淀川ちっちゃいもの倶楽部(11) クサフジ

春から初夏に遷り変わる頃、河原や山の草原や堤防に群生して紫色の花を咲かせるエンドウの葉に似た上の画像のようなつる草に出会うことがあります。クサフジというマメ科の仲間です。花はカラスノエンドウより遅く咲き、青みが強く小さめでフジのように多数の花をつけています。ただしフジと違って下から上に咲きあがります。沢山花を咲かせているとなかなかに華やかな印象の野草です。
ところで上の二つの画像、よく似ていますが実はそれぞれ違う植物なのがお分かりでしょうか?上は淀川河川敷に多いナヨクサフジと呼ばれる外来種、下の画像はおんたけの高原で撮影した古くから自生するクサフジです。
ナヨクサフジは、イタリアあたりが原産の一年草で、レンゲソウのようにすき込んで肥料にするために持ち込まれたものが野生化して、今では日本中いたるところで見られるようになりました。単に野生化というより、人為的に野に放たれたものも多いようです。
ナヨとは「弱」と書き、クサフジに似ているが弱弱しいからということです。外見からはよくわかりませんが、クサフジに比べて萎れやすい傾向はあります。ただし繁殖力は旺盛で、発芽から僅かの間に数mもつるを伸ばして蔓延ります。
対してクサフジは日本原産の多年草で、日本各地の原野や土手に自生しています。種子の他に地下茎でも盛んに繁殖するので、しばしば大きな藪を形成しますが、ナヨクサフジと比べると成長が遅く、開花株となるまで発芽から一年以上を要します。
こちらは人為的に増やされたナヨクサフジとは逆に、自生地が次々と破壊され、他種との競合に巻き込まれて都会では滅多に見られなくなってしまいました。それどころか最近では郊外や山地でも住処を追われ、かわりにナヨクサフジが伸してきました。
現在では日本のクサフジより、ナヨクサフジを知る人のほうが多くなってしまったのではないでしょうか?


ナヨクサフジとクサフジは外見上はとてもよく似ていて、両種を知らない人にとっては、見分けが困難です。見分けるには、花を良く見てちょっとした違いを見つけなければなりません。
まず上の画像はナヨクサフジの花ですが、花の上の部分にご注目ください。ガクから筒状に伸びた先が途中から上に折れ曲がっていますね。その折れ目から先までをA、折れ目からガクまでのことをBとします。AとBの長さを比べると、明らかにBが長いのがナヨクサフジの花の特徴です。下の画像はクサフジですが、AとBの長さがほぼ同じです(線の引き方が悪いですがm(__)m)。ただしナヨクサフジでも花穂の上部ではAとBが同長となっていることがありますので、必ず下部の花でチェックする必要があります。
もう1つのポイントは、ガクのおしりの部分になります。ナヨクサフジではと花柄の付け根の後ろ側にガクのおしりが出っ張っています。クサフジではガクの一番後ろで花柄と繋がっています。
まとめると
A<B +ガクがでっちり→ナヨクサフジ
A≒B +ガクがでっちりでない→クサフジとなります。
もしもクサフジの仲間らしいのを見つけたら、観察されてみてください。
クサフジには他にも数種類あるのですが、A<Bというのはナヨクサフジだけの特徴で、国産はどれもA=Bとなるようです。
実は外来種にもう一種、ビロードクサフジというのがあり、最近急速に勢力を拡大しています。淀川でも頻繁にみられますが、こちらは名の通り葉に短毛が密生して白っぽく見えるので容易に見分けられます。
いつの間にか、身近な野草が別の外来種と入れ替わってしまう。気付かぬうちに昔からの仲間を追い出してしまう。なにか無性にさびしくなります。
関連記事
くさふじ
|
2005-07-12 00:49
|
記事へ |
コメント(20) |
トラックバック(0) |
|
淀川ちっちゃいもの倶楽部 |
トラックバックURL:http://blog.zaq.ne.jp/goma/trackback/254/
明日ちゃんとお勉強しにきま〜す。
日本の方が淡い可憐な感じがしました。
おやすみなさいんはV!(笑)
野原へ行って探してみたいけど、季節的に難しいでしょうか。
それにしても細かい分析、また勉強になりました。
はい、その通りです。
日本のほうが淡いです。
ちょっと記号入れて見ましたが、
分かりやすいですか?
