今年の冬は寒さが激しく、大阪でも雪が降りました。
そんな季節に良く聞かれるのが「チンパンジーって寒いのにサル団子をつくらないのですか?」という質問です。ニホンザルなどが、よく集まっているので、サル全般がサル団子を作るかのように思われている方が多いようです。
チンパンジーはニホンザルと違って、温かいアフリカに住んでいるので、通常は団子になって暖をとるということはありません。むしろ他人と体が触れ合っている状況は、チンパンジーにとって緊張を強いられ、あまり気持ちの良いものではないものと思われます。人間だって、いくら寒いからといってご近所さんと団子にはなりませんよね。
僕はむしろ、ニホンザルが団子になっている状況で緊張が生まれないのか、どう緊張を抑制しているのか不思議なのですが。。。
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2011年2月12日 22時42分
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チンパンジー全般 |
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2010年1月1日 11時52分
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観察者 |
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天王寺動物園で一番強いチンパンジーの座をめぐって争うレックスとアップル。一進一退の攻防が長く続いていましたが、長い戦いにもようやく変革期が訪れつつあるようです。
緊張関係にある(仲の悪い)チンパンジー同士は他の仲間よりも頻繁に毛づくろいをします。そうして争いが起こるのを回避しているようなのですが、アップルとレックスもエサの前や部屋に帰る前など相手と緊張が高まる行動の前には必ずと言って良いほど毛づくろいをしています。
その毛づくろの頻度が5月を過ぎて急激に低下してきました。なぜか???行動を見ていると、どうやらアップルはレックスに毛づくろいを誘うものの、レックスはアップルが近づいてくると場所を移るなどして拒否しているようなのです。
そんな日々が一ヶ月ほど続き、観察をしていると衝撃的とも言える行動に出会いました。エサやりも終わりチンパンジーが部屋に帰る前、アップルがレックスをグルーミングに誘いに行きました。普段なら緊張緩和目的のグルーミングが起こる場面ですが、なんとレックスはアップルに背中を向けて歩き出し、ミツコに近づき自分からグルーミングを始めたのです。
ミツコはレックスを誘ってもいないし、ミツコに接近したのもレックスです。アップルからの申し出は断っておいて、ミツコには優しく接する。なんとも失礼な行動ですが、レックスは「お前(アップル)なんかよりミツコの方が大事だ」というメッセージをアップルに伝えたかったように見受けられました。
そんな行動が見られはじめた前後からレックスはミツコを今まで以上に大切にするようになりました。アップルからミツコが攻撃されたらかならず守りにいきますし、ミツコとの毛づくろいの頻度も上がっています。それと同時に朝などミツコが挨拶に来ないと攻撃を加えるなどのアメとムチ的な行動も見られます。
自分に味方するなら守ってやる。けれどもアップルに少しでも味方しようものなら攻撃する。アメとムチを駆使してレックスはアップルにいつどのようにしてとどめを刺すのか思案しているようにも見えます。3年前から始まったアップルとレックスの政権抗争。ようやくと言った感じではありますが、大きく動き始めました。
目が離せないと言うと、まもなくアップルは子育てを終え発情が再開されます。そうすると争っている二頭の関係も変化するかもしれません。チンパンジーの雌は見ていた感想では自分の性をオスのコントロールに使っているようです。こちらも注目しています。
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2009年6月7日 18時42分
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覇権争い アップルVSレックス /
ミツコ |
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3月に王子動物園からオスのオランウータン「ミミ」が天王寺動物園にやって来ました。それ以降メスの「サツキ」との子づくりのための同居が試みられています。同居というのも、オランウータンは野生では単独で生活していると考えられているため動物園でも通常は一頭で飼育されています。ですので、一緒にするのは子づくりをする時だけなのです。
オランウータンやチンパンジーの生理周期は人間と一緒で約一ヶ月なので、一ヶ月に数日コドモが出来る可能性が高い日に同居をさせることになります。ミミとサツキも順調に交尾も見られるなどすすんでいるようです。
しかし、飼育担当者はすこし頭を悩ませているようで、ミミはメスのサツキが目の前にいるのに隣の部屋に若いメスのモモコがいるとサツキを無視してモモコに夢中になってしまうのだそうです。
モモコは22歳、サツキは38歳。ミミにも思う所があったのかもしれません。しかしミミも38歳といい歳をしたおっさんなのですが・・・。ちなみにオランウータンの寿命は50~60年ぐらいと言われているようなので歳の感覚は人間とあまり変わらないと考えて良いと思います。
ちなみにチンパンジーはと言うと天王寺のオスのレックス14歳はどちらかというと若いメス(21歳)のミツコよりも年上のアップル27歳の方が好みのようです。ちなみにチンパンジーの寿命は40~50年ぐらいです。
人間でも複雑な問題なだけにチンパンジーとオランウータンの問題も気になってしまいます。チンパンジーやオランウータンにも好みのタイプとかがいるのでしょうか。もしインタビュー出来たら「私は性格のきついサツキよりも穏やかなモモコの方が・・・(ミミ)」なんて談話が取れたりして。もしかするとホルモンのバランスとか科学的な根拠があるのかもしれません。しかし、人間も含めて真相は今のところ闇の中です。
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2009年5月24日 14時19分
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オランウータン |
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バイキングなどに行って大好物を見つけたとき、たくさん食べたい自分と、たくさんとると後ろの人に悪いかもと気にする自分。二通りの自分に葛藤するときがあります。バイキングは大皿に盛られた料理を結果的に見ず知らずの他人と分配することになるため、どうしても意識してしまいます。どうやら人間は未来の事柄に対してとても気を使う動物のようです。
天王寺動物園のチンパンジーを見ていると彼らも私たち人間と同じような感覚を持っているようです。チンパンジーにとって運動場いっぱいにまかれたエサを我先にと拾い集めるエサの時間はバイキングそのもの。我先にと言っても自分より強い個体とかち合うとエサは諦めなければいけませんし、オスは力が強いからと言ってメスの前のエサを全て独占してしまうとメス達から嫌われてしまいます。人間も一緒で社長を社員が押しのけて食べ物は取れませんし、女性の前で男は良い格好をしたいものです。
エサやり一つとってもいろいろな要素が絡んでいるのですが、そんな中でも一番厄介なのは順位の優劣が付いていない個体同士がエサを取り合う場合です。どちらも一つでも多くのエサが欲しいけれど、喧嘩をしてしまっては元も子もない。そのような場合チンパンジーは未来を予知する能力を最大限に活用して対処します。
天王寺動物園ではメスのアップルとオスのレックスが最優位の座を争っていますが、この両者、餌やりの一時間前ぐらいになると頻繁にグルーミングを始めます。オランダで行われた研究によると順位争いをしているチンパンジーはグルーミングをすることで緊張を緩和しているとされています。天王寺のアップルとレックスも緊張緩和を目的としてグルーミングを行っているようなのです。他の個体もエサの前になるとグルーミングの比率が高まる傾向があるように思います。
グルーミングが行われた時(というかグルーミングが見られないときはないのですが)は非常に平和的にえさやりが終了します。未来を予想して争いの元となる緊張を緩和する。暴力的な面が強調される事も多いし実際に暴力的なチンパンジーですが、平和的な面も持っているようです。
そのことに驚くと同時に、人間を見ていても、バイキングや特売の列に並んでいるとき、なんともいえない緊張感が流れることがあります。そんな時、誰からとも無く会話が始まったりすると緊張が緩むときがあります。人間とチンパンジー意外と似ているのかも知れません。
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2009年5月8日 23時43分
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チンパンジー全般 |
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観察をしていると「何をしてるの」と尋ねられることがあります。 現在、興味を持っているのは「アップルとレックスの最優位争い」です。アップルは28歳の雌のチンパン、レックスは14歳の雄チンパンです。この二頭、14歳の年の差を乗り越え6年前に今のちびっ子チンパンのレモンを授かりました。
通常チンパンジーはオスが強いもの。しかし天王寺のレックスとアップルの年の差は14歳。子供を授かった当時のレックスは9歳だったこともあり天王寺はかかあ天下が続き、レックスはアップルに攻撃されエサすらも取れない状況でした。
ところが成長して筋肉隆々になったレックスはアップルに挑戦するまでに。最近は一進一退の攻防が続いています。チンパンジーの順位争いはどこでもあることですが、天王寺動物園で面白いのはオスとメスが最優位の座を巡って争っているということです。
雄に攻撃性があるのは良く知られた話ですが、最近の研究で雌にも攻撃性があることが分かってきました。メスの攻撃性はオスによって抑えられているらしいのです。逆もまたしかりでオス同士の喧嘩をメスがやめさせる行動も見られています。どうやらオスとメスには自分とは違う性別の攻撃性を抑制する機能があるようです。
天王寺に目を向けてみると互いの攻撃性を抑制する機能を持ったオスとメスが争っています。互いの牙を抜くことが出来る相手に戦っているのですから、当事者にとってはとっても厄介な問題だと思われます。
このようなケースでは通常オスが力でメスを圧倒するそうですが、天王寺のメス(アップル)はなかなか賢く自らが持つ性的魅力と子ども(レモン)を最大限利用してオスのレックスに対抗しています。
女性の魅力にオスがかなわないのはどこでも一緒ですが、アップルは自分の子どもさえもレックスとの戦いに活用しているかのようです。アップルはレックスの近くにいる時はレモンと遊びますが、レックスが居ないところではレモンと遊びません。チベットモンキーなどでは子どもを連れていると攻撃されない傾向が確認されています。観察している印象ではチンパンジーでも仲の悪い個体同士の間に子どもが入って遊ぶことで緊張緩和の役割を果たしているということは言えそうです。しかもアップルはレックスといるときにレモンと自分だけが遊ぶことでレックスを仲間はずれにすることが有りチンパンジー社会も色々ドロドロしてるんだなと感じます。
でもドロドロした中でもチンパンジーたちはそれなりにうまくやっています。チンパンジーの子どもはどろどろを和らげもするし、加速させもする。そのようなチンパンジーたちの動きや子どもの役割に興味を持って観察を行っています。
※チンパンジーの観察方法に関して非公開コメントで質問をいただきましたが、連絡先が無くお答えできません。まだ疑問があるようでしたらコメントを非公開にして連絡先と名前、質問内容をお知らせください。
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2009年4月26日 18時40分
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観察者 |
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チンパンジーは道具を器用に使うことで知られています。天王寺動物園でも木の棒を使って細い穴の中に入っているハチミツをなめたり、堅い木の実をハンマーで割ったりといった行動がご覧になれます。
これらの道具使用、生まれてすぐに備わっている能力ではなく、学習によって身につける事が出来る能力です。例えば、ハチミツなめなら1歳半ぐらい、ナッツ割りなら4歳ぐらいに出来るようになると言われています。
レモンはジュースなめをマスターしたものの、木の実割りについては手こずっていましたが、最近めでたく出来るようになりました。
初めて成功したレモンを見ていると、お母さんに割れた木の実を見せにいくでもなく、嬉しそうな表情をするでもなく、淡々と木の実を食べていてなんとも味気がありません。アップルにおいてはレモンを褒めにいくどころかレモンの持っていた木の実を横取りしてしまいました。
実は、人間なら子どもが何か出来るようになると喜びを他者と共有しようとするものですが、チンパンジーにはそのような行動が観察されないのです。このことは、チンパンジーの研究者の中では結構重要視されているようですが、まだ何故なのかは分かっていないません。天王寺でもアップルーレモンにインタビューすることも出来ないし真実は闇の中といった所でしょうか?
