海保・海自がソマリア沖海賊対策でIMOから「勇敢賞」
どうも体の調子が悪いので、仕事を休んで病院にいきました・・・もしや、噂の新型インフルエンザなのではないかと・・・そうなれば、法律上も内規上も出勤してはいけないことになります。
で、発熱相談センターとやらに電話をかけると、二三回たらい回しされたあげく、結局直接病院へ行けということに・・・じゃあ、なんで「直接診療には行かずに必ず事前に電話連絡してください」なんて書いてあるんだよ!!
しかも2時間近く待合室で待たされた結果、簡易検査で反応なし。ただの風邪だった・・・?(先生によると罹り初めでまだ反応が出てないのかも、とも)なんか、感染リスクだけ高くしに行ったようなもんでは・・・orz とりあえず、連休中に治したいですね。みなさんも、体調管理はぜひお気をつけ下さい。
自分が風邪かインフルかよく分からない症状に悩まされている間も、更新すべきニュースが溜まっていました。
なんと、以前海賊に襲われ船長を人質に取られつつも米海軍特殊部隊SEALsによって無事開放された、コンテナ船「マースク・アラバマ」が再び海賊に襲撃されたというのです。
貨物船が海賊に応射、撃退 今春襲撃受けた同じ船 ソマリア沖 アフリカ東部、ソマリア沖で海賊対策に当たる欧州連合(EU)多国籍艦隊司令部は18日、米船籍のコンテナ貨物船マースク・アラバマが同国沖で海賊の襲撃を受けたものの船上の警備員が応射して追い払ったと述べた。
マースク・アラバマは今年4月、同じソマリア沖で海賊に襲われて一時乗っ取られ、船長が拉致されていたものの米海軍特殊部隊が作戦で救出する事件に遭遇していた。
18日の襲撃事件はソマリアから東部へ約648キロ離れたインド洋上で発生。海賊が発砲しながら接近したものの警備員が応射や大音響が出る装置などで反撃し、攻撃をかわしたという。民間警備会社の警備員とみられる。乗組員に負傷者はいなかった。同船はデンマークの船会社が運航している。
4月の事件で海賊は、船長を同船から引き離し、小型ボートに連行して拉致していたが、事件発生から5日後、海軍特殊部隊が急襲して海賊3人を射殺、1人を逮捕していた。 しかし、今回は違います。なんと民間の武装警備員が同乗しており、撃退に成功したのです。
IMOの公式見解(MSC86)では船員の非武装が定められていますが、保安要員に関しては旗国・沿岸国の規制に従うことを前提として完全に否定はされていません。また米国は船員の武装に関しても「旗国の判断によるべき」と主張していました。
さすがに、以前襲撃された以上、会社としては乗員・積荷・船体の安全を確保しなければならないので、何も対応しないわけには行かなかったのでしょう。それが、今回のLRADや警備員だったというわけです。
ただし、今回これでうまくいったからといって今後も同様だという保障があるわけではありません。以前乗っ取られた商船には警備員が同乗していたものも含まれています。
「マースク・アラバマ」が海賊撃退に成功した一方で、北朝鮮の船員が運航していたケミカルタンカーは・・・
セーシェル沖で海賊が化学タンカー乗っ取り、北朝鮮乗員28人 ソマリア沖で海賊対策に当たる欧州連合(EU)多国籍艦隊司令部は17日、アフリカ南東部のセーシェル沖合で16日、化学タンカーが海賊に襲撃されて乗っ取られ、北朝鮮乗組員28人が拉致されたと述べた。
現場は、セーシェルから北西へ約290キロ離れたインド洋上。タンカーはケニア・モンバサへ向かっていたが、乗っ取られた後、北部へ針路を転じたという。ソマリア沖合へ向かっているとみられる。搭載している物質は不明。
同司令部によると、このタンカーはMVテレサVIIIで、シンガポールを拠点にしているという。バージン諸島の企業所有とされるが、米領バージン諸島、英領バージン諸島のいずれなのかは不明。 以前、北朝鮮の船員が海賊の撃退に成功した例がありました。
