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2011年09月09日(金)
依然、流出続く中国の海上油田。各国の防除体制は


渤海の油田「蓬莱19−3」、依然原油流出
 中国国家海洋局が28日発表したところによりますと、渤海の海上油田「蓬莱19−3」の原油が流出して約2ヶ月が経った現在、依然BプラットフォームとCプラットフォームから原油が流出し続け、汚染された海の面積は数日前より、やや広がったとのことです。

 最新の観測データによりますと、Bプラットフォームから、原油と泡が断続的に溢れ、付近の海域では原油が帯状になって多数浮いています。また、Cプラットフォームからの原油流出量は24時間平均で2.52リットルと観測され、こちらも付近の海域に原油が帯状になって浮いています。
高速鉄道事故に隠れ、なおも油漏れ続ける渤海蓬莱油田―中国
 中国国家海洋局北海分局は28日、巡視船などによって事故発生現場である同油田のB、Cプラットフォームを観測したところ、依然として油膜や気泡が漏れ続けているのを発見した。付近には油膜の帯が漂っており、Cプラットフォームでは24時間に約2.52リットルの油が漏れたという。

 同局は当事者であるコノコフィリップス(康菲)に対して引き続き24時間体制で油漏れの監視を行なうとともに、新たな油漏れを発見した場合は直ちに処理や調査を実施することを求めた。また、8月31日までに油漏れの原因を徹底的に調査した上で排除し、更なる油漏れを回避するための措置を講じることを再度求めた。
中国・渤海の原油流出止まらず
 中国国営新華社通信は29日、国家海洋局北海分局の話を引用し「『蓬莱19‐3』油田の最初の原油流出事故から2カ月近く経過したが、原油の流出は続いており、海洋汚染の面積が拡大している」と報じた。

 同通信によると、中国国家海洋局は油田を運営する米コノコフィリップス社に対し、流出した原油の除去を指示するとともに、8月31日までに原油流出の原因調査を完了し、流出源を完全に封鎖するよう求めたという。また、周辺海域に海洋汚染を監視する船舶3隻を派遣し、24時間体制で監視に当たっている。











横浜機動防除基地

EVOIKOS 事故と国際緊急援助隊の活動(概要)

原油流出:海保の専門家「機動防除隊」に処理策を聞く

特殊救難隊と機動防除隊の合同訓練

ようやっと見つけましたよ



沿岸警備隊の任務(国内機動部隊)

■出張報告■IOSC 米国調査団に参加して

エクソン・バルディーズ号事故後の米国対応計画の変遷

米国の重大油汚染事故対策における公・民の協力、資機材計画及び準備態勢


沖縄での海兵隊と海保の関係
2011年9月9日 16時12分 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
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2011年06月13日(月)
中国海監総隊と東南アジア各国海軍の増強レース
※みなさん、一ヶ月ぶりのご無沙汰です。
 管理人からのコメントへの返事はもうしばらくお待ちください。



 日本が震災対応に追われている最中に、東シナ海で気になる事件があった。

2011/04/02 日本経済新聞
中国機、海自艦艇に接近。
防衛省は1日、中国国家海洋局の小型機が東シナ海の公海上で、警戒監視中の海上自衛隊の護衛艦「いそゆき」に水平距離約90メートル、高度約60メートルまで接近し2周ほど周回したと発表した。政府は外交ルートを通じて中国側に抗議した。中国機の海自艦艇への接近は東日本大震災後2回目。
 防衛省によると、現場は日本が主張する排他的経済水域(EEZ)の境界線「日中中間線」の西側で沖縄本島から北西約450キロの海上。尖閣諸島やガス田の近くではないという。
中国航空機による護衛艦「いそゆき」への近接飛行事案
本日4月1日(金)12時36分頃、東シナ海中部海域において警戒監視中の護衛艦「いそゆき」に対して、中国航空機が水平約90メートル、垂直約60メートルの距離に接近し2周ほど周回した。


3月26日の海監ヘリ接近事案に引き続く危険な行為だったとのことだ。

関連エントリ:災害救援中でも領域警備は待ってくれない

3月にはロシア機も日本への接近を繰り返していたが、こちらは後に放射能測定であることが公表された。当時の画像からも機体につけられた集塵ポッドが確認できる。

対して、中国海監による航空機の度重なる接近はそうした目的とは明らかに異なる。

中国側はその理由を以下のように説明した。

国家海洋局:釣魚島海域はずっと監視範囲 (2)
 日本の研究者とメディアの言論には、具体状況に詳しい海洋監視大隊の隊員からすると、重大な欠陥があるという。中国が主張する管轄海域で、日本の不法な監視・測量を行う米監視船の護衛に海上保安庁があたっていたことがその背景にあり、米国の軍事測量を監視するために、中国のヘリが日本艦船上空を飛行したに過ぎない。

 中国機が異常接近したという日本側の話は、まったくでたらめな話で、「日本側が捏造したもので、事実を歪曲している。中国側の飛行距離は安全範囲内で、高度200メートル、水平距離は150メートルの間隔をとっていた。日本側がいうように高度60メートル、水平距離が90メートルを切るようなことはない。安全飛行を行いながら、測量の監視をしていただけであって、彼らが言うように周囲を数回周ったという事実はない」と関係者は説明する。
いうまでもなく、「まったくのでたらめ」で「事実を歪曲」しているのは中国側(国家海洋局)の説明である。