それは良いとして、木の実割りは13時から13時30分ぐらいの間に行われるのエサの時間に来て頂くと見て頂けます。皆さんも是非、レモンの勇姿を見て喜んであげてください。なんて言ったって喜びの共有は人間が一番得意なのですから。
なお作業の都合でエサやりの時間が異なったり中止されたりすることがあるようです。またエサの中に木の実が入っていないこともあります。
動画も撮影しているので、方法が分かれば載せたいと思います。
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2009年4月8日 17時16分
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レモン /
アップル /
母子関係 |
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天王寺動物園で生まれたチンパンジーの子ども「レモン」。すっかり大きくなって態度も生意気になって来ました。もちろん5歳ですから普通なら生意気だと大人にお仕置きされるのですが、天王寺ではそうはいきません。なんといってもレモンの母親は群れの女ボスであるアップル。レモンにお仕置きしようものなら「うちの子に何するの」とアップルから何をされるか分かりません。
アップルもさすがに群れの順位の高いチンパンジーには節度を持って振る舞いますが、順位が低いものたちにはやりたい放題。レモンもイタズラをする際に母親のアップルとイタズラをする相手の関係を理解しているようで、アップルより順位が上のチンパンジーには絶対にイタズラをしません。
レモンのイタズラを咎めたオトナを追いかけるアップルは、人間界のモンスターペアレントそのもの。子離れが出来ないのは人間だけではないようです。それに嫌気がさしてミツコなどは運動場に出たがらず登校拒否をおこしかけています。
本来チンパンジーの群れではオスを中心にまとまっていて、このようなことは起きにくいのですが、ここら辺、群れをまとめるオスが不在だった天王寺動物園の群れの弱いところです。また群れの中でアップルが信頼を寄せる事が出来るチンパンジーがいないというアップルの不安も攻撃的な行動に出る一つの要因になっているのではないかと思われます。
しかし、このごろ若かったオスのレックスが成長してアップルと肩を並べるまでになり、アップルが弱いものイジメをしていたりすると時々ですが仲裁に入ったりと頼もしい行動を見せるようになりました。それとともに群れも少しずつ安定していくのではないかと期待しています。とはいえ頭の良いアップルはレックスに毛づくろいをしたり色仕掛けをしたりしてレックスを買収しようとしているのですが・・・さてさてこの先どうなることやら。
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2009年2月23日 11時43分
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オランウータン |
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天王寺動物園で一二を争う人気動物といえばホッキョクグマのゴーゴ。最初来た時はかわいらしい姿で観客を魅了していましたが、最近はかわいさに加えて豪快な遊びを見せてくれたりと立派なオスへと成長しています。そんなゴーゴが、このたび北海道の美人ホッキョクグマにプロポーズすることになったのだとか。
「オレの男らしいところをアピールしなければ」とゴーゴが言っているかどうかは分かりませんが、ゴーゴファンの方がゴーゴの婚活を支援するべく署名活動を始められたようです。詳細とゴーゴの勇姿はこちらのサイトで。
署名は1月20日までで園長が直接北海道まで持っていかれるそうです。
さてさてゴーゴの恋の行くへは?早ければ一月終わりには結果が分かるそうです。
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2009年1月6日 20時18分
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動物園 |
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2008年が終わり、2009年がやってきました。
2008年は天王寺のチンパンジーの政権争いが活発になり、群れの中でのオスの役割・メスの役割とは何か実際に行動を見ながら考え続けました。また、動物園の可能性についても議論が広がり、自分は動物園にどのような形で利益を還元する事が出来るのか考えた年でもありました。一年を振り返ると多くの課題を見つけた年ということが出来そうです。
2009年は得た課題を一つ一つ解決していく実行の年にしたいと考えています。幸いにしてチンパンジーの政権争いではおぼろげながら全体像が掴めてきています。産学官で進めているプロジェクトが上手く進めば春頃には動物園にも利益が還元出来る見通しが立ちました。飼育担当者とも連携が進みチンパンジー以外でもエンリッチメントに向けて調査が始まっています。
昨年の漢字は「変」でしたが。個人的には今年こそ「変」革の年にしたいと意気込んでいます。世の中の枠組みが大きく変わって来ている今だからこそ変革のチャンスが来ているのではないでしょうか。おごらず焦らず立ち止まらず、自らのやるべきことを着実に進めていけば変化は自ずと起こると信じています。本年もよろしくお願いいたします。
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2009年1月1日 11時28分
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チンパンジー全般 /
観察者 |
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天王寺動物園ではチンパンジーのアップル(28歳メス)とレックス(16歳オス)の二頭が順位争いを続けています。この二頭の年齢を人間に例えると(チンパンジーの寿命は40〜50年)アップルが中年のおばさん、レックスは若い大人ぐらいです。通常、チンパンジーはオスが強いのですが、レックスが若かったため天王寺動物園では長らくアップルが最優位の座に君臨して来ました。しかし、レックスの成長に伴い争いが生じるようになって来ました。争いの過程は以前から紹介していましたが,変化がありましたのでお知らせします。
夏の暑い間までアップルとレックスは近づくたびに毛づくろいをしていました。毛づくろいにいくのはほとんどアップル。チンパンジーのオスは暴れて力を見せつけることが知られています。メスのアップルは力ではオスのレックスにかないません。アップルはレックスが暴れそうになると、さっとレックスに近づき毛づくろいに誘います。暴れて力を見せつけるオスも、メスに毛づくろいに誘われると、それを無視して暴れるのはなかなか難しいようです。
加えて毛づくろいに誘ったのは長い間群れで最優位にある女ボスのアップル。力をつけて来たとはいえ、アップルが下手に出て来た所を無視するのはまだ精神的には幼いレックスには難しいようで・・・。結局、レックスはアップルに手玉に取られるというパターンが見られていました。
チンパンジーのオスとメスの順位の逆転はオスが筋肉もりもりになった時点で、メスにちょっかいを出すようになり比較的早くに実現すると言われています。しかし、天王寺の場合は最初にレックスがアップルに挑戦してから二年以上。順位の逆転が非常に長期化しています。これはアップルのグルーミングの政治戦略によるものではないかと考えられます。
しかし、秋を過ぎて肌寒くなって来た頃から、レックスが毛づくろいに誘いに来たアップルを無視するようになりました。アップルがレックスに近づいてもレックスは寝たまま微動だにしません。それでもアップルはレックスに一方的に毛づくろいをすることは出来るのですが、寝てる相手に一方的に毛づくろいをするのは最優位であるアップルのプライドが許しません。そんなこんなで、秋口にたくさん見られていた毛づくろいは今ではほとんど見られなくなってしまいました。
レックスはおそらくアップルを試しているのでしょう。レックスに暴れたくなかったらアップルは毛づくろいをするしかない。でもレックスはそのアップルを相手にしない。自分の方が上だと思っているアップルは意地を張って毛づくろいをしないのか、レックスにへりくだったカタチでけづくろいするのか選択を迫られます。アップルとすると毛づくろいをしないとレックスに暴れられる危険が増すし、毛づくろいをレックスに有利なかたちですると、それはレックスが上だと認めたことになってしまう。非常に難しい判断を迫られています。
けれど、アップルにも切り札がないわけではないのです。チンパンジーの雌は一ヶ月に一回生理がやって来ます。生理前になるとメスのおしり(性皮)はぷくぷくに膨らみます。チンパンジーのオスはメスのおしりの膨らみに夢中になり求愛したり文字通りおしりを追っかけたり。レックスも例外ではなくアップルのおしりを追っかけています。アップルもレックスに毛づくろいにいく時はわざとおしりをレックスに見せながら近づいていきます。そうなると、今までのつれない態度はどこにいったのやら、鼻の下を伸ばしてレックスの方からアップルをけづくろいします。でも、ここでの毛づくろいはおしり(性皮)周辺に限られるのですが・・・。
レックスとアップルのやりとりを見ていると本当にオトコとオンナって良く出来ているんだなと思います。さてさて、この先どうなることやら。この続きは是非天王寺動物園で。レックスとアップルには火木土日曜日に屋外運動場で会うことが出来ます。
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2008年12月30日 17時46分
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覇権争い アップルVSレックス /
