【緊急】「しきしま改」型遠洋巡視船2隻の建造か【臨時】
遠洋型巡視船2隻の建造計画内定=海賊対処、船舶検査に活用−海保
海賊対処法や貨物検査法案で、海賊対応や北朝鮮船への船舶検査が一義的に海上保安庁の役割となったことを受け、同庁は7日までに、航続距離が長く、遠洋での長期活動が可能な「しきしま」級巡視船を新たに2隻建造する計画を内定した。
建造費は1隻約350億円、完成までに約4年かかる。来年度の概算要求には、1隻分建造の着手費用を盛り込む方針。同庁は遠洋での海賊対策や船舶検査のほか、沖縄・尖閣諸島を含む領海周辺警備などへの活用が期待できるとしている。
海賊対策は伝統的に警察機関に当たる同庁が行ってきたが、遠洋での長期活動が可能で、重武装の海賊船に対処可能な巡視船は、フランスからのプルトニウム輸送船警備のため17年前に完成した「しきしま」1隻だけ。
このため、ソマリア沖の海賊対策は海上自衛隊が主体となって活動している経緯がある。
同庁によると、ソマリア沖のような遠洋での海賊対応を1年間続けると、少なくとも2隻1組体制で3組が必要という。その場合、同庁関係予算の規模を大きく超える上、通常型巡視船の倍程度の乗組員確保も必至となる。
同庁は2隻の建造に絞り、船舶検査のほか、領海周辺警備などにも有効活用することを念頭に予算要求をするとしている。
・・・で、在来型PLHの代替は?
しかし、当ブログの予想がうれしい形で裏切られましたね。
海保は海賊対策のためだけの巡視船を作らない。
「予算要求しない」というのは2009年度補正予算に限っては、という意味でしたか・・・。記事の内容によれば海賊対策だけでなく船舶検査や周辺海域警備に活用とのこと。名目上は理解が得られやすい「海賊対策」にして、老朽化したPLHの代替を狙っているのかもしれません。というか、どちらにせよ何隻か巡視船を潰さない限り乗員の確保ができないでしょうし。
「海賊対策を海自に奪われた恨みだ!醜い対抗心だ!」などと考えている人もいるかもしれませんが、予算を取りやすいものを名目とするのはよくあることで。たいてい海保では大きな予算はそういった形で要求します。
プルトニウム護衛や不審船対策の例はもちろんのこと、阪神大震災後には災害対応型として「いず」「みうら」が建造されましたが、それらの巡視船は名目上だけでなく多様な海保の任務についています。特定の任務のために建造された巡視船が多用途化というか通常の警備救難業務に対応した具体例としては、遠洋海難対策で当初は非武装だった旧「いず」がのちに武器を搭載したことや、不審船対策で高速特殊警備船として建造された「つるぎ」型が救難資機材を後日搭載したことなどがあります。
むしろ、今回は「海賊対策」としておいてもソマリア沖まで派遣されることはないかもしれませんw
しかし、海保内で計画が内定したからといっても安心できません。まず本省で枠が取れるかどうか。以前、海保は独自に整備計画を発表して大蔵省と本省からこっぴどく叱られたことがあります(結局予算の裏づけが取れず実現しなかった。世界の艦船2005.5月号NO.642より)。また、現在老朽船が多くなってしまった理由に200海里時代を迎えた新海洋秩序対策で大量に巡視船が建造されたことがありますが、そのときも決して順調に予算が獲得できたわけではありませんでした。
朝日新聞 1977年(昭和52年)1月13日夕刊10面
「200カイリ」にも冷淡
巡視船など体制整備費 軒並みゼロ査定
二百カイリ時代に備える”海の守り”の予算要求はバッサリ削られ、たった二割が認められただけ――十三日内示された五十二年度予算大蔵原案は、漁民をはじめ台所の主婦までが心配している二百カイリ時代にいとも冷淡に対応。海上保安庁が要求していた新海洋秩序体制整備の巡視船や飛行機の増強を次々にゼロ査定。自衛隊の次期主力戦闘機F15一機分にも及ばない、総額で七十二億円のささやかともいえる要求額は、十五億円足らずの内示が出されただけだった。
海上保安庁は仰天(略)
