2008年03月22日(土)
ルネ・クレマンシック〜その2
3月18日にご紹介したルネ・クレマンシックのディスクが大変印象に残ったので、今日も彼とクレマンシック・コンソートによるギヨーム・デュファイ(Guillaume Dufay 1400? - 1474)の演奏を聴いてみた。これもオケゲムの場合と同様に、“Cathedral Sounds”と題されており、この前述べたようにクレマンシックの「再創造」の様相を呈している。

まず、ブクスハイマー(Buxheimer、この人については詳細がわからず)のオルガン曲が「序曲」のように演奏され、次いで“Gaude virgo, mater Christi”、“Magnificat”と続くがこれらの曲は完全なア・カペラではない。そしてまた、ブクスハイマーのオルガン曲が入り、声楽曲が次に出てくる。基本的にはこの繰り返しである。ただ、曲によっては声楽にオルガンやツィンク(Zink:コルネットのこと。イタリア語で cornetto、フランス語で cornet à bouquin)が伴奏をしている。

そして、最後はブクスハイマーの“Se la phase pale”がオルガンで演奏され、Gloria、Credo と続いて最後を締めくくる。この Gloria、Credo のセットは1420年〜1440年の間に作曲されたと推測されるが、このように不完全な形で残されたミサ曲は当時の慣行からすると珍しいそうである。

なお、クレド(Credo)の最後に以下のようなトロープス(TROPUS)が付け加えられている。

Dic Maria, quid fecisti
postquem Jesum amisisti?
Matrem Flentem sociavi,
quam ad domum reportavi
et in terram me prostravi
et utrumque deploravi.
O Maria, noli flere,
iam surrexit Christus vere.
Amen.

教えてください、マリア様、
イエス様を失った今、誰がその後を引き受けるのか。
建物が再建されるまで
誰が嘆き悲しむ御母と、悲しみを分かち合い
地上にて倒れ臥した私や
失望した人々を支えてくれるのか。
マリア様、どうか泣くのをお止め下さい。
まことの救世主として
お立ち上がりください。
アーメン。

(翻訳は私がしたので、間違いがあればご指摘下さい。)

いずれにしても、このディスクはクレマンシックの一個の「作品」と化しており、各々の曲が分かちがたく結び付いている。ただ、私はこれよりも前に Cantica Symphonia による“Missa Ave regina celorum”を聴いているので(2007年9月2日)、女声が加わっていないことに多少不満を感じた。

2008-03-22 15:38 | 記事へ | コメント(0) | トラックバック(0) |
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