アップル /
レックス |
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5歳になった子供チンパンジーのレモンはとっても好奇心旺盛。お婆ちゃんのプテリの背後から忍び寄って背中を叩いて逃げたり、ミナミお姉さんの食べ物を盗んだり、イタズラに余念がありません。
しかし、以前までは大目に見てもらえていたイタズラも5歳になった現在は厳しくしかられるように・・・。さすがのイタズラ娘も大人たちに本気で怒られるのは恐ろしいようで、このごろ大人のチンパンジーに対するイタズラが減って来ました。
最近落ち着いて来たなと思っていたのですが、それもつかの間、天王寺のイタズラ娘は新しいイタズラを発見してしまいました。
そのイタズラの対象とはずばり人間。動物園に来園するお客さんです。
チンパンジー舍にギャラリーが増えてくるとレモンは活動を開始。お客さんに一番近い枝まで移動しお客を観察。お客さんは「キャーかわいい」と大満足です。この時、お客さんは目の前のかわいいチンパンジーがウンコを投げてくるなど夢にも思うはずがありません。しかし、お客さんが移動を始めレモンを意識しなくなると、レモンは手に持っているウンコをお客さんに向けて投げつけます。ウンコは奇麗な放物線を描いてお客さんの方向に・・・。そのコントロールの良いことと言ったら・・・。
実はこのウンコ投げ、レモンの母親アップルの得意技です。母親の横で5年間ウンコ投げを見続けて来たレモンは母親の高度なウンコ投げ技術を継承した模様です。アップルのウンコ投げは素晴らしく、人間が意識していない時に、さりげなく、コントロール抜群のウンコが飛んでくるのです。レモンも技術は未熟なものの人間が意識していない時にさりげなくコントロールの良いウンコを投げてくる辺りは母親譲りです。
ウンコ投げを見つけると厳しく注意する方もいますが、木の上のレモンはどこ吹く風。悔しかったらここまで入ってこいとでも言いたげです。お客さんにとっては頭の痛い問題ですが、チンパンジーにイタズラしたら怒られるから人間にしてやろうと言うレモンの判断を見ると人間に似ているなと変に感心してしまいます。真似が出来ないと言われるチンパンジーですが、レモンを見ていると真似する能力もまんざらではないのかもしれないなと思ってしまいました。
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2008年11月8日 16時17分
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レモン |
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天王寺のチンパンジー舎では、メスのアップルとオスのレックスが群れの最優位を争っています。通常チンパンジーはメスよりもオスが強いのですが、オスのレックスが子供だたこともあり、オスのレックスの若いうちは年上のアップルが群れの最優位でした。ところが、成長とともにレックスがアップルの地位を脅かすようになり、一昨年から群れの中で政権争いが勃発しています。
これまでは筋肉隆々のレックスが力で群れを押さえつけようとしていたのに対して、アップルは仲間をだきこんだりと政治力でレックスに対抗していました。力ではレックス、政治力ではアップルという状態が長く続いたチンパンジー舍ですが、レックスが政治力でもアップルに対して優位の立つようになった模様です。
その瞬間はあっけなく、群れの仲間であるミツコの行動によって引き起こされました。これまで、争いを続けるレックスとアップルには距離を置いて来たミツコがアップルの前でレックスに近づきグルーミングを始めたのです。群れの中でアップルとレックス以外のオトナはミツコだけ。ミツコがレックスと仲良くするということは、レックスが数的な優位に立つことになり、長らく対立して来たアップルとレックスの決着を意味します。怯えながらも堂々とレックスに丁寧な毛づくろいを行なうミツコの姿には、長年ひどい仕打ちをうけてきたアップルとの決別の意思が見て取れるようでした。
その後しばらくして、アップルはレックスに劣位の音声を発するようになり、レックスが歩いてくると進路を譲るなど行動面でもレックスを尊重する素振りを見せるように。
順位が最下位の雌の行動が群れの最優位の座に大きな影響を与えると言う事件は動物園という特殊な環境で起こったことではあるものの大きな衝撃でした。
アップルは最優位をレックスに譲りレックスをたててはいるものの、エサを貰う場所などの既得権益は確保したい模様。レックスを上手いことおだてておいしい所を持っていっています。なんかこの関係って人間のオトコとオンナに似てるよなと最近思います。サルと人間とオトコとオンナ。チンパンジーから学ぶことはまだまだ沢山あるなと感じている毎日です。
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2008年10月20日 07時49分
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覇権争い アップルVSレックス /
アップル /
レックス |
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一昨年ほど前から、KYという言葉を良く耳にします。「空気読めない」の略語だそうですが、私はこの言葉をあまり好きになれません。
KYという言葉からは空気を読んで他の人と同じように行動しなければならないという圧力を感じることがあります。果たして、空気を読んで他の人と同じ行動をすることがそこまで大切なことなのでしょうか。一度考え直してみる必要があるように思います。
動物園で来園した人々の行動を見ていると、人々の行動にKYの影響を感じることが多々あります。特に気になるのが、動物の前から動かない子どもに対する大人たちの言動。子どもが動物に夢中になってその場から動かなくなったとき、親や教師が「みんなちゃんと動いてるのに○○君は何してるの」といった感じで大勢と違うことをしている人間を非難し、大勢と同じ行動をするように促すことがあります。
残念なのは、子どもがせっかく動物に興味を持っているのに親や教師が大勢と違う行動をしているからという理由で、子どもの好奇心を潰している点です。このことは動物園だけではなく色々なことに言えることで、大勢とは違うことをしている人に対して日本人は非常に冷たい傾向にあります。また、その傾向を表しているのが大勢の人が同じ行動をしているのに一人だけ違う行動をしている人をさすKYという言葉の流行であると私は考えています。
KYという言葉が流行する一方で、「個性」という言葉の一人歩きも始まっています。「個性を大切に」色々な場所で耳にする言葉ですが、個性とは何なのか今ひとつ見えて来ません。ただ一つ言えるのは、人と違うことをする人を非難する「KY」と人と違う自分だけのものを大切にする「個性」という二つの流行語は相容れない関係にあるということではないでしょうか。
しかし、教育現場では遠足の例で述べたように、大勢と違う行動をする人を非難する「KY」的な思想がある反面、教室には「個性を大切に」などと張り紙がしてあり、相容れないはずの二つの言葉が共存しています。
私はこの場で教育批判をするつもりはありませんが、子どもたちを動物園に連れてこられる大人の方々にお願いがあります。それは、動物園に来て動物の前で子どもが動かなくなっても、子どもたちに好きなように動物を見せてあげてください。そして、動物を見ることから生まれた子どもたちの疑問を一緒に考えてあげてください。たとえそれが、大勢の人と違う空気の読めない行動であったとしても、それが、その子の個性なのではないでしょうか。
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2008年9月21日 18時15分
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観察者 |
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「いただきま〜す」という声が聞こえて来そうなこの写真。福岡県の北九州市にある到津の森公園(いとうずのもりこうえん)で撮影したものです。
写真に写っているのはモモという2歳半を過ぎたの子どものチンパンジー。2歳半というと動物園ではお母さんから離れはじめ自分で餌を拾い始めるころです。お母さんの順位が低いモモは怖いおばさんやおじさんに怒られたりしてなかなか餌を獲得出来ません。写真は怖いマリオ父さんとイチゴおばさんの目を盗んでリンゴを手に入れた時のもの。見ているだけでモモの幸せな気持ちが伝わって来ますね。
ちなみにモモのお母さんは日本で一組しかいない双子のチンパンジー。ほんとにそっくりなんです。九州の動物園はあまり注目されませんが、秋の動物園めぐりに到津の森公園などいかがですか?
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2008年8月25日 07時25分
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到津の森公園 |
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カタカナで書いてしまうとわけが分からなくなってしまいますが、天王寺動物園で国際カエル年を記念した企画が24日日曜日に行なわれるようです。
日時:8月24日(日)14時〜15時
集合場所:天王寺動物園 爬虫類生態館アイファー入り口付近
競技会場:アイファー内カエル展示場前
紙(ペーパー)で作ったカエル(フロッグ)をゴムを使ってジャンプさせて、そのジャンプした距離を競う大会で、優勝者には景品が出るとかでないとか?
遊びだけではなく現在カエルたちにふりかかっている問題などを担当者が分かりやすく解説してくれると思いますので、夏休みの思い出作りに課題研究の材料にいかがですか?