 問題の海域は中国の海域どころか、そう主張している「係争」海域でもない。3月から4月にかけて海監機が異常接近したのは海上保安庁巡視船や米海軍測量艦ではなく、海自の護衛艦である。あれだけ接近しておいて見間違えているとすれば、国家海洋局・海監総隊は搭乗していた監視要員を即刻処分・再訓練する必要があるだろう。

 そもそも、米海軍測量艦を海保が護衛するという状況そのものが現実的ではない。もちろん基地に出入港する米艦艇は海保によって警備されている。しかし洋上まで行うことはほとんどない。特に、調査艦測量艦は極めて重要で機密性の高い任務を行っていることが多い。

 J-Ships2009年Vol.37では、米海軍調査艦Mary Seasと遭遇した海保巡視船「くにがみ」の様子が記されている。
『出港後1時間、突然レーダーに他国の大型船が反応。日本のEEZ(排他的経済水域)内で調査をしている模様だ。緊張感を伴いながら接近。船名を確認後、世界各国の海軍に所属する船が載っているジェーン年鑑で照合すると、米国海軍の調査船と判明した。本部に連絡すると同時に、無線で調査船に連絡を試みる。若い保安官が英語で問いかけると、返事はかえってくるものの、調査内容、調査期間などは、軍事機密で返答しかねるとのことだった。同盟国の船舶なので追及をやめ、本部に連絡ののち再度進路を大東島にとった。』
同盟国であってもその行動内容が知らされることはない。海自内においても観測艦、測定艦の任務や行動を他の部隊や艦が知ることは難しい。

 米海軍がインペッカブル妨害事件を受けて調査艦艇の警備を強化した可能性はある。しかし、そうであればなお海保が護衛するとは考えにくいだろう。

 一方で、海監の航空機が日本の艦船に接近するのは今回が初めてではなかった。一般には報道されていないが以前も今回と同型の海監Y-12が海保巡視船に接近している。

関連エントリ:遅すぎるコメント返事・・・と中国機

東シナ海洋上の海保巡視船から撮影された海監Y-12


当初は1機しかなかった海監唯一の固定翼機Y-12だが、現在では監視船艇と同様に増強されている。



今後より大型で高性能の航空機が配備されることは想像に難くない。



しかし、機体こそ同様だが、今回の行為は巡視船に対してのものと違いかなり危険であり挑発的である。

おそらく、海監では平時において海自から手を出せないことを十分理解しているのだろう。もし、手を出したとしても有利になるのは中国の側だ。

一方で、海保に対しては漁船衝突時の(中国側にとって)思わぬ行動(追跡及び拿捕)、同時期に海監が測量船「昭洋」を妨害したときの阻止行動などから、かなり警戒するようになったものと思われる。

参考:海上保安庁が東支那海で雪辱―中国の対日恫喝はまたも失敗
関連エントリ:拡大する中国の沿岸警備能力は空母より脅威


2011年6月13日 03時22分 | 記事へ | コメント(2) | トラックバック(0) |
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2011年02月02日(水)
海上保安庁を呆れさせたマスコミ、恐怖させたデマ騒動
月刊WiLLといえば保守系雑誌と知られるものの、掲載されている内容の不正確さや一方的主張などから当ブログでは(別冊なども含めて)何度か批判してきた。その最新号に興味深いものが掲載された。

月刊WiLL:2011年3月号
海上保安庁幹部匿名大座談会
 いかにも怪しげなタイトルだ。幹部といっても意味は幾つかある。海上保安庁という組織の幹部なのか、どこかの巡視船などの幹部なのか・・・それこそ海上保安大を出ればその時点で「幹部」ではあるのだ(これは自衛隊の幹部候補生学校でも同様に言えることだが)。

 ところが、目を通してみると、期待に反して(?)そこまで不自然な内容ではなかった。逆に言えば目新しい情報は無かったということでもあるが。そうは言っても、幾つか興味深い内容があったので見ていきたい。

海上保安庁 怒りと涙の幹部座談会

 司会側から微増となった23年度予算案について話を振られる。覆面幹部とされる一人は、微増とはいえ少しでも増額されればうれしいと答えた。実際には前倒し分の補填はないため実質の新造船は増えていないのだが。
 この増額の背景には「尖閣ビデオ」の効果があったと複雑な心境を述べる一方で、別の効果についても述べた。

A氏 「尖閣ビデオ効果」だとしても、海上保安庁(=海保) という組織にこれほど注目が集まったことはなかった。某新聞がほとんど一面使って、「基礎からわかる海上保安庁のお仕事」という記事を載せていたのには驚きましたね。逆に、ここまで世の中の人から知られていなかったのかと愕然としましたが。
当該の記事は2010年11月18日の読売新聞記事なのだが、web版に上がってはいなかったようだ。あるブログがその記事の一部を引用しているので参考としてリンクしておく。

尖閣問題を考える(4)―海上保安庁の仕事

もっとも上記ブログのように海保があるから海自も仕分けるべきというのはとんでもない暴論であろうが。結局のところこうした意見も、いくら広報してメディアが報じても海保と海自の区別が出来ていない人の存在を如実に示している。