ナヨクサフジは色もちょっと濃いめでA<Bのせいか?花が長く感じますね。水彩画にピッタリのお花ですね。
今日気づいたのですが、ごまのはぐささんは、NHKのアニメ「おじゃる丸」って知っているのでしょうか?
ちっちゃいもの倶楽部ってそこから名付けたのですか?
A≒B +ガクがでっちりでない→クサフジ
なるほ〜ろ!! (*^^*) (^0_0^)
コレットの目には、まだどちらもお初でごじゃりますよぉな?
カラスノエンドウとかスズメノエンドウとかは見たことありますけれど
・・・ふじ咲きは・・・無いです。
それにしても・・・雨・あめ・あめで・・・・
向日葵畑にも・・・今年はごえんがなかったようです。
かっかっかと照った日差しの中での向日葵さん〜♪
カメラに収めたかったのです゜。(*^▽^*)ゞ
・・・我が家にも向日葵さんがいたのですけれど・・・
いつの間にか・・生えて来なくなりましたo( _ _ )o
読んでいて思ったんですが、外来種ってどれも強い繁殖力ですよね。まあ、強いものだけが残っているんでしょうけれど、本当に乗っ取られてしまう勢いですね。
どちらも初めてですが、出会う機会があったらAとBで確認!インプットしました!
後はフィールドでしっかり頭に叩き込まないと…
ありがとうございました。
今朝は時間がなく、お答えが遅くなってしまいましたm(__)m。
ナヨクサフジ・ビロードクサフジは恐らくもう枯死していますが、
クサフジは現在開花中です。
とても美しい花ですよ。
ひなびたのは私の画像が粗いせいでしてm(__)m。
繊細さが日本的かもしれませんが、
実物は洋花のように鮮やかなんです。
おじゃる丸?はてなんでしょうか?
びんちゃん神様なんて存じませんでございますですよ。
本当に雨ばっかりですねー。
向日葵さんもこんなじゃいじけちゃいますね。
でもまだまだ夏はこれからですよ!!
暑さもこれからですが・・・。
そういえば、我が家のお向かいさんの向日葵も
今年はみませんねぇ。
どうしたのかな?
こんばんは。
外来種は、人間が強いのを持ってきてわざと放してしまうのも多いのです。
悪いのは人間ですが、なんとかしないといけないように思います。
もし見つけたら教えてくださいね。
お役に立てましたでしょうか?
マメ科の花って、用語が難しくて分かり難いですよね。
本当はAは舷部、Bは爪部、花弁の上の部分を旗弁というんですが、ややこしくて何がなにやら・・・。
今日の記事の画像も参考にされてくださいね。
わかりやすい図解説明をありがとうございます。
今は、まだ寝ぼけていないので、しっかりと覚えました。(笑)
今は!覚えてるんですけど、すぐ忘れちゃう特性が私にあるので〜。
問題は、その後、覚えていられるか?なのです。
今日もお花屋さんで見たの名前をすっかり忘れちゃってました。
今は、覚えています。(笑)
忘れたら駄目ですよ、テストにでますよ(笑)。
まー、私も忘れっぽいんで、実はこのブログ、
個人的備忘録もかねてます。
よく自分で書いたことも忘れちゃいます(^^ゞ。
「麻呂ちゃん」実はちっちゃいもの倶楽部のメンバーですか?
そう言った意味で「ひなびた」と使わせて頂きました。
説明不足で申し訳ありません。
そして、図解入りの写真恐れ入りました!分りやすいですね〜!実に楽しくテストに臨めそうです。
でも、まさか?ツッキーや小鬼トリオまでは知らないですおね?
こちらこそ文脈を読めずに申し訳ありませんm(__)m。
思わず自分が気にしていることが吹き出てしまいました。
このブログの画像は、ページを軽くするためにもの凄く解像度を下げているんです。
だからぼやけた画像で申し訳ないなあと。。。
テストではちゃんと「旗弁の爪部が舷部より長い」と書かないといけませんよ(笑)。
じつは私の正体は「川上さん」ということはここだけの秘密です。
クサフジはこれからの花です。
てんぷらにしたらまた味の感想を教えてください(^^)。