2010年10月12日(火)
デマと妄想の海で孤立する海上保安庁
この国は、まだ中国の叩く銅鑼に合せて踊り続けるようだ・・・

【尖閣敗北】ビデオ公開ない間に中国は一方的主張を展開
沖縄・尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件で、海上保安庁が撮影したビデオ映像の公開を日本政府が先延ばし続けるなか、中国国営通信社や共産党系のインターネットサイトで、海保の巡視船側が中国漁船に衝突したとする図などが掲載されている実態が10日、明らかになった。日中首脳会談が4日に行われたにもかかわらず、中国当局も放任を続けており、中国政府の一方的な主張が“既成事実化”する恐れも強まっている。
え、いまさら何言ってんの?という記事である。「10日、明らかになった(キリッ」とか書いているが、そんな図など9月の前半から掲載されていた。


保存履歴やファイル名から考えると、上記画像は事件直後の9月8日に掲載されている。他の画像についても少なくとも10日から半ばごろまでにアップロードされていたようだ。







 最後の画像以外はすべて中国側の主張に沿った図になっている。中国の内情を考えれば、こういったものが流布するのは当然だろう。彼らにとっては、わざわざ自国に都合の悪い情報を出す必要性がない。反日ゲームができるのも過去に例があったことだ。
 むしろ気にするべきは、この情報が英語で解説がつけられ中国メディアの英字サイトに掲載されていることだろう。日本が正当性をきちんと説明しない隙を狙って、一方的に事実化されてしまう可能性が高い。
 もはや起訴される可能性もなく、事実上「司法手続きへの不関与」も崩壊してしまった以上、検察が後生大事に「証拠」ビデオを隠す必要はない。公開したところで、国際的な批判に晒された中国がいまさら表立って報復措置もできないはずだ。中国の狙い通り尖閣諸島が事実上の「領土問題」としてクローズアップされてしまった以上、日本は世界に正当性を示す必要がある。

漁船衝突ビデオ 公開先延ばし・責任押し付け…政府、国民無視の対中配慮
川上義博・参院予算委員会理事「ビデオを公開したら大変なことになる。日中関係改善は2、3年遅れる。温存した方がいい」

 仙谷氏「おっしゃる通りだ。ぜひ国会でも国対でもそう言ってください」

 首相「よく分かりました」

 政府・与党内には、明らかに中国側に非があることを示すビデオを公開すれば、国民の「反中感情」をあおることになるという危機感も強いようだ。

 衝突事件にかかわる省庁の政務三役の一人はビデオを見て「あれは公開してはいけない。あれを見たら『中国人ふざけるな』と国民感情が燃え上がってしまう」と感想を漏らした。

 やはりビデオを見た民主党幹部も公開を躊躇(ちゅうちょ)してみせた。「ビデオを出したら国民は激高するだろうな」
 もちろん、国民への説明という意味でも重要だ。というのも、怪しげな情報が流布しているのは中国国内に限ったことではないからである。

 日本でも、ビデオが公開されないことをいいことに極めて怪しげな情報が出回り、さらに尾ひれが付き始めている。発端はこれだ。

石垣島と尖閣諸島 西村眞悟ホームページ・眞悟の時事通信
 もう一人のトイタ芳行さんは、若い新人である。彼も、国防に関心のある貴重な候補者だ。アメリカ国防総省・シンクタンクで外交と国防を学んできた。東京の西村塾の仲間も初日から街宣の応援に入っている。
 彼も忙しい中、この度の事態に関して次のように語った。
「現場の巡視船の乗組員は、耐えに耐えて頑張っているんです。乗組員が中国漁船に乗り移って調べようとすると、彼らは、日本側が武器を使わないのを知っているので、海上保安庁の乗組員を多数で縛り上げて海に突き落としたりするのです」、また、
「巡視船が領海侵犯をしている中国船にマイクで、『ここは日本の領海です』、と中国語で呼びかけ退去を要求すると、中国漁船からは日本語で、『馬鹿野郎、ここは中国の海だ』とマイクで返答してくるんです」
 今回も含めて尖閣諸島の警備に当たっている「中の人」に話を聞いたことがあるが、このような話は聞いたことがない。今回改めて聞いてみたが「知らないなぁ・・・」ということだった。その代わりに実際にあった出来事として語ってくれたのが「拿捕して立ち入り検査したところ、暴れる船員に耳を噛み付かれた」とか、「逆に巡視船に乗り込んできて何を思ったかマストにのぼった」とかいう話だった。
 中国漁船の乗員が縛り上げて海に落とすというのは韓国海洋警察で実例があり、死者も出ている。また強行接舷・移乗中の転落は韓国違法漁船の取締りで、海上保安庁でも発生している。必ずしもそのような事実はないとは言い切れないが、どうも他の海域の話と混同している可能性も否定できない。