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2008年8月22日 20時10分
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動物園 /
観察者 /
公開講座 |
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チンパンジー舍では13時30分頃にカットしたフルーツなどを与えるおやつの時間があります。チンパンジーたちはおやつの時間の30分前ぐらいから互いに牽制をはじめ、少しでもエサが取りやすい場所を求めてポジション争いがはじまります。ポジション争いといっても誰もが良い場所をめぐって争えるわけではなく、チンパンジーには順位があり順位の高い者しか良い場所にいることを許されません。
良い場所の常連はレックスやリッキーと言った雄たちとアップル母ちゃん。そして、その娘レモンです。このレモン。まさに親の七光りといった感じで順位が高い母親の横で一番良い場所でエサを食べていました。
しかし、最近のエサの時間ではお母さんのアップルがレモンが近くでエサを食べることを許さなくなりました。それならばとレモンがレックスの横で食べようとするとレックスがレモンの頭をバシンと一撃。どうやら、お子ちゃまでかつ強いメスの子供なので猶予されていたレモンへの群れの教育が始まった模様です。
第一子ということもあり、なかなか子離れができなかったアップル母さんもレモンが他の大人に怒られても無視するようになり、当のレモンもお仕置きを大人しく受け入れています。生意気だったおてんば娘も大人への階段を一段ずつ登っています。
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2008年6月17日 06時32分
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レモン /
母子関係 |
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ヒトに近いって言われるチンパンジー。確かに行動もヒトに近くて面白い。でも誰が誰だか分からない。そんな声を耳にします。そこで以前作った個体識別表をもとに天王寺動物園の担当者の方と一緒に新しい個体識別表を作りました。質問に答えていくだけで個体識別が出来るようになっています。興味のある方は同じ物がチンパンジー舍にも貼ってありますので是非チャレンジしてみてください。上の画像ファイルを印刷していただくこともできます。今後、この識別表を使ってチンパンジーの観察会など出来たらいいなと考えています。
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2008年5月30日 00時33分
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チンパンジー全般 /
動物園 |
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男と女は永遠に分かり合えない。そういわれるほど男と女の感覚には性差があると考えられています。では人間に一番近いチンパンジーではどうなのでしょうか。このことを調べるために天王寺動物園のチンパンジーたちに実験に協力してもらいました。
実験に協力してくれたのは天王寺動物園に暮らすチンパンジーのアップル♀とレックス♂です。このお二人、昨年からリーダーの座を争っており、関係は非常に険悪です。しかし、関係は険悪なものの良く毛づくろいをします。毛づくろいは友好的な場面で見られるとおもわれがちですが、じつは敵対的なもの同士が緊張を緩和するのにも用いられているのです。
では二人はどんな時に毛づくろいをするのでしょうか。時間ごとに調べてみるとエサの時間の前と部屋に帰る前に頻繁に毛づくろいをしていることが分かりました。エサの時間にはごちそうのサトウキビがまかれます。一本でも多く取りたいレックスとアップルは火花を散らし、当然緊張も高まるわけで、その緊張を事前に毛づくろいをすることで緩和しているようです。部屋に帰る前に高まるのも同様の理由で、お腹がすいている中で早く部屋に入って食事をしたいのでどちらが先に入るか緊張が高まるまえにその緩和に動いているものと思われます。
では緊張の要因が無くなると両者の行動は変化するのでしょうか。部屋に帰ることを無くすことは出来ないので、少し意地悪ですが、サトウキビのエサを中止してみました。
するとエサの時間の前の毛づくろいは全く見られなくなってしまいました。緊張の要因が無くなったので当然と言えば当然です。では、もし争っているのがオス同士だったらどうなるのでしょうか?エサに絡めた記録は良く分からないのですが、敵対関係にあるオス同士はエサを与えない状況でも定期的な毛づくろいが見られることが知られています。すなわちオス同士ではエサが無くても緊張を感じるんですね。
このことから、オスはエサ以外の社会的な要因にも緩和しなければならないほどの緊張を感じるけど、メスはエサのとき以外ではそのような緊張を感じないと考えられます。人間でも男と女の感情は異なっていますが、チンパンジーにも同じように感情の性差があるのかもしれません。プライドなどの社会的な関係にこだわるオスとプライドはあんまり関係なくて実際の利益にこだわるメス。なんか人間と似ているなと思ったのは僕だけでしょうか?
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2008年4月28日 14時17分
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覇権争い アップルVSレックス /
チンパンジー全般 |
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メスに囲まれるリッキー
チンパンジーの中にも他者との付き合いが苦手なものがいます。仲間が仲良くグルーミングしていても、なんとなく中に入れなかったり、中に入っても今ひとつ馴染めなかったり、天王寺動物園で暮らすリッキーはそんなチンパンジーです。
リッキーを見ていると、仲良くなろうと勇気をふりしぼって仲間に近づいても、変に遠慮したり、最後の一歩が踏み出せなかったりで、なかなか付き合いはうまく行きません。
しかし、3月になって,リッキーが積極的に他の仲間たちと関わるようになって来ました。以前はチンパンジーの輪の中に入っても一人でいることが多く、仲間が移動してもついて行こうとはしなかったリッキーがこのごろ少しずつ仲間と行動をともにするようになっています。それとともにオスとしての自覚も芽生えて来たらしく、メス同士で争いが起こると毛を逆立てて仲裁に出向くようになりました。
そんなリッキー認めはじめたのか、メスたちもリッキーに少しずつ近づきはじめ、挨拶をしたりお世辞を使いはじめています。まだまだ、チンパンジーとの付き合いには難があるリッキーですが、立派な男になるべく一歩ずつ歩みはじめたようです。
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2008年3月19日 22時12分
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リッキー /
チンパンジー全般 /
観察者 |
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チンパンジーの個体識別表を作ってみました。とりあえず、今回は火曜日・木曜日・土曜日に出ているリッキー群の個体識別表です。こんなの分からない、ココが分かりにくい、などご意見がありましたらコメント欄にお願いします。
ダウンロードして印刷することも出来ますので個体識別表片手にチンパンジーをご覧になってみてはいかがでしょうか?いままでチンパンジーとしか見えていなかったものが、個体識別が出来ると各個体ごとの性格が見えて来ます。
少し内気なリッキー君・最近メタボなアップル母さん・やんちゃなレモンちゃん・マイペースなプテリばあちゃん・偉そうに振る舞うけど実は気が小さいミナミちゃん、などチンパンジーは個性豊かな生き物です。個体識別をして各チンパンジーの性格まで観察出来ると楽しいと思いますので、一度使ってみてください。なお展示パターンは動物園の都合により変わることがあります。この識別表は個人が作成したもので、天王寺動物園とは関係ありません。
識別表の製作には「動物園でお散歩」の管理人さんなどいろいろな方にお世話になりました。本当にありがとうございました。
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2008年1月8日 20時28分
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チンパンジー全般 |
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天王寺動物園では2頭のチンパンジーがリーダーの座を争っています。争ってるのはレモンの母親のアップルと父親のレックス。以前は母親のアップルが独裁体制を築いて若いレックスを圧倒していたのですが、レックスも大人になりアップルに戦いを挑んでいます。
今のところ総合的に見た両者の戦力はほぼ互角。勝負の行くへは一緒に暮らすチンパンジーがどちらに味方するのかにかかっています。一緒に暮らしている大人のチンパンジーはミツコ一人だけ。勝負はミツコ次第です。
以前の記事で、アップルとレックスがミツコを自分の仲間にいれようと大事に扱っていることをお伝えしました。その当時、ミツコとしては大事に扱われていることを「棚からぼたもち」程度にしか考えていなかったようなのですが、最近は積極的にその特権を利用しています。
特権を利用すると言っても、ミツコの立場は表向きは中立です。どちらかに味方してしまうと、片方の特権しか得られませんし、何より味方しなかった方から攻撃されたら大変です。ミツコは今どうしているのかと言うと、アップルとレックス両方にいい顔をしています。そうすることによって、両者から攻撃されること無く特権も維持出来るのです。
では、レックスとアップルが同時に近くに来たらミツコはどうするのでしょうか。アップル・レックス・ミツコが同じ場所に集まった時に面白いことが観察されました。
その時の状況は、レックスとアップルが相互毛繕い(お互いに相手を毛繕いする)をしていて、そこにミツコが近づき3頭が集まりました。アップルとレックスは毛繕いしていますが、両者は毛繕いという駆け引きをしています。その証拠に毛繕いが始まるのが同時なら終わるのも同時、両者ともに相手がしなければ自分も毛繕いしません。そんな感じの毛繕いですから、終わったときにはなんとも気まずい空気が漂っています。
そうなった時にミツコの存在は貴重です。3頭でいるわけですから、ミツコを自分の仲間にすると競争相手に対して数的優位な関係を作ることが出来ます。最初に動いたのはレックスでした。ミツコを毛づくろいに誘い、アップルを孤立させようとしたのです。
その際にミツコが驚くべき行動を行ないました。なんとレックスの毛づくろいを拒否。ここでレックスに毛づくろいを受けるとアップルに敵視されると考えたのでしょうか。さらに驚くべきことに、数時間後、ミツコはアップルから見えないところでレックスと居合わせると自分からレックスにグルーミングを始めました。ミツコの行動は明らかにアップルを意識したものであり、非常に興味深いものです。アップルとに逆のパターンが見られればもっと面白いと思っています。
しかし、そんなことをしていると信用を得られないのはチンパンジー社会でも同じなようで、夕方、レックスが一番に部屋の中に帰ると、アップルと二人っきりになったミツコは久しぶりにアップルに攻撃されてしまいました。攻撃とはいっても威嚇でしたが、その意味合いは「レックスにもいい顔せずに私だけに味方しろ」といったもののように見えました。
さて、この先の勝負の行くへはどうなるのでしょうか。全く予想がつきません。
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2008年1月7日 19時24分
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ミツコ /
観察者 /
エンリッチメント |
