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2011年07月16日(土)
毎日新聞 7月15日 夕刊で紹介されています
憂楽帳:ショパンとの対話


 ショパンが愛したプレイエルというフランスのピアノ(1846年製)を初めて聴いた。ピアニストの仲道郁代さんが大阪で開いたコンサートは、同じショパンの曲を現代のスタンウェイとプレイエルで弾き比べるユニークなものだった。初めて聴くプレイエルは繊細で、心に染み入るようだった。

 そのプレイエルが堺市のピアノ修復師、山本宣夫さんの“作品”と聞いて驚いた。山本さんはウィーンで修復を学んだ希少な専門家だ。欧州に眠る古いピアノを修復し、「当時の音を再現するのが楽しい」という。現代のピアノは大ホールで響くよう「進化」したが、ショパンの時代は小さなサロンで奏でるものだった。「今のピアノは工業製品だが、当時は手工芸的な芸術作品だった」と語る。

 このため「ショパンが書いた楽譜を忠実に再現するには、今のピアノではできない。今日の楽譜は現代のピアノに合わせて書き換えられている」と聞き、さらに驚いた。現代のピアニストが19世紀のショパンと誠実に向き合うには山本さんの存在が大きい。時空を超えるプロがいることを心強く感じた。【川口雅浩】



毎日新聞 2011年7月15日 大阪夕刊
2011-07-16 | 記事へ |
| プレイエルピアノ |
2010年05月12日(水)
神戸新聞にも登場14日いずみホール菊池洋子演奏のショパン愛用メーカープレイエル
2010年5月1日夕刊で紹介されました


今年出番の多いプレイエル

弾かれる機会が増え

ますますその美しい響きに磨きがかかり
音が冴えてきました

お聴き逃しのありませんよう〜に!!
2010-05-12 | 記事へ |
| プレイエルピアノ |
2007年06月12日(火)
プレイエル(1846年製)ダンパー(止音装置)がとてもユニーク 
フォルテピアノ・ヤマモトコレクション所蔵プレイエルピアノ1846年パリ製 に新発見がありました。
<修復は遺跡発掘のようなものである>山本宣夫
 ショパンが演奏していたのと同型のプレイエルピアノをコレクションに加えることが、十数年来の私の果せぬ夢でした。 
それほどまで入手するのに長い年月が掛かったのには理由がありました。すべてがオリジナルの状態、たとえ壊れていても未修復であることが、条件でしたから・・・。
が、ついに、今から9年ほど前、知り合いのイギリスのコレクターが、ロンドン郊外の邸宅の片隅に放置されていたものを見つけ、連絡してくれました。送られてきた何枚もの写真に写されているピアノは、真っ白に埃をかぶった状態でしたが、写真からでも未修復の良い状態であることが分かり、製造番号から、それは1846年に作られたプレイエルピアノであると判明しました。
これは、直感的に入手すべきピアノと判断し、即購入を決意し、イギリスに連絡しました。それから、数ヵ月後、そのピアノは、厳重に梱包され私の工房に運ばれてきました。
そして、さっそく修復を始めてみたのですが、最後にどうしても解せない部分が出てきました。それは、いわゆるダンパーと呼ばれる止音機構です。中央のc´(一点ハ)の下h音から、低音部の総てのダンパーがなんとも不自然でした。オリジナルのダンパーフェルトに新しいフェルトが貼り付けられていたのです。当初は、摩滅して薄くなったフェルトに、高さをそろえようと新しいフェルトを足してあるのかと思いました。が、どうもそうではないようで、考えた挙句、まずは、やはりオリジナルの状態に戻そうと、後から付けられたフェルトを全部取り除くことにしました。それらのフェルトを取り除いてみると、低音側ダンパーは、高音側のダンパーに比べて5ミリほど低くなり段差ができてしまったのです(写真1)。この段差のある状態で演奏をしているうちに、ある大きなことに気がつきました。それは、一種のソステヌート効果を得る為のシステムではないかと思ったのです。すなわち、まず、ダンパーペダルを軽く踏むと、左半分の低音部分のみが持ち上がり、弦から離れます。しかしこの時、右半分の高音部分のダンパーは、弦に接触したままで、動きません(写真2)。このようにペダルを軽く踏んだ状態にすると、低音部分は、ダンパーから解放されますが、旋律部分のダンパーは動かず、ペダルを踏まない状態のままなので、はっきりとした輪郭を残すことが可能なのです。そして、さらにそれ以上に深くペダルを踏み込むことによって、高音部分のダンパーも持ち上げられます。 このように二段階の操作で、総てのダンパーを弦から離すことができるのです(写真3)。
この時、自分のコレクションにある1816年製のブロードウッドピアノのペダル機構が私の頭をよぎったのです。このプレイエルのペダルに良く似た機構がブロードウッドにもあるのです。私のコレクションのブロードウッドのペダルでは、ダンパーペダルが二分割されていて(写真4
)、右側が高音部、左側が低音部のダンパー機構を、それぞれ操作する仕組みになっています。それにより、低音部では、ペダル効果を利かせた広がりのある柔らかい音を出すことが出来、それでいて旋律部分は、輪郭がハッキリした音を出せます。プレイエル独自のアイデアと思われたこのダンパーシステムは、すでに初期のブロードウッドでは、踏み込むペダルを分割させることで、解決していたのです。
プレイエルは、このブロードウッドのダンパーシステムを踏襲し、そのシステムをひとつのダンパーペダルで操作できるように改良し、独自のダンパー機構として確立したのです。
では、なぜプレイエルは、二段階の操作ができるダンパーペダルを採用したのでしょうか?
プレイエルがピアノ事業に参入した1807年当時、ピアノは、5オクターブから6オクターブへと音域の拡大が求められ、そのためには、ピアノの構造を強化しなければならなかったのです。プレイエルは、フランスで初めて、金属製のヒッチピンプレート、テンションバー(鉄骨)を採用したメーカーです。
それらを採用した結果、音域の拡大が可能となりましたが、それに伴い音質の変化も生じました。鉄骨が採用されていない時代のピアノとは、響きかたが大きく変化したのです。それまでのピアノ、すなわちモーツァルト、ベートーヴェン時代のピアノでは、高音と低音の音量のバランスが取れていて、長いダンパー奏法でも低音の響きは、中高音のメロディーラインを邪魔することなく、豊かに響きました
プレイエルによって鉄骨で強化されたピアノの音は、それまでの響きからすると、音量的には革新的な飛躍とも取れますが、一方では、このような音量の増大が音楽にとってマイナスとなることもあるとプレイエルは、考えたのでしょう。
この頃のピアノでは、長いペダル指示を楽譜通りに演奏すると、音や響きが過度に混ざり合い、不明瞭になってしまいます。そこで、それを避けるためにペダルを踏みかえると、メロディーの流れや中断され、緊張感が失われ、音楽が、壊れてしまうことになります。
音量の増大に伴うこのマイナスを解決しようと、この偉大なペダル機構の発案になったのではないでしょうか。現在のピアノでショパンを演奏する場合、どうしてもショパンのペダル指示を変更して演奏せざるをえなくなるのが現実でしょう。低音は響かせても、メロディーラインはくっきりする。プレイエルは、彼独自のアイデア、すなわちダンパーペダルの効果を二段階にすることによってこのことを実現させたのです。
このペダル機構があって初めて、ショパンの意図した演奏が可能になるのでしょう。
2007-06-12 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
| Fortepiano YAMAMOTO Collection / プレイエルピアノ |
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