 さて、この話が週刊雑誌に掲載された。



『海保隊員が中国船から海に転落という「尖閣」の開戦前夜』 「週刊新潮」2010年10月14日号(10月6日発売)
国防問題に取り組む石垣市議の砥板芳行氏は、こんな驚くべき話を明かす。
「海保隊員のご家族から聞いたのですが、中国漁船は海保が自分たちには武器を使用しないと分かっているんですね。それで以前、巡視船から停戦を命じられた際、乗り移ってきた保安官をロープで巻いて海に放り投げ、巡視船が慌てて救助している隙に逃げてしまったことがあるそうです」。おまけに、別の海保OBがこんなことも言う。
「今回はまず中国漁船が巡視船『よなくに』に衝突し、続けて『みずき』にぶつかった後、拿捕された。
通常、最初の退去警告に従わねば停船させて保安官が乗り込み、海図を示して領海だと説明する。今回の場合、接舷したのは船体が小さい『みずき』。
もしも保安官が『みずき』に戻ったあとに漁船が逃亡しようとた際の事故なら、先に『みずき』に衝突するはず。
が、実際には『よなくに』が先で、損傷もかなりのもの。つまり、ひょっとすると今回も保安官が海に落とされ、『みずき』が救助している際に『よなくに』との激しいチェイスがあったということかもしれません」
「ビデオは巡視船ごとに撮影するから、2本以上ある。より詳細に状況がわかるはずなのに、何故公開しなのか・・・・・」
 しかも怪しげな「海保OB」付きで。この海保OBとやらは、事実誤認している。「よなくに」が警告し、それで退去するかに見えた時に最初の接触が起きたのだ。最初の事故が発生するまで「みずき」は別の船の警戒に当たっていたはず。ネット上には上記のような形で引用されているが、この後には編集部が海上保安庁に確認したところ否定されたことが記述されている。

 この記事が「開戦前夜」などと書き、「海保OB」の適当な説明を載せたもんだから、ネット上ではさらに尾ひれが付いた。

223 :名無しさん@十一周年 :2010/10/11(月)00:24:12 ID:mErDVXEz0 (5 回発言)

どうも、こういう内容らしい。
これは公開できんわ。

海保船舶が横付け。海保職員が乗り込む。
その後、中国船舶が突如離船。
取り残された海保職員が、中国船舶から突き落とされる。
海に落ちた海保職員を潰すように、中国船舶が進路変更。
海保職員が必死に泳いで逃げるのを、銛で突く仕草あり。
海保船舶が、海保職員を救出するため、停船し救助に乗り出す。
その後ろから迫る中国漁船。海保職員は押しつぶされそうになる。
間一髪で海保職員は海保船舶に後部から担ぎ上げられる。その数秒後に漁船が海保船舶の後部から衝突。

━━━━━━━━━━


662 :名無しさん@十一周年:2010/10/11(月) 21:05:19 ID:AACIEAe90
さぁ、暴露しちゃおうねwwwwww
上のコピペがあながち嘘じゃないってのが・・・

 後部から特警を引き上げた

実は警備強化のために舷側が高く、ゾティアックなどの運用のために後部から 引き上げを行うことと教本に示され運用されてる。
けど、コレって一般には公開・説明されていないwだから官房が夕方から右往左往している。w

