2013年10月16日(水)
マスメディアを越えて読まれているアメリカの「政治ブログ」。
アメリカで「政治ニュースは何で見ていますか?」と質問すると、「ブログです」との答えが多いことはご存知でしょうか?

アメリカには、大手メディアのニュースサイトよりも人気があるとされている「政治ブログ」がたくさんあります。

先日紹介したデイリー・コスもその1つですが、今日は「個」が強調された人気ブログ、THE DISHを紹介します。

このブログの筆者は、アンドリュー・サリバンというイギリス出身でハーバード大学博士号を持つブロガーです。

彼は基本的に保守よりの政治スタンスをとっていますが、軍国主義的な右翼思想とは違い、ケースバイケースで共和党支持になったり、民主党支持に傾いたり、時には左翼系の人を支持するなど、さまざまな傾向が見られます。

言うなれば、彼のブログを読むと、アメリカ政治の右から左までを網羅できてしまうし、彼の言葉で、彼の息づかいで楽しく政治を読めるというのが1つの魅力のようです。

「ブログ」と言うと、日本では「日記」の意味合いがまだ強く、インターネットの媒体であるということもあり、信頼性に欠けるのではないか、と思う方も多いかもしれません。

ところがアメリカでは、サリバンのブログがあまりに支持されているせいか、ハーバード大行政大学院の学部長をつとめるスティーヴン・ウォルトが、自身が書くアメリカの有名な外交誌『フォーリン・ポリシー』のブログで、「私もサリバンのようなブログが書けたらな」と羨望のコメントをよせたというような話もあり、アメリカ社会に一定の影響力を持っていると言っても過言ではないようです。

サリバンの魅力は他にもあります。

彼はカトリック教徒でありながら、ゲイで、かつHIVポジティブということを明かしています。

カトリック信者で同姓愛者というのは、かなり異端的。キリスト教徒の多いアメリカでは、かなり変わった人だなという印象を持つ人も多いでしょう。

けれども、サリバンは私的でデリケートな自分のプライベートを隠すことなく公表しています。その潔さも、彼の魅力なのかもしれません。

彼の潔さは文章にも表れています。当初、サリバンはブッシュJr.が始めたイラク戦争に大賛成していました。しかし、イラクに大量破壊兵器はなく、開戦理由が矛盾に満ちたものであったこと、米軍によるイラク人兵士への拷問なども明らかになると、戦争は誤りだったと認めます。

そして次の大統領選ではオバマを支持。誤りを認め、なぜ自分は誤ったのか、徹底的に分析し、検証していく姿勢も彼の魅力なのです。また、ハーバード卒というだけあって、その文章も知性にあふれたものとなっています。

ここでやっと本題(?)です。前半で私は、サリバンのブログは「個」が強調されていると書きました。日本にも政治ブログはありますが、アメリカのそれと決定的に違うのは「個」が「実名」か「匿名」か、というところに大きな違いがあります。

日本にも秀逸な政治、社会派系のブログはたくさんありますが、匿名のものが多い印象を持たれる方も多いのではないでしょうか。それはTwitterなどにも表れています。日本では、インターネット空間において、自分ではない誰かになるから、自由に自分の思うことを発言できる、という考えが強いように思います。

実名では思うように自分の思いの丈をぶつけられないと。これが民族的なものなのか、国民性というようなものなのか、私にもよく分からないのですが、「個」を出すことを敬遠する傾向が、日本人にはあるようです。

引用元:日刊IWJガイド 2013.10.13日号 〜No.398号〜
(2013.10.13 11時10分)

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