【問1】以下の属性は何を示すか。
1.規則万能
2.責任回避・自己保身
3.秘密主義
4.画一的傾向
5.権威主義的傾向
6.繁文縟礼(はんぶんじょくれい)
7.セクショナリズム
「繁文縟礼」とは、「規則が細かすぎ、煩雑な手続きが多く、非常に非能率的な状況を指す」そうである。
答えは、近代官僚制のマイナスの側面である。ウィキペディア(Wikipedia)によれば、これはアメリカの社会学者ロバート・キング・マートン(Robert King Merton, 1910 - 2003)によって指摘されたものだそうである。これに従えば、現在のうちの会社の管理部門の状況は、まさしく官僚主義的である。したがって、私には他人事ではないのだ。
【問2】新規株式公開(IPO)のデメリットとは何か。
答えは、以下の諸点である。
1.情報開示のためのコストが掛かる
2.株主へのサービスコストが増加する(事務手続き、情報開示等)
3.株主からの継続的な成長に対するプレッシャー
4.所有権の拡散による経営陣の経営支配の希薄化
私はアメリカの子会社で働いていたこともあるので、そこでの内部統制の状況も解っていた。だから、「上場準備室」のようなところで上場準備に参画していた時も、「こんな状態で上場して大丈夫だろうか」という思いを常に抱いてきた。しかも、上場とほぼ同時に「ISO 9001」の認証取得も行なった。案の定、社内では今、直接的、間接的なコストが増大する一方で、上場に伴うメリットは従業員に還元されていない。稟議決裁事項が増え、新しい書式が次から次へと生まれ、意思決定に時間が掛かる。それに輪をかけているのが、大企業からの転職者、転籍者たちである。
彼らは、うちの会社の歴史や社風に関係なく、今までの意識を持ち込んで来て「大企業病」を蔓延させるのだ。したがって、【問1】のような官僚主義がはびこり、総務部は今や完全に機能不全に陥っている。経理部と総務部がある本社事務所で、衛生管理者や防火管理者を担当すべきなのは総務部であることは、火を見るより明らかである。
そういう世間の常識さえ通じず、こともあろうか内部監査室で衛生管理者や防火管理者の役目を担わす会社の姿勢は、無理をして上場した「付け」が回ってきていることを表わしている。経営姿勢が、現実に立脚しない、建前論中心の、形だけを求めるような方向に進んでいるのだ。
だから、私はソヴィエト連邦の官僚主義的独裁制を他人事とは思えない。特に創造性が必要とされる芸術の分野で、芸術家たちが受けた制約を考えると、人類が被った損失の大きさは想像を絶する。
アルヴォ・ペルト(Arvo Pärt, 1935 - )の祖国エストニアも、1918年2月24日に独立を宣言したものの、1940年にはソヴィエト連邦に占領され、ナチス・ドイツの支配を経て第二次世界大戦後は再びソヴィエト連邦に占領された。このディスクには、そんなエストニアの作曲家ペルトが1960年代〜1970年代初頭にかけて作った曲が収められている。収録曲は以下の通り。
1.チェロ協奏曲「賛と否」(1966年)
2.ペルペトゥム・モビレ(1963年)
3.交響曲第1番(1964年)
4.交響曲第2番(1966年)
5.交響曲第3番(1971年)
ここには、「永遠の静寂」とでも表現されるような現在のペルトとは違った激情の爆発がある。特に1960年代に作曲された曲には、静寂と喧騒、協和音と不協和音が混在し、国家との軋轢と立ち向かいながらも、懸命に新古典主義、十二音技法、ミュジック・セリエルなどの前衛的技法を取り入れている「孤高の作曲家」の姿がある。
1971年の交響曲第3番に到って、漸く調性感のある音楽に回帰するが、ソ連政府当局から睨まれていたことに変りはない。これらの作品群は、やがてグレゴリオ聖歌からルネサンスのポリフォニー音楽を始めとする古楽を通して現在の作風を確立するまでの、試行錯誤の時期の作品群であると言ってよかろう。
同じくエストニア出身のネーメ・ヤルヴィ(Neeme Järvi, 1937 - )がバンベルク交響楽団を指揮したこのディスクの演奏は、官僚主義的独裁制の下での創造的活動の軌跡として歴史に刻み込まれて然るべきである。
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2009-02-21 22:20
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アルヴォ・ペルト /
現代音楽について |
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ヒリヤード・アンサンブル(THE HILLIARD ENSEMBLE)の歌唱による「ヨハネ受難曲」と聴くと、誰しも古楽の演奏を期待するに違いない。しかし、このディスクの作曲者はアルヴォ・ペルト(Arvo Pärt, 1935 - )である。作曲されたのは、1982年。分類すれば「現代音楽」ということになろう。