 このときは読売だけでなく産経も海保の基礎知識を紹介する記事を掲載したと記憶しているし、有名なニュース解説者が出ている番組でも海保を紹介していた。

 逆に言えば、そうまでする必要があったというわけだ。
C氏 我々が行ってきた広報活動って何だったんでしょうね・・・。
という呟きも当然である。結局、海猿効果というのも表面だけだったことが明らかとなった。その「海猿」を越える宣伝効果を、あの「尖閣ビデオ」は持っていたわけである。そこで別の人物が、皮肉を言った。
B氏 そういう意味では、尖閣ビデオを流出させた一色正春保安官は「英雄」かもしれないな。後にも先にも、彼ほど海保を揺るがした保安官は出ないと思います。
しかしどの「覆面幹部」も一色氏に対する批判的な姿勢は一致している。筋を通すべきだった、と。

 ここでは一色氏に一定の理解を示しているようにも読み取れるが、現場の人間としては「余計なことをしやがって」というのが正直なところであろう。というか、中の人からそういう話を聞いたのだが。

 当初は外部からの反抗を疑っていたという話も聞いていたのだが、この座談会でも現場ではビデオ編集に立ち会っていた「検察」からの流出だと考えられていたことが述べられている。そうしたことから、現在でも一色氏の背後関係を疑う声が庁内にはあるという。

 「尖閣ビデオ」が、ある意味で広報・宣伝効果を示した一方で、海保にとっては恐怖感を覚えさせることにもなった。

つまり、「殉職者デマ騒動」である。

C氏 我々はこれまでメディアの洗礼を受けたことがなかったわけですが、今回、本当に怖いと思ったことが何度かあった。「モリで突いた」とか「縄でぐるぐる巻きにされて海に放り込まれた」からエスカレートして、「死人が出た」という記事まで出ていたことです。
 しかし、そんな事実は一切ありません。尖閣ビデオも「船長逮捕のシーンがない」ことが、しきりに問題にされていたが、そのような場面も存在しないんです。
このときの一連の騒動や顛末は当ブログでも纏めてある。

関連エントリ:どうしても海上保安官を「殺したい」愛国者たち

自分も、いくら書いても納得しない人々にある意味恐怖を覚えたものだ。実際に、広報や問合せ対応をしていた担当者はその比ではなかっただろう。

2011年2月2日 16時05分 | 記事へ | コメント(2) | トラックバック(0) |
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2010年12月14日(火)
具体性のない海上保安庁法見直し議論
海上保安庁法、改正視野に議論=警察権見直しへ有識者会議−国交相
 馬淵澄夫国土交通相は14日の閣議後記者会見で、海上保安庁の任務の明確化や海上警察権のあり方について議論する有識者会議を同庁に設置すると発表した。
 同日に第1回会議を開き、年内に見直しの方向性を報告する。馬淵国交相は「戦後、海上警察権のあり方は大きな議論がされずにきた。海上保安庁法の改正を視野に入れながら進めたい」と述べた。
一体、何が問題なのか何を改正するのか具体的な説明がなされていない。第1回会議が今日開催されるというのに、この会見内容だ。1ヶ月近く前の会見から変わっていない。

馬淵大臣会見要旨 2010年11月19日(金)
(問)国会で発言されました海上保安庁法の見直し、改正についてなのですけれども、具体的にはどういった背景、問題意識から御発言されたのかという点と、行政警察権を、具体的には17条の立入検査、18条の停船措置が考えられると思うのですが、ここのところの部分の改正を念頭においていらっしゃるのでしょうか。

(答)背景に関しては、私は再三国会の質問でも答えているつもりなのですが、時間もありませんので取りまとめて言うと、海上保安庁というこの海上警察、担うべき司法警察と行政警察の役割についてまだまだ不備なところがあるのではないかといった問題意識を今般持ったということで、改めてこの海上警察権の在り方について抜本的な議論を行いたいと、こう思ってます。
法改正、あるいは制度も含めた様々な組織論も含めていろいろな議論があると思います。
先ほど申し上げたとおり、海上警察権の在り方というところをしっかりと見直していくというところから始めたいと。
海上保安庁法と申し上げたのは、一つには設置法としてありますから、これは法体系のお話として国会でも申し上げたのですが、アメリカの沿岸警備隊法、これを雛形として作ってます。
ただし、現行の日本の法制の中で本当にこれがそぐうのかというのは私はいろいろな議論があると思うので、今申し上げたように海上警察権の在り方というところから真摯な議論を行うべきだと思ってます。
御指摘の部分ですが、どの条文という具体的なところの話ではなくて、今申し上げたように今般の様々な事象の中で、改めて議論をしていきたいということを皆様方に私の考えとしてお伝えしたということです。
どこかに不備があるかもしれないし、アメリカ沿岸警備隊を基にしているから日本にふさわしくないかもしれない。具体的な条文はどうでもいいけど、最近になって急に問題視した、ということなのだろう。要は、どこかに問題があるから見直して改正するということではなく、見直しや改正という前提が最初にあって、どこを見直すべきかを今から議論するというのである。立入検査や停船措置について質問した記者のほうが、よっぽど問題意識が高いように思える。

海上保安庁法は今まで何度も改正されてきた。大きなものは2001年度の「武器使用要件」改正だろう。

治安を守るために(2)海上保安庁法の改正
 平成11年3月の「能登半島沖不審船事案」の教訓・反省を踏まえ、平成13年11月、海上保安庁法の一部を改正し、海上保安官等が武器を使用する場合の要件を改正しました。これは、不審船に対し、適確な立入検査を実施する目的で停船を繰り返し命じても、乗組員等がこれに応じず抵抗し、逃亡しようとする場合において、海上保安庁長官が一定の要件に該当する事態であると認めた時には、海上保安官等が停船させる目的で行う射撃について、人に危害を与えたとしても違法性が阻却されるよう、明定したものです。
 この改正により、海上保安庁では、より一層有効な不審船対策を実施することが可能になりました。
しかし、この改正は同年12月の九州南西海域工作船事件では適用されていない。領海外の事件であったためだ。そのため、銃撃の根拠となったのは漁業法(立入検査忌避)であり、違法性が阻却されたのはRFSにより精密な射撃を実施することが可能になったことが理由とされた。現実問題として、法改正よりも装備の高性能化とそれに伴う法解釈の変更のほうが大きかったのだ。

