立方晶型の鉱物−3−ダイアモンド構造
|
今回はダイアモンド構造について話を広げます。ダイアモンド構造の代表はダイアモンドそのものですが、思いの他、この構造を採る鉱物が多いのです。面心立方構造を8分割して、その4隅に同じ元素を入れると、図のようにダイアモンド構造が示せます。
図の赤線を追うと面心立方体であることが分ります。同じ元素の入った所は黒線の様に正四面体が4個出来上がります。このような元素の配列をダイアモンド構造というのです。ダイアモンド構造の一つの特徴として、正四面体の面に沿って、割れ易い事です。
方解石の劈開と同様、代表的な劈開です。あの硬いダイアモンドでも、この劈開面に沿って割り加工して、ブリリアンカットを作り上げる基礎を作ります。この劈開面の事を結晶学では(1,1,1)面と表現します。直角なx、y、z軸に1目盛づつ進んだ時に出きる三角形の方向を示しているからです。
さて、周期律表のW価の所を眺めます。炭素(C)、シリカ(Si)、ゲルマニューム(Ge)、錫(Sn)、鉛(Pb)鉛を除いて全てダイアモンド構造を採ります。炭素はダイアモンド以外にもグラファイト、フラーレンなど別の構造を採ることもあります。金属錫も別構造ですが、灰錫はダイアモンド構造で、錫コレラとして恐れられる構造体なのです。
炭素の場合、元素を球として考えると炭素と炭素の距離から求めた半径は短く、元素と元素は互いに電子を共有して、上図右のように減り込んでいると考えた方が良さそうです。
ダイアモンドの構造は先にしめした図下のように減り込んだ球による連なりで出来ています。減り込みのない球のところが劈開面と言う事になりますし、ダイアモンドの硬さの原因も推定が付くようにも思われます。クラークが結晶の圧縮率を測定しているのですが、ダイアモンド0.18に対して、珪素1.01、ゲルマニュウム1.29、錫1.91と桁違いに圧縮できない事でも炭素元素が減り込んでいる事が推定できるのです。ダイアモンドは透明で、熱の良導体ですが、電気は通し難いのに対して、珪素、ゲルマニュウムは黒色、半導体と言う違いも この減り込み度にも影響しているのかも知れません。
クレーストーン博士の館には 残念ながら天然のダイアモンドは硬度を知るコーナーのガラス切りの先に着いているもの以外在りません。少々貧乏過ぎるのかも知れません。1mm程度の合成ダイアモンドは 大阪大学名誉教授 金丸文一先生から頂いたものがあります。やや緑っぽいのですが、合成時に触媒として鉄を僅か加える為です。虫眼鏡を使う程度で、ダイアモンドの(1,1,1)面まで観測できます。
雪の結晶から想像するに、氷の結晶は六方晶型なのですが、準安定相としてダイアモンド構造の氷があります。氷Tcと言います。又、高圧下で作られた水に浮かない氷Z、氷[も立方晶系を採りますが、これもダイアモンド構造の氷が基本になっているようです。
もう一つ、群青やソーダライト構造の塊が ダイアモンド構造に並ぶとFaujasiteと言うゼオライトになります。日本ではまだ見付かっていないかも知れませんが、この型のゼオライトは合成され、触媒として石油化学の分野で活躍しています。
ブログランキング参加中! ↓クリックお願い致します。

|
2008年7月1日 17時48分
|
記事へ |
コメント(0) |
トラックバック(0) |
|
博士の鉱物雑談 |
トラックバックURL:http://blog.zaq.ne.jp/claystone/trackback/29/
※ブログ管理者が承認するまで表示されません