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新年あけましておめでとうございます。2007年は色々な方に出会い、お世話になった一年でした。天王寺のチンパンジーたちの関係にも変化があり、若オスのレックスの成長、それに伴うリーダー:アップルの影響力低下、今年はチンパンジーたちの勢力図も大きく変化するかもしれません。その変化をどうにかデータとしてあらわせないものかと試行錯誤する毎日になりそうです。
新年の一枚目の写真は幸せそうに笑っているレモンの写真です。悲しいニュースが多い今日この頃ですが、2008年が皆さんにとって良い年でありますように。どうか本年もよろしくお願いいたします。
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2008年1月1日 11時12分
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観察者 /
チンパンジー全般 |
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今日の昼下がり、リーダ争いまっただ中のレックスとアップルが相互毛繕い(お互いに相手を毛繕いする)をしていました。始まったいきさつは、アップルがレックスに近づきほぼ同時にお互いが毛づくろいを始めました。毛づくろいは6分ほど続き、良く続くなぁと思っていると毛繕い中のアップルとレックスに最近存在感をあらわしているミツコが接近。するとレックスはグルーミング中のアップルを放り出して、ミツコとグルーミングを始めてしまいました。
チンパンジーの毛づくろいは人間で言うと会話や挨拶のようなもの。人間のみならず途中で放り出すことはルール違反です。では、なぜレックスはルール違反をしてまでアップルとの毛づくろいを放り出したのでしょうか。
アップルと言えば数ヶ月前までの圧倒的なリーダーで、最近勢いが落ちたとはいえ、まだまだ振る舞いは女王様のまま。おそらくレックスはそこが気に入らなかったのでしょう。アップルを放り出して目の前でミツコと仲良くすることでアップルに対して意思表示をしたように見えました。おまけにレックスはしたたかで、意思表示と同時にミツコとレモンを自分の陣営に引き込んでアップルの孤立を計りました。
困ったのがひとりぼっちになったアップルです。レックスの輪に入るのは抵抗があるし、もはや力で解決するほどの権力はありません。そこでアップルがとった戦略とは・・・色仕掛けでした。レックスにお尻(性皮)を差し出したのです(オスのチンパンジーはメスのチンパンジーの発情状態を知るためにメスのお尻を覗き込むことがあります)。するとオスの性なのかレックスはミツコとのグルーミングを放り出して喜んでアップルのお尻を覗き込み始めました。2分ほどしてミツコの冷たい視線に気づきアップル孤立作戦が失敗したと知ったレックス。その後はミツコがアップルに毛づくろいを始め逆にレックスが孤立してしまいました。レックスもしたたかに頑張ったけど、まだまだ政治力ではアップルに部があるようです。
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2007年12月5日 18時33分
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覇権争い アップルVSレックス /
アップル /
レックス |
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天王寺動物園のチンパンジーたちに大きな順位の変動が始まっています。1年ほど前まではアップルというメスのチンパンジーの力が絶対で群れを支配していました。しかし、若かったオスのチンパンジーのレックスが成長し力をつける中で、アップルにリーダーを譲れと要求したことでリーダー争いが勃発しました。現在の情勢は、力ではレックス有利、政治力ではアップルに分があるといったところ。総合的にはアップルがやや有利なものの、勢力は拮抗しています。
そんなチンパンジー舎に一人だけ冷めた目で争いを見るチンパンジーがいました。順位が最下位のミツコです。彼女は結局誰がリーダーになっても順位は下のまま。下手な行動を起こさず、誰にも怒られないようにひっそりと生活していました。
しかし、アップルとレックスのリーダー争いが過熱し、勢力が拮抗してくると状況が一変。一人でも多くの賛同者を得たいアップル・レックス両陣営がミツコを自分の仲間にしようと画策し始めたのです。
11月中旬、アップルとレックスに武力抗争が起こりました。結果は力で劣るアップルが敗走。その道すがら、アップルがミツコに泣きっ面で手を差し出して支援を要請しました。要請を受けたミツコはアップルと肩を組みレックスに立ち向かい、それまで有利に事を運んでいたレックスの勢いをそぐことに成功しました。
ここでミツコがアップルの要請を断ってレックスに加勢していたら勝負はレックスの圧勝でした。アップルはミツコの加勢を得られたからこそレックスに決定的な差をつけられずにすんだといえます。つまり勝負の行くへはミツコしだいなのです。
そんな感じでミツコの影響力は増大し、今まで隅の方で目立たずに生活をしていたミツコが、運動場の一等地で寝ているアップルやレックスの横で堂々と寝ている姿が観察され始めています。アップルとレックスの争いの中でミツコが影響力を上げていることが容易に想像できます。
チンパンジーの政治を日本の国会に例えた研究者の方がいました。それに習って天王寺のチンパンジー社会を日本の国会に例えると、アップルが自○党、レックスは民○党、ミツコは公○党といったところでしょうか。自○党・民○党ともに単独過半数はとれないので公○党の発言力が増す。色々とややこしい政局をむかえているのは人間だけでは無さそうです。
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2007年11月30日 11時54分
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覇権争い アップルVSレックス /
ミツコ |
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アップル(奥)に挑戦するレックス(手前)
チンパンジー舍に行くとチンパンジーたちが毛繕いをしていることがあります。「ノミとりをしている」そう言われる方が多いのですが、毛づくろいの意味合いはノミとりだけでじゃないんです。チンパンジーで言うけづくろいとは、親しい仲間との関係を再確認したり、人間で言う挨拶やお世辞のような意味があります。私たちが目上の人に挨拶をしたりお世辞を使ったりするようにチンパンジーたちも目上の人にお世辞や挨拶をします。その方向を見ていると人間と同じように挨拶を行なっている両者の関係が分かります。
天王寺動物園では1年ほど前からアップルとレックスという2頭のチンパンジーが群れのリーダーの座をめぐって争っていました。アップルは以前からの群れのリーダー、レックスは成長してアップルへリーダーの座を譲れと要求しているワカモノです。その争いを2年前にさかのぼって時間とともにグルーミングの方向で見てみると・・・・。
時は2年前の2005年、チンパンジーたちの中で絶対的な権力を持ったアップルには敵なし。弱小レックスはアップルに一方的に毛繕いをするだけで、お返しすらしてもらえませんでした。人間的に言うと平社員が社長に挨拶をして反応すらかえってこなかったイメージとでもいいましょうか、それだけ両者の立場には違いがありました。
ところが、1年前(2006年)ごろからレックスがアップルに政権交代を迫り喧嘩を売る姿が確認され始め、アップルの権力は下降し始めます。同時にアップルがレックスの毛繕いに少しずつ応じる姿が確認され始めました。アップルとしてもレックスの力を無視出来なくなったことが容易に想像されました。
そして今月、ついにアップルが自らレックスに近づきレックスに対して単独で毛繕いを行ないました。アップルは自ら自分がレックスより下であると認めたように僕の目にはうつりました。政権交代を迫ってここまで来るのに一年、レックスは頑張ったなぁと思う反面、これまでリーダーとして群れをまとめて来たアップルがリーダーの座から降りようとしていることに対しての寂しさも感じます。若いレックスよりも知力では勝っており、もう少し頑張れるのではないかという思いもあります。
しかし、レックスの成長も著しくアップルに毛づくろいをさせた後には、近くにいたミツコを抱き寄せて自ら毛づくろい。アップルに対抗するために周りの足場固めに余念がありません。まだまだ子どもだと思っていたレックスが頼もしく見えた瞬間でした。
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2007年10月26日 06時56分
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覇権争い アップルVSレックス |
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オランウータンのサブがこの世を去りました。若干21歳。オランウータンの寿命が60年ともいわれる中で、若すぎる死でした。
主のいなくなった運動場を見上げていると、檻をバシバシ叩いていてうるさかったこと、モモコと手をつなぎながら(写真)も子作りにまではいたらなかったこと、色々なことが思い出され、見上げるたびに寂しい気持ちになってしまいます。
以前から問題になっていた虫歯の悪化などで大好きな果物も食べられず、最後はスイカなどから水分しかとれないという可哀想な状態だったと聞きます。なぜ果物しか与えていないはずの動物園で虫歯になるのでしょうか。
サブさようなら。そして、今までありがとう。今度生まれ変わるときは幸せに生まれてください。
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2007年9月6日 13時56分
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オランウータン /
動物園 /
観察者 |
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ある日の昼下がり、チンパンジーの運動場で殺害事件が起こりました。この事件、目撃情報によりミナミとレモンの犯行であることが断定されています。そして不運にも被害者にあったのは運動場を通りかかったクマゼミです。
運動場にとまっていたクマゼミを捕らえたミナミは、鳴き声が面白いのか、羽が動くのが面白いのか、羽を持って振り回したり指でつついてみたり拷問を開始しました。そこにレモンも途中参加して拷問に加わります。
その様子は見ているだけで残酷で、クマゼミは羽をもぎ取られ、足もとられた状態で運動場に息も絶え絶え放置されてしまいました。一部始終を見ていてチンパンジーって恐ろしいなと思ってしまったほどです。
このことを、飼育担当者に話したら、意外な答えが返って来ました。「あいつら(チンパンジーは)セミが生きてるって認識してないねん。おもちゃとおんなじ感覚や。だから残酷でもなんでもない」。
この話を聞いたとき、はっと思い、自分が人間の感覚でチンパンジーを見ていたんだと反省しました。言われてみると、おもちゃを振り回したって残酷でもなんでもないし、遊びの一種だと考えることができます。
しかし、一方では、チンパンジーは仲間気持ちに共感し、苦痛に同情できる高い知能や豊かな社会性を持つ動物でもあるのです。
人間でも残虐に人を殺します。そして殺人者の中には人のことを生きていると命があると感じていない殺人者もいるようです。私たちやチンパンジーは相手が生きていることをどのようにして認識するのでしょうか。今回の出来事を見てそんなことを考えました。
天王寺のアップルレモン親子 母親は子供を大切にする
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2007年8月9日 10時55分
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ミナミ /
チンパンジー全般 /
レモン |
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多摩動物園で開催されたオランウータンシンポジウムに参加しました。このシンポジウム、オランウータンの生息地の現状を研究者が紹介し、野生復帰施設で活動する方から野生復帰訓練の紹介、獣医からオランウータンの人工授精の報告、飼育担当者からこれからの飼育計画の紹介と非常に内容の濃いシンポジウムでした。