それに今回の一件でよくわかっただろう。いくら現場が法執行をし、行政警察権で制圧、司法警察権で逮捕したところで、政治の力によってそうしたものは全て無意味に出来る、と。今回、唐突に出てきた「見直し」議論はそうした事実から目を背けさせるための隠れ蓑に見える。

海保の警察権検討へ 馬淵国交相が明言、海上保安庁法の見直しも
 そのうえで馬淵氏は「不測の事態にも的確に対応できるようにするのが目的。海上保安庁法の改正も視野に入れながら進めたい」と話した。
海上保安庁が中国漁船からの衝突という「不測の事態」に的確に対応し、漁船を拿捕、船長を逮捕したにもかかわらず、中国の猛反発という「不測の事態」に対し検察に船長を釈放させるという的確ではない対応をしたのはどこの誰だろう。

政治が責任を放棄し、今回の事件の責任が現場の海上保安庁や法の不備にあると転嫁しようとしているのではないか?ビデオを流出させた海上保安庁に対する懲罰的な意味があるのではないか?そう思えてならない。「秘密保護」法制や自衛隊による「領域警備」法も同様だ。

2010年12月14日 12時08分 | 記事へ | コメント(1) | トラックバック(0) |
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2010年12月07日(火)
イカした船首の巡視船はダーメんでゲソ?
そう見えるのは船体が「白い」せイカ?


今年9月、ルーマニアの国境警備隊に当たる国境警察に新たなる巡視船が配備された。5月に進水式を行ったDamen社製OPV6610型である。




Successful launching of the Damen OPV 6610
On the 7th of May 2010 Damen Shipyards Galati successfully launched the Damen Offshore Patrol Vessel 6610 for the Romanian Border Police.

同組織は既に、イスラエル製高速艇を調達しており、それに引き続く初の大型巡視船だと思われる。

イスラエル・シップヤード社製Shaldag高速哨戒艇

Israel Shipyards Ltd. will launch the first two of three SHALDAG MK IVs constructed for the Romanian Border Police.
The three Shaldag Fast Patrol Craft will serve in the Black Sea with tasks of law enforcement, fighting illegal immigration and smuggling; also supporting the Romanian authorities in efforts to keep the peace along their coastline.
The SHALDAG FPCs are well-known for their high speed (above 40 knots) and excellent maneuverability
急速な増強ぶりだが、この背景にはヨーロッパにおけるシェンゲン協定の存在がある。同協定はEUを含めヨーロッパ圏内で国境検査無しに越境することを認めたものだが、その反面、域外からの密入国や密輸入を厳しく取り締まることが求められている。

シェンゲン協定加盟国の密輸防止対策
スイスはシェンゲン協定加盟国への密輸を防止するために、EU拡大補助金 ( 結束政策補助金 ) を拠出し、ポーランド国境移動警察を援助する意向だ。
上記は、ポーランドでの取り組みだが、ルーマニアも2011年よりシェンゲン協定が実施されることになっている。また、ルーマニアは2007年にEUに加盟したが、それ以前より加盟に向けて国内の司法・警察制度の強化が行われていた。その対象には国家警察や国家憲兵隊(ジャンダメリエ)だけでなく国境警察も含まれていたのである。特に問題視されていたのは警察組織全体に蔓延していた汚職体質と、不十分な国境管理体制だった。


2010年12月7日 02時09分 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
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2010年11月18日(木)
ポシ・コミテイタス法と軍隊による領域警備・法執行
先日のエントリでアメリカのポシ・コミテイタス法に触れたので、今回はもっと詳しい説明を紹介したい。

米国においては、「Posse Comitatus Act:PCA」( 以下「ポシ・コミテイタス法」) によって、法執行に軍を使用することが禁止されている。これは、伝統的に確立された軍事部門と文民部門の分離原則を具体化したもので、このポシ・コミテイタス法によって軍は制限を受けており、その規定は次のとおりである。

18 USC 1385 陸軍及び空軍のposse comitatus としての使用
posse comitatus その他の方法で、法を執行するために、陸軍又は空軍を故意に使用する者は、憲法又は連邦議会法が明文で規定し、かつ、その状況下にある場合を除いて、本節の下で罰金若しくは2年以下の拘禁又はその両者に処せられるものとする。
 この規定は、陸軍及び空軍をposse comitatus として使用することを禁止するものであるが、1986年の国防省通達と海軍長官訓令により、海軍(Navy) 及び海兵隊(Marine Corps) にも適用されることとされ、その意味では、米国の連邦軍のうち、USCGを除く4軍の陸軍、空軍、海軍及び海兵隊に適用される。また、この規定は、直接的には軍をposse comitatus として使用した者を処罰する規定であり、処罰法としての体裁をとっているが、その成立経緯から見ても、より重要な国家方針を示した規定と解釈されている。それは、軍事部門と文民部門(非軍事部門) を分離するというマグナカルタ以来のアングロ・アメリカンの伝統的原理を具体化したもので、軍と法執行とを分離し、軍を通常法の執行(civil law enforcement) に使用してはならないという法原則を宣言した米国の統治形式の基本方針といわれる。
「海上保安庁法の成立と外国法制の継受-コーストガード論-」村上暦造・森征人、「海上保安法制」(三省堂)


