりかいていると”気”を消耗して疲れてしまいます。そこで小水で水分を調整しようというのです。
夏の鍼灸治療はスイカの薬効の何倍も効果がありますし、暑さに強い身体を作ります。

ただ、冷えすぎたスイカには気をつけてください。冷蔵庫では冷えすぎてしまい、冷たいスイカジュースをがぶ飲みしているのと同じことになってしまいます。
健やかに夏をお過ごし下さい。
2008-08-05 21:29 | 記事へ | コメント(0) |
2008年07月17日(木)
ケアマネージャー研修
4月から始まったケアマネージャー資格更新研修の為、たびたび臨時休診し、患者さんには大変ご迷惑をおかけしましたことをお詫び申し上げます。

おかげさまで無遅刻、無欠席で無事に終了することができました。
本業の鍼灸業の傍ら、介護認定業務に携わっているのですが、ケアプランを作成したことが無いので、実務未経験者講習会に参加しました。
会場には私と同じように本業(医療系、福祉系)を行ないながら、ケアマネージャーの資格更新に訪れた方ばかりで、忙しい時間を割いての参加だけに、皆熱心な方ばかりです。

研修では講義のほかに、事例を検討し、皆で面接、ケアプランの作成、経過のモニタリングを実習で行なうのですが、同じ課題であっても、それぞれ本業の視点から、違った意見、ニュアンスの違いが見られ、”個”を大切にする東洋医学を生業とする私にとって、大変興味深いものとなりました。
また、日常が個人ワークで共同で作業を行なうことが無い私には、グループワークがとっても新鮮で、楽しいことと感じました。それには1班の「個性豊かな皆さんのおかげ?」と思います。

最年長で、参加するだけでも大変だろうと思うSさんも、資料の提出を引き受けてくださり、打ち上げにも参加してくださり、ありがとうごございました。

薬剤師のKさんも、時に司会進行をしてくださりありがとうございました。

保健指導センター勤務のOさん、いつも貴重な意見をありがとうございます。意見をまとめる際は、実はひそかに、一番頼りにしていたのですよ。

ソーシャルワーカーのMさんはいつも元気で、にぎやかで、班を盛り上げてくれましたね。

もう一人の方、ごめんなさい、お名前が分かりません。

元気な管理栄養士のUさんは、いつも話題を提供してくださり、ありがとうございます。ギャルみこしがんばってくださいよ。

そして、市役所勤務のOさん、しっかり者で、しゃべるだけでまとまりの無い私の書記を、いつも引き受けてくださり、休憩時間を削ってがんばってくださいました。それに最期まで女房役を引き受けてくださり、本当にありがとうございました。

研修が無事終了できたのも、皆さんのおかげです。この場を借りて、お礼を申し上げます。
皆さんとはどこかでまたお会いできれば幸いです。それでは”多謝”そして”再見”
2008-07-17 21:41 | 記事へ | コメント(0) |
2008年07月09日(水)
夜鳴き疳の虫
蒸し暑くなってきましたね。大人にとてもうっとうしい季節ですが、小さなお子さんなら尚のこと、不機嫌でむずかったり、夜鳴きでイライラしているお子さんも多いようです。

 夜鳴き疳の虫
生後6ヶ月を過ぎると、俗に言う「小児疳虫」「疳の虫」といわれる神経症状が見られるようになります。これは成長期のひずみによるもので、大人で言えば自律神経失調症ですが、小児の場合は病気ではなく生理現象です。
グズグズ言って寝付きが悪く、やっと寝たと思ったら、小さな物音で泣き出したり、急に大きな声で泣き出したりします。不機嫌でそわそわ落ち着きが無く、乳吐きや嘔吐もみられます。

 特徴としては
眉間や目の周りに青筋が立ったり、白目が青いです。他には髪の毛が立っていたり、目つきがこわばっている、目を開けて寝ているなどが疳の虫の特有の顔貌です。

 小児針の薦め!
関西地方では古くから小児針が行なわれてきました。針と言っても大人のような刺す針ではなく、金属のへらや棒状の道具で皮膚をこすったり、ローラーや先の丸い針でさすったりするものです。子供の場合、まだ経絡が完成されておらず、体表を刺激するだけで、神経症状が和らいでいきます。また、免疫力が高まり風邪を引きにくくなります。