今回のシンポジウムは動物園の役割である『調査研究』『種の保存』『環境教育』といった要素を全て含んだものとなっていて、レクリエーションが先行する動物園が多い中で本当に先進的な試みです。これからの動物園のあるべき姿の一つのカタチを見たような気がします。
参加されていたかたも非常に熱心に話に耳を傾けられていて、動物園にも「学び」といったニーズがちゃんと存在するんだということを感じました。僕が何をすることも出来ないけど、このブログを通して天王寺のチンパンジーのことについて少し理解の手助けになればと思っています。
多摩ではチンパンジーも元気で、オランウータンはインドネシアから来園したキキちゃんが公開されていました。ポピーの将来のお嫁さんでしょうか。新しい仲間を迎えて多摩のオランウータンたちは順調なようです。
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2007年8月5日 18時20分
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オランウータン /
動物園 /
公開講座 |
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レックス(右)の支援を受けてミツコ(中央)はアップル(左)に食って掛かる
晴れ間続きの日曜日、チンパンジーたちは灼熱の太陽の下で夏ばて気味。そんな中でも元気なのは3歳8ヶ月のレモン。遊び盛りです。
元気が有り余っているレモンはお母さんのアップルに遊ぼうと誘っても無視され、ミツコお姉さんとの遊びを開始しました。数分後、レモンの悲鳴が聞こえてきました。それを聞いたアップル母さん、愛娘レモンがミツコにいじめられたと思い込み、見ても無いのに一方的に決めつけてミツコを攻撃。しかし、実際のところは遊びの中でレモンが悲鳴をあげただけで、何も攻撃することはなかったのです。
身に覚えがない攻撃を受けたミツコは悲鳴を上げ、何で私が攻撃されるの?と納得がいかない様子。けれど、一人でアップルに面と向かって文句を言う勇気はありません。
レックス(後方)の支援でミツコ(前方)はアップルへの抗議を再開(写真右)
いつも通り泣き寝入りかなと思っていると、しばらくして一部始終を見ていたレックスが登場。ミツコを応援し始めました。思わぬ後ろ盾を得たミツコは、強気に転じてアップルに食って掛かります。アップルのほうもミツコーレックス連合軍の勢いに押され悲鳴とともに恐れの表情で後ずさりを始めました。一年前なら力でねじ伏せた場面ですが、もはやアップルに往事の勢いはありません。
レックスはその後もミツコをガードし非常に紳士的に振舞い信用を獲得していきます。対照的に孤立したのがアップル。レックスがミツコとレモンを集めて仲良くやっているのを尻目にアップルは端のほうで一人ぼっちです。
私たち人間でもそうですが、仲間に入れないというのは辛いもの。それは社会的な生活を送っているチンパンジーでも同様で、アップルは傍から見ていても寂しそう。
チンパンジー舍には何とも言えない空気が漂っていました。一時間ほどして嫌な雰囲気を断ち切ったのはレックス。アップルにゆっくり近づき毛繕いに誘ったのです。
この両者の毛繕い。通常ならレックス→アップルの毛繕いが多く、途中にアップル⇔レックスの相互毛繕い(互いが同時に毛繕いすること)が見られます。しかし、さっきの出来事で立場が逆転していたのか今回は最初からレックスとアップルの間で相互毛繕いが行われました。
損得勘定でいくとレックスは相互毛繕いなら自分もするけど相手からもしてもらえるので差し引き0。一方でレックス→アップルの毛繕いは、するけど、してもらえない関係なので損だということができます。
レックスは今までは損な毛繕いをする中で、差し引き0の相互毛繕いをアップルにしてもらっていた関係だったのが、今回は最初から損を出さずにアップルと差し引き0の相互毛繕いに成功したことになります。
レックスは今回ミツコを守りながら、アップルを孤立させ、自分の立場を優位に持っていくということをやってのけました。今までは体力的にはアップルに勝っていたものの、知力では敵わなかったレックス。ここに来て急速に知力・政治力をつけつつあります。天王寺のチンパンジーたちにも政権交代が現実味を帯びてきました。
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2007年8月1日 18時51分
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覇権争い アップルVSレックス /
アップル /
ミツコ |
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ルール違反をしたリッキー(左)をプテリ(右)が追いかける
11時半のチンパンジーのおやつの時間、その日のメニューはおいしそうなブドウでした。ブドウが大好きなリッキーは色めき立ち一生懸命ブドウを集めてまわります。大量にブドウを集めたリッキー君、食べるのも早く、あっという間にブドウは無くなってしまいました。まだ食べ足りないリッキーは辺りを物色。ブドウは落ちていないけど、他のチンパンジーの手元にはブドウが残っています。
人間でも一緒ですが、チンパンジーの世界でも横取りはルール違反です。しかし、リッキー君はブドウの誘惑に負けてあえなく横取りに走ってしまいました。最初に被害にあったのは一番順位が下のミナミおばさん。ブドウを取り上げられたミナミは金切り声をあげて抗議しますが、近くにいたアップルやプテリは知らん顔。ミナミは日頃から仲間のチンパンジーと仲良くしていなかったため困っていても無視をされてしまったようです。
調子に乗ったリッキーがつぎに目をつけたのはプテリばあさんのブドウ。しかし、プテリばあさんはみんなの人気者です。プテリが抗議の声を上げると、仲良しのアップルが駆けつけ、プテリと二人でリッキーに猛抗議するという事態になりました。リッキーは力ずくで押さえ込もうとしますが、興奮した女性陣に押され、悲鳴を上げて逃げ出しました。その後をプテリーアップル連合軍が追いかけ、チンパンジー舍は大騒動に。
結果はプテリとアップルの圧勝で、ルール違反をしたリッキーは左手を噛まれ出血すると言う事態になりました。こんなチンパンジー社会を見ていると人間と似ているなぁと思ってしまいます。人間だって日頃から付き合いの悪い人には冷たかったりします。僕も気をつけなければ・・・。
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2007年7月8日 23時39分
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チンパンジー全般 |
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類人猿を対象にした公開講座のご案内です。滋賀県彦根市において、「公開講座:サルと暮らした野生の森私の霊長類野外研究」という一般の方向けの公開講座が行われています。第一線で活躍する霊長類の研究者が自分の研究している類人猿について語る内容になっています。内容は堅苦しいものではなく、研究対象の類人猿の紹介から、自分の好きな類人猿に対する思いや、どのように類人猿に受け入れてもらえたのかなど、森の中での研究生活の話なども交えて分かりやすく紹介していただきます今週の金曜日(6月29日)はテナガザル、次週は(7月6日)ゴリラです。興味のある方は是非お越し下さい。参加無料です。中高生の方、一般の方、動物園などでゴリラなど類人猿に興味をお持ちの方歓迎いたします。詳しくは以下の案内をご覧ください。
■6月29日 井上陽一 (京都府立西舞鶴高等学校教諭)
「野生テナガザルの歌の意味を探る」
■ 7月6日 山極寿一 (京都大学理学研究科教授)
「野生ゴリラとのつきあいから学んだこと」
■日時:6月29日、7月6日
各金曜日午後6時〜7時半(7月6日は午後6時半〜8時)
■会場:大学サテライト・プラザ彦根 (JR彦根駅前、アル・プ ラザ彦根6階)
■参加費:無料
■概要:野生のサルの生態・社会や人類の進化について探求するため、日本や東南アジア、アフリカなど、世界各地で霊長類の野外研究がおこなわれ ています。
本講座では毎回、第一線で活躍する研究者を講師に迎え、森の中での研究生活の様子を交えながら野生のサルの暮らしをわかりやすく紹介していただき ます。
主催:第23回日本霊長類学会大会実行委員会
http://www.shc.usp.ac.jp/psj2007/index.html(大会ホームページ)
協賛:日本霊長類学会 後援:滋賀県立大学
■アクセス:
京都からは新快速(山科・大津・米原方面)乗車で所要時間45分
大阪からは新快速(京都・米原方面)乗車で所要時間1時間15分で彦根に着きます。
彦根駅からは彦根城側の出口(米原方面を向いて左手の出口)から出て 正面にあるアルプラザ平和堂というスーパーの6階が会場です。
※この内容に賛同いただける皆様へお願い
講座内容をご自身のブログで紹介していただけないでしょうか。また、近所にチンパンジーやゴリラの事を学ぼうとしている高校生や一般の方などおられましたらこの講座の事を紹介してください。よろしくお願いいたします。
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2007年6月25日 17時04分
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公開講座 |
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道具を使いマカダミアナッツを割るアップル
天王寺のチンパンジーたちにも貨幣経済の波が押し寄せています。通貨は丸太を止めるボルト。このボルトを飼育担当者のところに持って行くとマカダミアナッツと交換してもらえるのです。ではボルトをどこで手に入れたかと言うと、屋外運動場で丸太をとめるのに使われているボルトを外して通貨として使用しています。
そもそも、アップルが偶然に外れたボルトを持っているのを飼育担当者が発見し、観客に投げると危ないのでマカダミアナッツと交換したことからこの話は始まっています。頭のいいチンパンジーは数回の交換でボルトがマカダミアナッツと交換してもらえることを認識してしまいました。最近ではボルトを外すのに一生懸命です。
飼育担当者としては頭の痛い話ですが、チンパンジーって頭がいいんだなと感心してしまいます。そのうち、サトウキビを持っているけど実はマカダミアナッツが欲しいチンパンジーが、サトウキビとボルトを交換し、飼育担当者とボルトとマカダミアナッツを交換するなんて事が起こったら楽しいですね。現在、天王寺に暮らすチンパンジーたちの為替相場は1ボルト=1マカダミアです。
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2007年6月25日 16時43分
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2007年6月3日 07時55分
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観察者 |
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遊び盛り、やんちゃざかりのレモン。一人では遊び足らず、相手をとっかえひっかえ遊びに誘いますが、大人たちは近頃の暑さにダレダレで相手にしてくれません。仕方なく擬木にぶら下がったロープで一人遊び。すると、しばらくしてゴツンという鈍い音が・・・。振り向くとレモンが頭をかかえています。勢いをつけすぎて頭から擬木に衝突したようなのです。
レモンの頭をおさえて痛がる姿は人間にそっくり。レモンには悪いけど少し笑ってしまいました。でも、さすがはチンパンジー。20秒ほどしたら元気に立ち上がり遊びを再開します。人間とは体のつくりが違うようです。
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2007年5月25日 13時34分
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レモン |