―――――――

695 :名無しさん@十一周年:2010/10/11(月) 21:09:12 ID:+QMqDX1q0
>>662
頭が悪い人にもわかるように教えて下さい

―――――――

742 :名無しさん@十一周年:2010/10/11(月) 21:15:32 ID:AACIEAe90
>>695
該船の運用方法で落水した特警隊員を引き上げるのに、巡視艇の横側から引き上げられないので後尾から引き上げたということに言及してるコピペだけど。
後尾から引き上げ可能と言うことを、知ってるのは海保当局者等の公務員以外で知ってる人は非常に少なく船舶に詳しい民間人が、適当に書いてるにしては運用規範則に則り過ぎている。
だから、官房の方でガゼではなくリークではと焦っているw


まず、「よなくに」などの大型巡視船PLが洋上で直接該船に接舷することは考えにくい。ひとつ間違えば、台湾遊漁船沈没事故のように相手を沈めてしまうからだ。そのため通常はRHIB(複合艇)を下ろし、それを使って該船まで移動する。

そして舷側が高いため後部から搭載艇を引き上げることを教本に示してあるというが・・・

「よなくに」と同型の「はてるま」後部。ともに漁船追跡に参加。


 そもそも特警隊の乗っている巡視船は「くにがみ」(指摘により訂正)であり、その同型の「よなくに」でも後部では搭載艇を運用できない。というか、搭載艇は船橋構造物直後の甲板に搭載してあり、(速度制限はあるものの)航行中であってもクレーンによって海面上に降ろすことができる。一方、ヘリ甲板の下層デッキは拠点機能強化型の特徴でもある他船補給設備があるのだ。しかもその下はウォータージェットのため直接のぼることができない。ここから救助するのであれば、わざわざ、噴出口防護部分を足場にして誰かが身を乗り出さなければならない。落水者を救助するのならば舷側からジャコップや救助ネットをおろしたほうがいいだろう。通常は、救助にも搭載艇を使用することは言うまでもない。

 ちなみに海保では複合艇のことを「ゾディアック」とは呼ばない。そのような名称は海自のEODで聞くくらいか。通常使われるのは、ゴムボートの略称であるGBやそれ以外の固有名称だ。

 もし、海上保安官に直接危害が加えられていたのならば、船体への衝突を条件が厳しい公務執行妨害とする必要はない。

 このようなレベルの情報をさまざまなスレにコピペしまくる姿は、とてもじゃないが中国国内の状態を批判できないだろう。ビデオが公開されないことには何も始まらないのだ。



まぁ、日本国内のことはともかくとして、中国国内で海保犯人説が事実として固定化されるとひとつ心配なことが出てくる。

海上保安庁は中国も含めた北太平洋沿岸諸国のカウンターパートとともに北太平洋海上保安サミットおよび北太平洋海上保安フォーラム多目的訓練を開催している。その場所は各国持ち回りで、訓練は8月にロシア・ウラジオストク沖、サミットは9月にカナダ・バンクーバーで実施された。もちろん中国も参加国だ。ウラジオストク沖での多目的訓練MMEXでは今迄参加していた中国海事局の巡視船(海巡11)だけでなく、度々海上保安庁の測量船を妨害している海監総隊が参加し、最新最大の「海監83」を派遣してきた。




 いずれ、中国で開催されるのは確実だろう。もし、海上保安庁の巡視船が中国に入港した時、抗議の中国漁船に囲まれたらどうなるのだろう。実際、過去に韓国との二国間訓練で抗議船に囲まれたことがあった。その時、韓国海洋警察は容赦なく自国民を排除したが、中国にそれができるだろうか?いや、日本大使館へのデモのこともある。敢えて手を出さず煽るとは考えすぎだろうか?
 抗議船を(安全上の)理由として、事前に海上保安庁巡視船の入港を拒否するかもしれない。

日中関係改善へ進展=尖閣には深入りせず−防衛相会談
実際、梁氏は会談で、国民感情を理由に、北沢氏の訪中や海上自衛隊練習艦の青島寄港は時期尚早との考えを表明。
 そうした理由で、海上保安庁を北太平洋海上保安体制から排除できるのだ。「海監」がなぜこの時期に参加し始めたのか、さらに、今回話題となった「漁政」は、どうして一方でアメリカ沿岸警備隊USCGとの連携を進めているのか・・・