簡単に言うと、沿岸警備隊を除く合衆国軍を国内事案や法執行活動に使用してはいけないという規定である。意外に思われるかもしれないが、アメリカ軍は国内で作戦行動が出来ないのである。例外としては国内が騒乱状態になって戒厳令が敷かれたり、大統領や外国からの要人の警護、大量破壊兵器にかかわる緊急事態などがあるが、それ以外は連邦法執行機関の援助などに限定されている。これは海軍の「作戦法規」にも明記されていることである。

過去エントリ:『作戦法規便覧』にみる米海軍の海賊対策と沿岸警備隊との連携
3・12 国内法を執行する官吏への支援
 憲法又は議会制定法によって明示に承認される場合を除くほか、合衆国陸軍又は合衆国空軍の要員又は機材を、posse comitatus――平穏を維持し、重罪犯人を逮捕するために文民の法執行当局を援助する部隊――としてあるいはその他の方法で国内法を実施するために使用することは、title 18 US Code section 1385 Posse Comitatus 法により禁止されている。政策問題としては、Posse Comitatus 法は、合衆国海軍及び合衆国海兵隊にも適用される。同法の禁止は、たとえ合衆国沿岸警備隊が海軍省の一部として活動しているときでさえ、沿岸警備隊には適用されない(SECNAVIST 5820.7(series)を見よ)。
 posse comitatusという概念は、軍当局が国内法を執行すること、又はその執行に直接関与することを禁止しているけれども、国内法の執行を支援する何らかの軍事活動は、軍事目的理論の下で許されることがある。例えば、通常の軍事訓練又は軍事作戦行動に付随する国内法執行当局への間接的な関与又は支援は、 Posse Comitutas 法の侵害ではない。更に、議会は、麻薬その他規制されている物質の海上での阻止に当って連邦当局を支援するために、軍用の施設、プラットフォーム及び装備の限定的利用を特別に認めてきた。
海軍は英国などとともにカリブ海で麻薬取締りを行っているが、実際は沿岸警備隊USCGの法執行分遣隊LEDETが海軍フリゲイト等に乗り込み検査や逮捕などの司法手続きを行っている。これも「作戦法規」に基づくものだ。
3・12・5 麻薬阻止活動を支援するための合衆国海軍艦船の利用
 議会の命令と両立する場合には、国防長官が(司法長官と協議して)麻薬阻止区域として指定した水域で活動する合衆国海軍の艦船は、法の執行についての訓練を受け、合衆国法を侵害した疑いのある財産又は人を逮捕、捜索、そして拿捕する権能を有する沿岸警備隊士官を乗艦させるよう要求されている。国際法上旗国がその旗を掲げる船舶に対して管轄権を行使する権利に従って、適切に権限が付与された沿岸警備隊士官を乗艦させた合衆国海軍の艦船は、国際水域内又は合衆国の国家水域内のどこであれ、合理的な理由に基づき、麻薬又は向精神剤の不法な取引を行っていると考えられる合衆国の旗を掲げる船舶に接近し、停船させることができる。そのような状況においては、それに続く捜索、拿捕又は逮捕は、乗艦している沿岸警備隊士官が遂行する。
 外国の旗を掲げる船舶が、麻薬又は向精神剤の不法な取引を行っているおそれのあることを示す状況の下で、合衆国海軍の艦船と遭遇した場合には、同様に接近され、停船させられ、そして乗艦している沿岸警備隊士官により乗り込まれる。
海洋における法執行−海軍/米沿岸警備隊の経験
特定領域における対麻薬作戦では、米海軍は捜索及び監視の指揮機関として沿岸警備隊を支援している。先進のレーダー及び通信システムを搭載した軍艦及び航空機は、麻薬の密輸入を阻止する際の情報収集や追跡を行うための貴重な手段となる。現在、米海軍は対麻薬作戦においてカリブ海に軍艦を常時2隻配備し、東太平洋には通常1隻を配備している。米海軍は法執行の権限を持たず、入国阻止、押収及び逮捕については、沿岸警備隊が権限を行使することができる。にもかかわらず、海軍戦艦は沿岸警備隊法執行班(LEDET)を乗船させて入国阻止、押収及び逮捕の任務に当たることもある。通常の場合、LEDETの乗船期間は6〜7週間である。LEDETプログラムでは、年間、平均して約35隻の米海軍フリゲート艦、駆逐艦、巡洋艦にLEDETを乗船させている。主な派遣先はカリブ海と東太平洋の中継地帯である。全般的に、疑わしい船舶への立ち入り検査を行うケースは、年間で平均100隻に上る。


これはソマリアにおける海賊対策でも同様だ。

過去エントリ:ソマリア沖海賊対策には沿岸警備隊LEDETが参加

当然のことながら、領海警備にも同様のことが言える。これは、海上警備行動として海上自衛隊に行政警察権の付与と執行を認めている日本と比べて極めて厳格な規定だ。ある意味、独力で領海警備、本土防衛を行わなければならないUSCGが他国に比べて強力な兵装を備えていることの要因とも言えるかもしれない。