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枝の上で黄昏れるリッキー
最近、リッキーのマイブームは閉園前の放飼場散歩。チンパンジーは通常15時30分を過ぎると建物の中に戻り、食事をとります。ところが、何を思ったかリッキーは一人で運動場を散歩し帰って来ません。飼育担当者は色々趣向をこらして呼び寄せますが、完全に自分の世界に浸ったリッキーは知らん顔。
このリッキー君、プライドが一段と高く、建物の中に帰るときは自分が一番ではないと納得出来ないんだそうです。自分が帰らないのに、他のチンパンジーを先に中に入れたらヘソを曲げるという少々困った性格です。
けれど、意外と意志は弱いらしく、閉園前の放送がかかると自分から部屋に戻ってくるのだそうです。部屋には食事が置いてあって、外は暑いだけなのに、リッキーはなぜ帰って来ないのでしょう?飼育担当者曰く「リッキーのみぞ知る☆」だそうです。
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2007年5月24日 07時32分
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リッキー |
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お母さんのアップル(右)のとなりでくつろぐレモン(左)
昨日の午前中、めずらしくリーダーのアップル母さんが一人でモゾモゾして落ち着きがありません。ミナミが子供のレモンと遊んでいてそのことが気になっているようです。そのためアップルはひとりぼっち。子煩悩なアップル母さん面白くありません。
かといって露骨に愛娘レモンを取り返すのも大人げないし、第一、レモンは楽しそうにミナミと遊んでいるし・・・。イライラはつのるばかり。じっと我慢していましたが・・・ミナミがレモンを遠くへ連れ出し、少し手荒に扱ったところで怒りが爆発。
アップルに追われたミナミはなんで攻撃されるのか理解出来ず、自分の無実を訴えましたが、アップル母さんミナミの背中をガブリ。ミナミの背中にはお椀型の歯形がついてしまいました。
ミナミからするとレモンと楽しく遊んでいただけなのになぜ・・・という納得出来ない気持ちでしょう。しかし、アップルからすると子育てに慣れていない若いミナミに我が子を託すのは不安で仕方が無いことだったようなのです。子育ては危険がいっぱい、我が子を守るにはそれだけの配慮が必要なのでしょう。
だけど、ちょっと神経質になりすぎでは?と第三者の僕なんかは思ってしまいます。けれども子育て方針は母親が決めるもの。過保護にされて将来が少し心配ではありますが、レモンは、お母さんの愛情をたっぷり受けて順調に育っています。
そんな少し生意気になったレモンに会いに来てください。アップル母さんの愛情たっぷりの子育てもお見逃し無く。天王寺動物園で待っています。
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2007年5月20日 17時15分
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母子関係 |
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昨日は暑かったですね。チンパンジーもイライラするのか、おやつの時間に争いが起こりました。やはり原因は人気のサトウキビ。アップルの目の前4mに落ちたサトウキビをミツコが拾い、そのことにアップルが激怒しミツコに飛びかかりました。
ミツコにしては目の前にあったサトウキビを拾っただけだけど、アップルの感覚としては自分の方がミツコより強いのだからミツコはサトウキビを譲るべきだと考えていたようです。このごろのミツコの態度が少し横柄になっていて、そんなイライラが暑さも手伝って爆発したのかもしれません。
アップルに怒られ恐れおののくミツコを怒りが収まらないアップルが追い回していると、群れの中でアップルと主導権争いをしているレックスが登場。まずミツコを助けるふりをしてアップルを攻撃、その後、なぜかミツコにも攻撃、喧嘩を仲裁するふりをして自分の力を見せつけています。
まだまだ若いレックスは知力・政治力ではアップルにかないません。唯一、勝るのが力。その力を喧嘩を仲裁するという大義名分を得て、群れの仲間に見せつけ「オレ様に従わなかったらどうなるのか分かっているのか」と圧力をかけた格好になりました。
北風と太陽の話にもあるように、力だけでは仲間は動かせないのに。この先どうなるのかな???と思っていると30分ほどしてレックスがアップルに対して「さっきはすみませんでした」と丁寧にグルーミングを始めました。殴っておいていまさら何をと思いがちですが、丁寧に扱われて嫌な気持ちになる人はいません。丁寧なグルーミングを受けてアップルもまんざらでは無さそうです。
自分に歯向かうと叩きのめすけど、従えばファーストレディー(αメス)として扱う。レックスもなかなか政治家です。政治の世界にアメとムチは基本。まだまだ子どもだと思っていたレックスも着々と成長しているようです。
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2007年5月10日 15時02分
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覇権争い アップルVSレックス |
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3歳半になり、すっかり大きくなったレモン。以前まで移動するときはアップル母さんの後ろを大人しく移動していたのですが、このごろ、移動するときも「私について来て」とばかりに先頭を歩くようになりました。けれど、しばらく見ていると先頭を歩くレモンの行動が挙動不審に。先頭を進んではアップルの方を振り向いています。
どうやらレモンはアップルが行こうとしている所を予想して、そこへ先回りしているようなのです。アップル母さんはというと、仕方ないわねとレモンの行動に合わせることもあれば、面倒くさくて自分の行きたい所に行くこともあります。
自信満々に先頭を歩くレモンだけど、お母さんのアップルが予想と違う所に行ってしまうと慌てて行き先変更。またまた懲りずに列の先頭を歩き出します。先頭を歩くレモンは、どこか誇らしげで、でも少し不安げで、それを見守るアップルの対応も含めて、なんか人間に似ているなと思ってしまいました。
移動中はアップルにべったりだったレモンが、自分から母親を離れ始めたということは、レモンも一段階成長したということでしょうか。大人の階段を登るレモン、次はどんな行動を見せてくれるのでしょうか。
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2007年5月2日 19時28分
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母子関係 |
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朝の11時半と昼の13時半にチンパンジーのおやつの時間があります。目玉商品はサトウキビ。チンパンジーたちの楽しみの一つです。
以前に、レモンがなりふり構わずサトウキビを集めているとお伝えしました。しかし最近は・・・レモンの天下ではなくなっています。
飼育担当者は出来るだけサトウキビが皆に行き渡るように各個体の近くに落とします。ミナミおばさんの横に落ちたサトウキビをミナミが拾おうとすると、なんと悪ガキレモンがダッシュして横取り!!一瞬、何が起こったか分からなかったミナミですが、レモンが取ったことが分かると、レモンを追いかけサトウキビを返すように要求。それはもう強い要求で、返さんかったら締め上げるぞ!!と言った感じ。
レモンは怖じ気好きアップル母さんに助けを求めますが、一部始終を見ていたアップル母さん、知らん顔してレモンを無視。それどころか、レモンの持っていたサトウキビを取り上げて自分で食べ始めてしまいました(ミナミに返すという考えは無いのね)。
人間だとミナミにサトウキビを返して一件落着なのですが・・・そこらは人間とチンパンジーの違う所なのでしょうか。
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2007年4月23日 20時51分
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母子関係 |
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「撮ってもイイですか?」 有名な動物カメラマンの岩合光昭さんが撮影前に行なう被写体へのお願いの言葉です。動物と対峙した時、自分のモノゴトに対する見方や考え方自然と出てしまう。相手に対する尊敬の気持と同時に自分の自信を伝える「心構え」が「撮ってもイイですか?」という被写体へのお願いにつながるのだそうです。この話を聴いた時、岩合光昭というカメラマンは素晴らしい写真家であると同時に素晴らしい観察者なのだということを改めて感じました。
チンパンジーを見始めてから2年。チンパンジーの何かが見えてくるとその奥に存在する今まで見えなかった何かが見えてくる。分かれば分かるほど分からなくなる。人間に近いチンパンジーを見るという事は、チンパンジーというフィルターを通して自分という存在を問い直すこと。それは見たくない自分を目の当たりにする苦しい作業でもあります。その作業に対して自分なりの確固たる「心構え」を持つ事が出来ているとはまだ言えません。
「撮ってもイイですか?」というお願いは、「あなたたちの事を語る事を許してもらえますか?」という問いでもあるのではないかと僕は思っています。当然の事ながら相手への尊敬なしでは許してもらえないでしょうし、自信のない人間に相手を語る事は出来ないでしょう。今の僕にチンパンジーを語る権利があるのか正直に言って自信がありません。これからチンパンジーたちの生活を見せてもらう中で、相手であるチンパンジーへの尊敬の気持と自分への自信を持てたら良いと思います。
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2007年4月12日 22時33分
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観察者 |
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3歳5ヶ月になったイタズラ盛りの子供チンパンジー、レモン。大人たちもレモンのイタズラも昔なら大目に見ていたものの、最近は目に余るようになって来ました。しかし、レモンは女ボス(αメス)アップルの娘。うかつに手を出せません。
ミナミおばさんは、自分を叩いて逃走するレモンを捕まえ、アップルが見ていない事を確認すると足で踏みつけてお仕置き。アップルと仲の良いプテリばあちゃんにおいては、アップルの目の前でイタズラをしようと近づいて来たレモンを一喝。レモンのイタズラ包囲網は着実にせばまりつつあります。
けれど、こんな事ぐらいで生きがいのイタズラをやめるレモンではありません。またイタズラに励み、怒られ、そこからチンパンジー社会のルールを学んで行くのでしょう。彼女のイタズラは当分止みそうにありません。大人たちのレモンへの(少し手荒な?)教育が続きます。
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2007年3月30日 07時50分
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母子関係 |
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リッキーは仲裁したものの不安になりミナミに抱きつく
リッキーとミナミは幼なじみの友達同士。木曜日、その友達のミナミがアップルにいじめられていました。それを見たリーダーを自認するリッキーは、迷わずミナミの救援に駆けつけます。
リッキーは最近、リーダーとしての自覚が少しはついて来たようで、ミナミのみならず、群れでのもめ事があると率先して解決を計るようになっています。
しかし、まだまだ未熟なところも多く、争いを治めるどころか、火に油を注いでしまう事もしばしば。木曜日も小さな争いを群れをあげての騒動にまで発展させてしまいました。