ゼロ査定にあったのは、この五本の柱のうちでも目玉とされていたヘリ積載巡視船の建造とYS11機購入。また、高速巡視船は一隻だけ(配置先根室)、ヘリも一機だけ(配置先美保)。海図も一万分の一が三・五ヵ所、五万分の一は一ヵ所にとどまった。
海上保安庁は内示の内容に仰天。「こんなことじゃあ二百カイリ時代に責任をもてない」(薗村長官)と信じられない顔。
大蔵省側は「二百カイリの問題にある程度対応しなければならないとは思うが、財源も乏しいおりだから。これでやれるとおもいますよ」と突き放している。
(略)
大蔵省は「二百カイリ時代の見通しがまだはっきりしないし」と他人事の顔をしている。 その後、どうにもならなくなって一挙建造、そのせいで現在も海保は苦しんでいるのはご存知のとおりです。「しきしま」の場合は橋本氏の後押し、現在の大規模更新は本省(会計など)に影響力のある方がここ最近長官になられていることが大きいため、海保本来の予算からは異例なのです。
また、本省や財務の承認を得る前の計画段階でもうまくいかないことは多数あります。
当初「そうや」は後の「みずほ」型と同じく、いやそれ以上の7000トン級大型ヘリ2機搭載型として計画されていましたが、庁内で検討された結果ヘリは中型1機、強制着船装置や航法支援施設もカットされてしまいました。
最近の例では、工作船対策の高速機動船団は当初、構成される巡視船のうち「あそ」型が2隻だったのが1隻に、船団の配備そのものも太平洋側はカットされています。「ひだ」型も当初設計から全長が短くされたとのこと。後に「はてるま」型となる「拠点機能強化型」」も当初は3000トン超で20メートル搭載艇を複数積む予定でしたが、1000トン級の汎用巡視船になってしまっています。
今回も後に計画が検討されたり、財務省の査定によって予算や規模が圧縮される可能性も捨て切れません。まぁ、最悪ゼロ査定、運がよければ「みずほ」クラス、通常のPLHクラスになったとしても御の字といったところではないでしょうか。「そうや」の近代化費用は予算が認められているので「つがる」以降のPLH代替になるかもしれません。先にも書きましたが純増はちょっと難しいような気がします。まぁ、PLHではなく旧式PL数隻を生贄とする方法もありますが、その場合でも航空科の基幹要員は基地やほかのPLHから抽出しなければ・・・。
記事に「しきしま」級と書かれているせいで勘違いしやすいのですが、「型」ではなく「級」というところに注目してください。あくまで同クラスであって同タイプとは書かれていません。
もっとも海保では「どうみても新型です。ありがとうございました」というような船でも同型と言い張る癖がありますw
「そうや」から「せっつ」まではほぼ連続して建造されましたが、「えちご」では5年の開き、「りゅうきゅう」「だいせん」では10年の開きがあるため、後者に至ってはまったくの新型といっても過言ではなく(実際、設計レベルで異なる)、海外の艦艇年鑑では別の分類になっていることもあります。
建造費用からも「しきしま」型とまったくの同型になるようには思えません。「しきしま」の建造費は152億円(当時)。今回は350億円。これは長官が新型建造を否定した際に国会で証言した価格そのままです。そのときは野党からの追求を逃れるために吹っかけたのではないかと考えていました。物価や価格上昇を考慮に入れ、現在採用されているFCS40mmや30mm、RFS20mmなどの武器を搭載するとしても価格差が大きい気がします。
「しきしま」はプルトニウム護衛のために急遽建造された側面があり、軍艦構造が採用されているとはいえ「みずほ」型の設計を基本的に踏襲しています(乗員の訓練も主機が同じ「みずほ」型で行われた)。今回は「しきしま」以降に発生した事案を考慮し設計も徹底的に改められるのではないでしょうか。まさか、本気でソマリアに行って各国海軍と連携するためにデータリンク装置を搭載するつもりということは・・・・?対空レーダーがOPS-14からOPS-24になったり?
