この記事を書くために下調べをしようと思って、書棚の本を探してみたのですが、たしかにどこかで見たはずなのに出てこないのです。載っていそうな本を20冊以上見たのですけど、意外なことに出てこないのです。印刷物のほうがネット上の記事よりは信用できると思っているので、まずは印刷物でと思っているのですが、どこで見たのか忘れてしまったので、見当たらないのです。
どうにかこうにか言葉は見つけたのですが、そこには探していた情報が含まれていませんでした。でも一応は取り上げておきます。
「自転車を大衆化するのにもっとも熱心だったのは、やはりメーカーの資本主義の論理だった。なかでも、ダンロップに負けないタイヤを開発したと自認するミシュランは一八九一年に始まったパリ−ブレスト間のロードレースの有力選手にタイヤを貸与し、「優勝」の一語を最大の宣伝材料にした。」(「パリ・世紀末パノラマ館」(鹿島茂 中公文庫 2000年)p.48)
この本には、このあと、パリ−ブレスト間のレースを組織したのが「ベロ」という日刊スポーツ紙の創刊者で、ライバル紙の「オート−ベロ」の創刊者が「ベロ」紙を打ち負かすために「トゥール・ド・フランス」を考えだしたということが書かれています。「オート−ベロ」は一九〇〇年に生まれたそうです。
何を書こうとしていたかお気づきですね。そう、paris-brest(パリブレスト)のことです。手元の電子辞書に入っているクラウン仏和辞典では、「リング状に焼いたシュー生地を水平に切り,中にクリームをつめ,スライスアーモンドをふりかけたもの」と説明されています。辞書の定義ですけど、(1)シュー生地をリング状に焼いて、(2)(1)を水平に切って、(3)(2)にクリームを詰め、(4)スライスアーモンドをふりかけた、というのがパリブレストの条件ということのようです。
これを初めて食べたのは、20年以上30年未満前のことですが、そのとき、切ってもらう大きさを指定するのに環状線にたとえて、大阪から野田までというような言い方をした記憶があります。これまた不確かな記憶なのですけど、リング状の形は自転車の車輪を象っているということだったので、環状線のたとえは適切ではないのかもしれません。まあ、あのときはサービスしてくれる人が、環状線のようなものだと言ったので、答え方もそうなったんですけど。
わたしにとってのパリブレストは、レストランのデザートで食べる意外には、ツマが作ってくれるもの(特大です)、あとは、20年以上前に大丸梅田店にナガサキヤが出店していた高級デザートの店(Le Pietonだったかな?)でお持ち帰り用に1個500円で売っていたもの、くらいしか記憶がありません。洋菓子店でも売っているのでしょうけど、どこで売っていたか記憶がなかったんですよね。
ところが、先日のこと、仕事で遅くなったので、お土産にケーキでも買って帰ろうと思ってJR大阪駅構内のチーズファクトリを覗いてみると、パリブレストの文字が目に入りました。チーズファクトリの菓子は高い目なので、もうちょっと安いのを買おうと思っていたのに、パリブレストの文字に誘惑されて、ついつい注文してしまいました。
栗が載っていて、中にはチーズ入りのクリームとともにマロンペーストが使われています。栗の周りの花びらのようなものは、チーズが焼けたもののようです。マロンペーストを使った菓子は甘すぎることが多いのですが、チーズ入りクリームの酸味と渾然一体になると、甘ったるいということはなく、コーヒーにぴったりのデザートになりました。でも、このサイズにしては高いなあ!材料にいいチーズを使っているのかな?
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