アメリカが、軍事力による法執行を厳格に禁止しているのに対し、日本は、海上保安庁の軍事力を否定している。

海上保安庁法第25条
この法律のいかなる規定も海上保安庁又はその職員が軍隊として組織され、訓練され、又は軍隊の機能を営むことを認めるものとこれを解釈してはならない。
しかし、アメリカのポシ・コミテイタス法との違いは、単なる「解釈規定」に過ぎない、ということだ。つまり、ポシ・コミテイタス法が使用者に対する禁止で「罰金もしくは2年以下の拘禁又はその両者」という罰則規定まであるのに対し、海保法第25条は「軍隊と考えちゃ駄目ですよ?」という呼びかけでしかなく、罰則もない。逆に「海上保安庁が軍隊式の組織・訓練・機能を持っている、と見えたとしても、あくまで警察行動のために必要なことである」という説明の根拠として利用できる。なんだか憲法第9条と自衛権の関係に似ている・・・

過去エントリ:軍隊でもない海保が外国機関と合同訓練するな、という意見

 現在、海上保安庁に対して軍隊と同様の組織であると解釈し、戦前の反乱事件を引き合いにシビリアンコントロールを云々している人たちは、この規定に引っかかるかもしれない。

罰則があればよかったのに・・・


2010年11月18日 15時34分 | 記事へ | コメント(8) | トラックバック(0) |
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2010年11月07日(日)
米加露諾の沿岸警備隊砕氷船
海上保安庁が保有する最大の(と言っても2種2隻しかありませんが)砕氷巡視船「そうや」の改装完了についてエントリを作成しました。しかし、世界の沿岸警備隊にはもっと有力な砕氷船が配備されています。

海外の曳船型巡視船
以前、曳航能力を持った巡視船についてのエントリでいくつか紹介しましたが、今回はその大きさに注目してみて生きたいと思います。

世界で最も多くの砕氷船を保有するのはカナダ沿岸警備隊CCGでしょう。理由としてはやはり北極に面していることが挙げられます。一方、隣国のアメリカ沿岸警備隊USCGもいくつかの大型砕氷船を保有しています。これもアラスカ州の地理的理由などがありますが、もうひとつは南極観測支援任務でしょう。日本では砕氷艦「ふじ」の就役とともにその任務は海上保安庁から海上自衛隊に移管されましたが、アメリカにおいては逆に1966年、すべての砕氷艦が海軍からUSCGへ移管されました。また以前は五大湖任務専用の中小型砕氷船も保有していました。

この二カ国を代表する沿岸警備隊砕氷船が合同で北極海調査を行なっています。

カナダ、米国と合同で北極海調査、過熱する資源争奪戦

これは近年話題になることも多い北極海での権益確保のためと言われています。この件については世界の艦船2009年10月号NO.712「北極海のシーパワー」で特集されました。今回の各船のスペックについても基本的にはこの号を基にしています。

しかしまぁ、二カ国の間ではこの砕氷船が摩擦や牽制に利用されていたことを考えると感慨深いものがありました(USCGがカナダ領海内に砕氷船を無断通過させたり、対抗してカナダも大型砕氷船と原子力潜水艦の建造を検討したり)。






Early findings encouraging in Canada-U.S. mapping of Arctic Ocean seabed
Cutter Healy
NOAA Joins Other U.S. Agencies and Canada to Survey the Arctic Continental Shelf
2010年11月7日 09時19分 | 記事へ | コメント(3) | トラックバック(0) |
| アメリカ沿岸警備隊 / カナダ沿岸警備隊 / ノルウェー沿岸警備隊 |
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2010年11月03日(水)
緊急走行できない海上保安庁車両
このブログでも、わずかですが奄美大島豪雨災害に海上保安庁が出動していたことを伝えました。

また、尖閣諸島周辺が騒がしくなってきた・・・
「海保の撤収」と「ひゅうが」「しきしま」による海難救助

海難以外の大規模な災害で海上保安庁が救助や支援活動を行うことは今までもありました。しかし、今回の奄美では今までとは違う取り組みがなされていたようです。

豪雨災害で奄美海保と消防本部が救助連携
 豪雨災害に見舞われた奄美大島の奄美海上保安部と大島地区消防組合消防本部が、11月1日から実施予定だった相互協力を前倒しし、災害救助に向けた連携体制を取っている。20日の豪雨の際には、奄美海保の潜水士2人が大島消防本部の救急車で奄美市住用町の被災現場に向かい、協力して人命救助に当たっており、台風14号が近づく中、両者は「万全の態勢で対応したい」としている。

 緊急車両を持たない奄美海保と、水難救助隊のない大島消防本部が、救急車での潜水士の輸送など水難事故救助で相互協力する覚書を締結したのは今月12日。協力開始に向けて、合同訓練を予定していた20日に記録的な豪雨が島を襲い、突然の「本番」を迎えた。

 携帯、固定電話などの通信手段が途絶え、悪天候のため自衛隊などが現地入りできない中、20日午後2時半頃、大島消防本部の連絡を受けた奄美海保の潜水士2人が、消防隊員らと共に救急車に乗り、同市名瀬から救助要請が相次いでいた住用町に向かった。

 現場に向かった安田真琴消防士(26)によると、同町東城地区では足が届かないほど道路が冠水し、大人が流されそうな濁流が流れ込んでいた。潜水士が持参したゴムボートに救命胴衣などの救助機材を乗せ、消防隊員5人はゴムボートにつかまり、先に対岸に泳いで渡った潜水士2人がボートのロープを引っ張って対岸に渡った。安田さんは「流れが急で潜水士がいなければ渡れない状況だった」と振り返る。
地元自治体消防組織の水難救助隊と海上保安庁の潜水士が合同で訓練や研修を行ったり連携することはよくあることです。しかし奄美の場合、地元消防に水難救助隊が存在しませんでした。このため相互協力することになったようです。