まぁ、電装系は最近コルベットやOPV向けの手頃感があるものも海外には多いので敢えて国産にこだわる必要はないでしょう。
ひょっとして、「ひだ」を大型化したデザインで50ノット+のウォータージェット推進とかいう化け物を生み出してしまうんじゃあ・・・
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2009年7月7日 21時48分
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自分はしきしま型大型重武装巡視船を2隻建造するのなら在来型の巡視船を数隻建造した方が良いと思うのですが…
それに乗員の確保も課題になりますし。
海保も海自(ひゅうがとか)同様に大型装備品の優先調達に方針転換したのでしょうか?
お隣の半島南部国なんか海保に対抗して、海警にしきしま級の大型重武装巡視船(既存の某大型巡視船のバージョンアップ)を建造するんじゃないですか?(苦笑)
17年前と同じ?350億円で「しきしま」と同じものが建造できるのかやや疑問もありますが。
「ソマリア海賊対策」を名目に「つがる」型PLHの(拡大改良型)後継、特に船齢30年を過ぎてる初期型「つがる」「おおすみ」の代船建造だけでも目論んでいるってことはないでしょうかね?
公称船型は「ヘリコプター1機搭載型」のままで、格納庫面積に余裕持たせていざという時は2機搭載可能、みたいな(^_^)。
>PLH新造2隻
予算案が実際に国会を通過するまではニンともカンとも。
現段階では「海保のお買い物リスト」以上のものではありませんな。
>約350億円
これが2機搭載型の予算と仮定するならば、このうちおよそ50億円は搭載機の購入費用になるでしょう。
(EC225が1機約25億円)
それにしても船体ドンガラで300億はふっかけ過ぎのような気も・・・
海保最新鋭の2000トン型で約80億円ですから・・・一体どんだけ装備に金かけるつもりなのかと。
(それにしたってDDの半分以下ですが)
ぶっちゃけ対空レーダーはいらんやろ?
>しきしま改
「しきしま」の数ある特徴のうち、どれを生かしてどれを殺すか、その取捨選択により船型も大きく変わると思います。
今以上の高速航行性能を求めるなら、代償としてその長大な航続距離については諦めなければならないでしょうし。
チープキル対策で装甲を強化しようとすれば、モロに速力と航続力に跳ね返りますし。
まあ、「しきしま」の事は綺麗サッパリ忘れて、要求性能の策定など一から積み上げるほうが、良い船ができると思います(当たり前の話ですが)。
>化け物
・・・最近の新造船艇は皆化け物だと思いますw
特に不審船対策ユニットあたりは。
・・・ただ、頭のネジがかなりぶっ飛んでる(褒め言葉)海保のことなので、そんな私の認識をあざ笑うかのような「モンスター」を送り出してくる可能性も捨てきれないw
ガンガレ!超ガンガレ!(これが言いたかった)
まあ、PLH2隻をこの時期ぶち上げたというのは、「東南アジア海賊対策ローテーション等でPLHの運用は崖っぷちだぜ!」と言いたいのかなぁと。
そうでなければ汎用巡視船を差し置いてPLHというのは理解できません。
@方針転換
それほど大げさなものではないと思いますが、やむにやまれず、というトコロではないでしょうか。
言い方を変えれば、海保が本土近海でのんびりとしていられた時代は終わったのかもしれないです(誰だってよそ様の庭先にまで行って出しゃばりたくはないでしょう)。
・比較的大型の機銃
・対空レーダー、データリンク等の電装品
・軍艦構造
・高速度性能
どうみても米海軍のLittoral combat shipです。ありがとうございました。
まあPLHの純増とはいかなくても「つがる」型の老朽化したやつを更新できれば御の字じゃないでしょうか。
これで「大型化と高速性の両立のために3胴型船体とガスタービン推進を採用!」とか出てきたらそれはそれで大興奮なんですけどね。
PCが壊れた上に出張に出る羽目に…
@しきしま改
さて海技研の中の人がどんな設計をしてくるかにもよりますが…ステーション的な役割を期待しているんならカタマラン(双胴船形)もアリだと思いますがね。
@電装系
本当に「お手ごろ価格」で済ませてくれるのでしょうか?