民主党代表選は、官僚群団にとっては痛しかゆし。
昨日の菅・小沢共同記者会見と今日の2時間超の二人の公開討論会ライブ(於日本記者クラブ)をテレビで見て、二つのことを感じた。
ライブ放送を見た結果として小沢さんを見る目がかなり変わった。CMが入らず、放送局が切り貼りで、意図的な編集が出来ない生放送は、従来の自分が持ってきた(従来の記者クラブ系メディア経由で)印象をかなり変えた。
感じた二つとは、記者クラブ系メディアの反小沢の姿勢の露骨さと、小沢一郎と言う政治家が、反官僚、脱官僚の思いをますます強固にしている、ということだ。
こんどの民主党の代表選は、その進め方そのものが従来の自民党のやり方と根本的に違っている。こんな「くにたみの目」の前で、官僚政治の実態を長時間、あらわにされたくない勢力にとっては、全くもって面白くない状況になってしまった。
田中角栄元首相は、これはと目をつけた優秀な官僚たち自身の誕生日とその家族の誕生日を控えておき、また家族の慶事などの情報を逐一集めて、都度 お祝いを贈っていた。官僚も、時の首相から個人的なお祝いだと言われた贈り物を断るのは、とても出来ないことだから受け取っていた。
(贈り物とはそのものズバリのモノだったらしい。)
田中角栄の若き参謀であり親衛隊の若侍、小沢一郎は、その全貌を目の前で見て全てを知っている。そんなことも含めて、官僚との話合い、取引のなかで、官僚の自分たちの利益のためだけの国家操縦のあらましを小沢一郎は知った。
そして彼はいま、それを変えなければ日本が世界の中で、国家として成り立たない状況に置かれていると思っている。
選挙の洗礼を受けない官僚が日本をコントロールするのではなく、くにたみの選挙で選ばれた政治家が、くにたみの利益のために日本を動かす仕組みを作ろうとしている。
そのことは自民党時代の大臣のように、当選回数で順番に決まる「双六の上がり」のポストで、実質名誉職では大臣は勤まらないということを意味している。つまり官僚が脚本を書き、演技指導をして、政治家はお神輿に担がれてうまく踊っていれば大臣や政務次官などの職が勤まった時代はもう終わったと。
いま、確かにどんな先進国でもそんなことで大臣が選ばれる余裕はない。
今も官僚のトップ人事を握っている主要省庁のOBたちにとって、
若き日の(人に知られたくない)田中角栄との馴れ合いのあれこれを知っている「小沢一郎」、官僚主導の国家運営の裏と表を熟知している「小沢一郎」は出来るだけ早く、政界から消えて欲しい。
彼ら官僚は官僚軍団を守る先き手である検察と、世論誘導の道具である記者クラブ系メデイア(いずれも上層部の殆どは東大法学部出身者が押さえている)を使って、ここ1年以上小沢一郎追い落としの画策を続けてきた。
今日の公開討論会で、大手マスコミの4人の記者の代表質問を聞いて確信したが、4人は民主党内部の内輪もめを煽り、使い古しのカネの問題を持ち出し揺さぶりをかけるだけで、彼ら記者たちに国民(くにたみ)の視点、立ち位置で、二人の候補者に、この国をどう持っていこうとしているのかの核心的、本質的な質問は一切なかった。
質問はある意味受ける方も回答で裸になるが、質問者も同じくその発する質問で、その志や意図がむき出しに現れる。
やはり政治家とメディアは時に公開の場でライブで応答を交わすことでお互い切磋琢磨して欲しい。ヨーロッパやアメリカではとっくにそんなことはあたりまえになされている。
小沢一郎は今回立たなければ、これまでの彼の改革の思いは、闇に消えてしまう。そして政治家としての実質的な存在はなくなり、あとはゾンビとして議会の席で投票マシーンになるだけだ。
麻生さんや福田さんや安倍さんのように。
テレビで見る彼の態度と語りは、不思議な余裕を漂わせていた。演説ではない彼の喋り口をはじめて聞いたが、ヘンに力んだ物言いが消え、いい間合いの喋りで自分の思いを語っていた。
さすが大舞台も田舎芝居も、あらゆる場所で興行をうってきた大看板の貫禄があった。
代表選の結果はわからないが、このようなライブでのやりとりは二人のどちらが首相になるにしても、官僚軍団にとっては、いろんなことが表に出てしまい、うっとおしい試みだろう。それだけでもこの代表選は大いに意味がある。
これから2週間、官僚軍団の御用新聞がこの二人についてどう報道していくのか、大手新聞やテレビの記者クラブ系マスコミのスピンコントロール(情報操作)報道の推移を見ていくのも岡目八目の楽しみの一つだ。
菅さんも厚生大臣の時、厚生省の役人が平然と薬害エイズ問題のファイルは廃却したとしていたのを、粘り強い活動で、彼らが隠していた資料を提出させた。彼も前の与党の政治家ではとうていできなかった大臣の本来の仕事をしてきた。
どちらが代表になり、首相になるとしても、多少その手段方法は違っても「官僚国家日本」から「くにたみ国家日本」への転換は後戻りしないだろうと思ってテレビを見終わった。
これも政権交代があったからこそ、日本の政治も今の段階に入ることが出来たと思う。
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2010年9月2日
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