相互協力:水難事故で協力 奄美海保、消防と覚書 /鹿児島
 奄美海上保安部(太田吉一部長)と大島地区消防組合(原田俊光消防長)がこのほど、水難事故での相互協力の覚書に調印した。奄美地方の海岸に多いサンゴ礁リーフ内での事故を対象に、緊急車両や船舶、救助器材使用で協力する。

 海上保安庁がリーフ内での水難事故を対象にした覚書締結は全国でも初という。覚書によると、水難事故が発生した場合、相互に通報し、現場までの緊急搬送や救助活動での資器材使用で協力し合い、適切な救助活動のために合同訓練などを実施する。

 同保安部管内での今年の水難事故の発生は4件で、死亡者はいない。これまでは保安部職員が陸上から現場に向かう場合、一般車両を使っていた。また、海中の捜索では、消防組合には潜水士がおらず、一般ダイバーに協力を求めていた。
水難救助で相互協力 奄美海保と大島地区消防組合
 今年7月、奄美市笠利の土盛海岸で海水浴中の2人が一時、沖合に流される事故が発生した際、緊急車両を持たない同保安部の現場到着に時間がかかったことや、奄美には巡視艇が入れないリーフが多いため、同保安部は消防との連携強化を検討していた。
この取り組みははある方の働きかけが背景にあったと言われています。

赤い光が灯るまで in 奄美大島

きっかけとなった事故やその後のいきさつについては要約があるのでそちらを読んでいただくとして、大きな問題のひとつは海上保安庁に赤色灯(パトライト)を点滅させながら出動できる車、すなわち「緊急走行」できる「緊急自動車」が存在しないことにあります。


上記画像は、潜水士や特殊救難隊ではなく、横浜海上防災基地の機動防除隊ですが、背景の車両は全国の保安部や羽田の基地に配備されている出動車や資機材運搬車とほとんど同じものです。

海上保安庁 特殊救難隊訓練20090503 その22
海上保安庁 車両
海上保安庁の車輌

一部保安部では、青色の回転灯を装着した車両もあるようですが、これも自治体が最近使っている「町内パトロールカー」、犯罪者への威圧効果を狙ったいわゆる「偽パトカー」と同じで、道交法上の「緊急走行」はできません。

それはなぜなのか、上記ブログでゴリさんは以下のように書かれています。

衝撃の事実
自分『なぜ赤灯を灯さなかったのですか?そもそも赤灯が車に設置されてなかったですよ!』

海上保安部『実は・・・、、、その件は10年も前から申請をしているのですが、海上保安庁のレスキューカーは、なぜか緊急車両の申請が通らないのです。』

自分『人命救助の車に赤灯が許可されないなんてことがありえるんですか?誰が申請を蹴っているんですか?』

海上保安部『警察庁です。』

国民の治安を守るべき警察庁が人命救助のレスキューカーに赤灯の設置を拒んでいる!?とても信じられない事実だったが、後日、東京にある海上保安庁の本庁へ電話して尋ねたところ、

以前からパトカーに先導してもらう協定は結ばれていたが、平成3年、御前崎から特殊救難隊が羽田に向かう際、先導がうまく行かず現場への到着が遅れた事案があり、緊急車両としての許可を相談していたが通らなかった。その後、平成18年6月、緊急車両についての法改正に合わせて再度緊急車両としての申請を正式に行なったが、平成19年5月まで約1年間の討議の結果、警察庁は申請を正式に却下したとのことだった。

警察庁が却下の理由としてあげたことは、
対外的に必要性を説明できる理由が乏しい
とのことだった・・・。
海上保安庁に緊急車両がないことは以前より問題となっていました。しかし、その問題については「警察の先導が要請できる」、「羽田航空基地から特殊救難隊が出動する場合、首都高速に乗れるから支障はない」などと説明されていたのです。以前存在した某掲示板の海上保安庁スレにはこのような書き込みもありました。
392. 名無し三等兵 [sage] 04/10/03 02:07:10 ID:???

数年前に千葉県の九十九里海岸で海難があって荒天でヘリが飛べなかったときに羽田の特殊救難隊の出動のために羽田から九十九里まで警視庁と千葉県警のパトカーが特殊救難隊車両を緊急走行で先導したことがあったけど。

海保の航空機が離陸するときに、TWRとのイニシャルコンタクト時に
「サーチアンドレスキュー・ミッション」とコールすれば他の航空機の離陸を待ってもらってまで、優先的に離陸できる。
その代り空港事務所等から捜索エリアや状況などを詳しく訊かれる。

海保の航空機が離陸するときに、TWRとのイニシャルコンタクト時に
「ガード・ミッション」とコールすれば、ミッションの内容は一切、空港事務所から訊かれることはない。
しかし、他の航空機との優先権はない。
ただし、滑走路の保守作業中でも作業を一時、中断して離陸はさせてくれる。

パトカーの先導もレスキューとガードの差はあるかも。
「レスキューとガード」・・・・・・そう、この問題は海難救助だけにとどまらないのです。
2010年11月3日 21時17分 | 記事へ | コメント(9) | トラックバック(0) |
| 海保緊急車両問題 / 日本警察 / アメリカ沿岸警備隊 |
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2010年10月26日(火)
軍艦になる巡視船、巡視船になる軍艦
尖閣諸島でついに漁政船2隻が姿を現したようですが、今回は別の話題を進めさせていただきます。ああ、そういえば中国漁政はアメリカ沿岸警備隊(USCG)と頻繁に合同活動していましたね。

以下の画像をご覧ください。



何の変哲もないバーソルフ級カッター(巡視船)ですね?