過去記事:<北朝鮮>北貨物船がソマリア沖で海賊を撃退−中国報道
この撃退例をして、「北朝鮮船員は徴兵されて軍事訓練を受けているから海賊よりも強い」などという風潮が一部にありましたが、実際にはそうではなかったことになります。撃退の成功は、偶然の結果でしかないのです。
海賊の襲撃受けた北朝鮮の船長死亡、米貨物船は撃退に成功
ソマリアの海賊が北朝鮮タンカー乗っ取り、スペイン漁船は解放
海賊のほうも、一枚岩ではありません。つまるところ、所詮は犯罪者集団でしかないのです。
身代金得たソマリア海賊の間で銃撃戦、分配などで対立かソマリアの海賊と接触した地元記者が証言したもので、漁船の企業が支払ったとみられる身代金は約300万ユーロ(約4億円)。銃撃戦の詳しい原因は不明だが、分配などでの対立が起きた可能性がある。
銃撃戦はソマリア中央部の沿岸部にある海賊の拠点で発生、少なくとも2人が負傷したという。銃撃戦に加わった人数は明らかでない。 この事件では、スペイン海軍に捕らえられた海賊の一部がスペイン本国で訴追されています。
漁船乗っ取りのソマリア海賊2人を起訴、スペインの検察当局アフリカ東部ソマリア沖で今年10月2日起きた海賊によるスペイン漁船の乗っ取り事件で、マドリードの検察当局は16日、拘束していた海賊2人を誘拐、武装強盗など計36件の罪で訴追した。2人の本格審理は17日から始まる見通し。 (略)
事件発生の翌日、救出に駆けつけたスペイン海軍と空軍が、漁船を離れてソマリアに向かおうとしていた小型ボートを見つけて発砲、ボートに乗り込んで2人の身柄を拘束していた。2人はマドリードにその後、搬送されていた。
漁船の乗員は36人で、船体と共にソマリア沖で海賊が依然拘束している。スペインの地元メディアは、海賊側が乗組員を自由にする交換条件として容疑者2人の解放を要求しており、漁船の所属会社と乗員の家族は政府に対しこれに応じるよう求めていた。 派遣護衛艦に海上保安官を同乗させ、海賊を逮捕後に日本国内へ移送して裁判を行うようにしたことを批判した人が、派遣賛成・反対派両方にいましたが、本国での裁判の流れはいまや各国に広がりつつあります。もっとも、日本の場合、海自の運用的技術的法律的事情からいまだ海賊の身柄確保には至っておりませんが・・・。
韓国はNLLでの事案(大青海戦)に対処するために、いくらでも海軍艦艇を確保しておきたいところなんでしょうが、それでも海賊対処部隊(清海部隊)の交代を出しています。
韓国、 西海上で李舜臣艦を前進配備…警戒を強化
李舜臣艦級の駆逐艦、1隻また増派…北追加挑発に備え
清海部隊第3陣がソマリアへ 韓国の船舶を海賊から守るため、韓国海軍の清海部隊第3陣「忠武公・李舜臣(イ・スンシン)艦」(4400トン級)が20日午前、海軍作戦司令部釜山基地で家族らの見送りを受け、ソマリアに向け出航した。
ソマリアの海賊対処に積極的である中国は引き続き、個別部隊の護衛からエリア分担方式への移行を主張していくようです。
中国、ソマリア海域での船舶護送を強調 中国の劉振民国連次席大使は18日、ソマリア問題についての安保理会議で、「海賊による襲撃事件を効果的に防止するため、中国政府は船舶護送に参加する各国艦隊の区間を分けての任務執行を提案する」と述べました。 現在、CTF151やECアタランタ作戦艦隊、ロシア、日本など連携協力しつつも個別に行われている海賊対処をもっと連携させようという提案です。当然ながら、各個で船団護衛するよりも区域で警備するので効率は上がりますし、各国の対応によりより外洋に進出するようになった海賊にも対処できるわけです。しかし、各国とも安全保障上・政治上・運用上の事情があるので実現は難しいでしょう。
とはいえ、今回の海賊対処に参加している各国がIMOから賞を与えられることになりました。それだけ評価しているということなんでしょうか?オバマ大統領のノーベル平和賞のように実現には程遠いが将来に期待、ということではないと思いますが・・・。