もし中国の沿岸警備のメインプレーヤーが「海巡・海警」から「漁政・海監」へとなりつつあるとしたら、もはや海上保安庁が築いてきた中国とのパイプは無意味となる。韓国や台湾との事例のように、海事局や公安海警以外とのパイプが活用されたという話は聞いていない。

海上保安庁と中国国家海洋局の話し合いについて
2.この話し合いは、これまでの東シナ海等に関する日中協議において、東シナ海における不測の事態に備えた連絡メカニズムについて、各々のカウンターパートを照合しつつ政府全体の連絡体制を充実させる第一歩として、海上保安庁と中国国家海洋局との間で話し合いを行っていくこととなったことを踏まえて行われたものである。今次話し合いにおいては、互いの所掌事務等についての説明等を行うことで、相互の理解を深めることができた。
EEZ調査の事前通報制度も国家海洋局との連絡体制も、有名無実化しているのではないか。この状況で海自と中国海軍の連絡体制がうまくいくのだろうか。

海上連絡体制の確立要請 日中防衛相会談で北沢氏
北沢氏は尖閣諸島周辺を含む東シナ海で活発化している中国艦船の動きを念頭に、日中間の不測の事態の防止に向けた海上連絡体制の早期確立を求めた。


北太平洋での海上保安庁の孤立化が進めば、次には東南アジアでの影響力低下が待ち構えている。

北沢防衛相の「尖閣は日本の領土」に全面賛同なし 5カ国国防相
北沢俊美防衛相は11日、ベトナム、インドネシア、オーストラリア、タイ、シンガポールの国防相と滞在先のハノイ市内で相次ぎ会談、尖閣諸島について「日本固有の領土だ。歴史的にも国際法上も疑いようがない」と説明した。しかし、全面的に賛同した国防相はなく、「国際法に基づき平和的に解決することを望む」(インドネシア)など慎重な対応を求める発言が相次いだ。
自国の海域すら守れなくなった海上保安庁を師とする必要もなくなり、そこに代わって影響力を増した中国が今以上に入り込んでくる。

中国、巡視船30隻建造へ 尖閣意識か、5年以内
【北京共同】中国の通信社、中国新聞社電によると、中国国家海洋局幹部は11日、管轄海域での取り締まり能力を向上させるため、今後5年間で30隻の巡視船を建造する計画があると明らかにした。

…計画を明らかにしたのは海洋局南海分局の李立新局長。同局長は、中国は先進国と比べて管轄海域の単位面積当たりの巡視船数が少ないことを指摘。「中国の巡視船の数は日本の半分にも満たない」と述べ、巡視船の数を増やす必要性を訴えた。
今後も一過性の海上保安庁増強しか望めないのであれば、低下するのは警備能力だけではない。救難能力が低下した時、ひょっとしたら中国の言う太平洋分割案が現実になるのかもしれない。

『中国、太平洋の東西分割提案か』ワシントン・タイムズ記事全訳

それは海軍によるものではなく、米中SAR協定という形で現れる可能性がある。



すなわち能力の低下した海上保安庁にかわって中国当局(海事局か公安海警か漁政局か海監総隊かはわからない、もしかしたら統合された中国沿岸警備隊かもしれない)が、日米捜索救助協定に代わるものをアメリカと結ぶことになるだろう。海上保安庁は本当に「日本沿岸警備隊」となってしまうのだ。

軍事力にばかり注目していたのでは、いつの間にか外堀どころか内堀まで埋まってしまっていて、気づいた時には手遅れとなる。漁政や海監のレベルで日本がきちんと対応できないと、中国海軍が通る時には何の手出しもできない状況が整備されてしまっているのだ。




もちろん、アメリカが軍事的に重要な地域のSARを中国に任せるとは考えられない。中国にもその能力はない。

これらのことは上記のレスと同様の妄想にしか過ぎないだろう。



今のところは。
2010年10月12日 21時19分 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
| 西村眞悟 / 殉職者デマ / 中国国家海洋局・海監総隊・海事局・海警・海関・漁政 |
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