では、次の画像。



何の変哲もないフリゲイト・・・・・・のコラ画像です。しかもこれ、画像にあるとおりただのコラ画像じゃありません。ノースロップグラマン社が2008年にEuronavalで公式に発表した画像らしいのです。
2010年10月26日 00時12分 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
| アメリカ沿岸警備隊 / 国外軍事 |
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2010年10月11日(月)
尖閣諸島警備におけるE-2Cの効果
空飛ぶレーダーサイト、E2Cの沖縄展開を検討 防衛省
宮古島から約210キロ離れた尖閣諸島の上空では、低い空域に航空機が侵入してきても、水平線の下になり宮古島のレーダーで探知できない「死角」が生じてしまう。防衛省幹部によると、尖閣諸島上空では高度約2千メートル以下の空域が死角になっているという。宮古島から約230キロ離れた日本最西端の与那国島周辺でもほぼ同様という。

 このため、機体背面のレーダーで数百キロ離れた超低空での機体の動きを上空から探知できるE2Cを3機程度、定期的に三沢基地から那覇基地に展開し、上空から南西諸島の監視を強化する検討を本格的に始めた。沖縄側に部隊展開への理解を求め、できるだけ早期に実施したい考えだ。

政府、南西諸島の警備網強化 海保・空自
 政府は領域警備の強化に乗り出す。尖閣諸島沖での中国漁船衝突事件を踏まえ、海上保安庁は1000トン級の巡視船の新たな導入と、ヘリコプターの配備を前倒しする。防衛省・航空自衛隊は三沢基地(青森県)に配備中のE2C早期警戒機を那覇基地(沖縄県)に展開させ、南西諸島の警戒網を強化する検討を始めた。
航空自衛隊:東シナ海「監視充実を」 西方重視の体制へ
外薗健一朗航空幕長は8日の会見で、現在も三沢基地(青森県)のE2C早期警戒機などを一時展開させて実施している東シナ海での空中の警戒監視の今後について「充実していくことかと思う」と述べ、警戒監視を強化すべきだとの認識を示した。自衛隊の西方重視の体制強化が陸上自衛隊だけでなく、航空自衛隊にも広がる実態が表面化した格好だ。東シナ海の海上の警戒監視は海上自衛隊のP3Cが担っている。
東シナ海空中警戒態勢を強化 空自幕僚長 会見で表明
 外薗空幕長は、E2Cを那覇基地に常駐配備するかは、新しい防衛計画の大綱や中期防衛力整備計画を策定する中で議論されるべきことだと指摘。「一番大きな要素は警戒監視機能の強化、発揮という観点だ」と述べた。

 防衛省関係者によると、宮古島には空自の最西端のレーダーサイトがあるが、レーダーは直進性があるため水平線より向こう側には到達できない。そのため、仮に尖閣諸島や与那国島付近の高度が低い空域に航空機が侵入してきても探知できないという。
 中国漁船衝突問題が発生し、俄かに尖閣諸島の警備体制が注目されています。海上保安庁の警備体制強化のほかに、航空自衛隊の早期警戒機E-2Cを展開させることが検討されています。これは少なくとも2〜3年はかかる海保の新1000トン型巡視船よりも、すぐに実行でき効果的だと思われます。

 いずれの新聞記事でも、E-2Cによる空域監視にしか注目していませんが、実は海上監視にも効果があるのです。それが証明されたのはアメリカがカリブ海で行っている違法薬物密輸取締、いわゆる「麻薬戦争(ドラッグ・ウォー)」です。

 1980年代、薬物汚染に悩まされていたアメリカは南米の麻薬カルテルが使う密輸ルートつぶしに躍起になっていました。そのためあらゆるリソースを「麻薬戦争」に投入することになったのです。しかし、「戦争」といってもアメリカは合衆国憲法や国内法の規定があるため、国内事案や法令の執行に連邦軍、すなわち「合衆国陸海空軍、海兵隊」を投入することはできません。できることは法執行機関の支援のみです。この戦争の「前線」立っていたのは合衆国軍でありながら法執行機関である(例外的に国内関与が許されている)「沿岸警備隊」や、文民法執行機関である財務省関税局(USCS)・司法省麻薬取締局(USDEA)です。
 それら取締機関が悩まされていたのは、Go-Fastボートと呼ばれる密輸高速ボート、そして低空を飛ぶ密輸航空機です。それらを取り締まるため関税局はP-3やS-70(UH-60)などの軍用機を採用、また沿岸警備隊は海軍の支援を受けてE-2Cを投入したのです。


国土安全保障省・税関国境警備隊(旧財務省関税局)のP-3「スリック(Slick)」



同上S-70(UH-60)「ブラックホーク」(前方の機体)



沿岸警備隊が当時使用していたE-2C(機体後部にCOAST GUARDの表記が見える)

2010年10月11日 18時23分 | 記事へ | コメント(20) | トラックバック(0) |
| 尖閣諸島問題 / アメリカ沿岸警備隊 / アメリカ税関国境警備局・入管執行局 |
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