リッキーが喧嘩を上手く仲裁出来ない原因の一つに、彼が人工保育されたという原因があります。人工保育をされたため、リッキーの思考パターンはチンパンジーではなく人間に近いものがあります。人間の思考パターンを持ったチンパンジーが、チンパンジーの思考パターンで行なわれる争いを仲裁している。このような矛盾した行動が動物園の中では起こっています。
とはいえ、以前はチンパンジーの争いに興味すら持っていなかったリッキーが争いを仲裁しようとしているのは大きな進歩だと言えるでしょう。これからも試行錯誤して、人間でなくチンパンジーに近づいてくれればいいのですが。
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2007年2月17日 06時54分
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リッキー |
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上からレモン・リッキー・ミナミ・アップル
来週の月曜日からチンパンジー舍の大規模改修工事が始まります。それに伴い、2月19日から3月4日(予定)までチンパンジーの屋外での公開が取りやめになります。
最近は少しずつ温かくなりチンパンジーは、固まってさる団子ならぬチンパンジー団子で日光浴したり、縦に並んでサル柱?(写真)をつくってみたり。ぽかぽか陽気の中でのんびり過ごしています。そんなチンパンジーをご覧になりたい方は2月18日までにご来園ください。
改修内容は擬木の修理と、背景の絵の描き直しだそうです。
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2007年2月15日 21時14分
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動物園 |
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鬼の形相でレックス(手前)を追うアップル(奥・背中はレモン)
「アップル母ちゃん」と「レックス父ちゃん」は群れの主導権争いのまっただ中。アップルの天下が続いた天王寺に、成長したレックスが反攻。天王寺のチンパンジーたちに戦国時代が到来しています。
このところレックス優位が続いていましたが、レックスが2週間ほど留守にしていた間に、アップルが体制を立て直し、復帰して来たレックスを攻撃。レックスは足を負傷した模様です。
次の日、レックスはアップルを明らかに意識。いつも大胆に行なうディスプレイも取りやめ、エサの時間もアップルが怖いのかエサを取りに行けません。
先制攻撃の効果は絶大か?と思っているうちに午後になり、レックスの態度は豹変。アップルの目の前で、檻に飛び蹴りをかまし、ロープをゆすり、大胆にディスプレイ。アップルも暴れ回るレックスの前ではもはや見守る事しか出来ません。
そんなこんなで、結局いつもの状態に戻ったわけで・・・現在のアップルとレックス、両者の力は拮抗しているようです。主導権はどちらの手に落ちるのでしょうか?百戦錬磨の政治力でアップルが死守するか?レックスが若さで手に入れるのか?天王寺のチンパンジーたちの動きから目が離せません。
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2007年2月11日 20時00分
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覇権争い アップルVSレックス |
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チンパンジーの屋外運動場の左下の方に、大きな岩の形をした人工蟻塚があります。その中には、オレンジジュースやリンゴジュースが入っており、それをなめる事がチンパンジーたちの朝の楽しみとなっています。
ジュースなめをするのは順番があり、力の強い個体から順番にジュースをなめていきます。人工蟻塚に最初に現れるのは、レモンの母親のアップル母さんです。アップルは強く、彼女がジュースをなめている間は他のチンパンジーは順番待ちです。唯一、横でジュースをなめれるのは娘のレモンぐらいでした。
ところが最近、レモンがアップルがジュースなめをしている時に、時々他の個体と一緒に順番待ちをするようになりました。アップルは別にレモンが横に来ても普通に受け入れているし、排除しようとも考えていないように見受けられます。一緒になめようと思えばなめられるはずなのですが。
どうやら、このことは、母親のアップルに原因があるのではなく、子供のレモンの心の変化が原因のようです。
近頃のレモンは、自分の持っている物(ドンゴロスや枝)を母親のアップルが取ろうとしたら、以前なら大人しく渡していたものの、最近は叫び声をあげて強く抗議するようになりました。
まだよく見ていないので分からないのですが、レモンに自分という存在が芽生えて来て、それがレモンの行動に影響しているのかもしれません。
人間の子供でもありますよね。バスなどに乗っているときに、お母さんの膝の上は嫌で、小さいくせに一人で座席に座ってみたりする年代が。レモンもそんなお年頃に突入したのかもしれません。
天王寺動物園に来たら、お年頃のレモンをお見逃しなく。
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2007年2月8日 19時43分
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母子関係 |
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アップル母ちゃんにも恋の季節がやってきました。チンパンジーの恋愛のバロメーターであるお尻の膨らみも最高潮に。土曜日はリッキーに『私を見て!!」とチンパンジー式に猛アピール。
しかし、人間に育てられたリッキーはアップルのチンパンジー式の誘いに戸惑い気味。どうしたら良いか分かりません。とりあえず、アップルを人間式の抱擁でおもてなし。そうするとアップルは訳が分からず悲鳴を上げ、リッキーはリッキーでなぜ悲鳴を上げられるのか分からず興奮するばかりで事態は進展しません。
チンパンジーに自然に育てられたアップルと人間に育てられたリッキー、両者の溝は思いのほか深いようです。ただ、アップルがリッキーに近づいた事により、リッキーもチンパンジーの輪に入りやすくなったようです。土曜日は、いつも一人でいるリッキーがチンパンジーの輪の中に入っている所が良く観察されました。このまま、人間とだけではなくチンパンジーとも仲良くしてくれればいいのですが・・・。さてさて、アップルとリッキーの恋の行くへは?答えは誰にも分かりません。おそらく当事者にも。
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2007年1月15日 20時20分
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アップル |
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トラ舎前にあるバーバーリ山、他の仲間と離れて彼女はいました。
死期が近いのでしょう。角は折れ、毛色は悪く、うずくまって立ち上がる気力さえ失いつつあるように見えます。隅にいるためか、彼女の存在に気づく人さえいません。多くの客に見守られる事なく、あるバーバリシープが一生を終えようとしています。飼育担当者に話を伺ってから、時々彼女の様子を見に行っています。
「伝えるのは命」ある動物園園長の有名な言葉です。動物園では新しく生まれた命は多くの人に伝えられますが、失われて行く命はどうなのでしょうか。
新しい命が生まれると、人々はその成長過程を話題にし、見守って行きます。しかし新しく生まれる命があれば、失われて行く命もあります。失われて行く命が話題にされ、その過程が観客によって見守られる事は残念な事にほとんどありません。
私の観察している子供チンパンジーをみて、お客さんは「可愛い」といい夢中になります。一生を終えようとしているバーバリシープにも、今の子供チンパンジーのように「可愛い」と言われ、夢中になられた時期があったはずです。
動物園の動物は消耗品なのでしょうか?可愛くなくなったら、弱ったら、もう見向きもされないのでしょうか。動物園は本当に命を伝えているのかと悲しくなってしまいます。
生まれる命があれば、終わる命もあります。現在のイジメや殺人、命が軽視されているといわれる現代に生きるものとして、バーバリシープの彼女から学ぶ事はたくさんあると思うのですが・・・
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2007年1月15日 15時20分
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観察者 |
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チンパンジーの観察を初めて2回目の年末を迎えました。右も左も分からず突き進んだ一年目、少しずつ要領が分かって来た二年目。天王寺のチンパンジーたちにも色々な変化がありました。
レックスの大躍進、リーダーの座を巡るアップルとレックスの戦い、レモンの成長。思い返しているときりがありません。
今、天王寺のチンパンジーはリーダー交代という大変革期を迎えています。おそらく来年には交代があるのではないでしょうか。来年のチンパンジー舍は波乱の予感がします。
色々と忙しく、このブログではチンパンジーたちの事件の一部しか紹介出来ませんでしたが、来年はもっと皆さんにチンパンジーの事を身近に感じていただけるように紹介して行きますので、よろしくお願いします。
天王寺動物園は1月2日から開園です。少し寒いですが、チンパンジーたちに会いに来てください。当たり前のように子供を可愛がる母親、イジメを受けながらも一生懸命生きるチンパンジー。私たちが忘れているものを彼らは思い出させてくれるかもしれません。
それでは、よいお年を。
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2006年12月30日 20時04分
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観察者 |
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観客通路を見上げるミナミ
都会の真ん中、天王寺動物園には7頭のチンパンジーが暮らしています。7頭いれば7通りの性格があるわけで、その中には性格の悪いチンパンジーも存在します。天王寺にいるミナミは人間に物を投げてきたり、プテリに嫌がらせしたり、少し性格がひん曲がったチンパンジーです。
でもね、人間でも一緒ですが、性格を悪くなりたくて悪くなるチンパンジーなんていません。性格がひん曲がったのは、それなりの理由があるんです。
ミナミの場合、生まれた時にお母さんが育児拒否をしたため、人間に育てられました。そのため、母親の温かさ、愛情、などを知りません。
チンパンジーの群れの中に入っても、母親からチンパンジーのルールを教えられていないミナミは、チンパンジー式の挨拶やコミュニケーションなどが出来ず、大人のチンパンジーからいびられたり、いじめられたり。
いじめられても、お母さんがいないミナミには、飛び込む胸も隠れる背中も存在しません。5歳や6歳になって、もう一人で暮らせるといっても、精神的な支えとしての母親は必要です。母親がいない事で、ミナミはどれだけ辛い思いをしたのでしょう。
日本にはミナミのような辛い過去を持ったチンパンジーがたくさんいます。天王寺で言うと、ミナミ・リッキー・ミツコなどです。人工保育のチンパンジーたちは、いびられ、虐められ、自分の存在に悩みながらも一生懸命生きています。性格が悪いと言っても彼らに罪はないのです。
ミナミ、22歳。性格は曲がってしまいましたが、辛い体験にも負けず、一生懸命生きています。
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2006年12月27日 09時39分
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チンパンジー全般 |
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