核家族化が進み、ご主人は仕事が忙しく残業続きで、一人で子育てをがんばっているお母さんが多いですね。ストレスが溜まりイライラしたり、泣き止まない子にどうしていいか分からず、不安になる方も多いはず。子供は言葉は分からなくても、そんなお母さんの状態を感じ取っています。子ども自身もイライラしたり、不安になっています。そんなときは一人で悩まず、近くの鍼灸院を訪ねてみてください。きっといいアドバイスをしてもらえますし、子供もすぐに泣き止みますよ。
2008-07-09 22:08 | 記事へ | コメント(0) |
2008年05月29日(木)
変形性膝関節症U
前回に引き続き変形性膝関節症のお話です。

 中医学では
中医学の教科書を見ていると”痺証”(ひしょう)に分類されているのですが、私は違った見解を持っています。日本の中高年の女性を診ていると、筋肉のアンバランスがあります。姿勢や歩き方による、荷重線のかかり方の問題があると思います。
関節の病気なのですが、経筋病(けいきんびょう)として捉えたほうが説明しやすいです。経筋病では冷えることにより筋肉が引きつり、熱邪ではダラッと弛緩します。現代の中年女性の変形性膝関節症は、陽虚、虚寒によって足の内側の筋肉が引きつっている状態ではないかと考えます。鍼灸(灸頭針を多用)で筋肉を弛緩させ、さらに運動で伸ばさないと筋肉は伸びないです。

 ストレッチの重要性!
経筋の考え方では、足の内側の筋肉は足首から膝を通って腰までつながっています。まず開脚してもらいます。あぐらを書いた状態で開脚しても、膝や足首はまっすぐになっていません。足首を立て、膝を上に向けて、開脚して前屈してください。さらに歩行も大腿部を内旋して股を閉め、膝蓋骨が上を向いた状態で、膝の間に紙を挟む感じで歩いてください。さらに大内転筋の強化のため、子供の軟らかめのゴムマリを膝に挟んで、股を閉める運動もおすすめです。
腰が歪んでいたら、、左右の足や踵の長さが違います。腰から足までつながっている腸腰筋や仙腸関節から大転子に向かう梨状筋などの左右のアンバランスを鍼で整えます。そして家に帰ってまた歪まないように、運動療法をしてもらいます。仰向けに寝て膝を立て、左右に倒し、ニュートラルに戻します。あるいはフラフープ運動です。
正座ができない方も、怖がらないで、お風呂の中で浮力を利用しながら、徐々に練習してください。

このように痛みを取るだけの治療では、変形はどんどん進んでいきます。歩き方を工夫して、全体のバランスを保つことが重要ではないでしょうか!
2008-05-29 22:25 | 記事へ | コメント(0) |
2008年05月13日(火)
変形性膝関節症
さわやかな季節になりました。今年から40歳以上を対象にメタボ検診が始まり、健康のためにウォーキングを始めた方も多いのではないでしょうか?ただ闇雲に歩くだけではかえって膝を痛めてしまいます。

 変形性膝関節症
日本では中高年の女性に多く見られ、ほとんどが内側に痛みを感じ、内反変形(O脚)しています。変形性膝関節症の患者さんは、必ず片足が先に痛くなります。両方が同時に痛くなることは無いです。もし老化が原因なら、両方が同時に来るはずです。一方が痛くなるともう一方でかばい、もう一方も痛くなり、最終的にはドッチボールが入るくらいになります。

 どうしてO脚変形するの?
変形性膝関節症の患者さんはO脚になるような歩き方をしています。竹でも曲がるように、曲がるように力を入れていると曲がります。患者さんを診ていると下肢の筋肉のアンバランスがあります。内側と外側の筋肉のアンバランスです。膝蓋骨は外を向き、股は開きますが、お上品にしようとして足首を閉めます。そうすると荷重線が外にかかります。そうすると足首にすごく負担がかかります。さらに左右の体重の荷重のひずみがあります。利き足で立っていると、腰や股関節の周りの筋肉に左右のアンバランスが見られます。

 西洋医学では
まずレントゲンをとり、軟骨が消耗している様子を確認します。水が溜まっていると注射器でとり、または消炎鎮痛剤を入れ、湿布と痛み止めという治療です。リハビリとして。温熱療法、大腿四頭筋の筋力強化。立位で著明な内反変形しているものには、手術で脛骨骨切り術を行い矯正したり、人工関節に置き換えたりします。

次回に中医学的病態の捉え方、治療法、リハビリの仕方、歩き方について詳しく解説したいと思います。
2008-05-13 21:41 | 記事へ | コメント(0) |
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