実際、私が最初にペルトに出会ったのは、十二音技法やミュジック・セリエルの影響下にあった頃の作品を通してであった。耳をつんざくような大音響の不協和音に、思わずオーディオ装置のヴォリュームを絞ったことを覚えている。
彼の生まれた頃のエストニアは、独立共和国であったが、1940年の独ソ不可侵条約によって実質的にソヴィエト連邦の影響下に置かれ、その後、半世紀以上もソヴィエト連邦の一部に組み込まれていた。したがって、彼の1960年代の音楽が当局から白い目で見られていたことは事実であろう。
70年代の沈黙を経て、1980年に彼はソヴィエトを離れウィーンに移住し、オーストリアに帰化した。その後、ベルリンでも暮らしているそうである。おそらく、この70年代が彼の転換期であったのだろう。彼は後に、次のように語っているそうである。
「(グレゴリオ聖歌から学んだのは)宇宙の神秘は2、3の音符を組み合わせるわざに隠されているということです。(十二音主義の)音符の間の不毛な平等性が、生き生きとした感情を殺してしまっているのです。」
まさに、この曲は彼の言葉を示すような「先祖がえり」とでもいうべき作品である。テキストにはラテン語の聖書が用いられ、切り詰められた編成で音楽が粛々と進行していく。楽器は、ヴァイオリン、チェロ、オーボエ、ファゴットが一つづつであり、オルガンが伴奏を奏でる。極端な感情の起伏はなく、全体を包む雰囲気は「ほの暗い」といった印象である。しかし、解説書によればこれは短調ではなく、エオリア旋法かフリギア旋法によるものだそうである。
また、エヴァンゲリスト(福音史家)が合唱で歌われていたり、それに楽器が美しい装飾を施したり、私が今まで聴いた受難曲とは異なっている点が多い。一番最後の合唱「私たちのために苦しみを受けられた御方、私たちを憐れんで下さいアーメン」だけが、光明が射したように明るくなるのが印象に残った。
なお、このテキストには“Ecce Homo”というピラトの言葉が出てくる。イエスが茨の冠をかぶり、深紅のマントをまとって登場する場面である。ニーチェの「この人を見よ」を思い出した。ただし、この演奏では“Ecce”を「エッチェ」と発音している。そうかといって、全体が「イタリア(教会)式」発音で統一されているわけでもないのが不思議なところである。
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2008-06-16 20:17
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アルヴォ・ペルト /
現代音楽について |
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今日ご紹介するのは、4人の作曲家による「テ・デウム」を集めたCDである。その4人というのが変わっていて、マルカントワーヌ・シャルパンティエ(1634 - 1704)、ウォルフガング・モーツァルト(1756 - 1791)、ジュゼッペ・ヴェルディ(1813 - 1901)そしてアルヴォ・ペルト(1935 - )である。指揮はチョン・ミュンフン、演奏はサンタ・チェチーリア国立アカデミー管弦楽団&合唱団他である。実にバロック期から現代までの作曲家4人の「テ・デウム」を1枚のディスクに収めているのである。「テ・デウム」であるから、皆同じラテン語の歌詞である。
そして、この中での圧巻はなんといってもペルトのものである。1984/1985年に作曲され、1992年に改訂されており、演奏時間は33分16秒である。これが現代音楽か、と思うような静謐な信仰心に裏付けられた曲である。もちろん、ただ、静かなだけではなく音楽の起伏は大きいが、それがあくまでも自然な心の動きのように感じられる。
現代音楽というと、私は1970年の大阪万博で観たシュトックハウゼンの電子音楽とパーカッションのための音楽のようなものをすぐ想像してしまうのであるが、こういう現代音楽もあったのかと、改めて感心した。もちろん、ペルトを聴くのは初めてではない。しかし、この曲が一番印象に残っている。
一方、一番古いシャルパンティエのものは、ヴァルター・コルネーダー改訂版を使っている。これはこれで、実に躍動感溢れるいい演奏だと思う。ただし、決してクリスティのような演奏を期待してはいけない。
そして、私は指揮者のチョン・ミュンフンにも、畏敬の念を抱かざるを得ない。彼の演奏を聴くのも初めてではなく、BISレーベルから出ていた、ニールセンの交響曲第3番での彼の演奏が素晴らしかったことを今でも覚えている。これだけのレパートリーをこなせる指揮者は、それほど沢山いるわけではない。実に凄い指揮者である。
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2007-09-03 21:45
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シャルパンティエを聴く /
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