国際海事機関:海自部隊に勇敢賞 ソマリア沖海賊対策で 東アフリカ・ソマリア沖の海賊対策に派遣されている海上自衛隊の部隊に対し、国際海事機関(IMO)から「勇敢賞」が贈られることが20日、決まった。同賞は海洋で危険をかえりみず任務を果たした個人・団体をIMOが毎年表彰しているもので、今回は米国、中国など22カ国の部隊との同時受賞となる。 なぜか、日本の報道では全く触れられていませんが、海自部隊に同行している海上保安庁の派遣捜査隊も受賞します。
海上保安庁ソマリア周辺海域派遣捜査隊「IMO勇敢賞(特別賞)」を受賞します IMOでは、IMO総会開催にあわせ、ソマリア沖海賊対策のため派遣されている各国の軍艦(乗組員等を含む。)に対し、海賊行為に対して適切に対応したとして、「IMO勇敢賞(特別賞)」を授与することにしました(我が国以外、米国、カナダ、ロシア等、計22カ国が受賞予定)。
我が国では、護衛艦「さざなみ」、「さみだれ」(平成21年3月14日から8月16日まで派遣)に乗艦していた海上自衛隊員とともに、ソマリア周辺海域派遣捜査隊(1次隊)の海上保安官が表彰対象となっています。
表彰式典は、IMO総会会期中の平成21年11月23日、ロンドンのIMO本部で開催される予定です。
「IMO勇敢賞(特別賞)」
○ IMOでは、平成18年(2006年)、海事関係での勇敢な行為に対して、「IMO勇敢賞」を授与することを決定しました。平成19年(2007年)に9件、平成20年(2008年)に7件、表彰されていますが、いずれも海難救助等の事案となっています。
○ 平成21年は、上記の特別賞「Special Certificates for Exceptional Services Rendered to shipping and Mankind」以外に、海難救助等に功績のあった7件の表彰が行われる予定です。 しかし、重要なのは今回受賞する日本や22カ国の国々ではなく、現地のソマリアや周辺国です。東南アジア・マラッカ海峡では沿岸国の沿岸警備能力が向上し協力体制が敷かれたことで海賊の発生時案がかなり減りました。
とはいえ、海賊そのものがなくなったわけではありません。
海賊が襲撃未遂=日正汽船のタンカー−インドネシア沖インドネシア・アナンバス諸島付近の南シナ海で19日午前1時20分(日本時間同2時20分)ごろ、川崎港からシンガポールへ軽油を積んで航行していた日正汽船(本社東京)管理のタンカー「ハイ・エナジー」(パナマ船籍、4万6874重量トン)に、ナイフなどで武装した7人組の海賊が甲板上に侵入する事件があった。
アジア海賊対策地域協力協定(ReCAAP)情報共有センター(本部シンガポール)と国土交通省によると、7人は施錠された船の居住部分には侵入できず、船員が警報を鳴らすと小型漁船に乗り移って逃げた。エンジン保守担当の日本人1人を含む乗員ら23人にけがはなかった。ハイ・エナジーは同日、シンガポールに入港した。 人間社会がある以上、犯罪がなくなることはありません。海賊もその犯罪のひとつです。しかし、発生数や凶悪性を減らすことはできるのです。今回の南シナ海の事件はある意味、対策や協定(ReCAAP)が機能しているということになるのかもしれません。以前は、この程度の事件であれば通報されることすら珍しかったのです。
今回は、体調不良のため一時更新が滞ってしまいました。ネタはたくさんあるのですが・・・。本格更新およびコメント返事はしばらくお待ちください。
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2009年11月21日 17時36分
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